〜例えばこんな場合〜
松田さん（仮名）はそれまで勤めていた会社を退職して、独立し、町の一角でパン屋を開業してほぼ半年が過ぎた。一年を通して毎朝４時過ぎには起きて、５時過ぎにはパンの仕込みに取り掛かる。７時には焼きたてのパンが香ばしい香りをたてて店先に並ぶ。アンパンマンやパンダなど子供受けするパンを作ったり、しゃれたデザインのパンを作ったりして、地道に工夫を凝らしてやってきているおかげで馴染みの客も少しずつ増えてきている。生来の明るさで客と会話を交わし、明日も来店してもらえるようにと、日々意欲的に仕事に取り組んでいる。大学生のアルバイトも一人だが来てもらっている。
日々の売り上げや材料の仕入れ、アルバイト料など収支に絡むものは、在職中に覚えたエクセルを使って自分なりの帳簿を作って、自分のパソコンで管理している。
自分が気に入ってせっかく始めた事業なので、事業運営はスムーズにやっていきたいと思っている一方、事業を運営している以上避けては通れない税金のことに関しては全くの素人のため一種悩ましいものがある。確定申告する際の帳面の付け方、税務署に何を提出したらよいのか、どのようにしたら節税ができるのか、どのようなものが経費として認められるのか、資産を購入したが減価償却とは何で、どうしたらいいのか、パソコン会計のメリット・デメリット、電子申告とは何なのか、どのように使うのか（メリットがあれば使いたいと思っている）等といったいろんな情報を得たいと思い、自分なりに暇を見つけては本を読んで調べているが、内容がややこしくてよく分からない上に、店の準備と事業の運営に手が一杯で、なかなか進まない。年が明けると確定申告が待っており、今のままでは時間ばかりが過ぎて、なんとなく不安にかられることもある。ただ、優先すべきことは創業に専念して事業を１日でも早く安定軌道に乗せることであり、そのためにも安心して相談できる税理士を探してみることにした．．．。
