●迷酒呑みある記

 このコーナーは私が買い求め、飲んだ酒を記録するものです。その他、今後酒に関するリンク等も入れて行きたいと考えています。ただ、私も人並みに健康が心配なので、このコーナーの更新は非常にゆっくりしたものになると思いますが、ご容赦下さい。


★第140回 2009年9月27日


★鮭の名前:米焼酎 どや 音楽振動熟成  ★酒造会社:鳳鳴酒造株式会社 (兵庫県篠山市) ★原材料名:米、米麹、酒粕 

★ラベルコメント:「どや」とは、主に関西地方のローカルな言葉で、「どうですか?」の意味があります。やわらかい口調では「どーや?」となり、自慢気に言い切るときは「どや!」となります。「どや、うまいやろ!どーや?」

 無濾過・・・米焼酎本来のうまみをできるだけ残すため、濾過をしておりませんので、若干のにごりがありますが、品質に問題ありません。

 音楽振動熟成・・・音楽を振動に変換し、その振動を与えながら熟成貯蔵しました。口あたりがまろやかになり、米の旨みが最高に引き出された状態で瓶詰めしております。 使用曲:モーツアルト交響曲第40番

★西管コメント:はい・・・皆様大変ご無沙汰しております。それもそのはず・・。実に三年弱ぶりの更新となります。尤も、5年以上更新していないコーナーもありますので・・・。

 久々に取り上げるのは兵庫県篠山市の鳳鳴酒造です。前にも2回ここの会社のお酒を取り上げたことがあるようです。(詳細忘れてしまいましたが・・。)鳳鳴といえば、日本酒で有名ですが、数年前から米焼酎も始めたということ。ここの酒造会社は、お酒を熟成させるのに、音楽を使うというユニークな点で随分有名です。また西管にとっては、(詳細不明ですが)かなり遠縁の親戚にもあたるようで、昔は季節になると、実家に鳳鳴酒造の酒粕(非売品)が送られてきたものです。それで作った粕汁の美味しかったこと・・・。

 話はそれましたが、この米焼酎も音楽聞かせて熟成させたこと、および無濾過という点に特徴があるようです。無濾過ものが大好きな西管は非常にそそられます。

 まず、米焼酎だけに定番のロックで呑んでみます。おお・・・なんともしっかりした味の米焼酎でしょう。米焼酎といえば、端麗ですっきりしすぎているか、あるいはそうでなくても甘いのが勝つような印象があるのですが、味がしっかりしていてかつ、甘くない。きっちりとコクがある。これは、今までの米焼酎ではあまり経験したことのない味です。いいですね。

 ぜひお湯割でも呑んでみたいものです。ということで、呑んでみます。さすがにお湯割にすると若干味がぶれる感じはありますが、しかしきちんとコクのある味ですので、十分にお湯割にしてもいい感じです。ロックでもお湯割でも十分に行けますね。

 まとめると、とにかくしっかりしてのみ飽きない、しっかりした米焼酎と言えると思います。普段焼酎はお湯割だ!という西管みたいな人にはお勧めできる焼酎です。鳳鳴酒造・・・。焼酎もなかなかやってくれます。そう思わせてくれる一本でした。

 



★第139回 2006年10月8日(日) 

★酒の名前:甕仕込み 摩無志(まむし) ★酒造会社:古澤醸造合名会社(宮崎県日南市) ★原材料:寒暑・米麹

★ラベルコメント:己をみがいて無となり、上手い焼酎を造る志のため、日々精進する 

★西管コメント:さて、今回の写真(←)は4本も並んでいますが・・・今うちにある焼酎(当然全部呑みかけですが)を4本並べてみた絵です。すごいでしょ・・・。4本のうち、薩摩宝山は以前取り上げましたので、今回は省略。今回は、左から二つ目のマムシについて取り上げたいと思います。

 さて、このマムシ・・・おなじみ(でも、もう今はなき)西田辺酉屋の定番焼酎メニューの入っていた芋焼酎です。このお酒も137回、136回同様、近所の“地酒・焼酎”をやたら強調した酒屋さん(いい加減に名前を調べておかなければ・・・。)で調達しました。このお酒は前述のとおり、酉屋では定番メニューでしたが、実は他の飲み屋では見かけたことがないお酒です。この読み方も個性的ですが、ラベルもなかなか個性的な味。左の写真で見て分かると思いますが、晴耕雨読や宝山は四角のきっちりしたラベルですが、このマムシともぐら(次回掲載予定)はどこかからちぎってきたような、野趣あふれる(あや様の表現を借りてます)形となっています。

 さて、酉屋では何度も飲んだ味ですが、今回改めてじっくり味わってみましょう。芋焼酎だし、最近涼しいので湯割りで楽しんでみましょう。ふむ。甘みもアルコールっぽさも酸味も全てそこそこに備えてバランスがいい感じだが、あえて言うと酸味と甘みの中間の不思議な熟成したような味が先にたつ。なんというか、穏やかなのにどこか一本筋の通ったような、そんな味がする。これは甕仕込み特有の味なのかもしれませんね。なんというか、例えにくい味ではあるんですけど、ツンとくるような、ある意味薬品的だけど、酒っぽいようなそんな味。西管的には結構好きな味ですけど、人によって苦手な味なのかもしれません。

 まあまとめると、結構癖のある味で好き嫌いは若干分かれるでしょうけど、西管的にはまあ好きな味です。ただ、西管的にはなかなか文字にしづらい味だったと言いえるでしょう。(けなしているわけではないので、念のため。)いやあ、しかし近所の“地酒・焼酎”をやたら強調した酒屋さん、ホント西管の手に入れたかったお酒をきっちり置いている感じで驚きます。今後も欠かさずチェックしたいと思います。では、今日はこの辺で。


★第138回 2006年9月5日(火)

★酒の名前:麦一献 ★酒造会社:株式会社篠崎

★西管コメント:今回は・・・・・パッケージの写真がありません。実はこのお酒・・・外装のように見えて、それをむしってしまうと、裸の瓶が出てきてしまう・・・という代物でして・・・。で、せっかちで有名な西管のことですから、慌てて外装と思って全部むしってしまったら、それでラベルも一緒に外れてしまって・・・。そんなんで写真もラベルコメントもなし・・・です。(をいをい)

 このお酒、実はこの盆休みに九州の彦山に行ったときに、帰りに立ち寄った小倉駅前の伊勢丹で購入したものです。九州に来たからには、焼酎の一本や二本(重いがな!)でも買って帰らねばと思い、伊勢丹で散々迷った末購入したものです。実は、伊勢丹には九州各地の焼酎が並んでいたのですが、やはり福岡に来たのだから福岡の焼酎ということで、この麦一献を購入しました。

まあ、それはともかく・・・味わってみましょう。うむ・・・おっ?この感覚は・・・。そう・・・前々回取り上げた赤とんぼの詩の再来と言う感じの味。ひとことで言うと・・・それで済んでしまいます。つまり、赤とんぼの詩の麦版。(赤とんぼは米)なんともほっこりこってりもっちり・・・甘ーい味。そう、日本酒の古酒を飲んでいるようなそんな感じです。いやあ、見つけました!麦版の赤とんぼという感じ。この甘さは他にはなかなかありません。

西管の印象だと、麦焼酎といえば、すっぱくて味が淡いという印象だったのですが、この麦一献については、西管の麦焼酎に対する印象を大きく変えてしまいましたね・・。イヤハヤ、麦焼酎では初めて出会う感覚。これはいいです。素晴らしい。

尤も好みはありますので、普通っぽい麦焼酎がいいと言われるひともいるし、山猿のような香ばしさに惹かれる人もいるでしょう。この麦一献はまたそれらとは違う独特の世界だな、と感じますね。これだけ味が伸びると・・・お湯割りを試してみたくなるのが人情というもの。さて・・・実際は・・・。うむ・・・。やはりロックかストレートですね。お湯割りもそんなに悪くはないですけど、やはりこのお酒も麦焼酎。一番良いのはロックかストレートです。

さて、このお酒を造っている篠崎さんですが、ホームページを見つけたのですが、この麦一献のことが紹介されていません。もしかしたら、会社としてあまり力を入れていないお酒なのかもしれません。(結構日本酒とかいろいろ幅広くやっている会社のようですし・・。)この麦一献も西管としては素晴らしいお酒と思うのですが、何だか残念です。まあいろいろ事情もあるんでしょうけどね・・。(会社としては利幅の取れる商品を売りたいでしょうから。でも焼酎ってまだ税金安いはずですよね。)

ということで、久々にラベルの写真のない更新でしたが・・・いやしかしいい麦焼酎に出会いました・・・・。ここのところ、麦とか米が多かったですが、そろそろ涼しくなってきました。ぼちぼち芋にでも手を出したい今日この頃です。


★第137回 2006年9月4日(月)

★酒の名前:古澤 ★酒造会社:古澤醸造合名会社(宮崎県日南市) ★原材料:麦、麦麹 ★ラベルコメント:舌に転がる独特の味わい 麦の香りとさらっとした飲みごこちが特徴。いくら薄めても風味が変わらないかめ仕込み 二年貯蔵酒、ストレート、オンザロック、お湯割りでおすすめ。 

★西管コメント:今日は麦焼酎古澤です。このお酒も、前回取り上げた赤とんぼの詩同様、近所の“地酒・焼酎”をやたら強調した酒屋さん(いい加減に名前を調べておかなければ・・・。)で調達しました。実は・・・このお酒も、飲んだことはあるものの、店で売っているのを見たことがない焼酎のひとつでありました。意外にに近所で発見できて、西管大満足です。ますますこのお店も今後チェック対象にしていかないといけないな、と思いました。

 実はこのお酒も、初めて飲んだのは、西田辺酉屋です。西田辺酉屋では、麦焼酎のメニューには中々とか百年の孤独とかあるのですが、そのほか単なる“麦焼酎”というメニューがあります。そのノーマル麦焼酎を頼むと、この古澤が出てくるのです。麦焼酎と頼んで、古澤が出てくる・・。だからこの古澤ってのは、案外どこでも手に入るお酒かなーと思っていたのですが・・とんでもない。入酒状況前述のとおりです。あまり飲み屋でも古澤を出すお店は西管の知る限り・・あまりないような気がします。もしかして、思ったより流通量が少ないのかもしれません。(だって、合名会社。いわゆる会社組織の中でも、尤もこじんまりした合名会社。その規模はお世辞のも大きいとは思えません。)

 まあ、薀蓄はこれくらいにして、早速味わってみましょう。麦焼酎はロックで、というポリシーに従い、まずストレートで。そしてロックで頂いてみます。ふむ・・。おお・・・なんともスッと入ってきますね。とにかくするっと飲めます。くどさとかきつさというのは一切ない。とにかくすっきりさわやかという感じ。でも、味気なくはない。なんというか・・・しっかりしていて、かつまろやかで飲みやすくて・・。一言でいうと、優しい味ということになるでしょう。

 まとめると、決して個性あふれるお酒というわけではありませんが、でも味は優しく、かつ適度にしっかりしていて、万人にお勧めできる。そんな味と言えるでしょう。焼酎が苦手な方、初めての方にも安心してお勧めできる一本と言えるでしょう。店で見つけたら買い、であることは言うまでもありません。西管としては、前回赤とんぼ同様、捜し求めていたお酒をまたひとつ入酒できたな!という感じです。いやあ嬉しいですねえ。

 いい酒との出会い、それに支えられ、またこのコーナーをぼちぼち更新して行こうと思います。今後とも宜しくお願いします。


★第136回 2006年7月29日(土)

★酒の名前:赤とんぼの詩  ★酒造会社:川越酒造場 川越善博(宮崎県東諸県郡国富町 ★原材料:米、米麹 ★アルコール度 25%

★西管コメント:めっちゃ久々の更新です。結婚してから初めての更新・・。というのも、更新したいなーと思わせてくれるお酒に出会ったということです。今回のお酒との出会いは素晴らしいです。

 味について語る前に、このお酒の入酒先ですが・・・実はいつもの酒仙堂フジモリではなく、別の酒屋さんです。実は前に家の近所を散歩していると、“地酒・焼酎”をやたら強調した酒屋さんを発見していましたが・・・実は小生の普段の歩行コースから外れたところにあり、なかなか覗いてみることができなかったのですが、先週ちょこっと前を通る機会があり、覗いてみました。(店の名前は・・・残念ながら失念)

 すると・・・酒仙堂フジモリさんのように、ワイン(少量)と日本酒と焼酎に特化したような酒屋ではなく、ビールも発泡酒もウイスキーも売っている普通の酒屋でした。でも、よく見ると結構珍しい焼酎が置いてある・・。でも惜しいことに、一升瓶が多い。うーむ今日の獲物はないかなーと帰りかけたとき・・・棚の上の方にこの赤いシールが目に付きました。「をを!赤とんぼじゃねえか!!」

 実は・・・この焼酎を飲むのは初めてではありません。以前に飲み屋で飲んだことがあります。1回目は、焼酎を置いている愉快なショットバー、西田辺ロボ、2回目は・・・忘れたけど四ツ橋かどっかの飲み屋さん。その時に相当いい印象を持っていたのですが、店で置いていることはなく、その後飲む機会もなく現在に至っていたものです。それが手に入った!!ちょっといつもと違う店を覗いてみたかいがあるというものです。

 さて、飲んでみましょう。米焼酎ですからまずはストレート・ロックで・・。ほう・・・おう・・・旨い・・・。これはいいです。一言で例えるとすれば、ほっこり・・・こってり・・・もっちり・・・と言う感じ。そもそも米焼酎って、淡白な味が多い。比較的アルコールっぽく辛い味が多い。また少し甘いものもありますけど、どうも淡白な味が多いと感じていたのですが、この赤とんぼの詩は、味が深い。何とも味わい深い、濃い味です。正直こんな米焼酎見たことがない!という感じです。今まで米焼酎に少し物足りなさを感じていた西管にとっては最高のヒットですね。米焼酎の中では恐らく一番と言っていいでしょう。

 これだけ味がしっかりしていれば、もしかしたらお湯割りで飲んでも味がぶれないかもしれませんね。(従来から申し上げてますが、西管は麦焼酎や米焼酎は味が淡白なため、お湯割りで飲むと味がブレると感じていて、原則麦焼酎と米焼酎はお湯割りにはしません。)ということで、お湯割りにしてみましょう・・・。うむ・・・なかなかいいです。思ったとおりベースの味がしっかりしているので、お湯割りにしても味がぶれない。きっちりとした自己主張のあるコクのある味が口の中に広がります。ただ、やはり西管的にはロックですなあ。でも、お湯割りも悪くはありません。

 ということで、久々の更新ですが、なかなか力の入ったものになりました。まあそれだけのインパクトがあったということですな。まあハッキリ言いましょう。西管の中では、米焼酎の中で最高!と言っても良いでしょう。常時置いているのであれば、是非この酒屋さんもこれから通ってみたいと思います。

 更新の間が開いてしまいましたが、今後はぼちぼち更新していきたいと思います。宜しくお願いします。 


★第135回 2006年2月25日(土)

★酒の名前:尾鈴山 山猿 ★酒造会社:株式会社尾鈴山蒸留所 (宮崎県児湯郡木城町) ★原材料:麦・麦麹 ★アルコール度 25%

★ラベルコメント:山深い森の中の蒸留所でできたこの焼酎は、地元「甦る大地の会」が栽培した大麦を原料とし、自社培養による独自の酵母菌を用い、全て徹底した手造りによる仕込と伝統の蒸留に徹し、貯蔵・熟成させて仕上げた風味豊かな麦焼酎です。

 大自然の恵みと森の精霊と伝統の造りにて醸し出した実り豊かな台地の香りと深い味わいを心ゆくまでご堪能頂けましたら幸甚に存じます。

★西管コメント:さあて、今回も酒仙堂フジモリさんで購入した一本です。尾鈴山酒造の山猿です。この尾鈴山酒造は芋の山猫、米の山蝉、そしてこの、麦の山猿の山シリーズが有名です。実はあの黒木本店が出資している蒸留所とのこと。黒木本店については、前にもキロクで取り上げましたが・・非常に飲む人を唸らせるようななかなかいいお酒を造る酒造会社です。その黒木さんが出資してるくらいですから、味については期待できそうです。

 実は、この山猿ですが、これも以前に飲み屋で呑んだことがあって、その印象が強く残っているお酒です。例によって酒仙堂フジモリさんにお手軽な4合ビンで並んでいたので即買いしてしまいました。(経済的には一升瓶がお得なんでしょうけど・・肝臓のことを考えると4合瓶を1.5週間くらい掛けてちびちび飲むのあベストな呑み方かと・・・。)

 さあて、味見をしてみましょう。前に飲み屋で飲んだときには、麦チョコという単語が頭に浮かびました。麦焼酎で麦チョコとたとえられる銘柄はこの山猿以外にも、例えば大分四つ谷酒造の兼八が有名です。(小生残念ながらこれは飲んだことがない・・。立花の焼き鳥屋鴨んには置いていたのだが・・・。)このいわゆる麦チョコ風味であることは既に分かっている・・・とはいえ、心して味わって見ましょう。まずは原液、そしてロックで。

 ふむ・・・切れがいいねえ。甘みがまず来て、そしてスルッと抜けてしまう感じ。アルコールっぽさもあまりなく、甘みといっても甘ったるいわけではない。何とも例えようのない甘く香ばしいようであるけど、なかなか正確に表現できかねるような風味です。なかなかいいです。普通の麦焼酎にありがちな苦さとかすっぱさはかなり抑えられていて、本当にスルッと香ばしいいう感じの風味です。呑みやすいですねえ。ストレートでもロックでもくいくい行けそうです。

 このお酒は(しないですけど)多分お湯割りには向かないでしょうなあ。まあ若干甘みが伸びるかもしれないですけど、元の味があまりに潔いすっきりした味ですからねえ。ということで、、麦チョコ系麦焼酎といえば一言で終わってしまうこの焼酎。非常に珍しいというか、まあある意味一風変わった一本と言えるでしょう。呑みやすいし、比較的万人ウケしそうな味です。ただ、まあ果たして何本も買ってずーっと呑みたいか、と言われると・・・・という感じですかね。

 個人の好みもありますが、西管的には普段呑む焼酎と時々呑む焼酎ってのは違うのかなと。例えば普段飲みたい焼酎として薩摩宝山が一番に思いつきます。それは値段が手ごろとか入手製の良さというだけではありません。やはりオーソドックスあな味、安心できる味というのが重要な要素です。この山猿のように奇をてらった味というのが普段呑む一本になるか・・この辺は難しいところです。

 何だか西管のお酒論的な話題になってしまいましたが、ふとそんなことを考えさせられるインパクトの強い一本だったように思います。まあ一度呑んでみる価値はある一本だと思います。こんな麦焼酎あるんだなーって感じて頂くにはいい焼酎と思います。そういう意味でこのお酒もお勧めの一本であることに間違いはありません。


★第134回 2006年1月29日(日)

★酒の名前:刀(“KATANA”と外箱にはそうローマ字で表記してました) ★酒造会社:有限会社佐多宗二商店(鹿児島県揖宿郡頴娃町) ★原材料:薩摩芋・米麹 ★アルコール分:44度 ★ラベルコメント:Honkaku shochu (Japanese Spirits) Produce of Sweet Potato, Alcohol 44% 500ml  Brewed by Sata Souji Shouten co.,Ltd in Minami-Satsuma Japan. Since 1909

★西管コメント:二回連続のじゃじゃじゃーんです。ハイ今日はJALの国際便で販売されている、と話題になったあの佐多宗二商店の刀です・・。イヤハヤこれもまた近所の酒仙堂フジモリさんでゲットしてしまいました。いやはやー。

 と、このコメントは実は初めて飲んだ次の日に書いているのですが、味についてコメントを書く前に皆様に要注意!!このお酒かなり危ないです。冒頭に赤太字で書いているとおり、44度あります。普通の焼酎が25度。日本酒が15度。ビールが5度。ですからこの高さも分かって頂けると思います。ちなみにウイスキーは一般的に40度くらいですから、ウイスキよりも濃いんですね・・・。なのに、呑みやすい・・。ついつい呑みすぎということが多いにありますので、重々注意してください。

 さて、この刀・・。限定販売でなかなか手に入らないと思っていました。(西管は国際線なんて乗ったことないし)ところが酒仙堂フジモリに無造作に置いているので思わず即買いしました。このお酒、実は芋焼酎でも初留取(しょりゅうとり)と言われるもので、焼酎の製造工程で最初に出てくる原酒(これを初留またはハナタレというそう)を取り出して、このままではアルコール度が60度もあるので割り水して調整したもの、ということ。つまり焼酎の一番絞り、というところになろうかと思います。この初留取の焼酎はこのコーナーの第96回でも取り上げております。確か神酒造の破壊王というお酒でした。神酒造といえば黒甕で有名ですよね。黒甕の原酒かもしれませんね。

 前置きが長くなりましたが・・・とにかく呑んでみましょう。呑むとしたらストレートかロックでしょうね。まずは原液をストレートで呑んでみましょう。香りは・・・きついですねえ。強烈にアルコールの風味が漂います。ためしにフーっと吹いてみると・・・見事に目に染みました。これはかなり濃いですね。そしてかすかに甘い芋の香り。前に飲んだ破壊王や爆弾ハナタレ(黒木本店。これは例の西田辺酉屋で呑んだもの)では、有機溶媒(昔半導体工場のラインにいたときに洗浄に使われていたイソプロピルアルコールとそっくり)系の匂い(ある人に言わせるとセメダイン臭)系の匂いが強烈だったのですが、このお酒はそんなにきつくはありません。ほんのり甘く、とっつきやすいですね。

 しかしアルコール度44はダテではありません。一口飲むと口の中が火事になり喉が食道が胃が火事になります。やはりアルコールはきついですわ。でも西管的にはウイスキーをストレートで飲むのに比べるとまだしも呑みやすいかな、と言う感じですね。でもチェイサーは用意した方がいいですし、それに空腹時は胃のためにも避けた方がいいでしょうね。

 次はロックで・・。液体自身が冷たくなるのと解ける水で薄まるのでちょっと呑みやすくなりました。ロックだと十分いけますね。でも呑みやすくなった分冒頭に述べたのみ過ぎに注意です。氷を多めにしてゆっくり溶かしながらちびちびやりましょう。(明日は会社だし・・。)ううむ・・やはり辛いですねえ・・。背筋がピンと伸びるような厳しい味です。通常の焼酎のようにのんびりアテをやりながらゴクゴクのむお酒ではなく、一杯を一時間くらい掛けて呑む感じですね。このお酒は食前にはお勧めできませんね。食後の寝る前にゆっくりロックにしてちびりちびりやるお酒ですわ。

 味は結構アルコールっぽさが強くてなかなか表現しづらいですが、あえて言うとまあ普通の芋焼酎をぐんときつくしたような味ですね。でも芋焼酎の原酒だけあって、ほのかな甘味と旨みがただよってきます。特にロックにして氷が溶けるにつれ味がやわらかくまろやかになります。まあ個人の好みもありますが、このお酒は本当にロックしゃぶしゃぶにして呑むのが良いでしょう。しかし・・・これは文章では表現できないのですが氷が時折溶けるカラーンという音が最高ですね・・。

 ということで、なかなかこの風味の詳細を表現するすべをしらないですが・・・まああくまでもウイスキーのような焼酎。ロックで楽しむのが良い。呑みすぎには要注意。そんなところでしょうか・・。しかしこれだけアルコールが高いと西管的にはもういいかな・・・って感じです。気付け薬にはいいのかもしれませんが・・・呑むならもっとまろやかな方がいい。もうちょっと酒(というかアルコール)に強い人にはすばらしい焼酎かもしれませんが。まあ、しかしいわゆる初留取にしては呑みやすいし、アルコールの高さの割にのみやすいものだと思います。普通の焼酎が苦手だけど、スピリッツ系のお酒は好きだという方は気にいられるかもしれませんね。西管的にはちと厳しいお酒でした。


★第1回〜第133回まではバックナンバーのコーナーに移しました。

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