OFF!!'s Weekly Chart log
<<2004年5月30日付ランキング>>
1
戸田誠司
2
町山智浩アメリカ日記
3

「黄金の月」つじあやの

4
「月夜を往け」佐野元春
5
松田聖子
<解説>
そんな訳で解説です。
「戸田誠司」と聞いて一体どれだけの人がピンとくるかわかりませんが、僕にとっては「ポップミュージックの神様」の一人。
かってShi-Shonenという素晴らしいバンドを率いて「瞳はサンセットグロウ」などなどの大名曲を作って、僕に「音楽の魔法」をかけてしまった人なのだ。
一般的にはYOUが在籍した「フェアチャイルド」のリーダーでほとんど全ての曲を作っていた人、あるいはアレンジャー、プロデューサーとしてが有名かもしれません。
でその氏が実に10年ぶり2作目のソロアルバム「There She Goes」を6月16日に発表。
特設HPにて試聴をスタート。
早速試聴してみましたが、既に傑作の香りが・・。
特にRCのカバー「スローバラード」のエレクトロ・アコースティックな音にぶっとびました。
今、一番更新を楽しみにしているのが映画評論家・町山智浩氏の日記
サブカルチャーについて、これだけ博識の人はいないだろう。
サブカルチャーの最新情報を紹介するとともにアメリカのダークな一面をズバッと切りつけ、インチキくさい「正義」や「常識」にツバを吐きかけるパンクな魂。
とにかく読んでみればわかる。
つじあやの「COVER GIRL」の中の一曲・「黄金の月」がいい。
もともとスガシカオのオリジナルも名曲だけど、メロディーの美しさと切なさが、つじのプレーンな歌声によってより鮮明になったよう。
佐野元春、エピック最後のシングル「月夜を往け」。
アコースティックギターの力強い響きがポップミュージックの成熟を感じさせる。
でちょうど「ミュージックマガジン」誌で佐野のインタビュー。
「CCCD」問題が原因と思われるエピックとの決別。
「“Back to street Again” という感じ」という佐野のロックな姿勢に改めて拍手。
力を入れてる新曲はどうかと思うが松田聖子がランクイン。
「聖子、秘蔵映像」とかで流れる懐かしいヒット曲の数々にはやはりグッとくる。
ちょい上目使いでカメラをみる若き聖子ちゃんの姿に、ご飯3杯はいけそう。
40を越えた今の松田聖子も「・・・ぎりぎり有りやな・・」とついつい緩めの判定。

<<2004年5月23日付ランキング>>
1

「スプーン超能力者の日常と憂鬱」森達也

2
「You and Me」キリンジ
3
「シャ・ラ・ラ」(PV)つじあやの
4
斉木しげる
5
「ANGLE」カーネーション
<解説>
そんな訳で解説です。
オウム真理教を追ったドキュメンタリー「A」の監督・森達也が01年に発表した著作がこの「スプーン〜超能力者の日常と憂鬱」。
これがもうオモロ。
秋山眞人、堤裕司、清田益章という3人の「超能力者」の日常を追うドキュメンタリー番組の企画を立ち上げたところから始まる。
むしろ超能力否定派である森が3人の内面に迫っていく。
信じる、信じないの二元論でしか語られなかった「超能力」。
大げさに煽る、もしくは徹底的にインチキだと糾弾する、そんなメディアに翻弄され続けた3人。
森は丁寧に「真実」はどこにあるのかを探っていく。
メディアによって封印された、もしくは歪まされた「真実」の意味は。
3人の「力」を目の当たりにし、「超能力者」としての苦悩を知る中で、それでも懐疑の目を完全に払拭できず、より深く3人に迫っていく森。
もうめちゃくちゃオモロで一気に読了。
これは「超能力なんて信じない」って人にこそ読んで欲しいな。
角川文庫から「職業欄はエスパー」と改題され文庫化されているのでぜひ読んでみて。
キリンジの新曲「You and Me」がいい。
完璧なポップミュージック。
詞・曲・アレンジのバランス、センス、完成度の高さとポップミュージックのエンターティメント性。
唸りながら何回も聴く。
つじあやのが奥田民生とデュエットでサザンの「シャララ」をカヴァー。
HPで5月末までそのPVを無料配信してるんだけどこれがいい。
短編映画の趣で、曲そのものの良さも相まってグッときた。
それにしても、つじあやのは唄が上手い。
唄の上手い・下手の判断基準は人それぞれだと思うが、僕にとっては、そこいらの自称・歌姫なんかより遥かに「上手い」と思える人なのだ。
毎年恒例のシティボーイズのライブに行く。
シティボーイズミックス PRESENTS「だめな人の前をメザシを持って移動中」で、相変わらず完成度の高い、大人の悪ふざけ。
しかしながら、もう一盛り上がり欲しかったなというのが感想。
期待してる分、ハードルが高くなっちゃってるんだけどね。
そんな訳で今回は、「斉木しげる」単独でランクイン。
ライブにおける斉木しげる氏のデタラメな存在感には毎回爆笑。
完全に「別世界の住人」と言うしかない。
カーネーション「ANGLE」はどうかと思うぐらいにヘビーローテーション中。
J-WAVEのHPで直枝氏弾き語りライブの模様が観れるのでこれもチェック。

<<2004年5月16日付ランキング>>
1

「ANGLE」カーネーション

2
「BLONDE」鈴木祥子
3

TUCK and PATTI

4
「MUCH LOVE」奥山みなこ
5
オムレツ
<解説>
そんな訳でカーネーションです。
もう、何も言うことはないでしょう。
ライブでは既にお馴染みの「ANGLE」です。
素晴らしいです。
ロックとはかくもロマンティックな音楽なのかと思いながら聞き込む。
歪んだギターの響き、タイトで骨太なリズム、直枝氏のヴォーカルは20年という歴史の重みと、20年なのにこのパッション!という驚きを同時に感じさせてくれる。
音楽のウラもオモテも知り尽くした音楽家が「きみは眩しく優しくおれの手に舞い降りたANGEL」なんて、王道のラブソングをビシッと決めるこの凄み。
カーネーションこそがロックです。
そして詞も曲も直枝節炸裂な「El Soldado」、『20th ANNIVERSARY PARTY VERSION』と銘打たれた「夜の煙突」には思わず涙。
思えばカーネーションとの出会いは16歳の時、ラジオから流れてきたこの「夜の煙突」(ナゴムレコードから出たオリジナルシングルバージョン、カーネーション音源で唯一持ってなくて未だ探してます)だった。
矢部浩志をセンターに、鈴木祥子(!)、鈴木さえ子(!!!)のトリプルドラムにゃ参ったよ。
CD購入者だけが見れる特典サイトで配信されているリハ風景で「動く鈴木さえ子」を観た時は胸が高鳴った。
そんな訳で一人でも多くの人にこのCDを買って、聴いて欲しい。
音楽を殺さない為にもね。
で鈴木祥子です。
4月後半に出て、忘れていたわけではございません。
満を持してのランクイン。
「BLONDE」は前のライブではじめて聴いたけど、日本の女性シンガーとして前人未到の域に達した、そんな「突き抜けた」印象を受けた。
改めてスタジオ録音盤を聴いて、音に込められた音楽家としての覚悟に感動する。ともに静かだが凛としたピアノとヴァイオリンの音が生む緊張感、言葉の力、流し聴きできない、なんというか雲間から降り注ぐ一筋の光のような強さと崇高さがある。
カップリングの「PASSION」も同じく音楽家の魂を音に刻み付けるような迫力。
揺るぎの無い音楽という力。
必聴。
ひょんなことから、京都の教会で行われたTUCK&PATTIのライブを観にいくことに。
昔々、確か「11PM」(もうEXテレビに変わってたっけ・・とそれぐらい前)に「タイム・アフター・タイム」を演ってる2人を観た時にゃ驚いたな。単純に「スゲー」ってなもんだった。)
でそんな2人のライブを僅か120名ほどの観客の小さなステージで見れるとはなんたる贅沢。
で内容はというと、とにかく「本物」。
一音一音、一言一言、その息遣いや弦のこすれる音までもが、まぎれもなく「音楽」だった。
曲名はわからないが、パティのボイスパーカッションに導かれた壮大な楽曲では鳥肌たったなぁ。
この2人の音楽に成分表示をつけるとしたら「音楽200%」てなことになるだろう(それにしても「音楽:1%未満」という音楽もどきがいかに多いことか)。
いやぁ、いいもん観ちゃったなぁ。

でレゲエ・ディスコ・ロッカーズのメインヴォーカルを勤めていた奥山みなこのファーストソロ。
とにかく、いい声でんなぁ。
気持ちのいい唄いっぷりと音楽に対する愛情に溢れた音。
タイトルの「MUCH LOVE」という感覚そのまま。
期待のシンガーであり、ソングライターです。
石井好子「巴里の空の下にオムレツのにおいは流れる」を読んでて、「オムレツ」が強烈に食べたくなったので作る。
たっぷりのバターに、粉チーズを混ぜた卵をさっと流し込み、手早くかき混ぜる。
形を整え、中は半熟トロトロ、アツアツのオムレツの完成。
うまいっ。

<<2004年5月9日付ランキング>>
1
「スクール・オブ・ロック」リチャード・リンクレイター監督
2
「死に花」犬童一心監督
3
「THE 9th SENSE」スチャダラパー
4
チョン・ジヒョン in 「猟奇的な彼女」
5
「KILL BILL Vol.2」クエンティン・タランティーノ監督
<解説>
そんな訳で解説です。
リチャード・リンクレイター監督、ジャック・ブラック主演「スクール・オブ・ロック」観る。
始まって2分、タイトルバックの時点で、これは俺の好きな映画だと思った。
そしてエンディングまでの2時間、何度も笑い、何度も抱きしめたいと思ったよ。
ジャック・ブラック扮するロックに魅入られた男・デューイの一挙手一投足にロックのパッションを感じ、ロックに目覚めていく才能ある子供達の姿にロックの希望を見た。
ラストのライブシーン、バンドの雄姿に心から拍手を送った。
もうとにかく楽しくて可笑しくて笑いながら泣いた。
音楽は希望である。
Gのコードを押さえてエレキギターをかき鳴らすことで、人生が、未来が輝きだす。
ロックスターになることだけがゴールではない、ロックを愛したそのことが生き方さえ変える。
まぁとにかく大好きな映画。
最高のロック映画。
それとデューイの気の弱い友人・ネッドを演じたマイク・ホワイト、この映画の脚本も手がけているこの才人の名前は絶対憶えといたほうがいい。
このネッドの最後の台詞がまたロックを愛してしまった、そしてロックスターになれなかった男にはグッとくるんだよなぁ。
あとエンドクレジットも最高なのできっちり最後まで観るように。
名作「ジョゼと虎と魚たち」の犬童一心監督「死に花」観る。
山崎努、宇津井健、青島幸男、谷啓扮する老人達ホームの仲間達が、死んだ仲間・藤岡琢也(助演男優賞ものの名演!)が残した計画、銀行強盗を実行に移すという物語。
多分、こういうそれほど宣伝もされてないし、俗にいうアイドル役者も出てない映画って、特に若い人たちは見ないんだろうな。
でもね、それはもったいないよ。
イーストウッドもデニーロも悪くないが、山崎努は全然、負けてないよ。
直木賞作家で元東京都知事の青島幸男のあの軽さは日本人の誇りだ。
笑えて、泣けて、胸がすっとする、この大人のクライムムービー、邦画なんて観ないって人にこそ観て欲しいな。
70歳過ぎた役者達の若々しさとバイタリティ、これみたら演技力のカケラも無いガキの為だけにいるような役者の芝居なんて観てられないよ。
スチャダラパーひっさびさの新作がいい。
初めて日本語のラップを聞いたのは15才ぐらいかな、「プレジデントBPM」を名乗った近田春夫の「マスコミニケーションブレイクダウン」だったか、いとうせいこうが藤原ヒロシ・高木完のタイニーパンクスを従えてやった「業界こんなもんだラップ」だったか。
もちろんJラップなんて言葉が無い頃の話。
彼らやヤン富田が日本ヒップホップの第一世代だとすると、スチャダラパーはまさに直系の第二世代。
僕とほぼ同年代の彼らのセンス、言葉の選び方や何が好きで何が嫌いかという生理的感覚にはずっと共感してきた。
そしてこの久々の新作はやはりまぎれもないスチャダラの世界で、そのユーモアに隠された骨太な魂を、ビートとライムに刻むゆるぎない姿勢が素晴らしい。
最近はやりの「Jラップ」とは一線も二線も画す作品。
待ってた甲斐がありました。
昨年のヒット映画、クァク・ジェヨン監督「猟奇的な彼女」DVDで観る。
大傑作というより、ポップでキュートな愛すべき小品。
観客の気持ちに応えるラストの幸福感は見事。
でとにかく主演のチェン・ジヒョンの魅力につきる。
細くて長い手足、美しすぎる黒髪、そして目の力。
完璧すぎてクラクラした。
男なら誰しも彼女に恋してしまうだろう。
タランティーノ監督「KILL BILL Vol.2」観る。
Vol.1はケレン味たっぷりの大スペクタクル大馬鹿映画(最上級の褒め言葉です)で監督・タランティーノやりたい放題の傑作だったが、今作はよりストイックな仕上がりで監督としての技量、そして脚本家・タランティーノの美意識がきっちり出た作品となった。
もちろんクンフーの修行シーンとかユマとダリル・ハンナのストロングな対決シーンなどアクションシーンも見応え十分だが、ラストの静かなるビル(デヴィット・キャラダイン、かっこいい!)との対決シーンに胸が詰まった。

<<2004年5月2日付ランキング>>
1
「ODREL」青山陽一
2
「THE BAND OF 20TH CENTURY:PIZZICATO FIVE Sony Music Years1986-1990」PIZZICATO FIVE
3
「文人悪食」嵐山光三郎
4
合気道
5
「アフリカのツメ」
<解説>
そんな訳で解説です。
前回書いてなかったのですがライブ「音楽感謝」にひょこりゲストとして登場したのが青山陽一。
アコギ一本でブルージィーに弾き語るそのスタイルはもはや唯一無二。
新曲を軽く一曲(これがまた最高)、そしてヒックスビルとの共演で青山の代表曲と言っていいあの名曲「電波組曲」を。
真城めぐみ嬢との生「電波組曲」には、はっきりいってやられたね。
まさに「聴くがいいグッドミュージック、言い換えればクレイジー」な共演だった。でライブ後、そのまま拾得に居残り、いっしょに行った友人と音楽の素晴らしさに打ち震えつつ一杯。
「ヒックスビル最高!、カーネーション最強!、青山陽一素晴らしい!」などとすっかりいい気持ちだったわけ。
でそろそろ帰ろうと立ち上がると、そく後ろに青山氏が!
酔った勢いもあり「10年来の大ファンでげす」とご挨拶。
単なる営業とはいえ、一応ラジオ局に所属している身、えいっと名刺を差し出す。
隣に居られた美人マネージャーさんにご挨拶頂き「見本盤送ります」のお言葉。
で来たよ、ほんとに見本盤。
そんな訳で5月26日発売、青山陽一待望の新作「ODREL」はまじで傑作です。
青山流ソウル&ダンスミュージック。
いやそれだけじゃない、盟友・鳥羽修のヌケのいい音作り、夏秋文尚をはじめとする気心しれたミュージシャンたちとの音の会話っぷり、もち青山のキレがあってコクがある、そして色気のあるギターと歌。
素晴らしい作品っす!
局内でも地道に営業活動。
こんな素晴らしい音楽を電波に乗せないなんて業界の罪だ、とかなんとか。
またまたピチカート・ファイヴです。
不遇のソニー時代の楽曲を小西康陽自らまとめたのが「THE BAND OF 20TH CENTURY」。
ソニー時代のピチカートのことははっきり覚えている。
そしていかにその時代のピチカートがマスコミ、音楽ジャーナリズム、そしてレコード会社であるソニー自体に無視されていたかもだ。
15才だった僕は「皆笑った」を聴いた時、どれだけ感動し、胸を躍らせたか。
あれから18年、もう何百回、何千回と聴いたこの曲に、僕はまだ胸を躍らせている。
18年たってこうして再評価されることは嬉しいことでもあるが、「遅いよ!」と言いたくもなる。
僕は今でも音楽ジャーナリズムなんか信用してない。
「カップルズ」を、「ベリッシマ」を、「女王陛下のピチカートファイヴ」を、そしてあの「月面軟着陸」さえも、真っ当に評価できず、その素晴らしさを伝えようともしなかったクソ業界よりも、僕は僕自身の耳を、15才だった僕のこの耳を評価するし、信用してる。
そういうことだ。
おい、まだ2位までしか解説してないのに、長いよ!
でいまさらながら嵐山光三郎「文人悪食」読む。
すこぶるオモロ。
かって国語の教科書に出てきた「文人」たちを「食」という観点から見ていくと・・・という大作。
「食」は作家達の「性」そして「生」に密接に繋がりその作品にまで及ぶ。
教科書の副読本としてこれがあったら、中学・高校時代の「国語」がもっと楽しめたのに。
会社の部長に誘われ、なぜか「合気道」の道場に見学へ。
「習ってみいひん?」という部長に半ば強引に連れて行かれたのだが、観てみるとこれがなかなかおもしろそう。
基本は関節技で、うまい人はまるで舞うような動き。
先生にもいろいろご説明いただき、こんな感じですと2秒で関節を決められ、部長共々のたうつ。
そんな訳で入会の方向で現在、検討中。
木曜深夜のテレビ「アフリカのツメ」。
チャートに入れたものの、まだおもしろいのかどうなのか判断ついてないのだ。
シットコムというには脚本が弱く、バラエティ色強いし、バラエティというには設定がありすぎる。
今田耕司と井川遥がホテルを営む夫婦役、従業員に大倉孝二、なぜか佐野元春までレギュラー出演。
今のところ、今田・大倉が笑いのポイントを探りあってる感じがあるのだが、どう転ぶか。
うん、もうちょっと観察。

今、あなたがご覧になっているHPは「OFF!!音楽と笑いの日々」です。
引き続きお楽しみください。