2001年7月10日

古本屋探検


浪人時代だったかなぁ、当時住んでいた家の近所に古本屋さんができました。勉強することが使命であった当時は、ぼくが一番濫読していた時代でもありました。庄司薫氏の作品は言うに及ばず、岩波文庫の白帯とか、青帯にはじまり、シャーロック・ホームズやアルセーヌ・ルパン、赤毛のアンやら何やかや、昼間、サッカーしてる以外は、勉強もせずに本を読んでいました。

文庫が中心でしたけど、それでもお小遣いが足りない、そんな時代に開店した古本屋さんは、いっきにぼくのなじみの店になりました。文庫1冊50円くらいだったと記憶してます。岩波文庫の星ひとつが50円の時代だからもっと安かったかもしれませんね。岩波の寺田寅彦全集なんかもこの時期に買ったものです。

新刊書のにおいと、古本屋さんのにおいって違うんですよ。新刊書を置いてある本屋さんは、新しい紙のにおいとインクのにおいが入り混じった、なにかワクワクさせるような感じ。本がこっちを見て「買って、買って」と言ってるんです。ところが古本屋さんは、当然かび臭い感じで、古本たちは逆にツンとすましているような感じがします。

最近、古本屋に行く回数は減りましたが、インターネットのバーチャルショップではときどき買い物をします。創元推理文庫や、早川ミステリ文庫の絶版ものなどが対象です。今は500円くらいって感じかな。残念なことに、ぼくの町には古本屋さんがないので、買いに行くとすると大阪の梅田あたり、ここまでの電車往復運賃約1000円のことを考えると、たった1冊買って、郵送料、振込手数料を払ってもおつりがきます。

で、つい最近、ホームページを立ち上げた頃から、「庄司薫」をキーワードにして本を探すことが多くなりました。もちろん、持っている本の名前しか出てこない。でも、探せばあるもんですね。コレクターズアイテムが。

庄司薫直筆サイン入り赤初版本と黒初版本です。何もこんなにいいもの手放す必要はないのに、、、、なんて考えながら、マウスは注文ボタンを押していました。2冊で安い飲み屋の代金1回分くらいです。

本の内容はいっしょ。でも、一度、庄司薫氏のサインが見たかっただけのことなんです。
皆さんにもご覧にいれます。


散歩学派 おおはし