イチハラヒロコ恋みくじ日記

平成12年辰年(2000年)


11月7日(火)晴れ
昨日FAXが届く。
みくじの注文書だ。
兵庫県加古川の皆さん、お待たせいたしました。
来年の元旦から尾上神社でも「イチハラヒロコ恋みくじ」引くことで来ます。
先日宮司さんと電話で話しました。
色々聞いて居まして、一度参拝に行く価値有りと思いました。
皆様も一度参拝下さい。

沢山お方がイチハラヒロコ恋みくじを引きに来て下さいます。
総てをこの欄に載せる事は出来ないのですが、先日の出来事を載せておきます。
二人連れの女性。
引き終わって二人の会話が面白かったです。
”オトコニ抱かれる気配なし。”「これ当たってるよね」「生まれてこの方男に抱かれたこと無いもんね」
「生まれてこの方、お父さんの知らんもんね」
「頑張ろう、次ぎ引くときには男連れて来るわ」
「それはそうとあなたは何引いたのよ」
”その女と別れろ。”笑うこと数十秒・・・。
「おなたと付き合っている以上は男出来ないと云うことや」
「お互い男探しの旅に行こか」
又来ますと行って帰った。
私は笑っているだけで、何も云いませんでした。

10月8日(日)曇り
二日ほど前から布忍神社HPの掲示板が動かない。
この掲示板有料である。
「金返せ」と掲示板の管理会社にメール送るが連絡無い。
地震で壊れたのか。そんな馬鹿なと思いながら待てども復旧の見込み無し。
以前使っていた無料の掲示板を探すと、なんとこの無料掲示板が生きていた。
有り難い、無料の掲示板の方がましではないか。
”Go to hell ! Pay me back !”
何て考えていると、5日に来た中三のヂュエットが今日はトリオでやって来た。
可愛く話して居るけど内容は大人びている。
来年の受験頑張るように云うが全く眼中に無し。
「それよりこのみくじ面白いけど、良いみくじ出ない」と騒ぐ始末。
そこで今まで引いたみくじが何だったかを聞き、一つ一つ解釈と言葉の面白さを説くと、彼女たちは今までとは打って変わって「このみくじ良いジャン」と言う。
「言葉って面白いでしょ」と言うと「こんな国語の授業やったら良いのにな」と云っていると、そこに女一人男二人がやって来た。
男女二人はよく見る顔。
「久しぶり」と言うと男の人は「先月来たよ」「今日は浜松から友人を連れてきました」と云う。
この友人、つい一ヶ月前彼女に厚く焼けたアイロンを投げられたとか(これ書くと良くないかな)。
みくじ引。
36番
継ぎ、継ぎと三度引く。
彼は凄いと驚嘆。
次は良いことあるよ。ガンバレ浜松。

10月5日(木)晴れ
昨日某百貨店から今までの奉納された絵馬総勢3000点大展覧会「絵馬1価12分の1」の正月の企画のことで3名来ました。
色んな話しの後「イチハラヒロコ恋みくじ」の話しになりました。
三人そろって一瞬の内にみくじの虜に成りました。
こらこら絵馬のこと出来たのでは。
今年の正月は布忍神社と某百貨店2局にて「イチハラヒロコ恋みくじ」が引けるようになります。
詳しくは12月始めに記者会見発表しますので宜しく。
相も変わらず、お宮で泣き笑いのあるみくじです。
ぴちぴちの中学三年生の女の子二人組み。
何であんなに笑うのかな。
だけど元気でよろしい。しかしね、あのみくじ「男に抱かれる・・・・・・。」引いて当たってるはないやろ。当たり前じゃ。
来年は高校受験です。
勉強が本意ですぞ〜。

9月24日(日)晴れ時々曇り
日曜日になると恋みくじを引きに来る人が数名います。
近所の人または遠くから来る人いろいろです。
女子が数名で来る場合もあり、恋人同士で来る場合もあり、はたまた男子だけで来る場合もありますが、女子の方が総体的に多いです。
昨日、九州から一人神戸での友人の結婚式に出席して神戸で一泊した今日、わざわざ大阪の友人と二人して神社に来て下さいました。
実はこの二人7月2日にも5人出来てくれたのです。九州、千葉、神奈川そうして大阪の二人が連れ立って来た時は本当に驚きました。
大阪の二人の彼女は何度となく来てくれたのですが、九州の彼女は3ヶ月ぶりです。
ついでが無ければ来られないとは思うのですが、わざわざ大阪の南に位置するこの様な田舎のお宮に来てくれること事態、本当に嬉しいですね。
「イチハラヒロコ恋みくじ」を通じ若い人達と話しが出来ると共に「イチハラヒロコの作品」が人々に浸透していくのが嬉しいです。
神社という形態の中で、みくじという媒体を通じ、一喜一憂する姿を見て私は言葉の持つ力の素晴らしさを感じています。
イチハラヒロコの作品が素晴らしいからでもあるのです。
今頃彼女は九州に帰る新幹線の中で、みくじを見て「クスッ」と笑っていることでしょう。
このみくじを通じて、神々と、人々と、そうしてイチハラヒロコと出会うことでしょう。

9月18日(月)晴れ
昨日の日曜日には幾人かの人がみくじを引きに来た。
午後2時頃、男女二人が参道を歩いてやって来た。
この二人、イチハラヒロコ恋みくじを引きに来たなと思う。
最近恋みくじにが目的な人と目的で無い人の違いが分かるようになった。
経験とは凄いものだ。
ところがこの二人手水舎で浄め丁寧にお参りする。あれ違ったのかと思う。
やがて授与所に来た二人が「恋みくじ」と云うの聞いて、私の勘は外れてなかったと思った。
相も変わらず「何処から来たの」と声を掛ける。
男の人は奈良から、女の人は地元との返事。
「初めて」と聞くと「僕は奈良の西田画廊の近くなんです。イチハラヒロコさんの展覧会に行きまして画廊で引きました」と云う。
「私は奈良の西田画廊の近所で、彼女は布忍神社の近所で住んで居るんです」「奇遇でしょう」「彼女はこのみくじ初めてなんですけどね」と男の人は誇らしげに云ったのである。
このみくじがある布忍神社は、彼女の氏神様と知って二人でこのお宮に来たとのこと。
此処でも此のイチハラヒロコ恋みくじが二人を赤い糸で結ぼうとしているようだ。そうして、彼のみくじを引いたイチハラヒロコ恋みくじを見て彼女はガッツポーズ。
お互いの引いたみくじで色んな事を話して帰っていった。
ところでこの二組の人達が来る前に私が余り好みとしない女の子が一人でやって来きてムシャクシャしていた。
(神主はあまり人を分け隔てしては行けないのだが)
超有名ブランドの鞄を持ち人を上から見下ろすような態度で話す。
お宮に詣る気もないようだ。
「みくじなんか引いても余り意味無いよね。恋みくじ何であるの」
「イチハラ・・・」と言い掛けると「女優のおばちゃのみくじなんや」
この女、何処か間違ってると心で思う。
引きますかと言うのを「引かなくても良いですよ」と言った。
なんやかんやと言って引くという。
彼女の引いたみくじは第23番。
彼女此のみくじを見たとたん「馬鹿にしてる」と云って薮って捨てながら帰ろうとする。
「一寸待って待ちなさい。破って捨てるな。お金を返すからみくじを拾いなさい」と云う言葉も聞かずに帰る。
この様なことはイチハラヒロコ恋みくじを置いて1年以上になるが初めての事。
帰る後ろ姿を遠くに見て「お前さんそれじゃ良い女になれないし良い男は寄ってこないで」と思う。

9月17日(日)晴れ
最近若い人がイチハラヒロコ恋みくじを、引き来ることが多くなりました。
結構雑誌でテレビで見ましたとやって来る。
その度に私ははっと思うことが多くなった。
これを続けるのは大変体に悪い。
脳卒中何て事にならないかと心配。
今のところ血圧は正常なのでその心配も余りないと思うが。
この人にはあの番号では無く、あの番号が出れば良いのになんて思うと、きっちりと出て欲しくない番号が出る。
神様も意地悪です。
16日Music Creatorという雑誌(潟hレミ音楽出版社)が出た。
8月が創刊号で今回が2号である。
この雑誌にイチハラヒロコが連載しているので私は早速買いに行って来ました。
128ペ−ジ 愛と笑いの日々/イチハラヒロコ
あったでセニョリータ。
最後に布忍神社とホームページの案内。
彼女の心遣い嬉しいね。
この文章の中にそっと私へのメッセージが(勝手に思っているだけ)?!?!?ベンベン!?!?!?!
8月22日に書いたように、イチハラヒロコ恋みくじが縁で結婚することになったH君・Yさんの日取りも決まりました。
11月24日金曜日です。
本当におめでとう。
この様な人がもっと出てくれること願います。

8月22日(火)晴れ
毎日が暑い。
昨今の日本の夏は亜熱帯気候の領域に入っていると云っても過言ではないようです。
今日は私の大切な人の誕生日でもあります。
(誰ってそれは内緒!)それは私なんて掲示板に載せてくれないかな。タモリも今日が誕生日なんだって。
それは良いとしても、今日大変嬉しいE-Mailが届きましたので無断で載せます。
Subject: イチハラヒロコ的結婚
Date: Tue, 22 Aug 2000 21:46:13 +0900 (JST)
From: <********@***.******.ne.jp>
To: 寺内成仁<nunose@fa2.so-net.ne.jp>
寺内成仁さま(←私の名前)
先日はとつぜん伺ったにもかかわらず
結婚式の神主をおねがいしたい旨を快く引き受けてくださり、
ありがとうございました。
寺内さんの祝詞はとても楽しみです。
二日と空けずにこんどは友達を連れて遊びにおしかけるし、
ちょっと恐縮です。
でも毎回楽しいのでうれしい。
友達もみくじのコトバにはよろめいていたようだったが
布忍を楽しんでいたようでなにより。
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と、続くんだけど、プライバシーの関係上載せません。
お二人さん無断で載せたけど怒らないで下さい。
結婚するH君・Yさん二人はイチハラヒロコ恋みくじが縁で結婚します。
素晴らしい二人です。
なんてったて、イチハラヒロコの作品を良く理解している。
嬉しい余りです。
けっこの日取りは11月下旬になりそうです。
皆さん祝福してあげて下さい。そうして、次に続いてください。

8月13日(日)晴れ
台風の影響か、一日風が強く吹く少し過ごしやすい日であった。
しかし、台風の進路を考えると、地震・火山の爆発と三宅島を始め大島の方は大変でないかと思うと、この過ごしやすい風も余り吹いてくれるなと思うばかりである。
このところ、8月8日(火)の毎日放送「ちちんぷいぷい」でみくじのことが放映され、この放送を見た人が引きに来られるのである。
又、お盆で里帰りをした人が「イチハラヒロコ恋みくじ」を引きに来たこともあり、今日が日曜日ということもあり昨日で終わった中村達也の展覧会の会場の絵馬堂を開ける結果となった。
午前中に来た夫婦の方は、8月8日にテレビの放映を見て久しぶりに実家に帰りたいと思ったそうである。
そうしてこの夫婦早速お宮に詣り、奥様が引くと「わたしに落ち度はありません」。
そのみくじを夫にに見せる時の笑顔は「どう、わたしは・・・・なのよ」と言う顔を夫に向けると、夫は何もかもを受け入れるかの笑顔で答えていた。
暗黙の一瞬を見て私は言葉の重みを久しく感じた。
次に来たカップルは、以前にも来た彼女と姫路から来た彼。
彼が引くと「速度落とせ」。
このみくじを引いた彼は、わああぁ、絶句。
彼は昨日姫路から高速出来たところ、途中車がエンスト。
速度を出し過ぎていたからだという。
一寸待ってくださいよ、これ恋みくじなんだけどと云う始末。
彼女の引いた3回のみくじが、総て愛の告白とも取れるみくじ。
彼女大満足で帰る。
7月2日に載せましたが、イチハラヒロコ恋みくじ」の中取り持つ縁で結婚することになった横浜の彼と、奈良の彼女が来てくれました。
7月無事に簡単な結納の儀も交わしたそうです。
11月末に結婚式を執り行うとが決まったとか。
「本当に良かったね」の言葉を連発する私は、ずっと昔から二人を知っていたような気分になる。
二人が正座して私に頼みたいことがあるという。
私にホテルまで来て結婚式の祭主を勤めて欲しいと云う。
ホテル側の了解も取ってあるとのこと。
男ナリヒト(←これ私の本名)行かずばなるまい。
イチハラさん祝電たのむで。
そんな今日1日でした。

7月2日(日)晴れ
最近このページに書き込む機会がない。
そうだからと言って、みくじを引きに来ないのかと云えば、そうでもない。
遠近からこのみくじを名指しで来たり、このお宮に参って「ヘェー。恋みくじがあるんだ〜」「イチハラヒロコって誰〜」という人などが居る。
しかしここに書くほどのものでもなく、日頃から怠け者を自負している私にとっては、書かなくても済むことは大変嬉しいことである。
ところが、
6月30日の夏越しの祓いを終え、後半の半期の始まりである7月朔日の事である。
若い5名の女性が神社の受付にたむろしている。
私の直感では、イチハラヒロコ恋みくじを引きに来たと思った。やはりそうである。
ここまでは何度もあることで、今となってはこの事をこのページに書くことはないがそこからがすごかった。
大阪は2名、1名は千葉県、1名は神奈川県、1名は福岡県だという。
そうして彼女等は何かの都合で来たのではなく、わざわざこのみくじのために来たという。
色々聞く内にやっと分かった。
7月2日(日)に大坂城ホールにて「シャランQ」(←之で間違いないかな?)のコンサートがある。
(シャランQではなく→シャ乱Qとの指摘がありました。関係者のお詫びします。以下は訂正します)
そのファンであり「シャ乱Q」のホームページのネット上の知り合いだという。
そのネット上でこのイチハラヒロコ恋みくじのことが話されそれではこのコンサートに大阪で集まるこの機会にみくじを布忍神社まで引きに行こうと相成ったとか。
凄いね。シャ乱Qといえばつんくん。つんくんと云えば「モーニング娘。」ですよ。
(「つんくん」ではなく「つんく」と7月5日00:15に掲示板にて指摘が有りました。またまたお詫びを)
イチハラヒロコが前に云ってたけれど「モーニング娘。」より、私の○の方が古いと。
「イチハラヒロコ恋みくじ。」にしておけば良かったかも。
そんなことがあって一夜明けた今日である。
ある女性から電話があって「今から行って良いですか?」
最初は誰だか分からず、ご祈祷ですかと聞いてもそうでもなく。
誰かなと思いながらも「良いよ良いよ、おいで」云うと、「今阿倍野です。今から行きます」とのこと。
そうしている内に、神社の入り口から男女の2人が入ってきた。
「さっきの電話は君たちか」「やっと分かったよ元気ですか」
彼女はイチハラヒロコのファンで、男性は彼女によってイチハラヒロコを知り、わざわざ5月に横浜からみくじを引きに来た人。
そうして、今久しくやってきたのである。
初めに「イチハラヒロコ恋みくじを引きます」といって二人仲良く引いた。
相も変わらず明るい女の子と、少しもの静かだけ時折大きな声で笑う男性。何となく似合ってる。
遠くから来たのだからゆっくりして行きなさいと事務所に入って頂く。
ワイワイガヤガヤ話している最中に「それより今回は何かの用事出来たの」と二人に聞くと、彼が彼女に「云っても良いかな」彼女は「ここなら良いよ」と小声で話し終わると「指輪を買いに」と二人顔を赤らめる。
「おめでとう、おめでとう」「よかったなー」と彼女に云う。
ひょっとしてこのみくじが原因なのかと聞くと二人は「イチハラヒロコ恋みくじが私達二人を引き合わせてくれました」と云う。
イチハラヒロコさん、聞いたか聞いたか。やったで、このみくじ今まで何人の男女の仲を裂いてきたか分からないが、この度初めてこのみくじが縁で結婚することになりました。
おめでとう御座います。
布忍神社は二人を全面的に応援します。

5月7日(日)晴れのち曇り
今年の大型連休は本当に天気が良かった。
沢山の人がこの連休を利用して、田舎に又観光レジャーと移動したのであろう。
その様な連休の始まりに、九州でバスジャック事件で一人の尊い命がなくなったのは、悲しいことである。
昨今若者の自己表現の希薄さと、理解力のなさが起こす事件が余りにも多い。
単一的にしか理解できなく、深意まで考える訓練と学習が出来ないことによって、今の若者が行き場を無くして居ることも確かである。
「イチハラヒロコ恋みくじ」を作るにいたって、私は私なりにこのみくじを通じて若者が、言葉の深意を考える一つの窓口になりはしないかと思っって作ったことは確かである。
このような思いで作ったみくじが生まれて、早くも8ヶ月余りになろうとしている。
この間、どれだけの若者とこのみくじを通じて話したことであろうか。
中には今保護観察中の少女が何度となく来ては、みくじの中の言葉の意味を「ああでもない」「こうでもない」と話したこともあった。
ヤンキーの連中が沢山やってきては、このみくじを引きお互いのみくじを見せ合いっこする中で、楽しく言葉遊びしていく姿も見た。
このみくじを引くために、わざわざ遠くからやって来たとき、私はイチハラヒロコの作品の魅力と力強さを再確認するのである。
今日も、二人の女性がやってきた。
川崎と鎌倉からだという。
見ていると、やじさん、きたさんの珍道中と言う感じ。
一人の人が、昨年のたけしの誰でもピカソの番組でイチハラヒロコとイチハラヒロコ恋みくじを知ったそうである。
その時イチハラヒロコが、全国の神社にもありますと語ったことで、何処にでもこのみくじがあるのだろうと鎌倉在住の彼女に連絡して、某鎌倉の神社に行けばあるだろうかと相談、しかしその神社に行けどもこの恋みくじはなかったという。
インターネットで探したけれどもその時は検索に引っかかってこず。
そうして忘れ去られていたイチハラヒロコ恋みくじが、今年偶然にも絵馬で検索した布忍神社ホームページで見つかったという。
そこで、この連休に大阪に来る計画を立て、イチハラヒロコ恋みくじを引くために、布忍神社までやって来たとか。
この二人、このみくじがなければ、生涯布忍神社を知ることもなかったろう。
彼女たちは、イチハラヒロコ恋みくじを引いた。
感嘆の声。
薄っぺらい紙一枚に書かれたイチハラヒロコの言葉アートの重みは、生涯忘れ去られることのない言葉であり思い出であろう。
正にこれは、神の言葉であり、現代美術であると私は思った。
これを縁に又来て下さいと二人を見送る間を、心地よい春の風が吹き抜けていった。

4月22日(土)晴れ
昨日、此のホームページの掲示板に、イチハラヒロコ恋みくじを引きに行くと云うような文面が載っていました。
今日は天気も良く午前中のご祈祷も終わり、境内のベンチに何も考えることなく座っていました。
そこに友人が来たので立ち話をしていると、一人の青年が拝殿の前に立って中を伺っているのを見て即座に「貴方昨日掲示板に載せた人でしょう」と云うと、髭をたくわえた顔に笑みをみせ「そうです」とのことでした。
「よく来ましたね。どちらから来られました」と、拝殿受付に歩きもって聞くと、「横浜から」。
「ええええぇ。横浜」
「又何故横浜から100円のイチハラヒロコ恋みくじを引くために来たの」
「話せば長い話しになります」とのこと。
「まあいいです。みくじ引いてください」「イチハラヒロコさん知っているの」
「いいえ」
「はぁあ。彼女とは知り合いでない」
「わざわざここまでみくじを引きに来るか。イチハラさんは幸せだよな」
「彼女の作品が素晴らしいからだよね」
横浜からの新幹線の往復代金は3万円強はするだろう。100円のために3万円を使っている彼は凄いと変に感心したり頭の中で驚いたり。
この前に、女性の声で東京から同じように、みくじを引きに行きたいが道筋を教えて欲しいという電話が掛かった。しかしこの人とは出合う機会がなかったし、彼女はこのみくじだけが目的では無かったようだ。
この男の人は純粋にこのイチハラヒロコ恋みくじのみの為に、わざわざ此の大阪の南、松原市は布忍の地に来ているのである。
彼はイチハラヒロコ恋みくじがここに無ければ、生涯布忍の地に足を踏み入れることはなかったろうし、私に会うこともなかったろう。
私は4月29日からの西田画廊の彼女の展覧会「奈良イチハラランド」の事を言うと「知っています。奈良の展覧会にも行く予定です」
まだ現代美術も捨てたもんじゃない、と言うよりはイチハラヒロコの作品が素晴らしいのでしょう、と言うよりはイチハラヒロコの作品がみくじになったことが凄いのか。
関東で何処か此のみくじを置いてくれるお宮ないかな。

3月20日(月)晴れ
今日は旗日である。
旗日って嫌らしいなんて考えないで下さい。
国旗を各家庭が門に立てて祝う日のことである。
旗日を女性の生理日に例えるのは、日の丸の旗に由来するのであって、日本のみに通じるギャグである。
今日は春分の日である。
平素は3月の21日が春分の日であるが、今年は閏年であるが為に一日早い20日となる。
要するに今日は祭日である。
仕事も何もかも休んで、国民総てがこの日を祝う日である。
この様な日ぐらい国旗を掲げるくらいの寛容な気持ちになって欲しいものです。
そうして、何故か旧暦2月15日の満月であり、彼岸の中日である。
ご先祖のお墓詣りしましたか。
満月には何かが起こる。
起こりましたね、美女が3人イチハラヒロコ恋みくじを引きにやって来た。
2名は和歌山市内から、もう一人は泉南の砂川から3人連れだってやって来たのである。
雑誌でイチハラヒロコ恋みくじの事を知って、一度来たかったと思っていたとの事、嬉しい限りである。
このみくじのことが雑誌に載ったのは、3ヶ月も前のことである。
要するに3ヶ月間ずっと機会あればイチハラヒロコ恋みくじを引きに、名も知れない布忍神社に行こうと考えてくれたのであろう。
こうなると私のサービス精神はほっておくことは出来なくなる。
何とか喜んで帰ってもらおうと思うのである。
彼女等と話していると、中年のご夫婦が可愛い犬を連れてやって来た。
私達も堺から来たのですよとのこと。
こうなればもうほっとくことは出来ない。
絵馬堂にまだ飾ってある今年の奉納絵馬を見ていただくこととなった。
イチハラヒロコの絵馬もある、他の絵馬もまだ訳あってまだ飾ってある事を告げ、絵馬堂の鍵を開けて入っていただく。
絵馬堂で奉納の絵馬の説明を一通りしていると、どこかで見たことのある夫婦が絵馬堂を望み込むので、一緒に見るように云うとこの夫婦喜んで上がってきた。
奥さんはお腹が大きい。顔立ちは日本人ぽくはない。
思い出した。何年か前に旦那様の兄弟の子供様の初宮参りに付いてきた方である。
奥さんはブラジルの方で日本の三世である。
6月に赤ちゃんが産まれるとのこと、もう少し頑張って下さい。
言い忘れましたが、日本では犬は安産の象徴とされています。
お宮で犬と出会ったから、きっと安産ですよ。
しかし、中年ご夫婦の白い犬、可愛かったけど賢かったです。
芸までしてくれて有り難う。
皆さん又来て下さい。
これもイチハラヒロコ恋みくじが取り持った縁です。

3月18日(晴れ)
久しぶりにこのコーナーに書き込む。
今日は大変良い天気になった。しかし、明日は天気の方が崩れるらしい。
晴れている間に、外の用事を済ませてしまおうと禰宜と二人でお稲荷様の参道ののぼりを交換していると、ちょうどお参りに来た総代の親子も手伝ってくれて「ワイワイガヤガヤ」楽しくやっていると、一人の少女がこちらに向かって挨拶する。
「何か用事ですか」と心の中では恋みくじ引きに来たなと思いながら、月並みな挨拶。
とたんに、この女の子顔を赤らめ「恋みくじ」と、小さな声でいう。
初な感じ。
「どうぞどうぞ、どこから来たの」
「大阪」
「大阪、ここ大阪よ。大阪の松原市だけのね」オッさんギャグ。
「大阪市の北」
こんな会話をしながら、みくじを引く。
「イチハラヒロコ知ってるの」
「知ってる。一度展覧会を見てファンになったです。大阪の人ですか」
「京都、これと」引いた番号のみくじを渡す。
彼女何となくこの引いたみくじを見て納得してない様子。
要するに、納得しないと云うより、イチハラヒロコの言葉に消化不良を起こしてると云うほうが良いかも知れない。
36番のみくじの中で、一枚では消化不良を起こすみくじが約5枚はある。
このみくじを引くと、必ず2枚以上は引く番号のみくじである。
2枚目を引くと、やがてイチハラヒロコ恋みくじの魔力に引き込まれ、何枚となく引く結果となる。
彼女は3枚引いた。
3枚引いてその言葉をつなげたとき、彼女は思い当たる節があると納得した。
今までで最高20回引いた人が居る。
その後も彼女は参拝毎に恋みくじを引く。
それも1回で終わらない。
自ずと同じみくじを何度となく引く。
この女性は引く度に言葉の流れを楽しんでいるのである。
「それより貴方は大阪から何で来たの」
「自転車」
彼女は福島県出身、大学が大阪だったので大阪にてアルバイト的に働いているとのこと。
大学は大阪外国語大学スワヒリ語学科だとか。
年齢24歳 辰年生まれ大変可愛い女性だった。
「イチハラヒロコも出展している展覧会が、愛知県豊田市美術館であるよ。自転車では行けないと思うけど」
ニコッと笑った彼女は「二、三日で行けるよ自転車で」
「行ってみようかな」
私は声を大にして男達に云いたい「男どもよ頑張れ」
彼女の名前を聞くのを忘れた。
今度あったら「イチハラヒロコ恋みくじ」をスワヒリ語の翻訳を頼もう。
誰か彼女に会ったら、もう一度来るように伝えてください。

2月25日(金)曇り
時折雪が舞い落ちてきます。
イチハラヒロコ恋みくじ1月の終わりから誰も引いてないのじゃ在りません。
私がサボっておったと言っていいかも。
たくさんの人達が遠くから引きに来てくれます。
呼び出しのベルが成って拝殿に飛んでいくと、住之江の方から来たという若い男女が受付の前に立っていました。
「恋みくじみくじお願いします」と云うので、
「このみくじを引くにあたって、神様にお参りした」と聞くと、
二人して、お賽銭を入れてお参りしたと、誇らしげに云った。
「こんな事聞いてゴメンね。最近ね、恋みくじだけが目的で、引き終わるとお参りもしないで帰っていくもので」と、云うと。
「いいえ、いいえ」と、私たちはお参りしたよと云わんばかりに誇らしげに又答えた。
恋みくじを引き終わった二人は、みくじを見てまたまた誇らしげに私に云った。
「このみくじ良いですね」
私は二人に「君たち良いみくじを引いたからね。もっと驚く言葉もあるよ」
「私なんか、初めに引いたみくじはあれだからね」と額に入れてある恋みくじを指さすと、女の子は「神主さん、お気の毒に」
「ほっといてくれ」と、つい口から出る始末。
この二人大変喜んで帰り掛ける姿に「帰りも、神様にお礼を言って返りなさい」と一言。
この二人、お賽銭を入れて、長いお祈りの後「さようなら」と、云って帰っていった。
頑張れ二人。

1月26日(水)晴れ
1月も終わりに近づいた。
正月の賑わいも嘘のようである。
時折遠くからイチハラヒロコ恋みくじ目当てに参拝する人もいるが、めっきり減ってしまった。
今日も久しぶりに、一人来て下さった。
私が応対したわけではなく、禰宜である娘が応対した。
我が娘のことである、私以上に馬鹿なことを云ってるだろう。
日が暮れると一日の神社の終わりである。
今神社の拝殿から日供(毎日神様に供える物)をお下げしいがてら、私がみくじを引いた。
第30番
さよならを君が望むなら。
つまらん一人暮らしかさよならして君が望むのなら・・・・・・。」
君は誰かな。ヘヘヘヘェ。

1月15日(土)晴れ
小正月・とんど。
沢山の人たちがお参りにやってきます。
皆さん、門松・注連縄・古くなったお札・お守り。
イチハラヒロコ恋みくじを引く人は、毎日数人の人が居る。
知り合いから神戸二宮神社のイチハラヒロコ恋みくじ状況を聞く。
二宮神社でも、若者に受けているようだ。
今日も何人かの人がこのみくじを引いた。
その中の一人だが、年齢60才前後、美人である。某ローカルのテレビコマーシャルに出ている。
布忍神社敬神婦人会役員。私の遠縁。主人は自転車屋。といってもそいじょそこらの自転車とは違う。
自転車にかけては大阪随一。すばらしい主人と奥さん。子供もおもしろい。
この奥さんが引いた。
とたん。
境内に彼女の笑い声が響き渡る。
「このみくじ当たってる。お父ちゃんに見せたろ」ゲラゲラゲラ・・・・。
「宮司さん見てみて、このみくじ見て」笑い転げて涙を流している。
第23番「オトコに抱かれる気配なし。」
「宮司さん、私には気配も気配りもあれへんわ」と云って笑い転げる。
そうなんだ、気配も気配りも同じか。
又一つ教えられたか。

1月8日(土)晴時々くもり
やっと神社も暇になってきた。
今日も恋みくじを引きに来てくれた。
有り難いことである。
このところ遠くから来てくれる。
大阪一円は云うまでもなく、奈良・神戸・京都。
100円のみくじを引くためにである。
「イチハラヒロコ知っているの」と、必ず聞く。
「知っている」、「知らないけど、このみくじのこと雑誌で見て面白そうだから」、「面白いみくじ有るって友達に聞いたから」等々。
遠くから来たと聞くと
「せっかく来たんだから、もう一枚引く」
「何回も引いても良いんですか」
「いいよ」
何かしら商売してると思ってしまう。
しかし面白いことに、2枚以上引くと何かしら文面がつながってしまう。
これはイチハラヒロコ作品としては本意ではないかも知れないが、みくじ的には大変面白い。
最高11回引いた人がある。
これがほんとに上手くつながったのである。
始めは「その愛でいいのか。」、2回目は「愛は速攻。」・・・・・・・・・・10回目は「人は見かけ。」
10回の間に同じ番号を2度引いた。
同じ番号のみくじを返していただき、お金要らないからもう一度引けばと云ったところ、11回目は「撤収」。
このみくじ何度か引くと必ず落ちが付く。
一緒に来ていた人達と大笑い。
金額にして1000円である。1000円を高いと思う人もあるだろうが、この間の時間約1時間余り。
1時間付きっきりに成った訳じゃないけど、楽しく過ごせたことを思うと安いと思ってしまう私である。
因みにこの女性、雑誌で見て京都から来たという。
帰り際「イチハラヒロコは京都人」というと、いたく喜んで帰っていった。
イチハラヒロコ恋みくじを通じて、神道の神髄を少し話す自分を省みて、宗教人をやってると思いながら、このサービス精神に呆れる自分でもある。

1月6日(晴時々曇り)
毎年のことだが12月31日大晦の午前6時に拝殿の扉が開かれ正月元旦は24時間門は閉められることはなく、2日午前2時頃閉門する。
沢山の参拝者で溢れる。
何時もと違うのは、そこに「イチハラヒロコ恋みくじ」があることである。
引いた人の反応は人それぞれである。
「何やこれ、こんなのみくじと違う」と、いう人。
「おもしろい」といって、笑い転げる人。
恋みくじを引いて、「正月から縁起でもない」と云って、従来のみくじを引いてもっと落ち込む人。
3日の日などは、門まで知りあいを送っていった私を捕まえて、引いたみくじの神意を尋ねる人。
「このイチコロみくじ、本当に良いこと書いてあるのか」と、半分喧嘩腰に云う人。
イチコロとは、本当に関西人である。
しかし、こんなに沢山の人と話した正月三が日は今まであったろうか。
今の内容の「イチハラヒロコ恋みくじ」がベストだとは思わない。が、若い人と対話の橋渡しになったことは確かである。
イチハラヒロコを知る人は、全員みくじを持って帰った。しかし、知らない人も8割方持って帰ってくれたのには驚いた。
彼女の言葉が、心の片隅に残ってくれればと思うばかり。
「イチハラヒロコ恋みくじ」神の言葉であると共に、100円で買えるイチハラヒロコの作品。
さて貴方はどちらを取りますか。