2000年1-2月

CD

「The 20th Anniversary Edition」佐野元春

佐野元春デビュー20周年記念アルバム。しかし決して懐古的なものではない。1曲目に収められた「アンジェリーナ」のこの新鮮さ!身軽さとタフネス。20年目の新人のように佐野の音楽は古びない。

CD

「あたらしい愛の詩」鈴木祥子

アルバムからのシングルカット。深い傷を乗り越えようとするかのような真摯な唄。悲しみの、その先にある何かに触れる静かだが力強い名曲。カップリングの一人多重録音曲「シュガーダディーベイビー」もまたいい。彼女はこういう唄を書ける貴重な音楽家だ。

CD

「Bye Bye Telvision」高野寛

テレビへの郷愁をアコースティックなサウンドにのせて。未来に希望があった時代、その時代をただ懐かしむだけではなく、自分自身が未来を担い、希望を伝える役割を負っているんだという宣言にも聞こえる。

CD

「EQ」青山陽一

傑作!1曲目のイントロの、このかっこよさ。最新曲が最高曲状態で彼が今、のりにのっていることがわかる。この遅れてきた才人の音楽世界にはまらない手はないですよ。ギターという楽器をまた好きになった。

CD

「ヘンリーの憂鬱」西村哲也

上の青山陽一とかって「グランドファザーズ」を組んでいたギタリスト・西村哲也氏の40才にしての初アルバム。ギタリストのアルバムというと、どうしてもテクニック先行というイメージをもっちゃうんだけど、これは全然そんなことない。バラエティに飛んだ楽曲陣にちょい軽い感じのヴォーカルがいい。緻密でありながら勢いが感じられる好盤。

CD

「いつか王子様が」加藤紀子

小西康陽のまさにやっつけ仕事。絵に描いたようなフレンチかぶれ女子にノーを言えない大人の下心が見え隠れ。これぞ、2000年のテクノ歌謡だ。

CD

「ジェニーはご機嫌ななめ」HI-POSI

テクノを茶の間に持ち込んだあの大ヒット曲のカバー。原曲の魅力をそこなわない、もりばやしみほのキュートなボーカルがいい。ハイパーテクノなアレンジもまさにずっぱまり。名曲は何年たっても色あせない。カップリングの本家・近田春夫によるリミックスもかっこいい。

CD

「LOVE SCULPTURE」カーネーション

もはや向かうところ敵なしの最強のロックバンド・カーネーション。落ちつくどころかますます身軽になっていくとこが凄い。「幻想列車」「蜘蛛のブルース」なんていう闇に触れるような曲から「恋するためにぼくは生まれてきたんだ」みたいなポップチューンまで。バラエティにとみながらもカーネーションでしかない唄。それにしても直枝氏の書く唄はどうしてこうも僕の心に響くのか。

BOOK

「日本原論2000」爆笑問題

爆笑問題というか太田光の才能を世に認めさせた「日本原論」の続編。現役漫才コンビの本人自らの手による「ネタ本」とみるとこれは結構凄く貴重なもの。このスタイルは太田光の発明といっていい。一つの事象をより高い笑いの到達点に飛ばす発想力。これは真に才能のある人にしかできないことなのだ。

BOOK

「青春ノイローゼ」みうらじゅん

数多くの著作を残すみうらじゅんだが、これは最初の代表作となるだろう。教科書に載せるべき。いや、まじで。「青春ノイローゼ」なんていかにも言葉の人・みうらな素晴らしい造語だが、これぞ本質。基本的に男は(1部の男かな)は青春ノイローゼなのだ。もちろん僕もだから、この本読んで笑いながら泣いた。必読。


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