急な歯痛の対処の仕方

西川デンタルクリニック
”歯が痛くなったら”
歯医者に行けない、だけど我慢できない。どうしてこの痛みを乗り切ろうか?
冷静に自分の口の中の状況を把握して、対処すれば何とかなるはずです。
 
1.痛みの種類は?
(a) 熱い 冷たいものを口にいれた時だけ 痛みがはしる。             
気にしないでも 直ぐには 悪化しない。
(b) 以前(a)のような症状があった歯が 急に痛み出す。               
鏡をよく見て虫歯の中にある汚れを清掃(歯ブラシ、爪楊枝、
等)した後 綿花等で乾かし 市販の今治水を虫歯の中へいれる。
(c) 噛むと歯が痛い。                                   
この場合3つの原因が考えられます。
・ その歯だけが酷使されて 上下の歯が あたり過ぎる状態。   
・歯槽膿漏で歯が伸びてきて 上下の歯が あたり過ぎる状態。  
・(b)の症状を放置していた歯が 悪化した状態。           
いずれも緊急避難として 噛まない事。歯と歯グキの境を丁寧に
清掃し、リバノール(アクリノール)を綿花にしたして それを歯
グキに あてがい 痛みが緩和するまで湿布する。ヨードチンキ
かイソジン(嗽薬を薄めずに)を 歯と歯グキの境目にしみ込ま
せる。ヨードチンキを患歯の根元周辺の歯グキに塗る。等
(d) 歯グキが腫れてきた。                                
・歯と歯グキの境目(歯石の溜まる所)の歯グキの場合
(c)の時と同じ処置をする。
・歯の根元あたりの歯グキが腫れ 境界がハッキリしていて弾力があ
る場合
消毒した細い針で何度か突き 排膿する。(風船を割る感じ)
リバノールで湿布する。
・歯と歯の間の歯グキの場合
歯と歯の間に溜まった繊維性の食物が歯グキの中まで食い込ん
でしまっている事があります。フロスシルク(歯間清掃用の糸)
を使って 歯に沿って歯グキの中まで丁寧に清掃し 異物を除去
する。その後リバノールで湿布。
歯グキが腫れる時、 神経の生きている歯の歯グキの腫れは歯槽膿漏の症状、
神経の死んでいる歯の根元の腫れは、歯の中の細菌が暴れだして 膿が生産
され 歯グキを突き破ろうとしている状況です。
 
 
2.口の救急常備品
・新今治水 ・リバノール ・ヨードチンキ
・綿花、ガーゼ、綿棒 ・フロスシルク(糸) ・針
・消毒用アルコール ・抗生物質(歯グキ化膿の時、感染予防の時)
・鎮痛薬(急場しのぎ)
3.日頃の口のメインテナンス
  ・フロスシルクで 歯と歯の間を清掃するクセをつけると、歯石が着きに
くいですし、初期の段階の虫歯を(糸が切れたり ホチけるので)発見
出来ます。
・基本的には 歯も歯グキも 左右対称です。何か おかしいと感じたら
鏡で見たり 指でさわって 左右を比べあう事。
・人差し指で 1本ずつ歯に触れながら カチカチと上下の歯を合わせて
みて下さい。次に左右に上下の歯をこすり合わせてみて下さい。歯が
動揺していると 指に感じます。「噛んだら痛い」が出る前に 悪くな
る歯を見つける一番の方法です。   

西川久義

(上記の救急法は、船上で、歯痛を起こしたときの対処を出島ヨットクラブ会報に載せたものです。)

[1999.06.09]