同級生


おちゃらけ学園を書き始めて5年が過ぎました。
最近は私の小学生時代の話を書いています。
今だ「車椅子の少年」未完結です。
書いているうちに一人の同級生の女の子が思い出され気になっていました。
そう、車椅子の少年を書き始めてからです。
彼女は、小5・6と同じクラスで丁度、車椅子の少年の舞台になっているクラスでした。
 
彼女は同じ中学に進学しましたが、同じクラスになることなく卒業してしまいました。
卒業式当日・・・卒業アルバムが手渡されました。
そして、彼女のクラス写真には上段に別枠で彼女の写真がありました。
小判型の小さな顔だけの写真でした。
彼女は撮影当日欠席したのでした。
そして個人写真が空白になっていました。
先生が卒業生全員に彼女の写真を配り、名前だけしか印刷されていな場所に張るように指示をしました。
私たちの個人写真は、高校受験票に張る写真と同じものでした。
ツッパリ君も受験票写真と同じにすることで、少しはまともな髪型や、制服姿になるように先生方が考え出した
苦肉の策でした。
 
私は先生に、何でMさんの写真が後から張るのか尋ねました。
先生は、写真屋さんの手違いでと言いつくろいました。
後で聞いた話なのですが、彼女は3年生の2学期の途中から登校しなくなってしまったのです。
私は全然知りませんでした。中学になってから彼女と話した記憶も無いのです。
彼女は今で言う「不登校です」。
そして現在で言う「引きこもり」で家から一歩も出ない生活をしているらしいと聞きました。
みんなに配った写真を撮影するにも先生は一苦労したと思います。
私はこのことを「車椅子の少年」を書き出してからふと思い出し、気になっていました。
中学を卒業してから彼女とは一度も会っていないのに・・・・・・・・・
 
一月ほど前、私は車で帰宅途中で、中年女性とすれ違いました。
そこは生活道路で車もスピードを上げて走る場所ではありません。
その女性は、私にはMさんに見えました。
私は車を降りて、直ぐに「Mさん・Mさん」と二度声をかけました。
すると、彼女は不思議そうにゆっくり振り返りました。
私は「Mさんやろ、俺・・XXわかる?」と尋ねました。
彼女は、不思議そうに見つめていました。
私は再度、「Mさんやろ・・」と言うと彼女は首を横に振っただけで声は出しませんでした。
もう30年近くも会っていない同級生なのになんで、Mさんと確信して声をかけたのか不思議でした。
数日後、私はまた彼女と出会いました。
私は彼女の眉間にあった、傷を思い出していました。
彼女の眉間に古傷があれば、Mさんだ・・・・・・・
私は彼女の眉間を凝視しました。
すると、うっすらであるが見覚えのある古傷の跡が眉間にありました。
間違いないMさんだ・・・・・
でもどうして違うといったのだろうか・・・・・・・・・・
それから、この一月の間に私は5回彼女を見かけている。
何十年と会わなかったのに週1度のペースで私は彼女を見かけている。
その範囲は、4つの私鉄駅にまたがって出会っているのだ。
別の沿線でも私は彼女が歩いているのを見かけた。
いつも一人で歩いている・・・
会うたびに私は声を掛けようか考えたが今一歩踏みとどまっている。