みうらじゅんとジョンレノン(1996)

「みうらじゅん」の名を初めて目にしたのは中学生の頃だったろうか。
今ではすっかりエロ雑誌になってしまった「宝島」は当時はものすごくかっこいいサブカルチャー誌で中学生だった僕の教科書だった。
みうらじゅんも蛭子能収もしりあがり寿もいとうせいこうも藤原ヒロシも川勝正幸もラジカル・ガジベリビンバ・システムもワハハ本舗もファントム・オブ・パラダイスもフリークスもピンクフラミンゴもスパイク・リーも奧崎健三もゲンズブールもデニス・ホッパーも南方熊楠もみんな「宝島」が教えてくれた。
その中でみうらじゅんの存在は僕には眩しいばかりだった。
今でこそ「マイブーマー」として広く世間に認識されている(ルー大柴が司会してるNHKの趣味講座みたいな番組で仏像コレクションとかカスハガ<カスのような絵はがき>を紹介してる彼を見てあまりのくだらなさにちょっと感動した。でそんな氏のバカコレクションの集大成ともいえる「VOWでやんす」はとりあえず買っとかなきゃいけないでしょう。松本人志氏をゲストに迎えたカスハガのページなどは二人の「発想のジャンプ力」にただただ圧倒されるのみ、必読!その他田口トモロヲ氏とのユニット「ブロンソンズ」のアルバム「スーパーマグナム」や作品集「はんすう」エッセイ集「マイブームの魂」などが相次いで発売。96〜97年はまさにみうらじゅんイヤーである)氏だがもともとは漫画家。
91年に発表された超が付く名作「アイデン&ティティ」は全ての音楽ファン、ロックンロールピープルの涙腺をゆるゆるにさせたけど、先日発売された続編「マリッジ」もまたグッときた。
ボブ・ディランに代わり今回はジョンとヨーコが悩めるロッカー中島に真実の愛を教えるというストーリー。
ちょっと後半詰め込みすぎかなと感じたけど「LOVE」について正面から挑んだだけでも偉い。うそっぱちの愛とか愛のまわりのうすぼけた「愛みたいな物」はテレビで毎日の様に垂れ流されてるけど、ジョンがいう「LOVE」については誰もちゃんと考えてないんじゃないだろうか。
みうらじゅん氏の生真面目さにちょっと胸打たれた。
みうら氏の活動を見てると自分自身に誠実であろうとする姿勢に深い感動を憶える。
世間の評価なんてくそくらえ。
自分にとっておもしろいか、おもしろくないかそれが全てである。
その自分の感情を信じ、素直に受け入れることがどれだけ難しいか。
で全く同じ時期に出会った本が(これは偶然じゃなくて必然)「ジョンレノンに再び出会える本(原題:Peace at Last)」作者はジェイソン・リーンという人で驚いたことにこの本、チャネリング(早い話がイタコの口寄せってやつ)によって書かれたものでかなり眉つばといえばその通りなんだけど霊界からジョンが死後の世界を克明に語っている。
これが全部嘘だとしてもそれはそれでOK。
で内容はここでは置いといて注目したいのが「チャネリング」という部分。
暴露本ってのがここ数年バカでも気づくほど氾濫してるけどもうそろそろやめにしてほしい。
これからは「チャネリング本」の時代だ。
横山やすし
(全く関係ないけど先日「ソウルトレイン」の特番を見て気付いたのだが、やっさんは明らかに70年代ソウルの影響を受けている。
あの細身のスーツと広い襟。
それにあのアクション。
間違いない。
さらにやっさんは近田春男より早い80年初頭に「あほんだら!」「おんどれ!」などスラングを随所にちりばめた日本初の本格ラップナンバー「泣いて盛り場大阪編」を発表しているという事実。
あの破天荒な生き方もソウルという観点からみると納得できる。)
からのメッセージ
(最終的にはきよしとの「チャネリング漫才」なんてどうだ。
関係ないけど先日レコード屋でやすきよの漫才のCDを見てたらなんとボーナストラックとして葬式時のきよし師匠の弔辞が収められていた。
きー坊フリークにはたまらない一品だろう。
で僕にはピンときたね。
来るよ、弔辞ブームが。
最近も渥美清氏の死去に伴い倍賞千恵子と浅丘ルリ子の弔辞が人々の涙腺を刺激したけど、そのうち「弔辞100連発」なんてビデオが出たりエイベックスあたりから「ノンストップ弔辞」なんてCDが出ることだろう。
ボーナストラックは当然森繁の弔辞集。
例の「神様はむごいことをなさる。順番でいったら私なのに・・」ってのがいつでも聞けるぞ!そんな訳で僕も今から友人達への弔辞を練っている。)
とか太宰や芥川龍之介の新作(芥川賞はまちがいないね。)なんてのも売れそう。
チャネリングが日常的な物になったりしてね。
笑点の大喜利で「チャネリングして一言」なんてお題がでたりして。
「まず最初に自分が誰か名乗ってください、そしたら私が何が言いたいんですか?と聞きますのでそこで一言言ってください。」
「はい好楽さん」
「三平です。」
「何が言いたいんですか?」
「こん平なんて破門!」
「ダハハ!山田君、こん平さんの一枚とって好楽さんにやってくれ!」
「ちゃーらーん!」(こん平、ずっこけながら意味なく大きな声で)とか
「はい楽さん」
「私、歌丸です。」
「まだ生きてるよ!」なんてすかさず歌丸師匠が突っ込んだりね。
円楽も「ダハハ!悪いよそんなこと言っちゃ。もうすぐなんだから!」
「それどういう意味だよ。えぇっ!」なんても一度突っ込んだり。(たぶんそんなことないだろうな・・・)


 

今あなたがご覧になっているHPは「OFF!! 音楽と笑いの日々」です。
引き続きお楽しみ下さい。