OFF!!'s Weekly Chart log
<<2006年10月29日付ランキング>>
1
「MOON OVER the ROSEBUD」ムーンライダーズ
2
桂南光、桂雀々(「桂米朝一門会」より)
3
「明日の神話」オリジナル・ラブ
4
本上まなみ(「紙屋悦子の青春」より)
5
「今日までそして明日から」和田アキ子
<解説>

そんな訳で解説です。
やっぱりムーンライダーズ。
新作が出ると聞く度に、過度な期待をしてしまうのだけど、きっちり濃厚な作品が出てくるから凄い。
今回は「ネオ・ニューウェーブ」だとのことだが、これが意外にも「メロディーの復権」に繋がった。
一筋縄ではいかないのは、もちろんだがここからムーンライダーズに入っていくってのもアリではないか。
そして過去の作品を遡ることで、この作品の仕掛けや伏線が明かされていく…なんて。
でアルバムについては日記に書いてるのでそれ参照下さい。
にしてもムーンライダーズって愛されてるバンドだなとつくづく。
アルバムについて書かれたブログなんかを観てみると、皆ムーンライダーズを書くとき、ちょっとした「熱」があるんだ。
サウンドがどうのとかそういう客観的なことだけを書けなくなる。
ムーンライダーズを通じてその人の想いや「価値観」までもが滲み出てくる。
ムーンライダーズを語ると自分を語ることになる。
それだけ聴く人の心の中、胸の奥に深く入り込んでしまうバンドなんだ。
桂米朝一門会観にいく。
残念ながら米朝師匠はまだ復帰ならずだが、それでも挨拶に登場してくれたは嬉しかった。
でその中で、故・枝雀師匠の「陽」の部分を引き継いだ南光、雀々の抱腹絶倒で華やかな高座に感激した。
落語は様々な顔を持った演芸である。
喜怒哀楽、それらの感情、だけでなく、その感情が交じり合うような複雑さまでも表現しうる。
でも老若男女がこぞって笑える、突き抜けた明るさ。
会場にいる1300の人、まさに老若男女がみんな腹抱えて笑ってんだよ。
これって凄いことだ。
いいことばかりはありゃしない。すぐそこに闇はある。
でもひととき、その芸人の喋りにみんなが曇りなく笑う。
奇蹟だと思う。
希望だと思う。
オリジナル・ラブの新曲「明日の神話」。
そう、例の。
岡本太郎の壁画にインスパイアされた21世紀のスタンダード。
とるにたらない、かけがいのない「愛」の歌。
それだけで十分。
愛なんてホントは簡単なものだろ。
黒木和雄監督の遺作「紙屋悦子の青春」見る。
時は昭和20年春〜夏。
鹿児島の町に住む市井の人々。
誰もが互いを思いあい、日常を過ごす。
そのなにげない日常の中に影を落とす「戦争」。
とても静かな映画。
その静けさゆえに「戦争」が奪っていく小さな幸せの重さを知る。
で主人公・悦子(原田知世)の同級生にして、義理の姉役を演じた本上まなみが良かったんで驚いた。
はっきり言ってめちゃタイプではあるのだが、女優としては?だったんだが、ここでの彼女は実にチャーミングでなんか良かったなぁ。
和田アキ子の新作「今日までそして明日から」は日本のフォーク、ロックの名曲をカバーしたアルバム。
小西康陽による「風をあつめて」のスライなカバーもいいが、白井良明による壮大なロックバラード(とあえて言う)「スカンピン」(ムーンライダーズ)、CHOKKAKUによるゴージャスな「バラとワイン」(レッドウォリアーズ)が最高。
このスケール感が彼女の持ち味。


<<2006年10月22日付ランキング>>
1
「東京コンサート」曽我部恵一
2
「父の詫び状」向田邦子
3
「Classics」朝日美穂
4
「厚木I.C.」小泉今日子
5
「Forever Young」NAIVES
<解説>

そんな訳で解説です。
曽我部恵一「東京コンサート」聴く。
10年前のアルバム「東京」を全曲、曲順もそのままに弾き語ったコンサートをまんま収録。
これがいい。
10年前、いきがってて、青臭くて、なんか素直に聴けなかった「東京」。
あれから10年が過ぎて少し太くなった声で歌われる「歌」にグッとくる。
やっと素直に聴けるようになったんだな。名盤です。
向田邦子さんお「父の詫び状」をここ数ヶ月ずっとカバンに入れていた。
ちょっとづつ、ちょっとづつ読み進めてきた。
日々の小さな出来事、ふっと蘇る思い出、繋がっていく昨日と今日。
とても優しくて美しい文章。
大切な一冊になった。
朝日美穂がアコースティック編成で自らの楽曲をセルフカバーしたのが「Classics」。
朝日美穂といえば、溢れる才能がほとばしってるちょっと鋭角的な印象があったんだが、ピアノの音がそうさせるのか今作はとてもまろやかな感触。
その柔らかさがとてもいい。
丁寧に掬われていく言葉、音。
曲の良さが際立つ。
小泉今日子03年作「厚木I.C.」は秋口になるといつも聴きたくなる。
高野寛をはじめとした音楽を愛する音楽家達の真摯な演奏と、小泉今日子の決して上手くはないが説得力のある歌声が作り上げた傑作。
多分この先も聴き続けることだろう。
いとうせいこう+高木完+ヤン富田=NAIVESの「Forever Young」。
「昨日の自分が明日を救う/明日の自分が今日ふりかえる/いつしか空にかかる虹」このフレーズを聴いてドキッとした。
今の自分が考えてること、感じてることがこのフレーズに集約される。
不思議と今週ランキングにあげた作品の全てにも通じてる。そういうことだ。


<<2006年10月15日付ランキング>>
1
「東京シャイネス」細野晴臣
2
「魔法」サニーディ・サービス
3
「Fが通過します」佐藤雅彦
4
「GALAXY」クレイジーケンバンド
5
「READYMADE SCREEN TEST」
<解説>

そんな訳で解説です。
細野晴臣&東京シャイネスのDVD「東京シャイネス」。
発売日にAmazonから届いていたのだが、やっと見終わる。
歌う細野サン。それだけで少し幸せな気分になる。
僕が行った京大西部講堂での演奏も収められてる。
もちろんDVDがなくとも素晴らしい記憶として僕の中には残ってる。
でも伝説にしておくには勿体無い。
いろんな事情で現場に立ち会えなかった人に、その全てとはいかなくてもこうして記録が残され、その空気の一端が伝わっていくことも大事だ。
改めて見て思ったのは、これは始まりの記録なんだということ。
ここから始まる。
希望の光がふっと射す。
この光を消してしまうのか、大切にするのかは僕達次第なのだ。
なんて。単純に音楽そのものを楽しめばいい。
それが正しい。
サニーディ・サービス、00年のアルバム「LOVE ALBUM」からの一曲。
ドが付く名曲「魔法」を久々に聴いてグッとくる。
メロウな歌声、疾走感、キラキラのサウンド…全てが奇蹟のように絡み合い、この一曲に「魔法」をかける。
素晴らしい。
佐藤雅彦氏の新著「Fが通過します」。
一見、歯ブラシでも入ってるのかというような長方形のケースに収められた「ちょっとしたアイデア」。
脳みそをスッとクリアにしてくれる軽やかなユーモアが素晴らしい。
疲れて帰ってくる、飯を食べて、風呂に入って、後は寝るだけという時にパラッとめくる。
一日を気持ちよく終わらせるための方法。これが効く。
すっかり紹介が遅れてしまいましたがクレイジーケンバンド「GALAXY」が、相変わらずやりたい放題で凄い。
この量産振りながら、衰えない創作意欲。
それでいて薄味になるどころか、ますます濃く「CKB」でしかありえない音になってる。
ノンジャンル、ボーダレスなのにどこ聴いてもCKBとは!
改めて思ったのは、言葉と音にチグハグさが全く無い。
当たり前のようだがここまで完璧にはまってるのは実はそうないのだ。
一筆書きのような迷いの無い楽曲。
作詞家であり作曲家である横山剣の強み。
COLUMBIA READYMADE」で始まった野本かりあの超短編「READYMADE SCREEN TEST」。
はっきり言って今のところ中身は「…」なのだが、この「READYMADE SCREEN TEST」ってタイトルがいいやね。
ま、そこだけなんですが。


<<2006年10月8日付ランキング>>
1
「ゆうがたフレンド」ム-ンライダーズ
2

東京スカパラダイスオーケストラ@びわ湖ホール

3
「フラガール」李相日監督
4
「FOREVER YANN MUSIC MEME3」DOOPEES
5
「ヨコハマメリー」中村高寛監督
<解説>

そんな訳で解説です。
うーん、やっぱりムーンライダーズいいなぁ。
毎日聴いてるが、聴けば聴くほど沁みる。
ノスタルジックなのにアヴァンギャルド、捻くれてるのに胸に残るメロディー。
これぞまさにムーンライダーズ。
来るべきニューアルバム、そして怒涛のリリースラッシュが怖い。
スカパラのびわ湖ホール公演見る。
素晴らしい音、そしてどこをきっても絵になる伊達男っぷりに痺れる。
あれだけのオオバコをダンスホール化させる極上のエンターティメント。
音の力強さ、迷いのない疾走。かっこいい!
李相日監督の「フラガール」は直球、王道の映画。
やわな「泣かせ」に逃げない、ダイナミックな見せ方が素晴らしい。
ビターな現実を生き抜く強さを、激しいダンスで喜びに昇華して見せたまさしく「秀作」。
そして松雪泰子が素晴らしい。
ヤン富田率いるDOOPEES、来るべき新作前のウォーミングアップ作。
名曲「My Spinning Wheel」のセルフカバーに込められた柔らかなヴァイブに心洗われる。
今、大切なものがココにある。
ドキュメンタリー映画「ヨコハマメリー」を観る。
舞台は横浜。
白塗りの姿で老いてもなお、街に立ち続けた伝説の娼婦「メリー」を軸に時代が浮かび上がる。忘れられた時代の裏側、そこに生きた「人」の記録。そりゃ胸を打つ。そういうもんだ。


<<2006年10月1日付ランキング>>
1
「ゆうがたフレンド」ムーンライダーズ
2
マルホベーカリーのクリームパン
3
「ゆれる」西川美和監督
4
ガケ書房
5
「Cherry Blossomは今」青山陽一
<解説>

そんな訳で解説です。
やっと入手したムーンライダーズ「ゆうがたフレンド(公園にて)」。
あぁ、ムーンライダーズは予想を必ず裏切ってくれるし、それ以上のものが出てくるから凄い。
どこから聴いてもムーンライダーズなんだけど、じゃ似たようなムーンライダーズの曲があったかというとないんだな。
郷愁を誘うが後ろ向きじゃない糸井重里の詞、鈴木慶一の歌声が詞以上のsomethingをもたらす。
だからやめられないんだよな、ムーンライダーズ。
東大路通りに面した小さなパン屋・マルホベーカリー。
物心つく前からここのクロワッサンやぶどうパンを食べてきた。
が今までノーマークだったクリームパンを食べて、衝撃を受ける。
なんちゅー美味さや!
もちっとしたパン生地、舌に絡まる懐かしい甘さを持ったクリーム。
あぁこうして書いてるだけで、舌が求めてしまう。あぁ…。
西川美和監督「ゆれる」観る。
「ゆれる」とは実にいいタイトルだ。
オダギリジョー扮する自由奔放な弟、香川照之演じる実直な兄。
二人の間で様々な境界線がゆれる。
愛情と憎悪、真実と虚像、信頼と裏切り…。
観終わった後、魂がゆれるのがわかる。
そしてオダギリ-香川の素晴らしい演技は主演、助演男優賞を同時にあげてもいいぐらい。
必見なり。
白川通り沿いのガケ書房にやっと行った。
まさにストライクな品揃え。
落ち着いた店内も好み。
毎日でも通いたいな。
各所で絶賛の嵐で嬉しい限りなのが青山陽一「DEADLINES」。
その中でも特にヘビーローテで聴いてるのが鈴木慶一作詞「CherryBlossomは今」。
ギターに導かれて歌声が入ってくる瞬間のゾクゾクっとする感じ。
ロマンティックな響きの中に生み出されるグルーヴ。
新境地にして真骨頂。
素晴らしい。


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引き続きお楽しみください。