缶紅茶というスタイル
大手のデパートに紅茶コーナーが設けられたり
多種の紅茶を置く紅茶専門の喫茶店が賑わいをみせたりと
何かと紅茶の流行が噂されている最近の日本ですが
紅茶の消費量自体はまだまだ少ないようです。
その様な中で確実に普及しているのが缶入り紅茶です。
缶紅茶がきっかけで紅茶党になった人も多いのではないでしょうか?
緑茶の歴史が古く、紅茶が伝えられてからまだ1世紀あまりしか経っていない日本では、独自の紅茶文化と呼べる物は見当たりませんが、その中でも目を引くのは缶入りの紅茶でしょう。
現在、日本では非常に多くの缶入り紅茶が市販されていますが、これほど多くの種類の缶入り紅茶がうられている国は他には無いのではないでしょうか?
アメリカなどにも缶入りのアイスティーは数種類販売されていますが、日本のように種類が豊富ではありませんし、缶入りをホットにして飲む習慣もないそうです。
缶紅茶がこれほどまでに一般化した理由の一つは、すでに自動販売機の普及が進んでいたという点です。
日本の都市は電車と歩行者を優先させた構造だといわれるようですが、確かに駅には必ず売店と自動販売機がありますし、人通りの絶えない街角にはあちこちに自動販売機が設置されています。
こうした歩行者優先の都市構造の対極にあるのが車社会のアメリカの街で、ダウンタウンでもない限り、人が待ちを歩く機会は限られています。
したがって、街角で自動販売機を見かける事は少なく、缶入り飲料の大部分はマーケットやストアなどで売られているようです。
このような自動販売機の普及という要素は、紅茶に限らず缶入り飲料全般に関して当てはまる事ですが、こと紅茶にだけ的を絞ってみると、日本人の思考が甘味の強い炭酸飲料から甘味を押さえた無炭酸飲料へと変化したことが上げられると思います。
このことは、紅茶のほかにも緑茶やウーロン茶の缶入り飲料が多種出回っていることからもわかります。
いずれにせよ、缶入り紅茶がまれに見る大ヒット商品になった事は確かだと思います。
しかし、缶入り紅茶から一歩離れてみると、紅茶の消費量はまだまだ少ないようです。
伝統的に緑茶の文化が深く根付いている日本では、紅茶の美味しさがなかなか利理解されないようですが、最近では紅茶専門の喫茶店も各地にオープンして人気を博しているようです。
こういった専門店が普及する事によって本当の紅茶の美味しさが理解されるようになれば、今後は自宅でも紅茶に親しむ人がもっと増えていく事でしょう。
[紅茶の豆知識]