「グロスドイッチェラント」と洋書資料について
この資料は、「総統擲弾兵旅団/師団」の資料について質問したところ、「櫻井隆志さん」、
「高橋 慶史さん」、「滝口 彰さん」のお三方から回答いただいた内容です。
「総統擲弾兵旅団/師団」や「グロスドイッチェラント師団/軍団」ばかりでなく洋書の
資料探しそのものに役立つ情報ですので、もともとは「のりっくの掲示板」と高橋さんの
「ラスカンBBS」に分散して書き込みされたものですが、お三方の了解をいただいてま
とめて掲載いたします。(1999/12/8)
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投稿者:櫻井隆志  投稿日:12月01日(水)
A)ナフツアー氏著作の
"PANZER and ARTILARY"です。
過去何回かに分けて出版した物を加筆修正し、1冊にまとめています。西山洋書辺りに在
庫が残ってないでしょうか?ただ、この本、メイン資料が、終戦前後に米軍がまとめた物
なので、かなり怪しい所があります。部隊番号は大体OKなんですが、編成表がかなり怪し
いんです。これ以外の、GD関係本となると、偵察大隊に所属していたシュペーター氏の
一連の著作となります。
1) 50年代に出版の
軍団史上・中・下巻
現在、米シッファーから2冊目まで英訳版がでていますね。
2) シャイベルト氏と共著になる
軍団写真誌(1971?)
スコードロン(私が持ってるのは1977版)の原著、最近独ポツーンからも(1996?)出てます
3) 独ポツーンから出版の
軍団写真誌(1984)
4)      〃    
師団写真誌(1986)
5)      〃    
戦闘記録抜粋誌(198?)
6) Dr. Leo Niehorsterの
オーダーオブバトルシリーズ
以上6種合計14冊となります。
7)T.Jentzの
"Panzer Truppen"(綴り間違ってるかも)1,2巻を持っていれば完璧です。

編成表を作る程度なら、このうち A)と1),2),7)を持ってれば大丈夫でしょう。
現在も入手可能です。3),4),5)は絶版、入手難。
6)についてはブラウ作戦まで出てますが、その後発行がストップしたままのようです。
編成に興味があるなら必携の書!
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投稿者:高橋 慶史  投稿日:12月01日(水)
 櫻井さんのおっしゃったもの以外では、
8)Francois de Lannoy著
"La Grossdeutschland"(Editions Heimdal)
がお勧めです。写真が一杯で楽しいです。
さて、総統擲弾兵師団の件ですが、どの程度の中身にするのでしょうか?構成される連
隊、大隊などの部隊編成、部隊番号だけならば
A)スコードロン版Nafziger
"Panzers and Artillery"
があれば良いです。ただし装備内容は後者はあまりあてにはなりません。
イメージを掴むのに徹して100%は信用しないことです。
戦車のみの正確な装備は、
9)T.Jentzの
"Panzer Truppen"がベストです。
さて、そうなると戦歴ですが、ドイツ語がお読みになれるのであれば
10)Rolf Stoves著
"Die Gepanzerten und Motorrisierten Deutschen Grossverbae
-nde 1935-1945"
p252-p254に戦歴が書いてありますので、それをアレンジするのがベス
トです。
フランス語だと
7) Francois de Lannoy著
"La Grossdeutschland" (Editions Heimdal)のp427-428に
同じく戦歴が書かれております。 
 それ以外だと誰もが最終的に行き着く先が
11)Tessinの
"Verbaende und Truppen der deutschen Wehrmachat und Waffen
SS 1939-1945"
の番号のない名前のみの部隊編成表の第14巻ということになります。
まけらいおんさんも、この巻のみ持っているという代物です。(笑)
え?英語の文献?ありません(爆)まあ、誰もが通る茨の道が横たわっているというわ
けですね(笑)
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投稿者:滝口 彰  投稿日:12月01日(水)
北村さんのように公文書館で調べるのがもっとも正しい道なのでしょうが、ほとんどの方
はそこまでやる気はないでしょう(しかし、ドイツ語ができて、ひまさえあれば〜単位を取
り終わった学生さんのように〜古本屋で高価な希少本を買い漁るより金もかからないとい
う説も)。
公文書館で部隊史を調べる手間をかけないのであれば、国防軍日次報告を紐解くのが、特
に恵まれない部隊ではいいのかもしれません。索引と地図、編成表が便利です。
12)
"Die geheimen Tagesberichte der deutschen Wehrmachtfuehrung im Zwe
-iten Weltkrieg 1939-1945."
Kurt Mehner, Biblio Verlag
13冊でDM1820、直接注文(Visa)すれば1割引、船便送料無料で10万円はかかりません。
ガレキをいくつか買ったと思えば(笑)。なお、注文は英語でOK。
13)Schlamm他の
"Kriegstagebuch des Oberkommandos der Wehrmacht"は、ソフ
トカバー8冊組箱入りでDM100以下(送料別)で古本屋で手に入ります。
基本文献として引用される本ですが、索引がないのでドイツ語がごく得意で全部読む気が
ないとやっていけないと思います。
>まけらいおんさんも、この巻のみ持っているという代物です。(笑)
この前15巻をお譲りしたので、少し事実と違います(爆)。
FGDは、"Vom Plattensee bis zur Mur" (J.P.Puntigam)の付録にも載っているかなと思
いましたが、役に立ちそうな情報は見つかりませんでした。
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投稿者:櫻井隆志  投稿日:12月03日(金)
下記2点すっかり忘れておりました。高橋先生よりご指摘のあった、
8)Francois de Lannoy著
"La Grossdeutschland" 仏(Editions Heimdal)
2)・3)・4)のフランス語版集大成といったところでしょうか。極、僅かな追加情報
があります。
(いや、私、和、英、独、仏全くだめなんですが、取り敢えず名詞だけは何とか★爆)
写真集としては価値有りです。この本、普段は写真を見るためだけにしか使わないので資
料本としての存在をすっかり忘れてました。
>3)独ポツーンから出版の
軍団写真誌(1984)<この本米のシッファー又はカナダの
RYTONから英訳版が出てました。まだ市場在庫があるはずです。
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投稿者:櫻井隆志  投稿日:12月04日(土)
更なる追加情報として
14)
連邦公文書館の資料は、「毎月の装備や人員の実数が有る」と言う事が、今までに私
や皆さんの書き込まれたものとの差に為ります。
こう書いてしまうと身も蓋もないんですが、これこそが1次資料であり、絶対必要条件か
も知れません。
また「GD」については、1次資料を当たる必要もないくらいに出版物が充実してる、と
も言えます。(誤植の可能性は消せませんが)出版点数こそ少ないモノの一つ一つが非常に
濃いという。現在「手軽に」入手可能な資料だけでも十分以上です。他部隊に比べてです
が。
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