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砂漠

青年は友人と共に現地ガイドが運転するジープに乗って砂漠を旅行していた。
しかし、砂嵐に遭い、ジープが横転してしまう。
友人は無傷だったが、青年は足をケガし、ガイドは死んでいた。
青年は友人に支えられながら砂漠をさまよった。
井戸を見つけるが、中は砂で埋まっていた。
その時、友人が遠くに人影を見つけた。
人影はターバンを巻いた男だった。
友人は男に近寄り、助けを求めた。
すると、銃声がして友人が倒れた。
青年は慌てて、井戸の中に隠れた。
男が通り過ぎたのを確認して、青年は井戸から出た。
友人は荷物を奪われて死んでいた。
友人が助けを求めたのは、盗賊だったのだ。
青年は足の傷が悪化し、歩くことが辛くなっていた。
そこに、数頭のラクダを連れた太った男が通りかかった。
青年は男にラクダを一頭売ってくれないかと頼んだ。
すると男はありえないような高い値段を言った。
青年はやむを得ずその値段で買うことにした。
青年の所持金だけでは足りず、時計とカメラも売った。
ラクダを手に入れた青年は街を見つけたが、人はおらず、すでに廃墟になっていた。
その夜、青年は廃墟で野宿することにした。
朝起きると、ラクダがいなくなっていた。
青年はラクダの足跡を追いかけたが、途切れていた。
青年はラクダを諦め、歩くことにした。
わずかな食糧と水も底を尽き、青年の体力も限界を迎えようとしていた。
砂丘を上り終えた青年の目の前にオアシスが広がっていた。
青年は服を脱ぐとオアシスの池に入った。
水浴びを終えて、青年が靴を履こうとした時、足の裏に激痛が走った。
よく見ると、靴の中にはサソリがいた。
青年は慌てて、荷物の中から薬を探したが見つからない。
青年は薬の入った別の荷物はラクダの背中に載せたままであることに気付いた。

完