実にさまざまな形、絵柄、材質のものがあるティーカップ。
飾っておくだけでも充分に楽しめるステキなものがいっぱいですね。
自分の好みに応じて、また、TPOにあわせて使い分けていくのもまた楽しいものです。
そもそも、ティーカップの形が今の様(カップに把手がついている)になったのは18世紀半ばですが、その形を大きく分けると3つのタイプになります。
1つは、英国でピオニー様式といわれる朝顔型のもので、口が広く浅いのが特徴で、フォーマルな雰囲気のものに多いデザインです。
2つめは、コーヒーカップと兼用がきく、やや小ぶりのもの。
3つめは、これも良くコーヒーカップと兼用されているイタリア・フランスで見られる筒状の形をしたカップです。
デザインだけではその良し悪しはいえませんが、一般的に紅茶の為には口が広く開いていて浅いものがいい、といわれています。
これは、口の広いものの方が紅茶本来の美しいカップ水色がよく映えて紅茶の魅力を存分に楽しめるからです。
味や香りはもちろんのこと、見た目にもエレガントです。
それに対して筒状のものは、中にはクラッシックなものもありますが、モダンでカジュアルな印象のものが多くあります。
購入の際には、見た目のデザインだけでなく、取っ手を持ったときの感じや口当たりがよいかどうかもチェックしてください。
取っ手が持ちにくかったり、指が入りにくいデザインは、飲む時に不安定ですし、口当たりの悪いカップはせっかくの紅茶の味も台無しにしてしまいます。
そして、色や柄は基本的には好みで選んでも良いのですが、カップの内側だけは色や模様のついていない白いものをおすすめします。
紅茶のおいしさの一つは、独特の輝きのあるカップの中の水色にありますから、その色を楽しむ為にもカップの中は白が一番です。
材質も好みですが、ティーカップの場合、紅茶の温度を下げない保温性の良い事が求められますから、それに優れている陶器や磁器がよいでしょう。
磁器は比較的薄手のものが多く、指ではじいた時に高音がし、高級品の材質の殆どがこれです。
また、陶器はやや厚手で重みがあり、指ではじいた時に低い音がし、カジュアルで普段使いのものに向いています。
このように形や色、材質を見極めながら、ティーカップを選ぶようにすると、紅茶の味も雰囲気もいっそうのものとなります。
また、時間に合わせてティーカップを使い分けるだけでも気分は変わります。
忙しい時のモーニングティーやイレブンジィズは、たっぷりと紅茶の入る大ぶりのティーカップや、扱いが楽なマグカップ。
午後のリフレッシュと優雅な時間を楽しむアフタヌーンティーは、その時のお客様やお茶にあったカップを選んで。
そして一日の終わりの紅茶を頂く時には、形や様式にこだわらず、趣味性の強いもの...と言う風にカップの選び方でティータイムの雰囲気と気分は大きく変わります。
例えば....
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朝顔型で口が広く浅いカップ |
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コーヒーカップと兼用が多い、やや小ぶりのカップ |
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フランス・イタリアで見られる筒状カップ |
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紅茶に最適といわれる、口が広くて浅く、内側が白いカップ |
参考 : 紅茶の辞典