TEA ROAD
〜お茶の呼び方から見える道〜
お茶を表す言葉は、世界各国さまざま色々。
だけどよく見てみると、実は大きく二つのパターンで、それぞれ似通った言葉である事が分かります。
例えば、朝鮮や日本、そしてポルトガルは 「 CHA (チャ) 」
モンゴルやロシア、ポーランドなどは 「CHAI (チャイ) 」
トルコは 「 CAY (チャイ) 」
また、アメリカやイギリスなどは 「 TEA (ティー) 」と呼び
オランダは 「 THEE (テー) 」
ドイツ、フィンランドなどは 「 TEE (テー) 」
イタリアやスウェーデンなどは 「 TE (テ) 」
・・・というように。
お茶は中国が発祥地。
すなわちお茶とお茶の呼び方は、中国から世界の各地へ伝わりました。
したがって、世界のどこの言葉でも、茶は非常に似通った名前で呼ばれています。
ただし、それぞれのお茶が伝播していった経路によって、広東語の
「 CHA (チャー) 」
の流れをくむものと、福建省の
「 TE (テ) 」
と言う語の流れをくむもの・・・と言う、二種類の呼び方に分かれて行ったのです。
MAP BY
図にあるように、広東語の
「 チャー 」
に近い語で呼んでいる地域は、おもにシルクロードを通り陸伝いに伝わった所。
歴史的にお茶との関わりが古い国々で独自の飲み方も生み出しています。
それに対し、16世紀の大航海時代になって海路はるばる東洋にやってきてお茶と出会ったヨーロッパ諸国。
特に福建省の港、アモイでお茶を手に入れたオランダは、
「 THEE (テー) 」
という呼び名で近隣諸国に売り込んだために、西欧や北欧では福建省の
「テ」
に近い語になったとか。
ただし ヨーロッパで例外的にポルトガルが
「チャ」
と呼ぶのは、広東省のマカオを統治して直接お茶を導入したためだと言われています。
陸のティーロードと海のティーロード。
中国を出発したお茶の 長くて遠い旅路は、お茶の呼び方を通して今もその様子を私達に見せてくれるのです。
参考 : 紅茶の辞典
[紅茶の豆知識]