lesson6

構図と心の関係を探る

建築マップhpより竜安寺(石庭)

上の写真は有名な竜安寺の石庭です。

見る人によって自由な解釈や連想を欲しいままにさせるこの庭は禅の公案のようであり,
見た目にはすこぶる単純な構成であるがその中に秘められた魅力は大きく、
岩とそれにまつわる苔、それらを取り囲む白い砂に描かれた筋目とが、
言い知れぬ簡素な落ち着きと、枯れた気高い美しさをかもしだし、
見る人に深い感動を起こさせる。

以上は竜安寺hpに記された石庭の説明文です。
まずはその石庭をゆっくり鑑賞してください。
竜安寺の石庭は
15の石を配置して出来ているといいます

その配置は、
どこから見ても

15個が一度に見えないように出来ているそうです

つまり15個の石を全て見ようとすれば、
結局、
見えない石を
心で見るしかないわけです



絵の構図も、
実はこれによく似ています
画面に描き出す形の配置によって構図は決まりますが、
絵には表れてこない部分があるのです


それは、
今まで見て来たような画面の関係から生み出される
心の動きであり、
絵を描こうとしているあなた自身の思いです
思いは常にデッサンの背後に隠れていて、
決して見えることはありません

私が冒頭に
アカデミックでない構図と書きましたが、
それは、
構図に正解もお手本もないということです

あらかじめ与えられた道筋はどこにもありません
大事な事は、
心を働かせることです



あなたの心が、

ただその花の形を描こうとしているのか、
それも正解です

あるいはその花の美しさに深く心動かされているのか、
それも正解です

あるいは花を置いて去っていった恋人を思っているのか、
それも正解です

あるいはその花に自然の素晴らしさを感じているのか、
それも正解です

あるいは花になってみたい心を、
それも正解です


あなたの
見えないものを
心の眼で見つめながら描くこと

それが
最もよい構図を生み出すのです

構図のレッスンで
修得すべき、一番大切なこと、
それがここにあるのです


もう一度石庭をごらん下さい

石の表情、そして何よりその石と石の間にある空間を感じてください
様々な空間の一つ一つがあなたの心にどんな波紋を投げかけてくるでしょうか
隠れて見えない石は、あなたの心にこんなにも大きな波紋を広げていくのです

構図は石庭の石の配置と同じように、
誰にも見えないあなたの心を
図柄の配置によって見せようとするものに他なりません


 石庭を観る