lesson4
1、
左の絵は、崖にきり開いた道を描いています。
この道に立って、まっすぐその先を見ます。
すると、図の中ほどにある×印が目に入ります。
そこが一番遠い所、消失点です。
ところでこの道は上り坂でしょうか、下り坂でしょうか、
それとも水平の道でしょうか。
感じとしては上り坂のようですが、
それは左右のガードと崖の形がそう見せているだけで、
それが無ければこの道の勾配は分かりません。
この絵に水平線を描き足して水平線と勾配の関係を
体験してください。
2、
まず最初に、この絵を見てください。
急な上り坂であることはすぐ分かりますね。
水平線はどこにあるか分かりますか、
遠くの島影、そこが水平線です。
道路の消失点(×印)より下に水平線が見えます。
つまり、上り坂は、水平線より上に
消失点を持つ形になっているということです。
上に向かって歩いていけば、目は上のほうを向くという当たり前の理屈ですね。
この理屈を意識していれば、上り坂はすぐ描けます。
3、
水平線を上げてみましょう。
ちょうど、道の消失点と重なる位置まで水平線を持ってきました。
道の勾配は平坦になりましたね。
崖を切り開いた道が水平に、遠くに見える岬まで続いているように感じませんか。
道の上に垂直に立った人の目が水平線の目の高さになるというのは、その道が水平だということ意味しています。
紙に描かれた図柄ですが、それを見てイメージを持つ私たちの想像力は、実際の体の体験がしっかりかかわっています。
私たちは無意識のうちにも、全身で物事を感じ、考えているのです。
ですから、デッサンで大切なことは、形だけにとらわれず、全身で感じるものを素直に絵にしていくということです。
4、
更に水平線を上に上げてみましょう。
道の消失点よりかなり上に水平線が見えます。
道は手前の海にのめり込むように感じますね。
下り坂です。
下り勾配の面に立つと、当然のことながら、その消失点は水平線より下に来ます。
上の2から4まで順送りで見ていくと、崖の道がまるで船が海の上で揺れているように思えます。
水平線を動かすだけで船酔いしそうですね。
このように、勾配は水平線と大きくかかわっています。
そしていうまでもなくそれは、水平線に対しての自分の体の位置を示しているのです。
デッサンをする上での、水平線や、建物などの消失点、これらはすべて
デッサンするあなたそのものを表しているのです。
決して風景そのものに水平線や消失点があるわけではありません。
あなたがいなければこのデッサンは生まれません。
そしてあなたしか描くことの出来ないもの、それがデッサンに他ならないのです。
デッサンは風景を描いているのではなく、
あなた自身を描いているといいうことが実感できたら優等生ですよ。
これでlesson4は終了です