黐木舎


平成12年(2000年)
6月






23日(金)曇り
梅雨らしく蒸し暑い日と成ってきました。
30日の夏越しの大祓い、万灯ろうの支度をしていると、後ろでピヨピヨと文鳥が鳴きます。
手のひらに2匹の文鳥を乗せ注射器を改造したようなプラスチックの用具で餌を与えます。
大きな口を開き餌を欲する顔を見ていると、何となく愛嬌を感じてしまいます。
今にも折れそうな足で、しっかりと私の手のひらを握りしめて来ます。
手に乗せると、文鳥の暖かみが手のひらに伝わってくるのです。そうして、嘴で指をつついてきます。
しかし、何処でも排便するのは困った物です。
手の上、肩の上、頭の上、私の体中に文鳥の糞の後だらけ、しかし余り不潔に思わないのは何故なのでしょうかね。
昔、鶯の糞を白粉に使ったり、顔料に使ったりしたそうですが、文鳥の糞は何に使えるかなんて考えたりしたり。
今日もう少しで、猫に襲われるところでした。
気を付けなければ。

手の上のピー(左)ブン(右)  



19日(月)晴れ
今日は大変良い天気になった。
気温も鰻登りに上がった。
蒸し暑い。これで梅雨と言える。
入梅しても涼しい日が続いて、本当に梅雨なのかと疑い、今年も異常気象なのかと思ったりもした。
梅雨とは梅の実がたわわに実る時に降る長雨から来たとも、この長雨によって黴(かび)が生えるので黴(ばい)雨としたとか。
しかし私は、この梅雨より五月雨(さみだれ)云う方が好きだ。
旧暦で云えば今が五月。
五月雨の中に、ピンク色した皐(さつき)の花が咲いている。
もし今でも、日本が旧暦で行っていたら、鯉のぼりが青空ではなく五月雨の中を泳いでいただろうし、菖蒲も咲いていた。
こんな風景が120年ほど前の日本の原風景にあったであろう。
明日は今日より天気が良く本来で云う五月晴れですとテレビの天気予報で云っていました。

そんなことを思っていた今日、総代の小林易行さんが可愛い二匹の文鳥の雛を持ってきました。
小林さんは今カナリヤを沢山飼っている。
沢山のカナリヤを増やしています。
そんな小林さんに、手乗り文鳥は良いよなと云うと、小林さんは「本当はワシがカナリヤより文鳥の方が好きなんや」「文鳥も飼おうと思っている、文鳥が増えてら宮司の所に持っていって上げる」と言うのである。
そんなことも忘れていた今日、小林さんはかごに入れた二匹の文鳥を持ってきた。
「宮司、半分育てたから、後は自分で育てや」
「これ餌や」と餌まで持参で持ってきてくれました。
大切に育てます。
今日からここは文鳥飼育日記となりそうです。
そうでもしないと、餌を忘れるのを忘れそうだから。


7日(水)晴れ
飼い犬のジャーマンシェパード犬のベティーが死んだ。
8年3ヶ月の命だった。
母も泣いた。寺内志野も泣いた。東京の貴美恵も泣いた。私も泣いた。
しかし、旅行中の彩美はまだこのことを知らない。
これも縁か。
私が一番辛いとき、相手になってくれたのはこの犬だった。
あの辛かった時からもう7年経つのか。年月が過ぎるのはなんと早いことか。



5日(金)晴れ
日本という国がどうも加速度的におかしく何って来ている。
私はあえてこの場で政治的なことを述べるつもりはないが、この度の一国の長たる首相が述べた発言でワイワイガヤガヤと政治はやっている。
そうして、衆議院解散総選挙。
解散の時、何故万歳をするのだろうか。
こんな時私は、今度何故かやろうとしている映画作りの打ち合わせに、監督をする柴田剛、カメラ担当の竹内を従えて某カメラ関係会社の原田さん紹介の中瀬古さんに会いに行く。
映画作りは大変お金がいることはわかっている。しかし、何とかお金を使わずに映画作りが出来ないものかと考えてします。
有り余る資金があるわけではない。
何か、映画作りに於いての話を聞いていると、これだけのお金を使って映画を作った・・・・、と言う話を聞くにつれて、お金を使うことが映画作りのステイサスのように聞こえてくるのである。
これはないだろう。
何とか、色々な人を捕まえて、協力要請を願いながら低資金で映画作りをしてみたい。
この様な資金で、こんな良い映画が出来たと云ってみたいものだ。しかし、これだけの人の協力を得たんだとも云ってみたい。

6月3日午後3時 心斎橋の「鹿鳴館」で待ち合わせる。野口さんいつもご免なさいね。その内に外のテラス素晴らしいものに仕上げに皆が行きます。
午後4時中瀬古さんの事務所兼ビデオ編集所に行く。これからも迷惑を掛けるかも知れませんが宜しく。
柴田、竹内両氏は、中瀬古氏のビデオ機材並び編集機材を見て感心することしきり。
その後、原田氏と合流して、南の行きつけの店にて映画の思いを皆で話し合う。
本当に映画は出来るのだろうか。
二次会で、玄妙庵に。
三次会12時も廻る
大坂名物たこ焼きや、何が楽しいって映画作りに入るまでのこれが楽しいのかも。
入ると苦しみばかりかな。