香りを楽しむ紅茶
( フレバリーティー )
フレバリーティー。
それは 香りのよい紅茶のこと。
もともとは乾季のある時期、乾燥した風に長く当たって特に香りが良くなったものをさしていましたが、今では紅茶の茶葉に果物や花などのさまざまな香りをつけた着香茶もそう呼ばれています。
その着香茶、香水の発祥地フランスで生まれたのが始めだそうです。
ヨーロッパの食事の中で、最後のデザートには生クリームやバター、砂糖を使ったものをたっぷり食べるそうです。
なぜなら、ヨーロッパでは砂糖を使わない料理が多く、人間に必要なエネルギー源をデザートで吸収しているのだとか。(ほんまかいな..)
それで、デザートのあと着香茶で口の中をさっぱりさせ、心地よい香りの余韻を残して食後を楽しむのだそうです。
有名なアールグレイは着香茶の元祖。
1830年代、外交使節として中国に行った グレイ伯爵が その作り方をイギリスに持ち帰ったもので、中国茶をベースにしたブレンド紅茶にベルガモットという柑橘系の香油が着香されています。
ブレンドには中国茶のほか、インド茶やセイロン茶が使用されていることが多いようですが、各ブランドによってブレンディングが異なる為、水色や色を特定する事は出来ません。
よく、「おいしいアールグレイとそうでないアールグレイがある」と言われるのはこのためですね。
エキゾチックな芳香が特徴で、グレイ伯爵 (アール) にちなんで 「アールグレイ」 と命名されたのも有名な話です。
アイスティーによく使われるアールグレイですが、独特の香りはミルクティーでもイケます。
香り豊かなフレバリーティは、気分に合わせて風味を選ぶと 安らいだり元気になったりするから不思議です。
アップルティーやローズティーは、イギリスでは夏の午後に庭の芝生の上で頂く紅茶として人気高いとか。
スペアミントティーは 爽やかな香りに心を静めてくれる効果があって、1日の疲れをほぐす ホッと一息の一杯に最適です。
中国茶のジャスミン茶も 香りのお茶として知られていますが、厳密には紅茶ではなく 緑茶をベースとしているので フレバリーティーではありません。
でもその香りの付け方がちょっとステキなのでご紹介します。
摘んできた葉にジャスミンのつぼみを沢山混ぜて一晩置いておきます。
するとつぼみがだんだんと花開いていき、その時に発生するほのかな熱で、茶葉にほんのりと香りが付く・・というわけ。
なんだかロマンチックな一夜てせすよね。
同じく香りの飲み物として 「ハーブティー」 がありますが、これも 「お茶」 ではありません。
ハーブ(香草)の葉や実や花そのものを使用して、熱湯で抽出して飲みます。
ただし、イギリスのアフタヌーンティーのメニューにもあり、イギリスでは昔からハーブ栽培が盛んなので、とても親しまれている飲み物です。
また、病気の治療や予防などの薬としてのこうかもあると言われています。
[紅茶の豆知識]