2003年3月上旬

土曜仕事後、久々にオーパのヴィレッジヴァンガードに。
なんかおもろいものないかとぶらぶら物色。
小西康陽「Readymade Digs Disny」の3枚組みアナログシングル発見したので早速購入。
店内に流れてた曲があまりにいいので思わず店員さんに誰のCDか尋ねる。
ソワレという人の「CHANSONCHIC SOIREE 」というアルバムだった、でもちろん購入。
それから文藝別冊の「トリビュート特集・ナンシー関」、4連式のトイカメラも意味無く購入。


ムーンライダーズ「Don't trust over30」
このアルバムを最初に聴いたのは86年。
今から17年前、僕は16歳だった。
あの頃の僕はというと、学校と部屋とレコード屋と本屋が世界の全てで、サブカルチャーに夢中で、音楽と笑いだけが友達で、女の子にはまるっきりモテなかった。
まぁ、つまりは今もまるで変わってないんだけど。
で86年の冬、このアルバムを聴いたときの衝撃たるや、なんて表現していいのかわからない。
大林宣彦監督の「青春デンデケデケデケ」の中で主人公がラジオから流れてきたエレキの音に、まるで感電したみたいに衝撃を受けるシーンがあるが、まさにそんな感じで。
当時既にメンバー全員がオーバー30だったムーンライダーズが「Don't trust over30」というタイトルを掲げて、ロックの衝撃とポップのセンチメンタルと狂気とひねくれとイノセントと・・・音楽の持つマジックの全てをぶちまけたロック史に残る名盤。
そしてその盤をオーバー30になった今、聴き直しまたもや衝撃受ける。
そうなんだ、何をくすぶってるんだ、16歳の時、ムーンライダーズは教えてくれたじゃないか。
「Don't trust over30」権威なんて、常識なんて信用するなって。
オーバー30になっての混沌、もうぐちゃぐちゃにこんがらがったり、空っぽになったり、重い荷物や根深い矛盾抱えたり、終わってることに気付いたり、でももう全部抱えてなおかつそれ突き抜けて狂っていくしかないんだ。
それこそが、お前の進むべきとこなんだよ。


元ストリートスライダーズのHARRY「Bottle Up and Go」聴く。
スライダーズを最初に聴いたのは14歳の時だったか。
まだ音楽に目覚め始めたばかりのアホな中学生だった僕でも、一聴して彼らの音楽が「本物」であることが判った。
でこのHARRYの初ソロはもっと渋いものを想像してたんだけど、これが「Bottle Up and Go」のタイトル通り、実に軽やかでハイな感じでびっくり。
そういえば高田文夫氏がepicレコードのライブを観た話をしてて、その中でギター一本で登場したHARRYのことを「林家ペーチックな」と形容してて笑った。
もちろん、アルバムは「林家ペー」チックではないですが・・。


ママスタジヲ「天才と幽霊」がいい。
いきなりの「ロックンロールパッケージ」そのイントロの捻じ曲がりっぷり、突き抜けたポップぶりが実に、実にイイ。
イントロがいいってのはやっぱポップミュージックの絶対条件。
川口智士作「最初の人生」もいいイントロしてますねぇ。
この真っ直ぐなひねくれポップさは、もはや中学生(もちろんほめ言葉)ノリ。
車中フルボリュームで聴く。


ソワレ「CHANSONCHIC SOIREE」がいい。
シャンソンの代表曲「愛の賛歌」のボッサなカヴァーで幕をあけるこのアルバム。
渚ようこをさらにパンチ効かせたような歌声を聴いてずっと女の人だと思ってたのだが男性だったのでまたびっくり。
カヴァーも悪くないが「僕は笑う」「お天気いい日」などソワレ自作曲が全ていい。
歌謡〜ジャズ〜シャンソン、時代を超える音楽。
断然、支持。


文藝別冊の「トリビュート特集・ナンシー関」、リリーフランキー&ナンシー関「小さなスナック」を合わせて読了。
ナンシー関不在という事実の重みを改めて。


大阪出勤。
帰りはいつものようにタワーレコードへ。
カーネーション「VENTURE BUSINESS Vol.3」購入。
1曲目「OOH!BABY」に泣く。
これは今の俺の気持ちまんまじゃないか!!
直枝の弾く男気溢れるギターソロ、力強く、しなやかなリズム。
矢部のドラムのなんとかっこいいことか。
そして、そして直枝の歌が詞が30男の心にビシビシに響く。
「終わりのない問いかけと同じ/どんな答えも波のように揺れては消える/レンガを高く積み上げてた/怖いものから逃げるように隠れてた昨日/でも日射しはこんなにもおれをあったかく包んでくれる/壊れそうなほどに」
これもう2003年の俺のテーマ曲に決定。


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