湯上久雄・北籔和夫
書と絵画によるジョイント展コメント
ジョイントに関して 筆と鉛筆、墨と炭、書と絵画。 似ているモノとして話そうか、全く違うモノとして話そうか。 平面上に構築される空間、グレースケールでの色彩、無いから有るもの。 奥行き、広がり、時間軸、あたりがキーワード(?) 互いの作品が、時に溶け合い時に軋み、一所でかけ算・乗算それ以上の力をみせてく れれば。 山がもっと高い山に、川がもっと深い川に、空はより大きく、海はより広く。ありゃ? (笑) と、ここまで大きな事いえたのも、北藪さんの作品がとても素晴らしく、 ジョイントそのものが興奮を持って出来たおかげです。楽しかったあ! ありがとうございます。 湯上久雄 |
湯上さんは書を形象化する。もともと漢字は象形文字だが、それをさらに独自の感覚で形に表す。 そこには一幅の絵が生まれている。 書から発信された絵でない絵、そこに私の絵がまったく自然につながっていく秘密があるのかもしれない。 二人の作品が味を損なわずに並立し、しかもその作品どうしの空間を振動させ、鳥肌が立つほど沸き立たせる。 ジョイントが作り出すすばらしい体験と言う他はない。 絵でない絵が、私の絵を書でない書に引き込んでいく。 同じことが湯上さんの書にも起こっている。 これは結局、作品は心であることと同義なのだろう。 今回のジョイントのために、湯上さんは血肉という作品を書いてくれた。 血が岩のような肉に命を与えようと躍動する。 その隙間から心が生まれる。 私の絵がそこに繋がっていく。 今回のジョイント展の骨格がここにある。 北籔和夫 |
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