2003年11月上旬

そんな訳で7,8月の日記はいろいろと反響あったのですが、カーネーションの「やるせなく果てしなく」をバックにエンドロールが出たわけではなく、人生はまだまだ続いてます。
9月から某ラジオ局に営業社員として働くことになり、どたばたと慣れない仕事をどうにかこうにかやってる訳です。
そんなこんなで9月、10月の日記はちょっとお休みしました。
特別忙しかった訳でもないのですが、原点に戻って日記スタイルでやっていこうかなと思ったので。
その間のポップカルチャー時評は「OFF's weekly chart」をご覧頂くとして、11月から日記スタイルでお届けします。さていつまで続くやら・・。


11月1日
休日。
妻と娘は幼稚園の行事で朝から出かけていったので、しばし自由時間。
映画の日ということもあり早速近所の映画館へ。
クエンティンタランティーノ監督「KILL BILL」観る。
いやぁ、笑った、興奮した。
もう最初の10分で、「クエンティン、あんた最高だよ!」と思った。
話が進むにつれ、膨らんでいく、この壮大なるホラ話。
全篇やりたい放題でこれぞ、映画って感じ。
バッサバッサ切り倒すユマ・サーマンの殺陣は武版座頭市にはかなわないが、その立ち振る舞いはスタイリッシュでかっこいい。
でも最高だったのは制服姿で鉄球を振り回す栗山千明嬢。
いい。
めちゃくちゃオモロかった。
映画愛に満ちた映画でやっぱ自分の好きなことを信じて好きにやってる人の作品は強いわ。
で午後は家族とボケーッと100円ショップへ。
しかし100円ショップは凄いな。
何だって揃ってるな。
一人暮らし始めるとしたら重宝するだろうなぁ。
夜、テレビで爆笑問題の「バク天」観る。
バカバカしくもおもろ。
「これが太田のベスト3」とまんま同じの太田コーナーがやっぱおもろ。
太田の一人喋り芸(と後ろから突っ込む田中)が確立したな。
関係ないけどゲストの井上和香ちゃんの胸の谷間はホントに、もう、なんちゅーか、・・最高!っすね。
であとは「マンハッタンラブストーリー」ビデオで。
相変わらずキョンキョンが最高で「女」と「女の子」の両面をキュートに表現する小泉今日子はやっぱ特別だよなぁ。
あと郷ひろみの名曲「ハリウッドスキャンダル」とかキョンキョンが口ずさむ松田聖子の「夏への扉」とか音楽の使い方がいい。
クドカンと同世代だからそう思うのかもしれないが。
でタランティーノにしろ、クドカンにしろ、「あの頃の自分」を対象にモノを作ってる人の作品はやっぱりおもしろい。
マーケティングなんて言葉はクソ食らえだ。


11月2日
休日。
妻の実家で法事。
お昼はみんなで豪勢なお弁当を食す。
「松茸の土瓶蒸し」はさすがにおいしかった。
初めて会った時はまだ幼稚園児だった甥っ子がもう中学3年ですっかり大人顔になってるのを見て、ちょっと驚く。
そりゃそうだよなぁ、俺の娘ももう来年小学生なんだから。
おとうちゃんは永遠の14歳なのに。
で義兄や甥っ子と裏のバッティングセンターへ。
実に20数年ぶりだな。
だいたいバット握ったこと自体が片手でさえ余るぐらいのスポーツ音痴の俺。
かすりもせずで既に腕が痛い。
人間、できないことはやらないほうがいいね。
で娘はそのまま仲良しの姪ッことお泊り。
家帰ってビフォーアフター見つつ、妻と二人でおでん(俺、作)の夕食。
友人KからTEL。
転職後、どうだい?ということでTELしてきてくれる。
メールで「どうですか?」なんて聞いてくれる友人もいて、俺のことを気にかけてくれてるんだなぁと思うと本当に嬉しい。
この場を借りてお礼を。
ありがとう。


11月3日
朝から妻はPTAのバレー大会とかで同じマンションの奥さんといっしょに近くの体育館へ。
雨なので当然のごとく車で送らされる。
で次はバレー見学したいという娘と姪を妻の実家まで迎えに行き、体育館へ。
でおにぎりの買出し頼まれ、スーパーで大量購入しお届け。
休日とはいえ、なかなか休ませてもらえませんな。
でやっと手が空いたのでオーパまで。
いや、もはや浜大津オーパは壊滅状態ですな。
ほとんどの店が撤退し2階フロアなんて一店舗も入ってないんだから。
最後の砦となったヴィレッジヴァンガード覗く。
ここだけはなくなってほしくないなぁ。
でタランティーノ特集の「BRUTUS」誌購入。
どこ行っても売り切れだったのでやっと手に入ってうれしい。
で昨日の残りのおでんの昼食。
図書館で借りてた中島らも「心が雨漏りする日には」読了。
「うつ病」「躁病」体験を書いた本で、客観的な視線とユーモアで描かれたハードコアな日々。
闘病記でありながら作家中島らも誕生の過程が描かれるある種、青春記になってるところがおもろ。
この作品を発表した後、らも氏は大麻で逮捕されるという大オチがつくのだが、それもまたおもろではないか。
で中島らも作品はタイトルがいいなといつも思う。
「今夜、すべてのバーで」とか「永遠も半ばを過ぎて」とかね。
で妻や娘を迎えに行ってもう夕方。
夜は妻と娘はバレー大会の打ち上げに。
でひとりまたおでんで夕食。
さすがに3食おでんはあきるね。
で滋賀会館シネマホールへ行って「シティ・オブ・ゴッド」観る。
うぁー、めちゃめちゃおもろい!!
2日前に「KILL BILL」おもろと書いたがそれ以上。
俺が見た映画の中でもベスト5に入る傑作。
ブラジル版仁義なき戦いというノンフィクションで60年代〜80年代のブラジルのスラム街でのギャングたちの抗争が描かれる。
ハードなバイオレンス描写とユーモアそしてめちゃめちゃクールでスタイリッシュなカメラワーク。
その編集の妙、またシナリオの構成の妙に何度となくシートの上でのけぞる。
もう興奮しまくっちゃったね。
見終わってパンフ買うとき、思わず店員さんに「これは、めちゃめちゃおもろかった!」と言ってしまったほど。
誰かにこのおもしろさを伝えたくて伝えたくてがまんできなかったよ。


11月4日
3連休後の仕事はちょっとキツイね。
営業中、遊説中の小泉首相を見る。
こんなとこまで来て大変ですな。
政治のことはよくわからんが(それはそれで問題だけどね)Xジャパンが好きだという小泉首相は音楽の趣味は非常に悪いね。
CM見るたび、その音楽センスのなさにあきれる。
会社の行き帰りに聴いてるのはショコラ「chocolate notes」
理想的な女性ヴォーカル。3曲目に収められた「愛の魔法」という曲がとにかくいい。
メロウネスにメロメロです。


11月5日
営業マンのオアシスはコンビニである。
売上を求め走るハードな旅を続ける中、ふと立ち寄るコンビニ。
とりあえず「タイムスリップグリコ青春のメロディー」と80円のお茶を購入。
で一日仕事して会社出ると外は雨。
妻に迎えに来て電話いれるも、露骨にイヤがられ雨の中、折り畳み傘で20分歩いて帰る。
こういう時、誰かに抱きしめてほしくなるなぁ・・。


11月6日
営業してると昼食のタイミングが結構難しい。
今日は3時過ぎに一人王将で皿うどんの昼食。
なるべく安くあげようと思うが、毎日牛丼ってのもさびしいので。
ラジオのニュース聞いてたら近所で殺人事件。
不謹慎ながら、なんだろうこのワクワク感。


11月7日
仕事で京都にオープンするなんかごっついレストランのレセプションパーティーなるものに行く。
完全に浮いてるぜ、俺。という感じ。
なんだか物凄い人の数で人酔いする。
シャンパンを飲みつつ、一人うろうろして料理もまともに食べれなかったな。
でも、なんかこういう華やかな場にいるとマシンガンをぶっ放したくなる。
これってなんだろう、ひがみかな。
で会場でやってた「カオリーニョ藤原と彼のボサノムーチョ」のライブを見る。
演歌BOSSというなんだかうさんくさいがなかなか楽しかった。
ヴォーカルの女性が魚系顔の美人で、ちょいそそられるな。
でなんか人がとんでもなく増えてきたので退散。
で久々の京都なので少しうろうろといっても京都のタワーレコード覗くぐらいなんだが。
とりあえずPolaris「Family」購入。
あとは丸善でコラム特集の「編集会議」購入。
金曜の夜、京都を一人歩く。
孤独をこじらせて死にそうな気分。
結局、人間って一人なんだよなぁと実感。
街は携帯電話を片手に歩く人ばかり。
誰かと繋がりたいと思うのは人間ゆえなのか。


11月8日
休日。
やり残した仕事があったので午前中ちょこっと会社に出て仕事。
あとはのんびり。
TVブロス「ラーメン特集」でのロマンポルシェの馬鹿仕事ぶりが最高。
写真とキャプションの妙。
学生の頃、友人達と旅行にいって撮った写真にバカなコメントをつけるのが得意だった。
夜はかに玉(俺、作)を食べつつ爆笑問題の「バク天」。
ライセンスのコントがつまらない。「太田の人間遺産」コーナーはバカバカしくていいな。
それから「エンタの神様」についてはあえて今までコメントしてないんだけど一言。
演芸番組としてみると腹立たしいにもほどがあるが、若手(実はそうでもない中堅どころ)の芸人をカタログ的に知らしめるという意味では正解なのかも。
ただ「はなわ」は全くおもしろくない。
今日の放送ではますだ・おかだが「写真で一言」ネタをやっていたが、これも頂けない。
これが松本人志の専売特許であることは当人達もわかってるはず。
ますだ・おかだは嫌いじゃないだけに何故そんなことをしでかしてしまったのか憤りを感じる。
ドランクドラゴン、アンジャッシュ、インパルスは平均点をキープというところだが、彼らとしてはライブが本拠なんだろうな。
つぶされないように願いたい。
でビデオで「マンハッタンラブストーリー」。
笑い、泣き、タバコをくゆらすキョンキョンに今日もやられた。
物憂げな表情を見せる酒井若菜ちゃんも捨てがたいが。


11月9日
朝から「サンデージャポン」で長井秀和。
「間違いないっ」は完成度高し。
でもこの人も実は結構長い。
確か当初はパントマイムなんかやってたはず。
ネタ自体は未見だが西条昇氏あたりが当時絶賛してたので名前はインプットされてる。
98年にYMOの「増殖」のパロディアルバム「増長」を爆笑問題といっしょに出していて、そのCDはしっかり買っていた。
で今日は雨なのでどこにも出かけず。
たまたま「笑っていいとも増刊号」にチャンネルがあっちゃったら、KABAちゃんが踊ってる場面。
その後ろでタモリがでたらめに踊ってて、その表情、体の動き、立ち振る舞いがあまりにくだらなくて大爆笑。
こういう気を抜いてただふざけてるタモリは最高である。
「編集会議」12月号を読む。
ベストコラム88という特集で濃いなぁ。
で高田文夫氏、吉田豪氏、泉麻人氏などがコラムベスト5をあげてるんだが、皆異口同音にして「ナンシー関」不在を嘆いている。
抜けた穴をふさぐ存在はもう多分出てこないと思う。
ポスト・ナンシーを狙ってくる女性コラムニスト達は、ナンシー関が最も嫌ったタイプであることは「間違いないっ」。


11月10日
月曜、雨。
仕事が早く終わったので帰りにパルコの紀伊国屋へ。
「Invitation」誌と待望の百瀬博教「プライドの怪人」文庫版購入。
行き帰りに聴いてるのがPolarisの「Family」
傑作なり。
「直球の美しさ」を感じる。
特に頭3曲の美しさは何なんだろう。
素直とか無垢だとかは、自覚的にしろ無自覚にしろどこか「あざとさ」が目に付いて好きになれない。
このPolarisの音楽は「あざとさ」がまるで感じられない。
これを音楽の強さというのかもしれない。
もう20年近く意識的に音楽を聴いてる。
でもまだこんな気持ちで聴ける音楽と出会うことができるんだと思うと嬉しくなった。
いつか娘にこのアルバムを贈りたい。


11月11日
今日は仕事で琵琶湖半周。
疲れたにゃ〜。
で帰ってご飯食べながらユースケサンタマリアが出てるドラマ見る。
タイトルは知らん。
しかしユースケは気がついたらキャリア重ねていい位置にいるなぁ。
でもちゃんとうまいものなぁ。
でドラマのエンディング。
夏川結衣と「変態顔」の北村一輝のシリアスなシーンにいきなり流れてきたのがB'zのバカ二人による「勝手にしやがれ」のカバー曲。
なんで「勝手にしやがれ」やねん!と見てた人、全員が突っ込んだはず。
ドラマと全くかみ合わないミスマッチにもほどがある楽曲。
B'zの松本某は最近、昭和歌謡をセンスのかけらも感じさせないアレンジでカバーしてるが、誰か注意しろよ!
2003年とは思えない、原曲の時代よりも古臭く、愛情の感じられないカバーは失笑すらもったいないほどだが、これが売れてるってんだから、ったく。


11月12日
今日は仕事で一日湖北。
なんせ、新人なんでね、やるしかない!状態ですよ。
で家に帰って「ワンナイ」見ながら夕食。
しかし「ワンナイ」いまだにおろいのかどうかわからん。
ドンドコ山口のホストコントはバカバカしくていいがね。
いかんせん古いな。


11月13日
仕事後、滋賀会館シネマホールへ。
塚本晋也監督「六月の蛇」見る。
今月三本目の映画でこのぐらいのペースは維持したい。
学生時代以来の映画熱がなぜか高まっている今日この頃なのだ。
で「六月の蛇」は主演女優・黒沢あすかの勝利というところだな。
女一人と男二人のいびつな三角形がモノクロの画面の中にうごめく。
男にとって女は永遠の謎である。
その謎解きを試みるも結局はラビリンスに迷い込むことになる。ラ
ビリンスへ男をいざなうものが「エロス」なんじゃないか。
とかなんとか思いながら、エロティックを越えた黒沢あすかの肉体に潜む魔物と、吸い込まれていく男の滑稽さにう〜んと唸る。


11月14日
仕事後、会社の人と飲み。
瀬田駅前のこぎれいな店で一杯。店員さんが皆美人で鼻の下を伸ばしながらなんだかんだで最終電車の時間まで。
でも瀬田からだと大津まで10分だし、やっぱ地元は楽ですな。


11月15日
朝から少し会社に出て仕事。
昼からは娘の七五三へ。
着物を着た娘は本当にかわいくてとろけそうになる。
京都から娘見たさにやってきた両親もいっしょに、近くの神社まで。
着物姿の娘と歩く、少し肌寒い秋の日。
悪くないね。
でお参り後、ホテルのレストランで食事。
親の奢りでしかこういうところでは食事できないからな。
で後はのんびり。
図書館に行って、野口文雄「手塚治虫の奇妙な資料」、藤子不二雄A「Aの人生」、宍戸錠「シシド小説・日活撮影所」、「新しい単位」借りる。
家に図書館があったらなぁと子供の頃から思ってた。
小学生の時は図書委員だったしね。
でそれから家族で買い物。
近くの業務用食品スーパー。
しかし業務用食品って見てるだけで楽しいね。
やたらでかいソースとか焼肉のたれとか、でかい袋に入ったふりかけ、でかい缶に入ったケチャップとか、もうそれだけで笑っちゃうもんね。
昔、浅草キッドのネタで俗に言う「巨根」(まあ「デカチン」のことですね)にあだ名をつけるってバカバカしいのがあったんだけど、そこで「業務用」ってのがあって笑ったなぁ。
他に「戦艦ポチョムキン」とか「ぶらり松太郎」なんてのもくだらなくて笑った。
って娘の写真の下で語る話じゃないね、どーも。
夜はビデオで「マンハッタンラブストーリー」。
Gの回は掟破りのオチだったなぁ。
でも伏線を張り巡らせてただけあって、不思議と納得。


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