OFF!!'s Weekly Chart log
<<2006年4月30日付ランキング>>
1
おおはた雄一@磔磔
2

「FINE」真心ブラザーズ

3
「二つの涙」サンボマスター
4
エルポポラッチがゆく
5
遊佐未森
<解説>

そんな訳で解説です。
若き歌唄い、おおはた雄一のソロライブ@京都・磔磔に行く。
昨年出た「ラグタイム」、この3月に出た「ふたつの朝」とどちらもいいアルバムで愛聴していたのだが、はたしてライブはどうなのか?これが、期待以上の出来。
そうか、この人「リズム」の人なんだ-と認識。
ギター一本の弾き語りでも、叙情に流されない躍動があって、身体が反応してしまう。
このはねるリズムは、僕の身体にも染み込んでて生理的に好きとしか言えないのだ。
それにしてもこの人は本当にいい歌唄いで、もっともっと多くの人に知って欲しいって思う。
例えば、ハナレグミやクラムボンが好きって大学生も、山崎まさよしやスガシカオが好きっていうOLも、はたまた高田渡が好きっていう親父さんも、素直にいいって思える音楽。
下衆じゃなく人懐っこい。
ホント、いいんだから。僕が保証します。
真心ブラザーズ待望の新作が「FINE」。
もう、待ってました!って感じ。
今作はなんといってもYO-KING氏の歌がいい。
あの声は、卑怯だよ、たまらなく胸に響くもん。
特に桜井氏の洗練されたメロディーに、無骨で真っ直ぐな歌声が乗ったときに起こるマジック。
僕がポップミュージックを愛してやまない理由が、ここにある。
サンボマスターの新作から、ド級のスィートソウルナンバー「二つの涙」を。
マーヴィンとかカーティスとかと並べちゃっていい。
このコーラス使いの上手さ、グッとくるソウル。
だから信用できるんだ、サンボは。
深夜にテレビをザッピングしまくりながら眺めてたら、NHKで変な番組をやっていた。
小料理屋の女将に扮した南海キャンディーズ・静ちゃんと的場浩司がなにやら意味深な会話を交わし、ラストは回想シーンだか女子レスラーの静ちゃんがリング上でキャメルクラチを決めているという映像で、その間わずか1分弱。
なんだこれ?と新聞のテレビ欄観るも夜中すぎてさっぱり解明できず。
ずっと引っ掛かってたんだが、今週のTVブロス誌でついに判明。
NHK制作の1分(!)ドラマ「エルポポラッチがゆく」ってのだった。
夜中3時過ぎ放送、テレビ爛にものらない幻の番組。
でこれがBSで5本一挙放送(っても5分!)したのでさっそく録画しチェック。
主人公?は謎のマスクマン・エルポポラッチ(古田新太、ドラマ「ギャルサー」は古田氏登場シーンだけで、事足りるよね))、的場浩司、静ちゃん以外にも、鈴木京香(改めてその美しさを再認識。かしずきたい!)、加賀丈史、温水洋一など出演者は無駄に豪華。
そして無駄に情報満載の公式HP
NHK、恐るべし!
高校〜大学時代、めっちゃ好きだった遊佐未森さんと、ひょんなことからお会いし、かなり舞い上がる。
サイン入りツーショットポラ写真は家宝にしとこう。


<<2006年4月23日付ランキング>>
1
「セメント!!スーパースター列伝」吉田豪
2
「僕と君の全てをロックンロールと呼べ」サンボマスター
3
「電話・電話・電話」シネマ
4
ぜんまいざむらい
5
「僕の小規模な失敗」福満しげゆき
<解説>

そんな訳で解説です。
吉田豪の新刊「セメント!!スーパースター列伝」がとにかくオモロイ!
「紙のプロレス」誌に掲載された激シブなプロレスラー、プロレス関係者へのインタビュー集。
吉田本に外れなし(キッパリ)。
インタビュー当時、ミスター高橋の暴露本(元「新日」レフェリー、プロレスは「ショー」であるという暗黙の了解を具体的に暴露)が話題の頃でもあり、そこら辺りも含めシュートをしかけて話を引き出す名インタビュアーぶり。
もちろん、徹底したリサーチと、対象物に対する過剰なまでの愛情とおもしろがりっぷりもますます冴える。
「プロレススーパースター列伝」を夢中になって読み漁り、プロレス最強説というファンタジー、プロレス幻想のトリコになったことのある人間なら興奮を覚えずにおれないだろう。
かくいう私もその一人。
阿修羅・原のインタビューってだけでもワクワクする。
にしてもこれプロレスなんて全く知らないって人でも大いに楽しめる。
登場する人々の振り切れた人生は、なおもプロレス幻想、男気ファンタジーを増幅させるものばかり。
それから「プロレススーパースター列伝」にならって、「アントン」ならぬ「豪トン」が語るインタビューミニ裏話や、偏執的な注釈、男気くすぐる装丁など完璧な仕上がり。
まさにセメント!なインタビュー集は実在する--!!(popholic談)
サンボマスターの新作「僕と君の全てをロックンロールと呼べ」もまた男心くすぐる傑作である。
あふれ出る想いをギターを掻き鳴らし、声を枯らして叫ぶ。
でも聴けばわかる、彼らの想いは、切実で繊細で悲しみに満ちてる。
それでも、叫ぶ。それだから、叫ぶ。
彼らは決して誰かの言葉で歌ったりしない、歌われる歌は全て「僕」の言葉なのだ。
そして彼らは決して都合のいい「みんな」に歌いはしない。
たった一人の「あなた」であり「君」に向かって歌うのだ。
だから心が動く。
「本当」ってこういうことを言うんだろ。
それと山口隆の音楽力はもっと評価されるべき。
ロック、ソウル、多くの音楽を聴いて身体に染み付けたものだからこそなせる、そのメロディーの饒舌さ。
彼らがただうるさいだけのロックバンドと決定的に違うのはそこだ。
「二つの涙」なんて曲の、メロウでキャッチーでソウルなメロディーの妙味。
これこそ評価されるべき。
81年、たった一枚のアルバムを残したバンド「シネマ」。
あれから25年、先日ムーンライダーズ、ポータブル・ロックとともにライブを行ったことは、音楽史的に見ても大きな事件であった。
そんな訳でそんなシネマのアルバム「モーション・ピクチャー」を引っ張り出してきて聴く。
もう、なんたる完成度、これを名盤と言わずしてどうする!?おい!って気分になる。
天才・松尾清憲のマジック溢れるメロディーに愚息も昇天!である。
いや、なに言ってんだ。
ま、それぐらい凄いってこと。
で特に「電話・電話・電話」って曲、何回聞いても昇天できるほどの名曲。
3分間のポップマジック、ここにあり。
NHK朝7時50分からの子供向けアニメが「ぜんまいざむらい」。
わずか5分で一話完結の時代劇ナンセンスギャグアニメ。
これがやけにオモロイ。
ブサかわいいキャラ、まったくもって意味の無く、楽しさだけが残るスピーディーなストーリー展開。
ある部分オールドスタイルで、ある部分最先端。
このオモロさはコドモ大人なあなたならきっと気に入るはず。
なお、主題歌は元PSY・Sのチャカ!
去年話題になったときから気になってた福満しげゆき「僕の小規模な失敗」読む。
作者の自伝的(といってもまだ若い人なのだが)漫画で、21世紀のダメ男版「まんが道」。
ほんとに読んでて心配になるぐらいのダメっぷりなんだが、その煩悩に絡みとられていく様は心あたりアリ。
しかし主人公の徹底したダメ男ぶりとは裏腹に、緻密な書き込みと絶妙な構図で個性的でありながら完成度の高い絵、そしてダメさを見つめる冷静で客観的な目がいい。
一応、物語としては完結してるんだが、この先この男はどうなっていくのか、大丈夫なのかとやけに不安にさせる不思議な魅力。


<<2006年4月15日付ランキング>>
1
青山陽一&The BM's@心斎橋クラブクアトロ
2
あがた森魚@梅田レインドッグス
3
「Preservation Society」THE SUZUKI
4
「寝ずの番」マキノ雅彦監督
5
ロンドン焼き
<解説>

そんな訳で解説です。
行ってきました、青山陽一&The BM's、ママレイド・ラグ@心斎橋クラブクアトロ。
若きオットコ前バンド、ママレイド・ラグも善戦でしたが、もう青山陽一&The BM'sの凄いことったらなかった。
青山陽一、中原由貴(ドラム)、伊藤隆博(オルガン)のオルガントリオ編成。
この3人のアンサンブル、音圧、なにもかもに圧倒される。
スゲーもん観た、いや観ちゃったよぉぉって気持ち。
1時間ほどのステージだったが、これだけ濃厚な音楽の時間はそうはない。
青山陽一、まさに絶頂期である。
行ってきました、あがた森魚@梅田レインドッグス。
程よい広さの小屋で実に有意義な時間を過ごす。
今回はバンドが非常に良かった。
ラリーパパの水田十夢と美人ドラマー太田ピカリの若きリズム隊が、あがたさんを見事にサポート。
あがたさんをいまだに「フォークの人でしょ」っていう人がいるが、この人、一度もフォークだったことないよ。
常に自分に正直に時代とか空間とか超えて音楽をしてるあがたさんは、その一方で本能的な嗅覚でもって、一番新しくてラディカルな音楽やってる。
聴けばわかるはずなんだけどな。
そういうことだ。
鈴木慶一、博文兄弟からなるThe SUZUKIのDVDが「Preservation Society」。
会場中央に円形に作られたステージ、全編モノクロの映像。その佇まいにThe SUZUKIの凄みをみた。
繊細で骨太でクールでアグレッシブで落ち着いてて、狂ってる。
カッコイイ大人ってこういうのを言うんだぜ。
マキノ雅彦監督「寝ずの番」がいい。
これぞ、粋な純日本映画。
上方落語界を舞台にした艶笑噺に滑稽噺。
下品な言語続出ながら、むしろ品格を感じさせるのは娯楽映画の祖・マキノの血統か。
中井貴一をはじめ、長門裕之、笹野高志、それに木村佳乃まで役者の良さを引き出す演出が効いてる。
無視するには勿体無い作品ですよ。
久しぶりに「ロンドン焼き」(白あん入り洋風まんじゅう)を食べる。
美味しかった。
それだけ!

 


<<2006年4月9日付ランキング>>
1
「ホテル・ルワンダ」テリー・ジョージ監督
2
「リフレクション」畠山美由紀
3
「ブロークバック・マウンテン」アン・リー監督
4
「ナゴム・ポップス・コレクション」
5
「pizzicato five I love you」ピチカート・ファイヴ
<解説>

そんな訳で解説です。
署名活動の末、日本公開が実現したテリー・ジョージ監督「ホテル・ルワンダ」観る。
1994年ルワンダ、わずか100日の間に100万人もの罪なき人々が虐殺される。
そのさなか、一人のホテルマンの愛する家族を守りたいという想いが、結果1200人の人々の命を救うことになる-という実話。
胸の震えがとまらない、そんな作品。
人間の強さ、弱さ、絶望、希望、あらゆる感情の渦が、悲しすぎる現実の飲み込まれていく。
一人でも多くの人に観てもらいたいと願う。
他人事ではない、この星の、僕たち人間の現実を。
畠山美由紀の新作「リフレクション」ばかり聴いてる。
丁寧に丁寧に作られた音の上を、歌声がなめらかに滑り込んでいく。
ずっとこの声に包まれてたいって思う。
素晴らしい作品です。
アン・リー監督「ブロークバック・マウンテン」観る。
20年に渡る秘めた愛、男同志の。
極端にも思える設定ではあるが、これが実に深い映画。
決して埋まることの無い胸に開いた穴についての映画と、僕は観た。
そう思うと理解できる。
不満なんてあるはずのない日常、なのに決して晴れることの無い想い。
夫として、父として、いろんなもの抱えて、それでも精一杯生きてく。
でも時々誰かにすがりついて泣きたくなる時がある。
秘密にすがることは罪なのか。
しかしこの映画、アカデミーなんかであれだけ話題になりながら、観たって話あんまり聞かない。
とっつきにくいかもしれなけど、観て損はないですよ。
80年代を代表するインディーレーベル「ナゴム」。
いまや大物演劇人、ケラリーノ・サンドロビッチが主催し、大槻ケンヂ、田口トモロヲ、電気グルーヴの二人を輩出したことから癖のあるレーベルと思われがちだが、その一方であの時代には完全に逆風にあった純然たる真っ当なポップミュージックを多く紹介したレーベルでもあった。
そんなナゴムのポップサイドの音楽を集めたのがこの「ナゴム・ポップス・コレクション」。
で目玉はなんつってもカーネーションの不屈の名曲にしてデビュー曲でもある「夜の煙突」。
メジャーデビュー盤「YOUNG WISE MEN」や20周年時にもレコーディング、森高千里もカーネーションをバックにカヴァーしたこの曲の最初期の音源、初CD化。
グランドファーザーズのデビュー曲も収録されてるんだから、こりゃ買わなきゃダメでしょ。
小西康陽選曲によるピチカートのベスト「pizzicato five I love you」。
一般的にはハッピーでキャッチーな音楽と捉えられているピチカートだが、そうじゃないことはファンならわかってるだろう。
部屋で一人噛み締めるように聴くピチカート。
ピチカートを信用できるのは、こういう曲があるからだ。

 


今、あなたがご覧になっているHPは「OFF!!音楽と笑いの日々」です。
引き続きお楽しみください。