2000年3-4月

CD

「Brain Park」松尾清憲

松尾清憲、実に13年ぶりのソロアルバム。これが、もう待ったかいがありましたよ!という美メロ揃いの傑作。ポップ職人・松尾の紡ぐ珠玉のポップソング、色気あるボーカルも絶品!聴いとかないと損するよ。

CD

「Do 3」Shi-Shonen

85年の12月、僕に魔法をかけた「瞳はサンセットグロウ」含む、傑作ミニアルバムが21世紀を前に奇跡のCD化。それも幻のシングル「憧れのヒコーキ時代」や未発表ライブ音源までも。生きていて良かった、大袈裟じゃなくそう思ったね。優れたポップミュージックは決して色あせない。今こそShi-Shonenを聴け!それだけ言っとく。

CD

「HOSONO BOX」細野晴臣

出たよ、細野さん。これは、もう教科書。日本のロック、全部この人が作っちゃったんだから。細野晴臣という稀代の音楽家の残した足跡。もちろん、氏はまだまだ現役で未だに最も動向が気になるアーティスト。細野氏の示す方向性は生きていく上での大きな指針になってる。DISC-4の「泰安洋行」時のライブがめっちゃいい。こうして聞いてみると細野さんて「肉体派」の音楽家なんだな。だからこんなにも「音楽」が「音楽」として響いてくるんだ。とてもヘルシーで無垢な音楽。素晴らしい。

CD

「Joao voz e violao」JOAN GILBERTO

ボサノバの巨匠・ジョアンジルベルトの新譜。このジャケットの通り、静かにそっと耳を傾けるべし。唄とギター、そこにあるものはただそれだけ。なのにこの深さはなんだ。耳から入ってきて体中、いや魂を包み込むような音楽のうねり。凄い。

CD

「ライラックアパート一〇三」加藤千晶

メトロトロンからのセカンドアルバム。こっそり教えるけど、この人いいよ。ティンパンアレー系というか初期細野さんを感じさせるメロディーに素直な歌声が心地良い。飾り気のない音楽。生活の中から生まれた唄。癒し系なんていう計算ずくのものでない本物の癒しがある。サウンドプロデューサーはカーネーションの鳥羽修。音もいいよ。

BOOK

「笑伝・三波伸介 びっくりしたなぁ、もう」西条昇

三波伸介が死んだのがもう17年も前。僕はまだ小学生だった。もちろん「笑点」「凸凹大学校」「スターどっきり秘報告」なんかは見てたけど、あんまり思い入れがあるわけでもない。でもこの本は実におもしろく読めた。喜劇王を目指しながら今でいうマルチタレントとして成功。その巨体とは裏腹に器用で繊細な三波の姿、夢半ばに死んでしまった幻の喜劇王。おすすめ本です。

CD

「RIDE on tide」高野寛

高野寛初のライブ盤。昨年の弾き語りツアーから厳選された全17曲。1曲、1曲から彼の息づかい、そして音楽に捧げられた美しい魂が感じられる。巷に溢れるスタイルだけの弾き語りとは明らかに一線を画す、大人の観賞に耐えうる本物の唄。高野寛という才能豊かな音楽家がいるということをもっと多くの人に知って欲しいな。

BOOK

「談志百選」立川談志

談志家元がその独自の語り口で志ん生、文楽からダウンタウン、爆笑問題まで家元が認めた真の芸人たちを語る。もちろん家元のこと、単に誉めるだけじゃない。けなして、けなして、なおもその裏に感じさせる芸に対する深い造詣と愛情。山藤章二画伯当然ながらいいよ。

CD

「Roochoo Gumbo Y2K」KALABISA

久保田真琴と細野晴臣、あのマックとハリーが沖縄に飛び、照屋林賢と組んだのがこのカリバサ。細野さんのボーカルをフューチャーした「Roochoo Gumbo Y2K」にすっかり魂が洗われたね。人生は旅だなぁ。

CD

「空」櫛引彩香

高野寛プロデュースの美人シンガーソングライターのシングル。開放感のあるさわやかな歌声が映えるタイトル曲。高野のエレキシタールが炸裂するカップリング「Flavor Magic」も聞き心地良し。ちと、うますぎるのが欠点といえば欠点ですが、期待の新人ですね。

BOOK

「テクノ歌謡マニアクス」

テクノ歌謡のキーワード、それは「胸キュン」だ。テクノ歌謡に狂わされた男である私はそう思う。そんな胸キュンなテクノ歌謡の数々を意味なく紹介したこの本。わかりすぎるぜ、その男心。テクノ歌謡に胸焦がした男達が10年以上の歳月を越えて放つ挽歌。今、あえて叫びたい、俺はテクノ歌謡が好きだ。
*これじゃさっぱり内容わかりませんね。要は200を越えるテクノ歌謡作品のディスクレビューと細野さんや松本隆へのインタビューまで網羅したテクノ歌謡研究本です。

LIVE

「Tour "double Oh"」高野寛

高野寛の弾き語りツアー、大阪バナナホール。
前回のツアーから更に深みを増した唄が沁みる。初披露された2曲の新曲が素晴らしくいい。特に「Beautiful」という曲はいずれ高野の代表曲になるだろう。テルミン弾き語りなどアバンギャルドな面も見せつつ会場が高野のグルーブに揺れる。会場みんなでコーラスした「夢の中であえるでしょう」が心の琴線に触れまくり。思わず涙しちゃったな。

CD

「シカゴ」クラムボン

クラムボンが放つニューシングル。今回は少し落ちついた雰囲気で渋い仕上がり。原田郁子嬢の奔放かつ繊細なボーカルがますます冴えてきたねぇ。カップリング「246」の切ない感じもまた良し。いいバンドだ、こりゃ。


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