僕のために泣いてくれる人 by Kashi

僕のために泣いてくれる人」
「真昼の夢」
 いったいぜんたい何度同じ事を繰り返し考え続けているのだろうか?
現実からの逃避。しかも死を持って今の現実を精算したい気持ちと
俺をここまで追い込んだ奴ら、虫けらのように俺を弄んだ奴ら
に復讐をしたい気持ちが複雑に絡み合っている。

全く苦しまずに、この世を去る方法はあるのか?否どんな方法を用いても
突然の死以外にその恐怖から自由になることはない。
どこかに良い手はねえのかなぁ?

俺は比較的裕福な家庭に育った、優しいお袋と何の不満もない家族、すべてが幸せに
満ちていた。
ところが何のはずみかも忘れてしまったが、俺は嘘を付くことに快感を覚えてしまった
裕福な家庭をより金持ちに見せたいばかりに有りとあらゆる嘘を並べ
その嘘を繕うために又、嘘を付く毎日だった。
しかしその時はあっけなく訪れた。
数人の友人が俺の真実を知った時だった。

その代償はあまりに大きかった。

友達の俺を見る目が日毎に変わって行くのが分かる。
話しかけてくる奴さえ居ない。教室の隅に2、3人が屯し
ひそひそ話をしている。時折こちらの方をこっそり見ている。
睨んでやると
一瞬の静寂の後又ひそひそ話を続けるという有り様だ。

そのうちに陰険な「いじめ」が始まった。
*俺に付いたあだ名は乞食の親子だった*
「乞食の親子が触った机だ。」
「汚いーーくさい??」

「あっ乞食の親子だ、逃げろ!!」
そのうち先候らも参戦し始める。
俺を見て大袈裟に飛び退いたりする奴。中には
薄ら笑いさえ浮かべている奴もいる。

俺は完全に孤立した、しかも自分が自分であることさえも忘れかけ
ひたすらこの世から消えることばかりにエネルギーを集中し始めた。

 「もうこれで限界だな。」
ある朝、俺は覚悟を決めた。
それは、いつになく肌寒い日だった。
花屋の門を曲がった途端、そいつはやって来た。
俺はまるで何かを避けるように身体を宙に放り投げた。

引き裂かれる静寂、ブレーキの音・女の悲鳴
次の瞬間路上に横たわる俺が居た。

幸いなことに痛みは感じない。
ただ消え入りそうな意識の中で薄らぼんやり見た光景は
見ず知らずの老人や子供達が泣いている姿だった

それは、今まさに天国へ旅立とうとしている俺のために
流してくれる涙だった。
「あれ?俺のために泣いてくれている。。。。。」

その瞬間すべてがわかった。
「俺は俺自身が作りあげた頭の中の悪魔に喰い殺されたのだ」

自分のことばかり考えて周りを見ていなかった
身近な人ばかりに気を取られて全体を思っていなかった。
見ず知らずの俺のために泣いてくれている人たちよ。
俺は誓う。
・今の現実を引き受ける強い心を持つよ。
・孤独と正直に向き合い自分を素直に開いて行くよ。
・私は自分の未来を信じていなかった、君達と共に自分の未来を信じて行くよ。
・一つの命・かけがえの無い命
俺は、この世に生きとし生ける物を愛して止まない。

By Kashi


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