OFF!!'s Weekly Chart log
<<2006年3月26日付ランキング>>
1
「ハリケーン」カーネーション
2
「Broken Words And Music In Concert」青山陽一
3
「オハナ百景」ohana
4
「天空の蜂」東野圭吾
5
三笑亭笑三
<解説>

そんな訳で解説です。
「GO-GO KING RECORDERS ORIGINAL RECORDING vol.1」に収められたカーネーションの「ハリケーン」が凄いことになっております。
ゲストに青山陽一(ギター、コーラス)と香取良彦(ヴァイブ)を迎えて10分以上に及ぶ渾身の一曲。
とにかく4分過ぎからの直枝、青山のギターバトルは必聴!
音楽的興奮にビンビンになること間違いなし。
カッコイイんだから。
で青山陽一氏のDVDが「Broken Words And Music In Concert」。
実は早々にサンプル頂戴してて、早く紹介しててウズウズしてたわけです。
でついに発売ってことで、もうこれは買って下さい!伊藤銀次、田中拡邦(MAMALAID RAG)、堂島孝平、真城めぐみがゲスト。インタビュー映像もたっぷりでマストバイでしょ。青山氏の音楽の肉体性、血湧き肉踊る感覚を味わって欲しい。
オオヤユウスケ、原田郁子、永積タカシからなるohanaのアルバムがついに。
今、一番いい形で音楽に取り組んでる3人が、それぞれの音楽を持ち寄って、音楽そのものを楽しんでる。
それ以上、何も言うことないでしょ。
今更ながら東野圭吾「天空の蜂」読了。
骨太なエンターティメント。
壮大なる大ボラ話を、徹底してクールにディテールを書き込み、丹念に丁寧に登場人物の心情を描くことで、物語のその先の熱情を表現することに成功してる。
さらに謎を謎のままストンと読者の前に落とすことで、それはさらに深く胸に迫る。
凄いもんだ。
末廣亭で遭遇した三笑亭笑三師匠に惚れる。こういう軽くて、洒落っ気がある、すっとぼけた爺さんになりたいもんだ。

 


<<2006年3月19日付ランキング>>
1
「春、バーニーズで」市川準監督
2
「毎日の環境学」小沢健二
3
薬師丸ひろ子
4
「Circle」木村カエラ
5
市川実日子 in 「blue」
<解説>

そんな訳で解説です。
WOWOWのドラマW「春、バーニーズで」を観る。
原作は吉田修一、監督は市川準。
サラリーマン・筒井(西島秀俊)は子連れの女性・瞳(寺島しのぶ)と結婚。
子供からは慕われ、妻の家族との関係も良好。後輩からも「理想の夫婦」と呼ばれるような、幸せな生活の中にいる。
何一つ不満なんてないはずの時間。
過ぎていく日常。
ふと立ち寄った洋服店で、筒井はかって同棲していたオカマの閻魔(田口トモロヲ)と出会う。
それは筒井が捨ててきたもう一つの時間。
人生に「if」はない。
あるはずがない。
幸せで不満なんてあるはずのない「生活といううすのろ」の中で、募る寂寥感、孤独感。
男はいつも弱いから、「もしもあの時…」を思う。
切り捨ててきたもう一つの時間。
「あるはずのない」もう一つの時間に逃げ込みたくなる。
わかってる、「生活といううすのろ」を捨てることなんか出来ないってことも。
それでも時々、胸にあいた穴の淵でもう一つの時間を夢想するのだ。
これ、まさに俺の物語だと思った。
西島、寺島の素晴らしい演技と市川監督の手腕。
市川監督は「孤独な時間」を描かせたら世界一だもん。
でこのドラマ観て、このテーマを考えてたらふと一人の作家のことを思い出した。
あるはずのないもう一つの時間、-もしあの時-をテーマにした短編を書き続けていた作家のことを。
意外に思うかもしれないが、それは藤子F不二雄だ。
小沢健二、4年ぶりの新作はなんとインストアルバム。
「毎日の環境学」がそれ。
官能的なリズム、繊細でキレのあるギター、穏やかで美しく、それでいて脆さも持っている。
小沢健二は正直な音楽家だ。
今まさに光が射そうとする瞬間。
そんな音楽。
NHK「音楽夢くらぶ」。
HIS目当てにチャンネル合わせたら出てきたのが薬師丸ひろ子。
「セーラー服と機関銃」「探偵物語」「あなたをもっと知りたくて」etc。
角川三人娘(古っ!)では完全に原田知世派だったので、彼女には特に想い入れなかったんだけど、全部良い。
筒美京平、大瀧詠一、呉田軽穂(ユーミンね)などのいい仕事振りも改めて思い知る。
しかし、あの声は貴重だな。
あの声で、古今東西の名ポップソングが歌われるアルバム誰か作ってくれないかな。
例えば「マジカルコネクション」(ジョン・セバスチャンの名曲、ピチのカヴァーヴァージョンで)とか金延幸子の「あなたから遠くへ」とか。
木村カエラ嬢のアルバム「circle」が良い。
會田茂一、高桑圭などによるワイルドで志の高いロックミュージックに埋もれることの無い、力強い歌声が実に魅力的だ。
聴く者の耳をぐっと引き寄せる歌声。
おじさんは参ってしまいますよ。
安藤尋監督「blue」今更ながら観る。
二人の少女の揺れ動く心情。
そんな揺れる気持ちを、まっすぐな瞳で演じた市川実日子が良かった。
この娘、全然かわいいってわけではないのに、やけに惹かれちゃう。
硬質なんだけど、しなやか。
絶対にもうかなわないなぁって思っちゃうような女の子。
はい、こういう人に弱いのです。


<<2006年3月12日付ランキング>>
1
「ふたつの朝」おおはた雄一
2
カーネーション デモCD-R
3
「監督不行届」安野モヨコ
4
「ディランとキャサリン」(友近&なだぎ)
5
チョコボール「ガトーショコラ」
<解説>
そんな訳で解説です。
おおはた雄一の新作「ふたつの朝」が良い。
実に渋い氏のギターと歌声を中心にして、地に足が着いたアコースティックサウンドを聴かせる。
坂田学を共同プロデューサーに迎えた「Rambling」の軽やかさにまず惹かれた。
そして細野さんの名曲「ハリケーン・ドロシー」のカヴァーがいい。
まぁ、この名曲を今カヴァーしてる時点で、偉いのだが。
ラグタイム〜ブルース〜ジャズ〜芳醇な音楽の旅。
お勧めです。
カーネーションのファンクラブ会報「SOUND FACTRY」に、潟nリケーン設立記念としてついたおまけが、3曲入りデモCD-R。
収録曲は「Love Scene」「Planet Radio」「Future Rock Show」。
でついつい直枝作品に耳が行っちゃいがちな私ですが、このデモでは今更ながら矢部浩志氏のポップなメロディーメーカーぶりを再認識。
シンセで爪弾かれる奇跡的な、ポップ!としか言えない旋律に感激。
今年はソロ・インストアルバムを制作する!と宣言している矢部氏、期待してますっ。
安野モヨコが庵野秀明との夫婦生活を描いたエッセイ風漫画が「監督不行届」。
ってもう去年の作品で随分話題にもなったんで今更でしょうが。
で読んでみたんだが、これが面白い。
マニアックな小ネタを入れつつ、エッセイコミックのゆるさとほのぼの感を調合しつつ、エンターティメント作品として昇華されている!
って普通に面白いです。
日本オタク四天王の一人と結婚し、オタ嫁として開放(?)されていく様は微笑ましくもあり、ちょい羨ましいような。
友近のメインの深夜特番「友近の人生ツアー」における、プラン9・なだぎ氏とのゆるゆるコント「ディランとキャサリン」に笑う。
なだぎ扮するアメリカ人青年「ディラン」は年末のオールザッツではじめて観たが、そのそこはかとないバカバカしさが最高。
友近の「吹き替え」モノマネとの融合でバカバカしさ、さらに倍。
いい歳をした大人が、その高い技術とセンスで、中学生レベルの悪ふざけを嬉々としてやることの素晴らしさ。
毎日、5分の帯でやってもらいたいぐらいだ。
コンビニで買ったチョコボール「ガトーショコラ」が美味かった。
いや、それだけですが、なにか?

<<2006年3月5日付ランキング>>
1
「3×3」NONA REEVES
2
佐野元春&THE HOBO KING BAND
3
「世田谷リンダちゃん」タナダユキ監督
4
「口笛小曲集」山川直人
5
「プラシーボ・セシボン」冨田ラボ
<解説>
そんな訳で解説です。
NONA REEVESの新作「3×3」が良い。
音楽による、音楽の為の「音楽」。
音楽への深い愛と畏敬の念に溢れた傑作です。
ドポップにしてドキャッチーなのに、崇高なまでの輝き。
今、ここに紹介できることを誇りに思います。
とまぁ、とにかく聴けばわかる。
その完成度の高さに驚き、音への想いにぶっとんで下さい。
佐野元春&THE HOBO KING BAND@フェスティバルホールに行ってきました。
実に3時間、飽きさせることなく飛ばす飛ばす。
20年以上前に作られた曲、最新の曲、どちらも新鮮に響く。
まるで古びないのは、佐野元春自身が今を生きる音楽家だからだ。
その青臭さ、だから大好きなんだ。
「タカダワタル的」を撮った監督、タナダユキによる短編映像が「世田谷リンダちゃん」(ココから観れます。14日まで無料試聴可能、急げ!)。
出演はムーンライダーズの鈴木慶一、白井良明、武川雅寛!そして「リンダリンダリンダ」の山下敦弘監督。
ねっ、観たくなったでしょ。
ちょっと心がほっこりする小品。
是非、ご覧あれ。
先週紹介した「コーヒーもう一杯」と同時発売されていたのがこの「口笛小曲集」。
山川直人の短編漫画集なんだけど、これまた良い。
もう好きとしか言えないビタースィートな世界。
-あっ、この気持ち、知ってる-そんな風に思いながらページをめくる。
とにかく、好きだなぁこういうの。
冨田ラボの新作「Shiplaunching」から、堀込高樹作詞、高橋幸宏・大貫妙子歌による「プラシーボ・セシボン」が良い。
天才にして変態、堀込高樹による「病弱なラブソング」を、世界一病弱な歌声を持つユキヒロ氏が歌うんだから、最高。
そして大貫妙子の、凛として強く美しく優しい歌声が添えられるんだから、ねっ。
大人の洒落っ気とユーモア。
こういきたいものだ。

今、あなたがご覧になっているHPは「OFF!!音楽と笑いの日々」です。
引き続きお楽しみください。