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志那神社


鎮座地 滋賀県草津市志那町



ここに紹介する志那神社に参拝して最初に驚くのは、参道の素晴らしさです。
この参道の両脇の松並木は手入れも行き届き、氏子が氏神に対する気持ちは、足元より聞こえる
砂利の音として心の奥に伝わってきます。
都会では無くなりつつあるこの風景が、日本人の持ち得る源風景ではないでしょうか。
人はそれぞれ皆、母の体内への回帰願望あると言います。
参道は産道に通じると言われますが。聖域への進入(神社・仏閣への参拝行為)は、母への回帰思考かもしれません。
又、参道は聖域に対して直角ではなく、必ずどちらかに振っています。
ですから、参道の始まりからは直接本殿(本堂)を仰ぎ見ることは出来ません。
ちっらと見せる。興味を注がせる事によってより以上に進入させる。
このような技法は日本古来の美術にも見ることが出来ます。
葛飾北斎の富岳三十六系図の中に見られるように、富士の山が樽の間からかいま見えたり、波の間からかいま見えたりする構図は覗き見の構図とでも言いましょうか、日本人の好む構図でもあります。
参道はこのように神社にとって大変大切であり又、神社・寺院伽藍構造において大変エロチズムに満ちている部分でもあります。
文化財はその物だけが大切ではなく、その周辺を取り巻く環境も大切であることを、皆様に知って貰いたく思います。
 
志那神社拝殿
参道の奥には京都や滋賀によく見られる舞殿と入っていいのでしょうか、拝殿があります。
拝殿の奥に本当に可愛いと言っても過言ではない春日作りの社が3殿鎮座しています。
志那神社本殿(中殿)
石の基壇の上に鎮座する本殿(中殿)は、もって帰ろうとすればもって帰れそうな本殿ですが、繊細な中にも存在感は強く素晴らしい本殿だと思います。
琵琶湖から吹き渡る風は爽やかで、参拝しているに何か心地よく都会では感じることの出来ない心地よさを感じました。

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