ほないくで   あるあるネタやで   西川君もうちょっと詰めて

ケースに入れてもネック折る
 
ハイ!ハイ!ハイハイハイ!ワオ!
あるある探検隊!あるある探検隊!\(^o^)/


と、笑い事ではございません
今回はハードケースに入れていたにもかかわらずネックが折れていたという例を

ネック折れというか、接ぎ割れですね
スカーフジョントのネックはこの接ぎ部分で色々と問題が出るのですが
(スカーフジョイントの問題点についてはいずれまたお話しましょう)
この例は外力によって接ぎ部分が外れてしまったようです
「ようです」というのはこのギターは楽器店からの依頼修理で
直接オーナーに事情を聞けないので憶測で言ってるのですが
この先のお話もあくまでも私の推理です
で、タイトルになるのですが、このギターは専用のハードケースに入れていたのに
ある日ケースを開けたらネックが折れていた!そんな例なんではないでしょうか
というのも…


持ち込まれた専用ハードケースのヘッド部分にペグが当たった形跡があり
どうもこの部分に常に力が掛かっていた様子があったのです
で、修理完了後ギターをケースに入れてみると…
やはり上の写真のようにペグがケースに当たっており
グリップ部分はネック受け枕から浮いていました
つまりケースの中ではこのヘッド先端部分で支えられていた訳です
この状態ではハードケースに入れていても外からの衝撃が加われば
ヘッド先端部分に衝撃が直に伝わり、裸で倒したのと同じようにネックが折れてしまいます
ケースごと倒せば当然ですが、例えば車のトランクに寝かせて運ぶような状況でも
車がギャップを乗り越えた時のように縦方向の衝撃が加わり
トランク内でケースが跳ねてしまっただけでケースの中でネックが折れてしまう可能性もあります


このような例は意外と多く、このレスポールの場合もそうです
画像では確認しづらいかもしれませんがヘッド先端部分がケースの内張りに食い込んでおり


グリップ部分はこのようにネック受け枕から完全に浮いてしまっています
上で説明したようにこれではかなり危険な状態ですので
こう云った場合は下の写真のようにネック受け枕の部分に
タオルなどを当てて嵩上げしてください

ネック受け枕を嵩上げし、尚且つネックをネック受け枕に押し付けた状態
(ケースを閉めた状態を考慮して)でヘッド裏とケースの底に空間が出来るように
タオルのたたみ方を工夫して高さを調節しましょう
上の写真のように指が入るくらいの空間が出来ていれば十分でしょう

ヘッドに角度が付いているギターはちょっとした衝撃でネックが折れてしまいます
ソフトケースやギグケースで運ぶときは十分な注意が必要なのは皆さんご承知でしょうが
ハードケースに入れていてもこのようにケースの欠陥で危険な状態になる事もあるのです
あなたのケースは大丈夫ですか?一度確認してみて下さい
今回例にあげた2本は共にギターに付属してくる“専用ケース”の例で
「ウチのはメーカーの専用ケースだから大丈夫」などと思っていてはいけません!
結構ギターメーカー(或いはディーラー)って何も考えていない事が多いのです
特に“強度”に関しては多くのギターメーカーが驚くほど無関心で
「こんな作りで持つはずが無い!」なんて云う構造の“新機構”が
「音に拘った画期的アイデア」てな軽い謳い文句で堂々発売されたり
どこかの頭でっかちのアホウが理屈だけで商品化してしまうパターンが多いんじゃないでしょうか
ひょっとすると「ギター弾きなんて理屈だけで飛びついてくる」なんて思われてるのかも?(^_^;)
このへんの「理屈と構造の矛盾」についてもいずれお話したい思います

そうそう、はじめに載せたネック折れですが↓このように直りました
オイルフィニッシュのネックは仕上げが楽ですので修理代は安く上がりますし
仕上がりも良好です(^_^)
前の記事 目次に戻る 次の記事
HOME


Mailお問い合わせ