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出羽三山神社

鎮座地 山形県東田川郡羽黒町大字手向七

出羽三山神社合祭殿(平成12年4月5日)
出羽三山である「月山」「羽黒山」「湯殿山」には、冬場はとうてい深い雪のために近付くことは出来ない。
そこでこの3社の神々を一所にまとめたのが、出羽三山神社である。
4月に成って各地から桜の満開の便りを聞くに、出羽三山も雪はある程度解けていることだろうと簡単に考えていた私は、友人国松氏の経営する蔵王温泉のペンション「ぷうたろ」に前日に行き、まだこんなに雪が在るのだと、雪国に対する考えの甘さを痛感する事になった。
朱色の出羽三山大鳥居をくぐった時、「やっとここまで来ることが出来た」と云う気持ちにかられ、旧道を行くにつれ宿坊を見るに、まだここでは修験道が息づいていることを実感したのである。
やがて、随神門に着いた。
始めてきた私は、ここから神社に詣でるものと思っていた私はこの門に立って、唖然としたのである。
門から見る光景は参りに門を入ると云うよりは、参拝を終えて門から出るという思いに成った。
そこは継子坂と云い本殿参拝の参道に於ける唯一の下り坂であるらしい。
しかし、まだ冬の装いのお宮は、私達の入山を拒否したのである。
随神門
随神門


継子坂 石段の両側は天然記念物の大杉群
30段余り降りたのだが、石段に雪が積もって滑るためそこから降りることは出来ず、このまま神社に参拝は出来ないのかと思ったのである。
この下に降りて少し歩くと、国宝の五重塔が在るはずなのにと思いながら引き帰り随神門の境内図を見ると、別の道で上の神社までに行けると書いてあり、喜び勇んで車に乗り込みそこに向かったのである。
車で走ること20分余り駐車場に着く。
そうして杉の並木道を歩くに朱塗りの鳥居を見ると共に、その向こうに荘厳な社殿の茅葺きの屋根を見て身震いするが如くであった。
 
出羽三山 出羽三山神社の茅葺き屋根 鳥居の社額
荘厳な社殿や鐘楼堂の茅葺き屋根の妻の線の美しさは、正に現代美術の原点のように思われた。
雪よけの幕などの為に外から神社参拝出来着なかったのは大変残念な限りと思いながら、社務所より中に入り社殿内部に進んだのである。
拝殿内部の総朱塗りの内装を見ていて、ここには修験道の人々に支えられた山岳信仰の神髄を見せられた思いになった。
出羽の神々に手を合わせ参拝するに、雪のない時期もう一度ここに来て見たい、その時は出羽三山を歩いてみたいと思った。

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