2001年1月下旬

あいかわらず毎日忙しい。たまりにたまった振替休日はいつ消化できるのか。


会社帰りタワーレコードへ。ファンタスティックプラスティックマシーン「Beautiful」そして東京漫才の最終兵器・昭和のいる・こいるのマキシシングル「そんなもんだよしょうがない」購入。このシングル、高田文夫作詞、玉置浩二作曲の表題曲にカップリングは25分にも及ぶ漫才を完全収録。やっぱ、買うでしょ、これは。しかしFPMとのいる・こいるを同時に買うとは我ながら守備範囲ひろいな。


久々に会う友人と飲みに。モスコミュール飲みつつ近況報告しあい、いろいろと話。結構飲んだのでいい気持ち。あっという間に11時。楽しい時間はすぐに過ぎるものだ。


で帰りの音楽ピチカートファイヴ、初期の傑作「ベリッシマ」。今もって名曲を作り続ける小西康陽の最初の名曲「これは恋ではない」が何回聞いても最高。「これは恋ではなくて/ただの痛み 君は天使じゃなくて/ただの娘」30にして深い詞世界に納得。


小林信彦「結婚恐怖」読了。いかにも小林信彦的主人公が「結婚」という怪物に飲み込まれていくさまは滑稽であるが恐ろしい。いや、いや、「結婚」ってホラー小説のテーマとしては永遠のものかもね。特に男性にとっては。


浅草キッド「お笑い男の星座」購入。一気に読了。TVブロス連載時から愛読してたが、これはおもしろい。おもしろいというか深いな。浅草キッドによる、エンターティメント・ノンフィクション。笑いや格闘技に生きる男たちに魅了された男が描く、壮大なるばか話。これは浅草キッドによる渾身の正統派ネタ本である。爆笑問題の「日本原論」に対するキッドからの回答と俺は見たね。


あいかわらず忙しく、連日深夜の帰宅。平日は娘の寝顔しか見られない。父ちゃんいつも帰ってこないなぁとか思ってんだろうな。寂しい限り。


退社する後輩の送別会。2件掛け持ちで。出会いがあって別れがあるが、俺の会社人生活はいつまで続くのだろう?ちょっと、いや、かなり不安になる。しかしその不安から目をそらすしか今の俺にはできないのだ。生きるってことの意味が本当にわかる日がくるのだろうか。


久々に早く退社、ちょこっとタワーに寄り道して小西康陽によるシティボーイズライブのオリジナルサウンドトラック「夏への無意識」松尾清憲「passion glory」購入。


入社当時からお世話になっていた会社の上司が突然の退職。ばりばりのたたきあげで厳しい人だったが、僕は入社したときからすごくかわいがってもらった。「俺、小野ちゃん、好きやねん」と大声でいいながら肩をたたかれたことを思い出す。この2年ほどはお身体を壊されたこともあって、いつもしんどそうで、時には見ていて痛々しく感じられることもあった。3ヶ月ほど前から、同じプロジェクトで仕事をさせてもらって光栄に思っていた。退職される2日前、ともにプロジェクトを進める先輩と報告に行ったときに、「・・悪いなぁ、俺がちゃんとできひんばっかりに・・、ほんまに悪いなぁ・・」といつになく弱気だった。その言葉にいたるまでの経緯はここでは書かないがいろいろ見てきてるので正直辛かった。退職される前日の夜、帰りの電車でふと「もしかしたら・・」という思いがよぎった。しかし、まさかこんなに早くその日が来るとは。一報を聞いたとき、涙をこらえるのが大変だった。もちろん下っ端の僕でさえそうなってしまうぐらいだから、より近くにいた課長さん達の気持ちは察して知るべし。男が惚れる男だった上司の退職は入社以来の大きな衝撃となった。会社っていったいなんだ?仕事っていったいなんだ?人生とはいったいなんだ?と思わずにはいれない一日。


そして人生は続く。

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