魔界水滸伝(第1部全11巻) | 栗本薫 | 角川書店 | 岡本俊弥 |
コンタクト | カール・セーガン | 新潮社 | 大野万紀 |
ニューロマンサー | ウィリアム・ギブスン | 早川書房 | 安田均 |
ゴルゴダの呪いの教会 | フランク・デ・フェリータ | 角川書店 | 野村芳夫 |
悪魔なんかこわくない | マンリー・ウェイド・ウェルマン | 国書刊行会 | 福本直美 |
妖少女 | 谷恒生 | 祥伝社 | 星敬 |
カリブの天使(旅客飛行船3) | 高斎正 | 徳間書店 | 鏡明 |
アンダーウッドの怪 | デイヴィット・H・ケラー | 国書刊行会 | 野村芳夫 |
SF映画の冒険 | 石上三登志 | 新潮社 | 野村芳夫 |
北の娘(アラン史略3) | エリザベス・A・リン | 早川書房 | 福本直美 |
ディアナ・ディア・ディアス | 新井素子 | 徳間書店 | 福本直美 |
髑髏伝4 奔雷の巻 | 谷恒生 | 光文社 | 白川星紀 |
デリラと宇宙船野郎たち(未来史1) | ロバート・A・ハインライン | 早川書房 | 鏡明 |
死を告げる白馬 | アルジャーナン・ブラックウッド | 朝日ソノラマ | 安田均 |
幻花伝 双神の門 | 紀和鏡 | 実業之日本社 | 白川星紀 |
ドーム | 夏樹静子 | 角川書店 | 鏡明 |
惑乱の公子 | タニス・リー | 早川書房 | 鏡明 |
ショートショートの広場’86 | 星新一 | 講談社 | 安田均 |
虚空の眼 | フィリップ・K・ディック | サンリオ | 野村芳夫 |
地底ドドンパ男 ラヴ・ペア番外編 | 岬兄悟 | 早川書房 | 福本直美 |
銀河乞食軍団8 | 野田昌宏 | 早川書房 | 大野万紀 |
飛騨のヤマトタケル(大和武尊SF神話6) | 豊田有恒 | 祥伝社 | 大野万紀 |
天上編 宇宙皇子2 | 藤川桂介 | 角川書店 | 星敬 |
84号収録のレビューは、1986年6月15日から9月25日までの30冊。 今月の注目作は、R・A・ラファティ『悪魔は死んだ』、ジェイムズ・ティプトリーJr初の翻訳単行本『老いたる霊長類の星への賛歌』。名のみ高かったティプトリーは、この時点まで訳書がないままという状況だった。なお、翌1987年の自殺により、また大きな話題を呼んでいる。 |
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悪魔は死んだ | R・A・ラファティ | サンリオ | 大野万紀 |
老いたる霊長類の星への賛歌 | ジェイムズ・ティプトリー・Jr | サンリオ | 岡本俊弥 |
銀河傭兵部隊(銀河辺境外伝2) | A・バートラム・チャンドラー | 早川書房 | 鏡明 |
邪星記 曼荼羅の砦 | 紀和鏡 | 徳間書店 | 鏡明 |
月世界への旅 | M・H・ニコルスン | 国書刊行会 | 鏡明 |
ショート・ショート劇場3 | 小説推理編集部編 | 双葉社 | 喜多哲士 |
黒の召喚者 | ブライアン・ラムレイ | 国書刊行会 | 野村芳夫 |
イルーニュの巨人 | C・A・スミス | 東京創元社 | 福本直美 |
巨根伝説 | 半村良 | 祥伝社 | 安田均 |
ニセコ要塞1986@ | 荒巻義雄 | 中央公論社 | 喜多哲士 |
妖界天女 | 草川隆 | 有楽出版社 | 喜多哲士 |
エスパーファイル | 志津三郎 | 中央公論社 | 星敬 |
魔王伝1(魔界都市ブルース) | 菊地秀行 | 祥伝社 | 喜多哲士 |
銀河残侠伝(昇り龍2) | 横田順彌 | 勁文社 | 野村芳夫 |
ヴァンパイヤー戦争5 | 笠井潔 | 角川書店 | 星敬 |
ニチャベッタ姫物語 | 西丸震哉 | 中央公論社 | 白川星紀 |
砂上楼閣の男(ケン&ボスク1) | 冬杜絵巳子 | 集英社 | 星敬 |
ヴァレンティーナ | J・ディレーニイ&M・スティーグラー | 新潮社 | 岡本俊弥 |
SFマガジン・セレクション1985 | 早川書房編集部 | 早川書房 | 白川星紀 |
プラクティス・エフェクト | デイヴィッド・ブリン | 早川書房 | 大野万紀 |
疾れ風、吼えろ嵐 | 水城雄 | 徳間書店 | 安田均 |
地球の緑の丘(未来史2) | ロバート・A・ハインライン | 早川書房 | 福本直美 |
宇宙港物語 | 川又千秋 | 双葉社 | 野村芳夫 |
聖獣都市 | 友成純一 | 廣済堂出版 | 白川星紀 |
変化の風 | アイザック・アシモフ | 東京創元社 | 安田均 |
貪食細胞 | 井谷昌喜 | 光風社出版 | 安田均 |
悪魔としてのP・K・ディック | P・K・ディック他 | サンリオ | 福本直美 |
金色もミルクと白色い時計 | 大原まり子 | 角川書店 | 大野万紀 |
プリズム | 神林長平 | 早川書房 | 福本直美 |
玄武城の呪い | 竹河聖 | 光風社出版 | 岡本俊弥 |
85号収録のレビューは1986年7月25日から8月31日までの33冊。
今月は菊地秀行特集(『妖魔異伝』、『魔王軍団』、『淫魔宴』、『エイリアン邪海伝』、『妖獣都市3』)。 |
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菊池秀行特集 | 野村芳夫 | ||
魔宮戦場1 | 竹島将 | 角川書店 | 白川星紀 |
魔の生命体 | ヴァン・サール選 | 朝日ソノラマ | 星敬 |
猫柳ヨウレの冒険2 | 光瀬龍 | 徳間書店 | 安田均 |
2020年ホログラフ元年 | 西谷史 | 日本ソフトバンク | 喜多哲士 |
洪水のあと | P・C・ヤシルド | 岩波書店 | 白川星紀 |
暗黒星雲突破!(銀河辺境外伝3) | A・バートラム・チャンドラー | 早川書房 | 星敬 |
ミステリーゾーン2 | ロッド・サーリング | 文藝春秋 | 喜多哲士 |
地球少年ジュン | 五島勉 | 祥伝社 | 白川星紀 |
ライオンルース | ジェイムズ・H・シュミッツ | 青心社 | 岡本俊弥 |
零戦の秘密(タイムパトロール極秘ファイル2) | 豊田有恒 | 角川書店 | 福本直美 |
メガロポリス特捜隊(現代編1) | 田中光二 | 角川書店 | 鏡明 |
アマノン国往還記 | 倉橋由美子 | 新潮社 | 岡本俊弥 |
死せる銀河 | 畑山博 | 毎日新聞社 | 鏡明 |
魔術師 | 山田正紀 | 徳間書店 | 岡本俊弥 |
星界小品集 | パウル・シューアバルト | 工作舎 | 大野万紀 |
深夜勤務 | スティーヴン・キング | サンケイ出版 | 鏡明 |
アナンシ号の降下 | L・ニーヴン&S・バーンズ | 東京創元社 | 大野万紀 |
ナイトワールド | デイヴィッド・ビショフ | 東京創元社 | 福本直美 |
イースターワインに到着 | R・A・ラファティ | サンリオ | 安田均 |
物体X | 山田正紀 | 早川書房 | 安田均 |
ふるさと遠く | ウォルター・テヴィス | 早川書房 | 福本直美 |
ヘリック最後の冒険(ヘリック4) | 田中光二 | 光文社 | 大野万紀 |
宇宙探査機 迷惑一番 | 神林長平 | 光文社 | 鏡明 |
作家の肖像 | 中島梓+栗本薫 | 講談社 | 星敬 |
日本SF年鑑1986年版 | 日本SF年鑑編集委員会 | 新時代社 | 岡本俊弥 |
異境の聖戦士(ランドルフィ物語5) | 清水義範 | 朝日ソノラマ | 喜多哲士 |
王都炎上 アルスラーン戦記1 | 田中芳樹 | 角川書店 | 白川星紀 |
叛逆王ユニカ | 井沢元彦 | 角川書店 | 星敬 |
1986年全般については、1987年の4月号に総括記事が書かれている。執筆者は、国内が 鏡明、翻訳が大野万紀。全評者による推薦作は下記の通り(アドベンチャーのベストは発行年月日1月〜12月で区分けを行うため、概ねその年の2月に出る4月号から翌年1月に出る3月号までが選考範囲となる)。
一昨年のブリンに続いて、去年はギブスンが登場した。今年は、ギブスンの短篇集をはじめ、ベアなども紹介されるという。話題と期待を集めた同時代作家群も、ようやく“見えて”きたわけである。さて、その本命であった『ニューロマンサー』なのだが、予想通り、さまざまな反応を呼ぶ結果となった。詳細は、メインの評価でなされるだろうから、触れないが、はてさて話題を超越するほどの出来であったのかは、ちょっと態度保留としたい。短篇集も出ることだし。 話題性といえば、ラファティ、ティプトリー、ワトスン、ディッシュ(『キャンプ・コンセントレーション』)らの、名のみ高かった作品が出版された。もう一世代、二世代も前の作家たちだけれど、生き残るものは、やはり (作品の質で) 強者ということか。重さを感じさせる作品。 一方、我国の情況は、今一つ重量感に欠けるように思える。一人、かんべむさしの重い作品が目立ってしまった。重い作品ばかりである必要性はないが、全体に比べてのバランスの問題である。新人のデビューも、特に新書分野で多かったものの、道具として使う以上に、SFを昇華できた作品はなかったように思う。ベスト以外では、『ぬばたまの』を思い出させる、眉村卓『夕焼けの回転木馬』 が印象に残っている。 その他に、SFを考える本として 『SFとは何か』、『SFキー・パースン&キー・ブック』、『SF大辞典』、『月世界への旅』、『最新版SFガイドマップ(作家名鑑編)』、また、最後の年鑑とされる 『日本SF年鑑1986年版』、『奇想天外、SF宝石インデックス』なども出た。これだけ出版された年は珍しい。今後、重版の機会も少ないだろうから、興味のある方は揃えておいたほうがいいだろう。 |