OFF!!'s Weekly Chart log
<<2005年8月28日付ランキング>>
1
「本業」水道橋博士
2
「バナナの皮」ピチカート・ファイヴ
3
江口寿史JUMP WORKS 1
4
「メリーゴーラウンド」堺正章
5
鶏皮の塩焼き
<解説>
そんな訳で解説です。
浅草キッド・水道橋博士の「本業」読了。
俗に「タレント本」と呼ばれる本の熱き書評集。
日経エンタ連載時からチェックはしてましたが、博士の「悪童日記」で書かれていた推敲につぐ推敲、その本気ぶりに報いる為にも即購入したわけ。
ネットを始めた頃からずっと読み続けてる博士の日記は、僕がHP、つまりは日記を書き始めたきっかけでもあるし、バラしてしまえば、あんな風に書きたいという目標でありお手本でもある。
それはもう書き始めて7年目の今でもそうなのだ。
でそんな博士が所詮読み捨てられる運命にあるあまたの「タレント本」の中から、珠玉の傑作、名作、迷作を語る。
この本を紹介するのが最大のモチベーションだったと言われる山城新伍「おこりんぼ さびしんぼ」、博士の日記にも度々登場する高倉健「旅の途中で」といった正統派から、ゴージャス松野、山田かな子(ヤマタクの元愛人、ド変態ぶりがオモロ)といったキワモノ、みうらじゅん、大槻ケンヂ、Oka-Changといった博士人脈サブカル必携本まで。
深い愛情を根本に、冷静なる批評眼、そして言葉の達人としての高い技術力が、単なる書評の枠に留まらせない。
先の山城新伍本をはじめ、大竹まこと、田原総一郎著作本などはぜひ読みたい!
ピチカート・ファイヴの89年作「バナナの皮」(「女王陛下のピチカート・ファイヴ」収録)を聴く。
「バナナの皮に/滑って転んで/ぼくはずいぶん痛かった/誰もがみんな/ユウツそうだったのに/ぼくを指さして笑った/ごらんそんなときだけ/世界中のすべてが/うまくいってる気がする」。
凄い詞だと思う。
高浪敬太郎のスタンダードなポップマジックを感じさせるメロディと、ソフトな歌声が一層言葉を引き立てる。
こんな風に、どこかで誰かが、バナナの皮に滑って転んでる僕を、笑ってくれたらいい。
また、ロマンティックに過ぎるかな。
でもそれってイケナイコトカイ?
集英社インターナショナルから出た「江口寿史 JUMP WORKS1 ストップ!!ひばりくん!」購入す。
傑作選とイラスト集、インタビュー、峯田和伸との対談など収録。
でも何が一番良いかというと、新たに書き下ろされた「ひばりくん」。
“今、自分の描ける一番かわいい子”こそが「ひばりくん」であるという江口寿史の心意気にグッとくる。
ま、中身的にはもっと突っ込めただろうと思うが、このイラストだけでも良しとしようじゃないか。
ついにマチャアキブームが到来!
いや、よく行くブログ界隈で盛り上がってて、隠れマチャアキファン、そしてこの隠れた名曲を愛する人たちが存在することに興奮。
田島貴男にカヴァーして欲しい!という提言も概ね好評。
ホント、名曲なんだから。
某所で「鶏皮の塩焼き」を食す。
う、美味すぎる・・とギュッと拳を握る。
それだけの話なんですけどね。

<<2005年8月21日付ランキング>>
1
「Bellissima!」ピチカート・ファイヴ
2
ファーブル昆虫記フィギュア
3

「Union」ポラリス

4
墓参り
5
アイスノン
<解説>
そんな訳で解説です。
88年に発表されたピチカート・ファイヴのセカンドアルバムが05年の今、一位です。
当時、ほとんどのメディアや音楽ジャーナリズムから無視されていたこのアルバム。
僕は京都の片隅で、このアルバムを聴いて大衝撃を受けてたんだけど、その想いを誰とも共有することは出来なかった。
あれから17年経っても、まだ僕の心を捉えて離さない音楽のことを日記に書いてみたところ、同じように感じてる人が多くいることを実感し感動しちゃいました。
発売されて2週間後には誰も覚えてないような音楽が溢れてるけど、こうしてずっと残り続ける音楽があることを、そんな音楽と出会えたことを誇りに思う。
セブンイレブン限定の海洋堂フィギュアがこの「ファーブル昆虫記」。
単なる昆虫フィギュアという枠に留まらない、生き生きとした造型が素晴らしい。
「ふんころがし」を眺めながら唸る。
あらきゆうこを新ドラマーに迎えてのポラリスの新作「Union」。
相変わらず、正直で真摯な音楽への向かい方が素晴らしい。
穏やかでしなやかで力強い。
この強さがポイント。
決して声高に叫ばなくとも伝わるものがある。
「It's all right!」の美しくも力強い肯定ぶりは目指すべきところだな。
数年ぶりに「墓参り」に行く。
たまにはいいもんだな、こういうお盆の過ごし方も。
この暑い夏をクーラーなしで過ごしている。
寝苦しい夜の救世主が「アイスノン」。
もう「アイスノン」無しでは寝られない身体になってしまった。

<<2005年8月14日付ランキング>>
1
西村哲也レコ発ライブ@拾得
2
「未来の恋人たち」カーネーション
3
「妖怪大戦争」
4
「PSYCHO-DELICIOUS」PINK
5
日本酒
<解説>
そんな訳で一日遅れの解説です。
行ってきました西村哲也「ウォーターメロン砦」レコ発ライブ@京都・拾得。
今回はシープドッグ・サンデークラブ・バンドなるバンドを引き連れてのバンドスタイル。考えたらバンドスタイルでの西村さんソロステージを観るのは初めて。
アルバムをさらにワイルドにした感じの、全速疾走なステージでかなり興奮しました。
アルバムではヴォーカルの力に耳がいったのですが、ライブでは改めてギタリスト・西村哲也の凄みを観ましたね。
スライドを渋く決めたかと思えば、骨のある音色でガッツリとソロを決める。
最後には狂気を感じさせるぐらいの迫力あるプレイを見せ、やっぱエレキギターってかっこいい!!と思いました。
声もよく出ていて20年やってるベテランミュージシャンとは、いい意味で思えないフレッシュさに拍手。
アルバムまだの人はぜひ買ってください。
夏になると聴きたくなるアルバム、カーネーション10年前、95年作品「a Beautiful Day」。
そこに納められた珠玉のラブソング「未来の恋人たち」に改めて感動。
友達からも「ロマンティスト過ぎる!」と呆れられてるのだが、「この季節がおわって/何10年もすぎて/ぼくがいなくなっても/くれぐれもよろしく/きみの未来の恋人たちに」なんてフレーズをあんなメロディで直枝さんに歌われた日にゃ、もうロマンティストにならざるをえない。
「いつもぼくの頭の中は/建設の途中段階だけど」ってフレーズにも共感することしきり。
ド名曲也。
観てきましたよ「妖怪大戦争」。
これは映画じゃなくて祭りですな。
天才子役(危険な呼び方ですが、初代ケンちゃんみたいにならないでね・・)神木隆ノ介君がきっちり演技して締めてくれている中、大人たちが妖怪さながら無責任に楽しんでて最高。
水木しげる先生の締めの一言も、この時代だからこそで素晴らしい。
あと高橋真唯嬢の「太モモ」&栗山千明嬢の「口元」に小学生男子はドキドキすべし。
PINKというバンドを覚えている人はどれだけいるだろうか?
80年代中頃〜90年代初頭にかけて活動、福岡ユタカ、ホッピー神山、岡野ハジメなどが在籍しためちゃくちゃかっこいいバンドだった。
お盆ということで今は亡きバンドをいろいろ聴いてるんだが、PINKは今こそ再評価されるべきでしょ。
ファンクを基調としながら、福岡ユタカの泣きのメロディと独自のヴォーカルスタイル(これが「ソウルフル」ということなのか!と初めて教えてもらったヴォーカリストでもある)は、今聴いてもなおカッコイイのだ。
「PSYCHO-DELICIOUS」は彼らにとって3枚目のアルバムで、最もポップで聴きやすいアルバム。
当時メンバーはそれ故に「自分達らしくない」と発言していたように記憶するが、僕はこれこそがPINKがPINKだった部分ではと思っている。
再発希望。
もともと、下戸なんだが、ここにきて「日本酒」をおいしく感じられるようになった。
理由ははっきりしていて、おいしい日本酒をおいしい料理、楽しい話とともに飲んだからだ。
まろやかで甘味があって、キリッと冷えた日本酒を、新鮮な魚と飲む、この喜び。
夏は苦手だが、この瞬間があることだけで、夏を許してあげられる。

<<2005年8月7日付ランキング>>
1
「we are PARANMAUM」パーランマウム
2
「感情のタマゴ」ゲントウキ
3
「国民ヤミ年金」柳家喬太郎
4
「おさるのナターシャ」高野寛
5
シャンプーハット
<解説>
そんな訳で解説です。
映画「リンダリンダリンダ」の劇中バンド・パーランマウムのアルバムが素晴らしく良い。
ペ・ドゥナ、前田亜希、香椎由宇、関根史織の4人が実際に演奏するブルーハーツのカバーが3曲、映画にインスパイアされた松本隆作詞のオリジナル曲が3曲。
全部良い。
足りない技術を補って余りある熱、ガレージロックの傑作であります。
白井良明氏によるグラン・アマチュアなプロデュースぶりがまた素晴らしいだ。
歌が上手いとか、乱暴に言っちゃうとポップミュージックにとっちゃどーでもいいんだよ。
ほら、ここにあるペ・ドゥナ嬢の歌声を聴いてみなよ。
どんな気持ちがする?
なんだか熱いものが胸の奥に湧き上がってくるでしょ。
これが音楽の力なんだ。
ゲントウキの新作「感情のタマゴ」は実によく出来たポップアルバム。
田中潤氏のソングライティング力に唸る。
丁寧に紡がれた良質のポップス。
趣味がいいだけに終わらない曲そのものが持つ力。
メランコリックなメロディラインに胸がキュンキュンと鳴り出す。
長谷川智樹氏によるストリングスアレンジの美しさたるや、もう。
新作・古典の両刀使い、21世紀の名人・柳家喬太郎師匠による、賞味期限付きの異色落語集「喬太郎落語秘宝館・別館」がオモロ。
特に昨年大いに話題になった「年金問題」をブラックに落語化した「国民ヤミ年金」が好き。
口跡の良さが心地よい喬太郎師。
その演技者としての技術力と作家としての狂気が見事融合。
ここんとこ、密かに「絵本」ブームである。
友達が貸してくれた数冊の絵本がどれも良くて、ふと目を通してはいちいちグッときてる。
絵本ってポップミュージックと似てる。
言葉と絵、その不思議な融合がマジックを生む。
単純な言葉で、単純な線で、イメージはどこまでも膨らむ。
作者はもちろん、その本が好きだという人の、心の奥で大切にしている何か。
その何かにそっと触れるような気がして、ぼくはとても幸せな気分になる。
でそんなことを考えてる時にばったり出会ったのが高野寛による絵本CD「おさるのナターシャ」。
「おはなし」と「おんがく」は高野寛、「え」は石坂しづか。
高野氏によると「三日三晩生死の境をさまよった後に、急に二本足ですたすた歩き出したおさるのナターシャは、ほんとうにイスラエルの動物園にいるんです」とのこと。
単純な言葉で、優しい音楽で、キュートな絵でおさるのナターシャが生き生きと動き出す。
うん、とてもいい。
漫才コンビ・シャンプーハットはどこに向かってるのか。
ここにきて、もうなんだかわからないデタラメなエネルギーに満ちた漫才がオモロイ。
行っちゃいけない方に向かってるのがいい。
いや、ホント、どこに行っちゃうの!?

今、あなたがご覧になっているHPは「OFF!!音楽と笑いの日々」です。
引き続きお楽しみください。