もうその番組は終わってしまったが、その番組を見ていて番組制作者に対して
私は怒りがこみ上げたのを思い出す。

その番組は、主に流行っていない飲食店経営者を繁盛店に短期修行させ、
繁盛店に再生すると言った内容の番組だった。

ある時は、経営者の金銭感覚のだらしなさをこれでもかと放映し、
またある時は店の汚さを強調し放映するといった覗き見主義的な番組だった。
私自身、経営者の端くれなので「人の振り見て・・・」のことわざ通り自分自身のヒントになれば・・
と思い時間が合えばその番組を見ていた。
私は元来ひねくれ者なので、テレビ番組を映像通り受け入れることはない。新聞雑誌もしかりである。
多少の脚色や演出にまで目くじらを立てるほど野暮ではないが、
ある日のその番組の内容があまりにもひどすぎたので、今思い返しても気分が悪くなる。


その日の番組は、ことさら出演者の貧困振りをこれでもか!と放映したのである。
その方には2人の小学生の男の子と女の子がいた。
商売がうまくいっていないために、朝食のおかずは「塩辛」のみ、
夕食はそうめんだけ・・・これの毎日の繰り返し・・・といったナレーションと映像。


私は「過大な演出」だと思った。
そして、この番組を見た同級生が「いじめの」ネタにしないかと心配した。
そこまで、番組製作者は考えていないであろう。
おそらく、学校関係者がその番組をみたのなら、私が危惧したことをほとんどの人が感じたであろう。
出演者はワラをも掴む思いで番組に応募しているのである。
隠したいと思うことさえ全国に放映され、誇大に演出される事にも目をつぶっているのである。
繁盛店の「レシピ」を無料で番組を通じて教えてもらえる代償が「プライバシー」を全国に晒すことなのである。
以前その番組フリーク者が運営しているHPを偶然に見つけた。
私は、その親子がどうなったか興味を持ちそのHPをつぶさに見た。
そのHPは、出演した方の店が今現在どうなっているのか?をレーポートしていたからである。
結局、その店は閉店しておりその親子がどうなったかは定かではない。
その番組の司会者の1時間番組当たりのギャラが数百万円と聴いて私は空しさを感じる。