ダージリン

インドのダージリン地方は 西ベンガル州最北部、東ヒマラヤ山麓の標高約1000〜2000mの山岳地帯に位置します。
日が差せば曇るという天気の繰り返し(1日の平均日照時間は約6時間)と昼夜の激しい寒暖の差によって、香り高い茶葉が育ちます。
ここで栽培されるダージリンは 「マスカットフレーバー」 と評される 爽やかな芳香が特長で、4〜5月に収穫される極上品は 採取量も少ないため 非常に高価です。
また ゴールデンチップ と呼ばれる新芽を多く含んだFOP(フラワリー・オレンジ・ペコー)グレードのダージリンは、「紅茶のシャンパン」とも呼ばれています。
爽やかな味と香りを楽しむには、やはり ストレートティーが良いでしょう。
抽出時間は長めに。
また、ダージリンは世界三大銘茶の一つとして有名ですが、生産される時期によってそれぞれ違う香りや味などが楽しめる事も特長です。
特に品質の良くなる茶葉が収穫できる時期の事をクオリティーシーズンと呼びますが、ダージリンではその時期が年に3回あります。
それぞれ、


ファーストフラッシュ ( 3月中〜4月に収穫 )
セカンドフラッシュ ( 5〜6月に収穫 )
オータムナル ( 10〜11月に収穫 )

と呼ばれています。



ダージリン ファーストフラッシュ
産地 北インド ・ ダージリン地方
黄色かかった薄いオレンジ色
入れ方 ストレートティー向き ・ 洋酒を加えてもOK
特長 グリーニッシュな茶葉の色、緑茶のような香り
【メモ】
ダージリン ファーストフラッシュは、厳しいヒマラヤの冬をくぐりぬけてやっと芽吹いた新芽を丁寧に摘み採った一番摘み茶。
春一番のフレッシュな味わいのダージリンです。






ダージリン セカンドフラッシュ
 
産地 北インド ダージリン地方
明るいオレンジ色
入れ方 ストレートティー向き
特長 心地よい渋味と爽やかな香り
【 メモ 】
ダージリンセカンドフラッシュ(二番摘み茶)は、味も香りも最も充実する5〜6月にかけて摘み取られた茶葉。
上質なダージリンならではの「マスカットフレーバー」と呼ばれるフルーティーな香りが自慢で、高い人気を誇っています。
この独特のフレーバーを楽しむために、ストレートティーで頂くのが最適。
ミルクティーの場合はミルクの量を控えます。





ダージリン オータムナル
産地 北インド ダージリン地方
オレンジ色
入れ方 ストレートティー向き
特長 渋味も消えてまろやかな味わい
【 メモ 】
紅茶は農作物ですので、その年の気候条件により品質が変ってきます。
品質のよい紅茶を作る為には、製茶の工程でも香りを生かす為の配慮が必要。
重要なポイントのひとつは、第一段階の萎凋(いちょう)工程(水分をとばし 葉をしおらせること)において、一定の時間内に生葉(摘み取った茶葉)の水分量を出来るだけ低温で減らしていくことです。
雨期などに収穫された茶葉のように生葉自体の水分量が多いと、ヒーターを入れて水分をとばしますが、その場合茶葉にダメージを与えてしまいがちです。

ダージリンオータムナルは、厳しい冬を前に シーズン最後に摘み取られる秋のダージリンです。
春のダージリンと比べると香りがやさしく、渋味が無くてやわらかな風味。
茶葉が赤みを帯びているのも特徴です。
そのため
「 ロージー ( ばら色の ) ・ オータムナル 」 なんてかわいい名前が付いています。

それぞれのダージリンの個性の違いを味わったり、ブレンドしたり、さまざまに奥深いダージリンを楽しみましょう。


参考:紅茶の辞典

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