「努力に勝る天才なし」は嘘


「努力に勝る天才なし」という諺があるが、私はこの諺は嘘だと思っている。
凡人は、天才に勝てないのだ。
この諺は、教育的配慮の諺で、常に努力、頑張りなさいという先人の教えなのだと思う。
私を含めた凡人は、努力し、つらい練習に耐えて、ある程度のレベルまで到達した。
しかし天才は、努力、血の出るような練習をしなくても到達するのだ。
私達凡人が、天才の練習を見たとすれば、それは、それは大変努力し、血の出るような
練習だ、しかし天才は、それが当たり前だと思っているし、平然としているのだ。
それ故に、天才と呼ばれるのだ。
イラストレーター、エッセイストを生業としている「中島らも」なる人物がいる。
テレビで数年前、タレントの上岡竜太郎がこんなことを言っていた。
中島氏は、灘高校から超ドロップアウトして大阪芸術大学に行った。
氏が灘高校へ入って良かったなーと思ったことがひとつだけある。
それは、本当の天才を見たと言うのだ。
氏の同級生に、B君がいた。彼は、高校生で、英語、ドイツ語、フランス語の哲学書を
原語で読むことができる。
数学の時間には、スワヒリ語の勉強をしており、数学教師がB君を回答者に指名すると
スワヒリ語の本から目を離し、黒板を数十秒見たのち、回答するのだ。もちろん正解。
やはり「努力に勝る天才なし」は嘘。