イチハラヒロコ恋みくじ日記

9月24日よりイチハラヒロコ恋みくじを社頭に置く。
今日は旧暦の8月15日、仲秋の満月である。
今日からこのみくじを引いた人達の実況報告を、抜粋して書き残したく思います。


平成11年卯年(1999年)

イチハラヒロコ恋みくじ


12月24日(金)晴
お正月まで1週間、巷ではクリスマスイブ。
ダケさんの名は、何度かぬのせ掲示板で見て知っていたが、まさか女の子とは知らなかった。
ゴメン
そのダケさん彼と二人で、みくじを引きにわざわざやって来てくれた。
余り良くなかったんだよね。
だけど仕方ないよな。
昨日喧嘩したのだから仕方ないね。
ダケさんは彼を大切に。
彼はダケさんに一寸かまって上げれば、次のみくじは良いかもよ。
彼女「第6番」彼「第27番」でした。

12月22日(水)くもり
今日は冬至。
私にも会いたい人はいる。
もちろん女性である。時折無性に会いたくなるが、少し遠い。
この様なとき、私もみくじを引く。
私と云えどもタダでは引かない、100円の初穂料(お金)は渡す。
皆さんもこの様な時、この様な感じで恋みくじを引いているのだろうな。と、思う。
今日2人女性が来た。
大変活発な女性である。
「みくじ下さい」
明るい女性である。
一人は、自分の分と知りあいの分。
もう一人は、自分の分と知りあい二人の分。
ワァワ、キャキャ。
話は尽きない。
「このみくじ楽しい」と聞くと、彼女らは「当たってるんだもの」と関東弁で返す。
「イチハラヒロコさん、私大好きなんです。」
「イチハラヒロコさんの作品集見ました。」
「そう、君たちどちら」
「東京」
「エェ、東京から来たの」
「違う、生まれは東京、今大阪に居ます」「仕事が大阪なんです」
「このみくじ、何々さんは自分で引かそうね」「クククゥ」
この秋見合いをした話し。
彼氏がまだ出来ない話し。
私は、こんな素晴らしい彼女たちに素晴らしい彼が出来ないわけがないと、心の中で思った。
「又来るね、おじさん」
おじさんはないだろう。
ご神殿に向かって一礼をして帰る。
イチハラヒロコの作品は素晴らしいと思った。
イチハラヒロコの作品がみくじに乗って羽ばたいている。

12月13日(月)晴
何かしら忙しい。
本当に早く日が沈む。
いそいそとお宮の扉を閉めようとすると、一人の女性が声を掛けた。
すいません。みくじ下さい。
振り返ると、美人が一人。
締め掛けた受付の窓を又開ける。
「恋みくじ、こんなみくじあるの」と、聞く。
「恋みくじ引かれるのですか」と、云いながら何か言葉に嫌悪感がある女の子だなと思う。
「15番」
みくじ渡すと、見るなり
「これ何、馬鹿にしてる」「これみくじ」
良くこれだけ言えたものだというぐらいな事を言う。
「みくじはね、神の言葉・・・」説明しようとするが、一言に対して倍ぐらい帰ってくる。
「そんなに腹が立つのならお金いいから。それとも、もう一度引く」と聞くと、彼女は「こんなの損やわ、もう一度引かんな損」と、言って引く。
私の経験上、2度引いても全く逆のものを引いた試しがない、不思議と同じ様なものを引く。
「26番」
やっぱり私の経験が当たった。
みくじを見るなり「馬鹿にしてる」と又一言。
おなじようなみくじを引いても良く考える子もいるが、この子は悪く考えるようだ。
「お金出すから、普通のみくじ引く」と言う。
「どのみくじ引いても、以外と同じ様なみくじ引くよ」言ったが聞かない。
従来のみくじを渡すと引いた。
「3番」
みくじを開いてみる「わー大吉だ」と喜ぶ。
「内容をよく読みなさい」と私は言った。
しばらくみくじの内容を読んでいた彼女は「最悪」と一言云って、3枚のみくじを木の枝にくくり付けて帰った。
私も内容が気になるので、彼女の姿が見えなくなるのを待って、従来のみくじの「3番」を見ると、
−恋愛− 相手に誠意なし
他のことは良い事書いてあるのに。
彼女自分の性格を改めない限り、何時も15番かも。

12月7日(火)晴風強し
夕方、ピンポン・ピンポン・ピンポン・ピンポン 4つは拝殿の受付のチャイム。
走る。
2つは社務所のチャイム・住まいのチャイム。
事務所にいたワシは拝殿お受け付けに走る。
若い女の子が一人。
「何でしょうか」
「恋みくじ」
「何か見てきたの」
「友達に聞いて」
「へェー、友達に聞いてきたの」
「ここ恋みくじで有名な神社でしょ」
そうなんだ、たかが2ヶ月でもう恋みくじで有名な神社か。つい最近までは絵馬で有名な神社であったはずが。っと、心の中で思う。
「それじゃ引いてみな」
女の子は引いた。
第19番
彼女、目が点。
「今仕事してるの」
「私高校生、アルバイトしてる」
「仕事場にいい人居るんだ」
「居ない、嫌な人っばか。もう一度引いて良い」
彼女はもう一度引く。
第4番。
「・・・・問屋・・・・って何」
「そうだね、上手く行かないって事かな」
「当たってる。おじさん、私のこと聞いてくれる」
そう言って、彼女は自分の身の上を話した。
彼女18才高校生極々普通の女の子。可愛い顔立ちの質素な感じ、彼は25才勤め人らしい。
「今日彼と別れようか迷ってます」
聞き終わった私は「別れ、あんた遊ばれてるで」
「友達みんなその様に云う」
「そうだろう、今の仕事は勉強すること。大学に進学するって云ったろう。25才の分別の付いた男が、18才の高校生に手を出すか。別れなさい。もっともっと、これから良い男が出てくる。もったいないよ」
「うん、私もそう思うから別れようと思ってるけど、何か決められなくって、みくじ引きに来た」
「別れな」「絶対別れな」
「別れます。私の今の仕事は勉強だものね」と、云って帰って行きました。
このみくじを引いた人はもう沢山居るが、「別れろ」といったのは、今日が始めてのことです。
木の枝にくくり付けないで持っておくように云ったところ、彼女は「絶対、持っておきます」と言って帰っていったのが印象的でした。

12月4日(土)
今日知人達と話していて、恋みくじの話になった。
このみくじを神社で引くと、辛いところがあるという話になったのである。
まさにそうである。
このみくじを、イチハラヒロコという一人の現在美術作家の作品と見て、美術関連施設において引いた場合、1つの美術品としてのニュアンスの方が大きいのだから良いとしても、神社だとそうはいかない。
イチハラヒロコなんて作家は全く関係無く、神からの言葉となる。
真にとらえる。
真にとらえるから、より以上に言葉の重みが増す。
女性が、先日あるみくじを引いた。
私が、そのみくじを見てなんと云おうかとした矢先に、彼女は「そうですね、彼を・・・・・ですね」と言ったのを聞いて驚いたのである。
彼女は何事も良い方に考える質の女性かも知れないが、こうも引き手側の解釈の違いで変わるものかと思ったのである。
彼女にとって、「を」という助詞を付けることによって、大吉以上の素晴らしいみくじになったのである。
因みに、「から」という助詞を付けると、凶以上の凶であろう。
このみくじの番号は、第11番である。
この女性を見ていて、なんと素晴らしい女性かと思った。
相手の男性は幸せ者だとも思った。

11月23日(火)くもり時々雨
今日11月3日に結婚式の申し込みをした友人の結婚式があった。
新郎新婦、仲人、両家の両親、新婦の妹だけの質素な結婚式である。
しかし、私はこの様な結婚式が好きです。
沢山の人々の参加の結婚式も良いが、常着でお互いの子供を連れての再婚、何かの事情で片方の親族が全く参加しない結婚式。
この様な結婚式は、何故か心奥底でカンバレと思ってしまう。
費用を最低限で抑え、派手さもなく、見栄もなく、ただただ神にこれから先の自分たちの幸せを願う。
結婚式ってこれで良いと思う。
彼等が帰り際、恋みくじを引いた。
前とは違う、素晴らしい言葉を神はイチハラヒロコの現代美術のアートを介して送った。
おめでとう御座います。しんとく様、範子様。
夜になって、雨は本降りです。
良かったね。

11月18日(木)
私の友人からe-mailが届く。
「恋みくじを引いた翌日(13日)彼女とはっきり別れた」と、書かれてありました。
恋みくじに、別れバージョンが何枚か在ります。
恋みくじに別れバージョンがあるなんてと思う方があるかも知れませんが。
恋人との別れだけが別れではないのですから、独り身で居ることからの別れかも知れません。
11月3日引いた恋人同士はそうかも知れません。(もうすぐ彼等の結婚式です。おめでとう)恋人同士からの別れ。そうして夫婦に。
恋人居ない日々からの別れ。
色々です。
しかし今回の彼は、彼女との別れ。
彼の手紙の続きに、
「スッキリしました」
お互い別れて良かったようです。
私からの言葉「おめでとう」
恋みくじを引いて、踏ん切りがついたそうです。

11月3日(水)晴
今日知り合いが彼女と二人で神社にやって来た。
この二人婚約をしている。
当神社にて、簡素な結婚式を願っている二人である。
その打ち合わせで、わざわざ来てくれた。
彼女は大変素晴らしい女性で、もし私がもう少し若ければ彼女に恋心を抱いたかも知れません。
彼が良くないと云うのではありません。
彼も素晴らしい人間で、私の友人の奥様などは、彼を一目見て「彼の嫁様は私が世話をする」と云ってはばからなかったくらいですから。
彼等はこの月の23日に神前で自分持っているイチョラーの服を来て、見えもなく、躊躇いもない結婚式する予定です。
私は、個人的に大好きな結婚式の形の一つです。
祭りに分け隔てはないのですが、彼等の結婚式が待ち遠しく思えます。
彼等と長々話をした後、彼はイチハラヒロコ恋みくじを引きたいと云ったのを受けて、内心引くなよ、と思ったのである。
この何ヶ月かの経験上、この様なときに限ってこちらの意とは反した結果が生まれるからである。
このみくじに関して、最初に見るのは私である。
その一瞬に引いた人に対しての受け答えを考えるが、どうしようも答えの見つからないときは、神様にお願いをしなさいと云う。
彼が引く、何番。私が整理箱からみくじ箋を取り出す時どうしても見てしまうのである。
私の心の中で「ええ、これを今日引くなよな」
彼にみくじ箋を渡す。彼はただただ笑うばかり。
彼女が次ぎに引く、何のと、これから結婚をしようという二人には禁句の言葉の列が。
仕方がない、引いてしまったのだから。
彼女もしかり。
「神様にお願いしとき」と云うしかないみくじを、ましてや二人とも引いてしまった。
恋みくじの結果を見て、彼にしろ彼女にしろ気にしているだろうと思う。しかし、あえて云います。
この年のこの月のこの時、、今から世界で一番小さな枠組みを作り上げようとした二人が、神社で引いたみくじ。
このみくじに記された言葉を糧に頑張ってほしいといます。
貴方達が引いたあの言葉は貴方達だけではなく、男と女の関わりの中で、誰しもが持っている思いなのです。
絆とは簡単に崩れるものです。
簡単に崩れることを知った人間は崩さないものです。
私が結婚式をするのですから、絆は崩さしません。
結婚式当日に引くみくじが楽しみです。

10月22日(金)晴
当神社の秋祭りは14日15日。
沢山の参拝者が毎日放送の「ちちんぷいぷい」見たで、これが恋みくじかいな。引いてみよと、云って引きました。
そうして皆様一喜一憂されました。
「当たってる」
「これ何」
「うん、考えさせられる」
「まるで哲学みたい」て、具合に悲喜こもごもです。
幾つぐらいかな、見るにまだ20歳前。俗に云うヤンキーとで云いましょうか。
拝殿の前の出店の兄ちゃんの知り合いなんでしょう。3歳くらいの子供を連れています。髪は親子共々茶髪。
この彼女が「イヤー、恋みくじやて。引いて見よ」「幾ら」
みくじを引いた途端「ウソー、これ何ー、・・・・」「ちょっと見て見て」と夜店の兄ちゃんに見せに行ったのである。
「当たってるやん」という若者に肩には今流行の入れ墨がある。
うそー、ほんまーの連発。
彼女が鞄から携帯電話を持ち出して電話をし出した。どうも知り合いが車でこちらに来るらしい。
「あんた早いことおいでんか。あんなここの宮さんにおもろいみくじ有るで、あんたも引き。わたしな引いてん、ほんならなxxxxxxて書いてあるねん、あいつ当たってる云うねん、当たってないやんな」
「・・・・・・、当たってないわ。早う来てあんたも引き」
この様な調子で何人かに電話をする。
これから後彼女らに、みくじ売場を占領されることになった。
今の若者は、何でも視覚でとらえる。
「イチハラヒロコ恋みくじ」は、ビジュアル的なみくじと言ってもよい。
まさにヤンキーはビジュアル何だと思った。
コンピュータに向かってこの原稿を書いている最中に、1人の女性が「テレビで見ました」と、云ってやって来た。
「彼と私の分引いていいですか」と、いう。
2枚のみくじを引いた。
「これ以前の私『・・・・・・鬼のような・・・・』」
「これは彼の心境『xxxxxx』」と言って一つ一つ声を出して朗読する。
もう一度引きます。
「『xxxxxxx』これ今の私。持って帰っていいですか。」
市内の此花区からこのみくじを引くためだけに来たという。
2時間ほど掛かったけど来て良かったと云って彼女は帰っていった。
すごく可愛い子。彼女の彼はどの様な人か知りたい。
帰っていく彼女に「正月彼とおいで」と云うと、
彼女は「そうします」と云って、手を振って帰っていきました。

10月8日(金)曇り一時雨
今日みくじの事で毎日放送の取材がありました。
こんなに早く報道関係が嗅ぎつけるなんて思ってもいませんでした。
「イチハラヒロコ恋みくじ」の趣旨を話しテレビ局も理解して下さっった上で取材を承諾しました。
全国放送ではありませんので見れると処は限られると思いますが、一度機会あれば見て下さい。
10月12日(火)午後3時から6時の毎日放送 4ch(関西のみ)
新番組「ちちんぷいぷい」角淳一司会
この番組のオープニングにて放送。
もう一つあります
11月5日(金)午後9時からの
「たけしの何でもピカソ」 (テレビ東京制作)
大阪では、大阪テレビ 19chにて放送されます。
イチハラヒロコが審査員でゲスト出演します。
その時「イチハラヒロコ恋みくじ」を北野たけし様他、司会者がみくじを引きます。
私としましては、面白から、話題性があるからではなくて、あくまでの神道教化の意味で使っていきたいと思います。
その為の手段として「イチハラヒロコ恋みくじ」が、メディアに載って皆様に知って頂くことは大歓迎です。

10月6日(水)
私が居ない間に20代女性がみくじを引きました。
禰宜の話によると始めに引いたのが
問題なのは
むしろ大人
「わからへん」「もう一度引く」
次ぎに引いたのは
お気の毒
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
みくじ掛けに結びつけて帰っていったと云うことです。
今見ると既存おみくじの合間に、「イチハラヒロコ恋みくじ」が丁寧に結んでありました。
彼女の心に深くこの言葉が残るでしょう。かな?

10月3日(日)
某大学大学院生 男性
「恋みくじなんて有るんですね」
「イチハラヒロコ恋みくじです」「誰かに聞いたの」
「いいえ、お詣りに来たところ見掛けたものですから」
社頭にイチハラヒロコ恋みくじとポスターを貼ってあるのを見らしい。
100円を出して、みくじを引く。
男が引いては成らない番号と、私が思っていた番号を引き当てた。何も云わずに手渡すと。
「わぁー、これなんですか」
「之を見てなんて思った」
「俺、変な男じゃないですよ」
「そう思いました。貴方に彼女は居ますか」
「居ます」
「彼女の事であって、彼女にとって貴方だけなんですよ。って云う神の啓示かも知れませんね」
「今、そう思ったんです。昨日の夜そんな話したんです」
惚気るなお前。と、心の中で思うが、ここは冷静に。
「イチハラヒロコって知ってますか」
「全く知りません」との答え、イチハラヒロコについて説明をする。
「そうですよね。言葉には色々な意味合いが有る。そのどれを撰ぶかは、本人の潜在意識ですよね」
「このみくじは自分の潜在意識を知らしめてくれるのですよね」
「このみくじの文句を大切に、意味深く考えます」と云って帰っていった。
今のところイチハラヒロコを知って来た人間は誰も居ない。そうしてすごく喜んで帰っていく。
このみくじは何なんだ。
もっと緊迫した状況が生まれるのではと云う期待を、裏切られている。
これから、そう言う状況が出来るのかも。

10月1日(金)
母親と娘
「恋みくじがある。お母さん」
と言って、娘が引いた。
36番ある中で36番。
ポチャッと可愛い子である。36番目のみくじを手渡すと「アレ」と一言。
横から見たお母さん、「・・・ちゃん、結婚し、神さんの云う通りやわ」
「うん」、「結婚するのが一番いい」「うん」と娘と母のほのぼのとした会話が続いた後。
「私このみくじ、持っておく」
母は「私もみくじ引く」
「お母さん、これ恋みくじやで、良いですか。」娘が私に聞くので、私は「恋に年は関係無いでしょ」と云ってしまった。
「そうやね宮司さん」「ヘヘェ、良いねん」と、みくじを引いた。
番号を聞くと、大変なみくじ。これ良いのかと思い渡す。
「これ何、これ何よ。こ・れ・何よ」
「見ての通り。みくじはね。神様のことば」「これを引いたんだから」と私はお母さんに云うと、横から今度は娘が
「その通りヤン。あの人とは別れと云うことや。私が面倒見たる」
「あほ、あんたに面倒見ていらんわ」
「あの人って誰」と私。しまった又余計なこと聞いてしまった。
「娘の父親、要するに私のだ・ん・な」「別居して2年。だ・ん・なは、今女の処に居てますねん」「困ったもんです」
「当たってるわ。神さん、分かってる。帰ろか。神主様おおきに」「さいなら」と母と娘は帰っていった。
帰りながら娘は母に「別れ、別れ。あのオッサンあかんで」
母は娘に「せやけど、取るもんとらんな」「そんな事云ってるからあかんねん」「・・・・・」「・・・」
母親はみくじを境内の木の枝に堅く結び付けていきました。
25歳の女性
「恋みくじなんてあるんですね」
「そうです。最近出来まして、だけど貴方には関係無いよね」
「何故ですか」
「結婚してるのでしょ」
「いややわ、まだ独身です。彼氏は居ますが」
「ごめん。引いてみる」
「引く」
「何番ですか」
「24番」
みくじを渡すと彼女は何度もため息を付いて、一言「そうやね」
「彼と付き合って何年」
「3年です。ここで結婚式あげるとしたら幾らかかります」唐突に彼女は私に聞くので、「結婚式だけなら、5万円」。
「え、そんなに安く済むんですか」
「見栄を張らなければね。そのかわり結婚式のご祈祷だけですよ」
「写真は写真機持ってきたら、俺が取ってあげる」「服は、自分たちの一番に衣服来てくれば」
「後は何処かで場所を借りて、会員制のパーティーを自分たちれ作れば」
「ほんまやわ」
娘さんに「彼氏いつまでも待ってくれませんよ」
「分かりました」と云って、みくじを鞄の文庫本の間へ挿んで帰った。

9月24日
観月祭の支度のさなか1人の女性がみくじを引きに来る。
無理やりこの女性にイチハラヒロコ恋みくじを引かせる。
このみくじをみくじをお金を出して引いた、初めての記念すべき女性である。
何と1番。
彼女、このみくじを見て目が点。
「おじさん、これ何」
「書いてある通り」
「うそ、」
「それが神様の言葉」
「ホントに、エェ、ホント」
「そんな良い女、男ほっといたらいかんな」
「・・・・・・・・」
彼女の顔が赤くなって「これ店に貼る」
小走りで帰っていきました。