2001年6月21日

 

「薫クン」シリーズについて

薫クンシリーズとは、ぼくがこよなく愛する高校3年(そして浪人)の薫クンを主人公とする以下の4部作です、

「赤頭巾ちゃん気をつけて」(初版/昭和44年8月、以下、『赤』と省略します)

「さよなら怪傑黒頭巾」(同/昭和44年11月、以下『黒』)

「白鳥の歌なんか聞えない」(同/昭和46年2月、以下『白』)

「ぼくの大好きな青髭」(同/昭和52年7月、以下『青』)

(参考映画「赤頭巾ちゃん気をつけて」、「白鳥の歌なんか聞えない」

この4部作との出会いは、いまから約30年さかのぼった昭和47年、ぼくが中学3年生になる前の春休み、風邪で寝込んでいたぼくが、おふくろに本を買ってきてくれと頼んだことに始まります。

彼女は世にいう教育ママタイプではなく、職も持っていたため、退屈そうにしているぼくを気の毒に思い、必死で本屋の棚を探したのでしょう、その晩に「赤頭巾ちゃん気をつけて」という、中学3年前の僕にはいたって幼稚な(と、その時は思った)タイトルの本を買ってきてくれたのです。

帯に『芥川賞受賞』と書いてあるその本を読み出したぼくは、簡単な言葉で書いてあるにもかかわらず、なかなか内容が理解しにくいその本に夢中になりました。それはそうでしょう、赤は当時、受験生のバイブルとまで言われた高校3年生を主人公にした小説ですし、作者の庄司薫氏が、10年間『青春とは何か』を考えぬいて上梓した作品です。風邪でもうろうとした中学3年生には理解できるはずがありません。

ただ、由美っていう女の子にあこがれたり、はがした爪を踏んでしまったちっちゃな女の子とのエピソードなんかに、相当猛烈にまいってしまったのです。

以来、立て続けに黒、白を読破し、青の出版をまだかまだかと待ったものです。

高校、浪人、大学時代と、この4部作をはじめ庄司薫氏(福田章二氏)の一連作品は、ぼくの青春時代のバイブルでした。しかも高校1年の時にはこのシリーズを課題に、読書感想文なんかを書いてしまい、今思うと、ギャっと言って飛び上がりたくなります。

とは言いながら、あらためて赤・白・黒・青の読書感想文を書いてみたいと考えました。つたない文章ですが、皆さんのご感想をお待ちしています。

散歩学派 おおはし

薫クンシリーズ画像