お茶の木
乾燥して茶色い顔をした紅茶の葉。でも、紅茶になる前はどんな顔をしていたのでしょうか。
お茶の木は、学名
「カメリア・シネンシス」
と言われる椿科の常緑樹。
その原産地は中国大陸の西南部、雲南省の山岳地帯を中心とする温暖多雨な地域だとされています。
そこから次第に日本や台湾などの温帯地域、さらには亜熱帯地域にまでお茶の木の栽培は広がり、現在の茶樹の栽培範囲は、北は旧ソ連のグルジア共和国あたりから南はアルゼンチンまでとなっているのです。
お茶の木には沢山の品種があり、さらに品種改良も進んでいますが、大別すると
温帯性の中国種
と、
熱帯性のアッサム種
に分ける事が出来ます。
中国種の茶樹は寒さに強い
のが特長で、主に緑茶生産地域に多いのですが、その耐寒性を利用して、インドのダージリンやスリランカの高地などの寒冷地で紅茶用としても栽培されています。
木の高さは1〜2mくらい。
タンニンという成分が少なく、デリケートな香味が特長です。
一方
アッサム種は中国種に比べて葉が厚くて大きく
、放置すれば10m以上の大木になります。
タンニンの含有量は多く、味も濃厚で紅茶向きの品種です。
しかしどちらの種類の茶樹も放っておけば木が伸びきってしまうので、樹齢4〜5年で約1mに切り揃えられ、以後も定期的に整形作業が行われています。
茶摘みをしやすいように、そして、お茶の木が無駄に花を咲かせたり実を付けたりしないように・・・。
おいしい紅茶の為に大切に手入れされ育てられたお茶の木は、やがて丁寧に葉を摘まれ、現地の製茶工場で豊かな味わいを持つ紅茶となり、私達のもとにやってきてくれる事でしょう。
[紅茶の豆知識]