OFF!!'s Weekly Chart log
<<2005年1月30日付ランキング>>
1

「Land of 1000Flowers」 at 拾得

2
「パッチギ!」井筒和幸監督
3
畑正憲インタビュー by 吉田豪
4
「女性上位時代」ピチカートファイヴ
5
マーラーカオ
<解説>
そんな訳で解説です。
本年初ライブは「Land of 1000Flowers」 (at 拾得)というイベント。
FLOWERS LAND レーベルの3アーティスト、青山陽一、西村哲也、神森徹也によるアコースティックライブ。
拾得特有の和んだ雰囲気の中、お酒を飲みながら聴く音楽の素晴らしさ。
3アーティストそれぞれが、それぞれのカラーをうまく出していて好感がもてる。
神森氏はCDでは宅録エレクトロポップな不思議なサウンドを生み出しているので、アコースティックギターだけでどう再現するのかな?と思ったが、とにかく「曲」そのものがいいので、ギターと歌だけでも十分心に響く。
西村氏はヴォーカリストとしての魅力に驚いたな。
歌声に色気がある。
人の良さそうなMCも拾得の雰囲気にぴったりで、実にいい塩梅でした。
青山氏はもう貫禄のステージ。
ギター一本で作り上げる青山ワールド。
今や弾き語りさせたら現役最高峰。
一回聴けば異論は無いはず。
こういう音楽を前にすると、いかに普段聴かされている(コンビニとかテレビ・ラジオから流されてる)音楽が味気なくニセモノかってことがわかる。
井筒和幸監督「パッチギ!」がいい。
68年の京都を舞台に、在日コリアン、日本人高校生達が繰り広げる青春群像劇。
ケンカ、音楽、恋愛、差別、生と死・・全部ぶち込んでその先にある希望をきっちり提示してみせた井筒監督に拍手。
タモリ倶楽部で飲んでるだけじゃないんですね。
前回一位の吉田豪氏が01年に発表した「男気万字固め」。
わずか5号で休刊した「TVチョップ」なる雑誌に連載された山城新伍、ガッツ石松などへの男気溢れるインタビューをまとめた本なのだが、「男気万字固め」として単行本化される際に、本人からの要望で再録がストップされた幻のインタビューが「畑正憲」編なのである。
ムツゴロウさんのパブリックイメージを覆す、無頼派・畑正憲インタビューはもはや伝説であったのだが、先日ネット上で発見。
これが凄まじい男気溢れる内容。
こっそりリンクしときます。
91年発表のピチカートファイヴ「女性上位時代」。
久々に聴き返して改めて感動する。
間違いなく日本ロック史上に残る傑作。
後世に伝える為にもランクインさせときますよ。
山崎パンの「マーラーカオ」がウマイっ!それだけです(キッパリ)。

<<2005年1月23日付ランキング>>
1
「人間コク宝」吉田豪
2
PREFAB SPROUT
3
サンボマスター
4
冷凍きざみ油揚げ
5
「うつくしい子ども」石田衣良
<解説>
吉田豪「人間コク宝」読了。
「本人よりもその人に詳しい芸能本史上最強のインタビュアーによるインタビュー集」という帯カバーに偽りなし。
重箱の隅をほじりつつ核心をつくインタビューが、ただでさえ「濃い」人達のさらに「濃い」部分を抉り出す。
真木蔵人(山田邦子のおもしろさ熱弁など読みどころ満載)、カルーセル麻紀(男の中の男!)、三浦和義(ロス疑惑!)、田代まさし(「留置所からの手紙」掲載)、稲川淳二(涙無しでは読めません)、ROLLY(事実は小説より奇なり!)、中山一也(倉本聰宅での切腹事件のオモシロ真相は必読)やジョー山中、桑名正博から内田裕也へというラインも強烈。
もちろんこれだけの人選、ちょっとの話でもおもしろくなるんだろうけど、徹底したデータと、インタビュー相手への異常なまでの愛情で、肝の肝まで聞き出してしまう吉田豪の手腕が素晴らしいのだ。
「特濃」と呼ぶに相応しい名インタビュー集。
イギリスのロックバンド・PREFAB SPROUTを聞き返す。
洋楽は得意分野じゃないんだけど、このバンドはもう15年は聴いてる。
初期の「青春時代特有の苛立ち」をぶつけるようなギターの疾走感。
しかしそこから放たれる輝きは同時に「青春の持つ輝き」を閉じ込めたかのようでもある。
そして時を経て、その輝きはより繊細かつ美しい音楽と結実していく。
冬の空気にも似たその透明感。
大好きです。
サンボマスターの新譜は諸事情でまだ入手できてないんだけど(給料日きたら買います、トホホ・・)。
様々な媒体で目にする彼らの言葉にグッとくること多し。
特に「クイック・ジャパン」誌での山口氏による「日本ロック100選」はあまりにも共感する部分が多く納得するとともに嬉しくなった。
「人はそれを情熱と呼ぶ(ライブヴァージョン)」をひたすら聴きつつ、サンボマスターは希望の星だと確認。
最近、「業務用スーパー」と呼ばれる安売りスーパーによく行く。
馬鹿でかい「とんかつソース」とか袋一杯に入った「ふりかけ」とか見てるだけで、もう笑っちゃうんだが、そこで発見した「冷凍きざみ油揚げ(業務用)」が重宝している。
味噌汁に入れて良し、うどんに使って良し、野菜といっしょに煮びたしにすればこれまたうまし。
「油揚げ」さえあれば何だってできる気がするね。
石田衣良「うつくしい子ども」読了。
少年犯罪を題材にしながら、闇の向こうの光、「死」を前に「生」に向かう力を、実に手際よく気持ちよく描いている。
これはねぇ、中学生とかに読んで欲しいな。
小説世界への第一歩として、経験して欲しいこの読後感。
なお一位の「人間コク宝」はおもしろすぎるので中学生には隠しておこう。

<<2005年1月16日付ランキング>>
1
「マイキーズ・アタック展」
2
フェアチャイルド
3
「スーパーサイズ・ミー」モーガン・スパーロック監督
4
「ヘンリーの憂鬱」西村哲也
5
ねぎ入りだし卵
<解説>
そんな訳で解説です。
キリンプラザ大阪で開催中の「マイキーズアタック!展」観にいく。
既にマニア多数のマイキーをいまさらというとこもあるのですが、実は今回マイキー初体験だったわけです。
新作「ワー!マイキーリターンズ!」を観て笑うと同時に嫉妬しましたね。
完璧にデザインされた画面構成、突き抜けた色彩感覚、世の中には才能のある人ってのがいるもんだ。
ネタのおもしろさを増幅させるビジュアル。
卑怯な・・と思いながらも見事にはめられました。
http://www.tv-tokyo.co.jp/oh-mikey/
現在日本を代表するコメディエンヌ・YOUが在籍したことで知られる「フェアチャイルド」の音源を今更聴き返す。
戸田誠司率いる幻のテクノバンド「Shi-Shonen」は大好きなバンドだった。
メンバーチェンジを繰り返し、YOUをヴォーカリストに迎えたShi-Shonenはレコーディングの途中で解散。
新たに「フェアチャイルド」として生まれ変わった。
ファーストアルバム「YOURS」は戸田のカラフルなポップセンスとYOUのキュートなことこの上なしなヴォーカルが相まった奇跡的な名盤。
YOUの声はメロウなテクノバラードに合うんだ、また。
モーガン・スパーロック監督のドキュメンタリー「スーパーサイズ・ミー」観る。
1ヶ月マクドナルドの食事だけで過ごすと人間はどうなるのか?を監督自ら実験台になって検証。
どうなったかは観てもらうとして、僕が怖いなと思ったのはファーストフードの危険性というより、巨大企業による大衆支配というところ。
資本主義社会において「金」は絶対的な力であり、その「力」がさらに「力」をつけるためのシステムに社会が飲み込まれていく。
「食」の世界だけではない、「文化」「スポーツ」なんだって置き換えられるのだ。
隠れた名盤発掘ということで西村哲也「ヘンリーの憂鬱」を。
西村氏は元グランドファーザーズ(青山陽一氏、現カーネーションの太田譲氏在籍)のギタリストでこのアルバムは00年発表の初ソロ作。
メトロトロンレコード周辺で名ギタリストとして活躍、もちろん現在も京都を中心にギタリスト、ソロアーティストとして活動中。
カーネーションや青山氏のライブ会場でお見かけすることもしばしば。
でこのアルバムはシンガーソングライター的な手づくり感のある印象で、幅広い音楽性、そして決してうまくはないが味わいのあるヴォーカルがしっくりくる。
年に何度か引っ張りだしてきては聴いてるのだが、今だに飽きずに聴ける。
この耐久性が重要なんだな。
卵にだし汁、ネギ、ちりめんじゃこをいれて溶きほぐす。
フライパンにゴマ油を入れて十分熱されたところに、先ほどの溶き卵を流し込む。
8割程度固まったところで火を落とし皿に盛る。
醤油をちょっとかけて食べる。
これがおいしいのだ。

<<2005年1月9日付ランキング>>
1
いとうせいこう
2
佐野元春 「The SUNツアー」
3
佐藤雅彦
4
フレッド・アステア
5
さまぁ〜ず
<解説>
そんな訳で解説です。
今年もよろしく。
さて05年最初の一位は自分でも意外ですが「いとうせいこう」氏。
年末の「しりとり竜王戦」はじめ、テレビでの「仕切り芸」は現役最高峰と言っちゃっていいんではないでしょうか。
今、ここに「宝島」86年12月号がありまして、特集は「お笑いラジカル最前線」。
ラジカルGS、ダウンタウン、ワハハ本舗、リリパットアーミーなんかといっしょに既に登場していて、笑いとサブカルチャーを結ぶ若き才能っつー感じで15歳だった僕には眩しい存在だった。
あれから19年、いとうせいこう氏はテレビというメディアの新しい地平を切り開くことになるだろう。
34歳の誕生日に佐野元春のライブを見る。
昨年発表の「The SUN」は素晴らしいアルバムで、「Back to street,again」と本人も言っていたように21世紀のファーストアルバムと呼びたくなるような熟成されつつもフレッシュな音楽の魅力に溢れていた。
でライブも久々に「佐野元春」らしいステージで、お約束でありながら、ロックの青臭さを感じさせると言う名人芸。
もはやこれは落語だ!とさえ思った。
ホーボーキングバンドの完璧な演奏も最高で、ホールに居た全ての人が、佐野の音楽に込められた「希望の光」を感じることができただろう。
NHK教育でやった佐藤雅彦研究室の特番。
「考え方」を「アニメーション」で表現するというテーマで、実際に流されたアニメーションの気持ちいいこと。
ポップでキャッチーでユーモアがあって、そして新しい。
いっしょに見てた娘が「おもしろい!」と目を輝かせた。
これは凄いことなのだ。
本当に新しくておもしろいものは、どんな理屈さえ突き抜けていく。
こういうの見ると、なんか奮い立つものがある。
DVD「ザッツ・エンタティメント」見る。
もう何度となくテレビやビデオで見てるのだが、それでもフレッド・アステアのクールでエレガントなダンスを見てると幸せな気分になる。
世の中は楽しいことばかりじゃない。
人間は時としてひどく残酷で醜い存在になってしまう。
ブルーが心を覆ってしまいそうになる時、アステアのダンスを観よう。
人間が本当は素晴らしく美しい存在なのだと気づくだろう。
ダウンタウンの「ドリームマッチ」見る。
「さまぁ〜ず」の芸人としての「地肩の強さ」を今更ながら思い知る。

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引き続きお楽しみください。