インドで「チャイ」と呼ばれ、ごく普通に飲まれているのが「マサラティー」です。
他にも「シチュードミルクティー」と呼ばれることもあり、茶葉を直接煮出す濃厚なミルクティーのことをさします。
マサラとはインドの言葉で「混ざっている」とか「スパイス」という意味。
つまり、様々なスパイス類が混ざったスパイス・ミルクティーの事を言います。
インドでは町のあちこちにチャイ屋があり、大鍋に茶葉とミルクと砂糖とマサラを入れて煮立てている風景が見られます。
人々はこのチャイを、仕事の合間などにちょっと立ち寄って、1日に何度も飲むのです。
なぜこれほどにチャイが飲まれるかといえば、最大の理由はなんといってもインドが暑い国だから。
ミルクで煮出した甘い紅茶は疲れた身体に水分とエネルギーを補給し、各種のスパイスが弱った身体の働きを活性化して、気分をしゃきっとさせてくれるからなのです。
例えばピリッとした辛味がさわやかな生姜(ジンジャー)は、胃腸の働きを活発にし、血行をよくして発汗を促す作用があると言われています。
つまり、汗をかくことで体温を下げると同時に、クーラーで冷えた身体を温め夏風邪を予防したり、暑さで弱まった胃腸を活性化したりするのに役立つというわけです。
その他、強い刺激と清涼感のあるカルダモンには脂肪を分解して消化を促す作用が、胡椒には食欲増進や利尿作用が、甘い香りと渋みが特徴のクローブには防腐や鎮痛作用があるなど、スパイスにはさまざまな働きがあります。
スパイスを上手に利用しているインドの人々のように、私たちも暑い夏のティータイムにはホットなチャイを楽しんでみてはいかがでしょう?いえいえ勿論寒い冬でも温まりますよ!
マサラティーに適した茶葉は、水色が濃く、牛乳に負けないコクを持ったアッサム、また、中・低地産のセイロン茶なども適しています。
使用するスパイスに特別な決まりはありませんので、好きなスパイスを使って自分だけの味を作り出すのもいいでしょう。
基本的には、カルダモンやシナモンスティック、クローブなどが一般的で、これらに生姜やローリエの葉などを好みによって加えます。
スパイスは粉状のものでも形のままでも構いません。
材料(2〜3杯分) 茶葉8g/水80cc/牛乳220cc/お好みのスパイス/砂糖又は黒糖又ははちみつ 作り方 1 鍋に水を入れて火にかけ、沸騰したら火を止めて茶葉を入れます。
※沸かした牛乳に直接茶葉を入れると茶葉の開きが悪く、味も香りも充分出ません。2 茶葉が開いたら牛乳を加えて再び火にかけ、スパイスを加えて沸騰する寸前で火を止めます。
※牛乳を沸騰させると牛乳の臭みが出ます。3 茶漉しで茶葉をこしてカップに注いで出来上がり。
お好みで砂糖又は黒糖又は蜂蜜などを加えます。
※黒糖のほうがコクが出ます。
参考 : 紅茶の辞典