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三徳山三仏寺投入堂

(さんとくさんさんぶつじなげいれどう)

鎮座地 鳥取県東伯郡三朝町三徳


投入堂



平成13年11月26日
七五三詣りも一段落就いたことでもあり、どうしても行ってみたいと思っていた国宝でもあり現存する神社建築で一番古いといわれている三徳山三仏寺の「投入堂」に行くことにした。
今年の七五三詣りは小春日和が続き暖かなよい天気に恵まれ続けた。
これは神社にとって、またお参るする人にとっては大変な好都合であるが、私が古社巡りをしようとしている週明けの頃には、ひょっとしてという悪い予感がしていた。
26日起きると晴れている「良かった」と思う。が、新聞を見るとどうも下り坂。
早く行こうと、お宮の朝の勤めをして9時に出発。
一路鳥取に向かう。
高速そうして一般道と乗り継ぎ三朝温泉いついたのは3時前。
今日中に三仏寺にお参りし投入堂に行こうと三徳山に通じる道を車で上りだした矢先雨が降り出す。
しかしこれ位の雨なら行けるだろうと思いながらお寺に向かう。
お寺の入り口で参拝料を払おうとすると、受付の人が「投入堂に行かれる積もりですか」「今日はもう入山は出来ませんよ」と冷たく言われる。
「大阪から来たのですが駄目ですか」
「駄目です。5時にはもう暗くなります。まして今日は雨が降って足元が悪いです。もし無理をして上って事故でもしたら命に関わりますので」
「駄目ですか」
「絶対に駄目です。明日にしてください」
「明日は、雨という天気予報なんですが」
「雨だと明日も駄目です。仕方ないですね」
「下の道をもう少し行くと投入堂を遥拝出来る場所がありますから、そこからで我慢してください」と言う。
「それでは今日はご本堂だけでも参って行きます」と言って、参拝料を払って本堂を参拝宝物館を見学する。
そうして、投げ入れ堂を遥拝出来るという場所まで行く。
そこには東屋が在り望遠鏡が設置されていた。
遠くの崖の中腹の自然の洞穴に投入堂の勇壮な姿が望めた。
あの傍まで行ってみたいと行く気持ちが募るが雨ではどうすることが出来ない。しかし何故あそこまで行けないのだろうか。
今までの経験からあそこまでなら1時間もあれば行って帰れるのではと思った。
しかし、寺の方が言った「この山を見くびると大変危険」という意味が明日には分かることになる。
今日は仕方ない、明日どうぞ昇れますようにと、遥拝場から投入堂に向かった手を合わせた。
11月27日
朝床から起きて窓の外を見ると雨は止んでいる。しかし後方の山は雪景色と変わっていた。
雨でも駄目だといっていたのに、雪だと到底駄目だろうと思う。
仕方がないか。登ることは出来ないのかと半分以上諦めの気持ちになる。
雪の景色も風情があるだろう、もう一度お寺に行ってみようと思った。 
雪景色の三徳山
入り口で「昨日来た方ですね。今投入堂まで上れるかどうか、職員が確認に行ってますのでお待ちください」との事、待つこと数十分。
長靴を履いた若い僧侶が帰ってきた。
「何とか上がれますが、上は雪が積もっています。絶対に雪を踏まないでください。滑りますので」
登山口のお堂で登山者名簿を書かされる。
「いったいどんな急な山なんだ」と思った。しかし僧侶が言った事は少しも大げさでないことが、上り始めて数分で身にしみる結果となった。
門をくぐて坂を下り橋を渡った所から、登山道とは言うことの出来ない急な坂である。
四つん這いになって上がらなければならない。
 
だけどその苦労は、徐々に開け行く風景と岩肌に立てられた各お堂に到着する感動とともに消えていく。
やがて、投入堂を目の前にしたとき、涙こぼれんばかりの勇壮な姿に、一種の陶酔感を感じた。
薄っすらと雪景色の三徳山の山並み。
今回は上ることをほとんど諦めていたのに、私はこの雪景色を持って迎えてくださった神仏に感謝するばかりでした。
地蔵堂

観音堂

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