PHOTO-DIARY

2001.02.21
人形との再会

KAETHE KRUSE

知人宅に久しぶりによばれて、懐かしい人形に「再会」した。
アムステルダムで20年前に買ったアンティーク・ドールだ。

私がドイツに赴任する前、知人から「ヨーロッパでアンティーク・ドールを買って来てほしい」と頼まれた。1981年のことである。人形に関心が全くなかった訳ではなかったが、 アンティーク人形をしかも任せられて購入するとなると、大変だ。数冊の本で予備知識を つけたが、この世界も奥が深い。ヨーロッパ滞在中の出張の合間を見て、専門店を覗いて見たが1体が数10万円から数百万円もする。住んでいたハンブルクでアンティーク・ドールの展示販売会があった時に、ジュモーの素晴らしい人形に目が留まった。自分でも買いたいと思った。着ている衣装も全てオリジナル。3万マルク(当時のレートで3百万円)と 値段を聞いてあきらめた。
この人形は、オランダ、アムステルダムのホテルの1階にあるアンティーク雑貨の店で見つけ、一目惚れした人形。人形の顔はビスク(焼物)ではなく、ぬいぐるみである。 面差しはフランス人形にある華やかさはなく、どちらかというと、物想いにふけっている感じだ。作者は、ケーテ・クルゼ(Kaethe Kruse)というドイツの女性。日本では、ジュモーやブルーほど有名でないが、ドイツではよく知られている人形作家(1883-1968)である。(★この画像をクリックすると大きくなります)


知人の母君は人形好き。家に伝わる市松人形や雛人形を初め、日本の古い人形をいくつか持っていた。ちょうど西洋人形もほしくなった頃に、私のドイツ行きを聞き、私に<探してほしい>と頼んで来たのだった。

母君のお気に召さなければ、自分の物にするつもりで買ったこの人形は、幸い気に入ってもらえた。しかし自分でも愛着が湧いていたので、渡すときはちょっとつらかった。




最近、知人は母君と一緒に海外旅行に毎年行っていて、あちこちの人形を買ってきている。民族人形、木彫りの動物などいろいろ、フランス人形もある。
でもケーテ・クルーゼはその中でも特に大切にされている。洋服も何着か作って時々着せ替えているという。




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