●迷酒呑みある記
このコーナーは私が買い求め、飲んだ酒を記録するものです。その他、今後酒に関するリンク等も入れて行きたいと考えています。ただ、私も人並みに健康が心配なので、このコーナーの更新は非常にゆっくりしたものになると思いますが、ご容赦下さい。
健康のため、呑みすぎには注意しましょう。お酒は楽しく、適量を!
★第101回 2004年3月13日(土)
★酒の名前:吉兆宝山(写真は第100回参照。真ん中の黒いビンです) ★酒造会社:西酒造株式会社(鹿児島県日置郡吹上町) ★蒸留方法:常圧単式蒸留 ★原材料:黄金千貫、米麹 ★ラベルコメント:こだわり、時間(とき)、感動、あえて古風な造りで見も心も和む
★西管コメント:さて、引越し祝いシリーズ後編は西酒造の吉兆宝山です。冨乃宝山と並んで、いま西酒造の芋焼酎の二枚看板のひとつ。これはなかなか手に入らない銘酒です。前に薩摩宝山を取り上げましたが、あれはいわば西酒造のスタンダード。そして吉兆宝山といえば、ミドルクラスあるいはハイクラスに位置づけられるという感じ。薩摩宝山は白麹。吉兆は黒。この違いにも注目して楽しみたいと思います。
アテは季節柄、いかなごの釘煮♪まずはお湯割りで味わってみたいと思います。おお、まず芋のあまーい香りが口の中に広がります。そして口に含むとどどーんと来るアルコールの刺激。甘さと刺激がとてもよくマッチしていて、味の深さを思い知らされますね。薩摩宝山と違うのはこの刺激の強弱かな、と言う感じ。薩摩はこの刺激が薄いので比較的焼酎やアルコールが苦手な人でもスッと入れる感じがしたのですが、吉兆の方はそうは行かないかもしれません。この辺が白麹と黒麹の差というところかもしれません。
アルコールのきつさ、と書いたけどよい言い方をすればキレがいいんですよね。でも、魂を揺さぶるような甘みもあり、まさにこのお酒も癒し系のお酒と言えそうです。なんとも心が和むような、幸せになれるようなそんな味です。もっとも薩摩宝山に較べるとやはりきつい分若干ハードルは高いと思います。薩摩を初級編とするなら、吉兆は中上級編というところでしょうか。だだ、こうなればあとは好みの問題ですので、好きな方。あるいは入手できる方を呑んだらいいのでは、と思います。
敢えてストレートやロックは試していません。好みの問題でしょうが、このお酒はお湯割りが一番と思いました。素晴らしいお酒をありがとう。お酒を頂いた友人に感謝したいと思います。
★第100回記念号!! 2004年3月11日(木)
じゃじゃーーん。
ということで、なんと引越しして初更新をしようと思ったら100回記念更新!となりました。自分で言うのもなんですが、よく100回も続けたなーと半ばあきれながら、半ば喜びながら、とにかく100回です。
まあ、100回だからと言って特にイベント等を考えていたわけでもないのですが、引越し祝いということで、新居に遊びに来て頂きました友人達がお酒を持ってきて頂きましたので、それを紹介したいと思います。
まず、はこのHPでもおなじみ、東京都板橋区に住む?細道氏に持ってきて頂いたお酒です。左の写真の両サイドのいたばし二輪草です。
ではまずお酒のデータをご紹介しましょう。
★お酒の名前:いたばし 二輪草純米 ★酒造会社:株式会社 福光屋K (石川県金沢市) ★ラベルコメント等はなし
★西管コメント:さて、このお酒。名前がいたばし二輪草ということで、一瞬板橋で作っているお酒なのか!!と思いましたが、よく見るとメーカー名は金沢の福光屋とのこと。この福光屋、結構有名な酒造会社のようで、ホームページももっていました。そういえば、記憶の彼方ですが、このコーナーでもここのお酒は取り上げた記憶があります。福正宗というお酒が有名なようですね。
しかし、金沢で作っているのに、なぜ「いたばし」なんだろう、という疑問は当然湧いてきます。そこで、またまたインターネットで調べてみました。その結果・・詳細な情報は得られていないものの、どうも地域振興策のひとつとして、板橋の区の花二輪草の名前でお酒を売り出そう(ただし、残念ながら醸造は他の地域の酒造会社に委託する)という考え方でこのお酒が売られているとらしいいうことが判明しました。同時に板橋でお酒を作っていないのかな、と思いいろいろ調べたのですが、インターネットで探してみても、二十三区内で唯一残る蔵元は北区にある、ということが判明したまででした。まことに残念です。
さて、この二輪草、味のほうですが、まずその前にお酒の色。結構黄色かかってます。もっと良い言い方をすれば、黄金色と言う感じですね。結構いい色です。そして味の方ですが、うむ、いかにも純米酒という感じ。透き通っていてピンと言う感じ。呑みやすい感じだけど、辛口ですね。味にしまりがあって、きりっとしている。純米酒らしい良い感じの味です。
味もなかなかですが、このいたばし二輪草というネーミングと、この素朴なラベルはなかなかいいですね。まあ、お酒で地域活性化をはかるという発想というか、考え方は西管としては大好きですね。今後も続けていってほしいですね。(理想としては板橋の米で作って荒川の水で仕上げる、なんてことをすれば、もっと話題も出るでしょうが、都心では相当困難なのは目に見えますから・・。)私は実は、東京に行く場合の定宿は板橋にあるのですが、何だか板橋という土地に対する興味が随分増した気がします。
最後にお酒を提供頂いた細道さんに深く感謝したいと思います。次回は写真中央の吉兆宝山を取り上げます。
★第99回 2004年2月22日(日)
★酒の名前:純米焼酎天草 ★酒造会社:天草酒造(熊本県天草郡新和町) ★原材料:米、米麹 ★ラベルコメント:酔えば温故知新 伝統のうまさに新しいまろやかさを、天草酒造は夢とロマンの島、天草で唯一の醸造元です。ミネラルたっぷりの清らかな水で丹精込めて作られた自信作です。お湯割で、ロックで、ストレートで、水割りで純米吟醸がもつ本来のまりやかな口当たりをお楽しみください。
★西管コメント:さて、焼酎が続きますが、今日は米焼酎です。いまさら言うまでもありませんが、焼酎にはメジャーなものだけに限ると、芋、麦、米等に分類されます。そのほか、黒糖、ゴマ、昆布、しそ・・・といろいろあるようですね。
前回・前々回と芋焼酎を取り上げましたが、今回は米焼酎。原料も違いますので、味も違うのは当然。まあとにかく味わってみましょう。順番として、まずストレート、水割り、そしてお湯割りの順にしましょう。(ラベルコメントによれば何でもイケそうなので・・。)
実は米焼酎を真面目に飲む(つまりこのコーナーに載せることを前提にじっくり呑むということ)のは初めてと言ってもよいので、少し緊張するような、楽しみなような・・。まあ米焼酎ってのは日本酒と同じ原料でアルコール度が違うだけだから、まあ味として日本酒を少し濃くしたような味かな、と思いつつ。
ふむ。まず芋焼酎のような甘さはあまりないですね。むしろ酸っぱい酸味が先立ちます。フルーティーというべきか、ツーンというような感じがしますね。これは芋焼酎とは明らかに違いますね。芋焼酎より味が締まっている。で、日本酒と較べるとやはり全然違います。やはりアルコール度が高い分日本酒より味がきついですね。よく言えばキリッという感じ。
ストレートで飲むとやはりきついですね。ロックか水割りでしょう。特に西管としては水割りをお勧めしたいですね。水割りといっても水を少なめに、そう7対3か8対2くらいで焼酎を多めにして割ると、アルコールのきつさが抜けて、かつ酸味が生きていてとても良い感じ。お湯割りにすると、ちょっと味がぼける感じがしますね。確かにお湯割りにすると味が分かりやすくなるのですが、なんというか・・。お湯割りにすると、例えは悪いけど、100万画素のデジカメで撮った写真をA3で印刷するようなそんな感じ。そう、オリジナルが少しぼやけ気味なのが拡大されるようなそんな感じ。
別に味がぼけているとか言いません。これが米焼酎の味なんでしょう。私はお湯割より水割りが良いと感じました。まあともかくこれは個人の好みもあるので、まあいろいろ呑んでみることですね。
米焼酎はあまり経験がないので、他に較べて、どうこうとはなかなか言いにくいですが、今後も徐々に勉強していきたいと思います。まあ、いろいろ言いましたが、このお酒もいい味を出してます。芋はちょっととか、焼酎はちょっと・・と言う方。是非ロックか水割りでお試しください。焼酎初心者にも優しい味と思います。
★第98回 2004年2月15日(日) ※更新日はこの日ですが作成日はもう少し前になります。
★酒の名前:薩摩宝山(さつまほうざん) ★酒造会社:西酒造株式会社(鹿児島県日置郡吹上町) ★原材料 芋(南薩摩、黄金千貫)、米麹 ★蒸留方式:常圧単式蒸留 ★ラベルコメント:創業以来かわることなく、旨さを磨いております。 ※創業は1845年とのこと。西管注)
★西管コメント:さて、今日はいよいよ冨乃宝山(冨のほうざん)、吉兆宝山等で焼酎会に大ブレークを巻き起こした(らしい)西酒造のお酒を取り上げましょう。西酒造の主力商品である薩摩宝山です。
西酒造は比較的高値で売られている冨乃宝山とか吉兆宝山で有名で、これらの銘柄は品薄で入手困難と言われています。それは事実で、私もこれらの二品種は飲み屋で飲んだことはあっても、店でビンで売っているのは見たことないんです。(と言っても出入りしている酒屋が限られているので一般的にはそうでもないのかもしれないが・・・)そういったいわゆる高級品クラスはさておき、この薩摩宝山はいわゆる西酒造のスタンダードクラスの芋焼酎といってもいいでしょう。それだけに、比較的前出の二銘柄に比べれば入手は容易なようで、これもなんばの焼酎オーソリティーで入手しました。まあ、値段もお手ごろだし前出の二品目に較べるべくもないかな、と思いつつ。
ちなみに、折角だから前出の二つのうち、冨乃宝山の味についても西管のコメントを書いておきましょう。冨乃宝山はいわゆる黄麹を使用した芋焼酎で、とにかくフルーティーというか柑橘系というか、どこか不思議なすっぱみがあるような優雅な味といえるでしょう。味は複雑。でもいやらしい複雑さではなく、すっきりしている。一般論ではロックに向くお酒というところ。このお酒、すごく人気があるようで、西酒造がロックで呑めることを目指して作ったお酒ということです。本当はこのコーナーでも取り上げたいのですが、いちおうこのコーナーは私の手に入ったお酒を取り上げるのを原則としているのですが、どうもこの冨乃宝山は手に入りそうにないのでこういった形で言及することに留めたいと思います。
さて、そんな冨乃宝山に較べて、いわゆるスタンダードクラスの薩摩宝山はどんな味なんでしょうか。これは冨乃宝山と違って、黄麹ではないので、オーソドックスにお湯割りで味わってみます。うーむ芋焼酎と思いきや・・・・うむ、明らかに今まで呑んだ芋焼酎と一味違うんですな。これはちょっとびっくり。そうですねえ。一言目に言うとすれば、香ばしいという感じ。なんというか、あのねえ、なんというか、甘いというか辛いというか、甘辛いそれこそ、ピーナッツを食べているような、そんなさわやかな味わいが口の中を走る。これはいいですよ。軽くあり、かつコクがある。やはり売れている西酒造。ダテじゃ有りません。スタンダードクラスの銘柄でも、きっちり個性がある味を出しています。しかもおいしい。これはストレートやロックよりも断然湯割りですね。まろやかな味がさらに丸くなる。このまろやかさ、白麹の焼酎という感じですねえ。芋焼酎の地元鹿児島では、仕事に疲れた人はみんな白麹の焼酎を飲んで疲れを癒すとのことで、これを地元ではダレヤメというそうです。確かにこのふんわりと包み込まれるような優しい味は疲れを癒すのにピッタリ。正に五臓六腑に染み渡る、と言う感じです。
実は正直。スタンダードクラスというか、入手し易いってことは、味もそれなりなのかな、と思いましたが、それに反して素晴らしい味を持っていますね。冨乃宝山、天使の誘惑等ちょっとひねりの効いた焼酎が多い西酒造ですが、その土台にはこのようなしっかりしたスタンダードクラスでの実力というのがあるということですな。
いやあ、これもいい焼酎でした。値段も手ごろだし、入手し易いし、西管ご愛用、また一般にもお勧めナンバーワンの焼酎と言ってもいいでしょう。またじっくりゆっくり、薩摩宝山で一杯。楽しんでみたいものです。
★第97回 2004年2月8日(日)
★酒の名前:にごり黒 ★酒造会社:日冨山醸造株式会社(鹿児島県姶良郡隼人町) ★原材料:さつまいも、米麹
★西管コメント:今回はまた焼酎です。西管の思惑として、しばらくの間このコーナーは焼酎オンリーにしようか、などと思いつつ・・。というのは、話せば長くなりますが、まあ簡単に言うと西管の今の嗜好が焼酎に向いていることと、なんばに出来た焼酎専門店、焼酎Authorityの影響でしょう。(度々申し訳ないが、私はこの店の回し者ではない。決して・・。
それはともかく、今回呑むものは焼酎界のにごり酒を思わせる名称。しかし、日本酒のにごり酒のように白いわけではなく、無色透明です。とある焼酎の薀蓄本によれば、焼酎の中の一つのジャンルとして、無濾過製法というものがあるとのこと。
通常の焼酎は出てきたものを濾過して作るのが普通の焼酎。この濾過というプロセスによって、原酒のに含まれる油(フーゼル油というらしい。業界用語では)が焼酎の風味や香りを損ねてしまう、というのが一般論。ところが、これを適度に残すと、麹の豊かな風味が生きたものになるとのこと。このフーゼル油を適度に残すようにしたものが無濾過と言われるものらしいです。で、無濾過と名前を共通化すればいいのに、無濾過とか、濾過せず(同じか)、とかにごり、とかいろいろ名前があるようですが、とにかく、その無濾過のカテゴリーに含まれるのが今回の一本です。
まあ、とにかく味を見てみましょう。まずは湯割りで。ふむ。まあ、一見普通の焼酎。芋の風味があり、普通の芋焼酎とは少し違う。なんというかなー後味がすこし違う。普通の焼酎より後を引くんですね。いい意味で。そう、あまり例えはよくないけど、コッテリネッチリという感じかな。濃厚で飽きなくて、後に引く味と言う感じ。これはきっと癖になる人はとことん癖になるような、そんなある意味危険な味かもしれません。
つまり普通の焼酎が音楽にたとえると最後2拍でおわるのが、これんついては3拍ないし4拍あるという感じかな。これがこの焼酎の個性というところでしょうか。お湯割りにしてよし。また水割りでもイケます。(その場合水2対8焼酎くらいがお勧めか。)ただ、癖があるというのは否定できないので、万人向けではないというコメントになりますね。西管はとても好き。
これを明日は割り水にして味わってみようと思ってます。割り水って何かって??それは追々と・・。
★第96回 2004年1月31日(土)
★酒の名前:破壊王 ★酒造会社:神酒造株式会社(鹿児島県出水郡高尾野町) ★原材料:さつまいも・米こうじ ★アルコール分43%
★西管コメント:イヤハヤ、随分更新していなかったなーという気はしていたのですが、何と去年の9月以来とは、流石の西管もびっくりです。いや、だってこのコーナーってこのHPで唯一、読み物として量的にも質的にも人にお見せできる代物と思っていたんですけど、もっと力を入れないと看板コーナーなんて言い方はできませぬな・・。まあ、このところ試験やらなんやらでバタバタしていて、その試験は終わったものの今度は家探しまたまた本業の仕事の方が忙しくなってきたりして、家で酒を味わうってことがなくなっていたのが主因ですな。
あと、近所に行きつけの焼き鳥屋ができて、そこで呑む機会が増えたのもありますね。ここの焼き鳥屋、焼き鳥は普通(失礼)なのですが、実は入手困難とか、人気No.1と言われる焼酎を揃えていて、焼酎の品揃えで言えば素晴らしい店なのです。で、たまたまその店に通い出したときに、焼酎に関する特集をした雑誌を読んで、すっかり焼酎好きとなってしまいました。そこで、焼酎と焼き鳥を食べたりしていると、必然的に家で飲むことも減るわけで・・。このコーナーに限って言えばこれも、更新が止まっていた大きな原因かもしれません。
まあ、いずれにせよ試験が終わりこれで新居が決まればまあ落ち着いて更新ができるのでしょうけど、それまでは全般的に途切れがちの更新にならざるを得ないかもしれませんので、ご承知おきを・・。
さて、前置きが長くなりましたが今日のお酒。非常にインパクトある名前ですよね。破壊王。(そういえば、岩窟王なんていう焼酎もありますが、あれは大分の麦焼酎です。これも呑んでみたいですねえ。)芋焼酎です。この焼酎実は普通の芋焼酎とは違って、初留取(しょりゅうとり)と言われるもので、普通の焼酎がアルコール度25%程度なのにくらべて40度程度、とかなり高くなっています。
というのも、この初留取は焼酎の製造工程で最初に出てくる原酒(これを初留またはハナタレというそう)を取り出して、このままではアルコール度が60度もあるので割り水して調整したもの、ということ。つまり焼酎の一番絞り、というところになろうかと思います。で、とある焼酎の解説本によれば、これは冷蔵庫でキンと冷やしてワンショットグラスで呑むのが、一番ということなので、それで呑んでみたいと思います。
ちなみにちょっと薀蓄になりますが、こういった初留取とか、ハナタレというお酒、結構種類も多いそうで、この破壊王のほか、爆弾ハナタレ(黒木本店)、万暦60、240(西酒造)等結構多くの種類があるようです。いずれにせよ、その製法からレアものであることは間違いないので、心して呑むことにしましょう。
さて、味わってみますが、なにせ濃いお酒をストレートで飲むわけで横にチェイサー(追っかけ水ね)を置いて味わうことにします。おお、まず飲む前に鼻に抜ける芋焼酎のツーんという香り。しかも鮮烈。おお、濃いねえ。一口飲み干すとまず喉が、食道がそして今度は胃がしびれるような、熱くなるようなそんな感覚が襲います。いや、これは厳しい味、といってもいいでしょう。鮮烈というより強烈。正に破壊王の味に恥じない強烈なパンチと言えるでしょう。
本当にキューっとくる味。すぐにチェーサーを呑む。そして2杯目。やはり1杯目にくらべると若干鮮烈さに欠けるものの、今度は厳しい味の中にほのかな甘みが感じられる。いやあー思ったより奥が深い。しかし、空腹時にやったので、とにかく胃がピリピリしますね。イヤハヤ。まあ、とにかくすごいお酒ですね。
まあ、しかしこれは結構きつい味。好みは分かれるでしょうね。まずあくまでも冷やして、キンキンに冷やして呑むのがいいですね。ロックにするのも良いかもしれません。そしてチェーサーを置いて呑むこと。これがこのお酒を飲む鉄則でしょうね。まあ、強烈で鮮烈でその名の通り強烈なパンチ力を持った酒といえるでしょう。もっとも、これはハナタレ全般にも言えることと思います。
今日はあまり冷えていなかったので一杯でやめておいて、またキンキンに冷やして呑んでみたいと思います。
★第95回 2003年9月28日(火)
★酒の名前:男山 特別純米酒 秘境知床 流氷囲い ★酒造会社:男山株式会社(北海道旭川市) ★ラベルコメント:北海道の東北端知床半島、その先端部分が“秘境知床”で、厳寒期のオホーツク海には、流氷で覆われた雪原の海です。この海から引き上げた流氷でタンクを囲い熟成させた酒が「秘境知床流氷囲い」です。日本で始めて、この大自然の流氷を使い温度の安定した貯蔵タンクの中ですくすく育った特別純米酒を醸出いたしました。まろやかな旨さを、冷でお召し上がりください。
★西管コメント:さて、今回も日本酒です。今回のお酒はあやさんが北海道のお土産としてご提供下さったものです。おお、名前がいいですね。秘境知床、流氷囲いときたもんだ。このお酒の特徴はラベルコメントにもあるとおり、醸造タンクの冷却に流氷を使用した、という点でしょう。またビンの色やラベルが寒色系で統一されていて、流氷や寒さといった産地のイメージとつながるデザインですね。飲む前にビンを気に入ってしまいました。
さて、呑んでみましょう。うむ、きりっとした味ですね。本当にすきとおった味。それでいてきつい感じはしない。そう、呑みやすくそして、味がしっかりしている。そう、ひとことでいうときりっと爽やかな味どいうことになるでしょう。一口口に含む。一瞬間を置いて、その後風が吹くんですな。スーッという感じで口から鼻に向かって何かさわやかな風味が吹き抜けてゆく。なんというか、流氷とか風というイメージに合う味ですね。なかなかいい味です。
お酒を飲むときに、その地方を思い浮かべながら飲めるととても楽しいのですが、このお酒は味とその地方のイメージがうまくリンクする感じがします。これも日本酒の楽しみ方のひとつ。そう思わせてくれる一本でした。
最後にお酒を提供頂きましたあやさん、ありがとうございました。
★第94回 2003年9月15日(月)
★酒の名前:ふなぐち 菊水 ★メーカー:菊水酒造株式会社(新潟県新発田市) ★ラベルコメント:ほとばしるような旨味とふくよかな味わいを持った搾りたての清酒を、そのまま缶に詰めました。火入れという加熱殺菌を一度もしないという正真正銘の生酒です。
生原酒のため、冷やしてまたはオンザロックでお召し上がりください。
★西管コメント:さて、今日は、缶に入ったお酒です。アルミ缶に入った日本酒というのも初めてのような気がします。なんかビールでも呑んでいるようなそんな感じ。
まあ、最初に言っておきますがアル添酒ですので、それほど期待していません。しかし、新潟の菊水酒造だけに、そんじょそこらのワンカップとは一味違う・・・筈。
まあ呑んでみましょう。ふむ、おお。濃い!!味が濃いねえ。しかも、まったりとじゃなくて、シャキーンとした濃さ。そう、鋭い味です。きりりと辛口と言う感じ。おお、キャップのところにまたコメントがあります。以下抜粋。
ふなぐちのうまさ 本品は出来立ての原酒をそのまま新しい容器に詰めたわが国初のものです。製造年月日から二ヶ月程度までは爽やかな新酒の風味があり、6ヶ月を経過することには農醇な原酒の味わいに、8ヶ月から10ヶ月頃にはブランデーに似た方向と老酒のような枯れた味わいが楽しめます。ふなぐちとは清酒と酒粕に分離する装置の酒槽(ふね)から流れ出る絞りたての清酒を弊社では酒槽の口に因み、ふなくちと名づけ登録商標としました。
以上がキャップコメントです。
なるほど。で、今回は製造年月日が6月15日なので、爽やかと芳醇の間くらいの味です。まさにそんな感じ。いいですね。アルミ缶酒で味もおちるかな、と思っていたのに、全く番狂わせ。是非もう一度呑んでみたい酒ですね。これはいいです。一本しかないのが悲しいところ。1本ってのは200ミリリットルですから・・・。(涙)
阪神優勝のせいもあり、一層酒がうまく感じます。いや、それでもなくこれはうまい酒。今まで呑んだアル添酒の中では一二を争いますね。いやあ、いい酒を見つけました。今度は是非、キャップコメントにあるとおり、十分熟成させて飲んでみたいものです。是非もう一本欲しい!新潟にまで買いに行きたい!もし、読者の方百貨店などでこの「ふなぐち」を見かけたら、こっそり西管までご連絡下さい。
まあ、まとめるまでもなく私の評価が◎であることは分かっていただけるでしょう。
★第93回 2003年7月27日(日)
★酒の名前:アサヒ本生アクアブルー/アサヒ 穣三昧(みのりざんまい) ★メーカ:アサヒビール株式会社(東京都中央区) ★ラベルコメント 本生アクアブルー:海藻エキスを醸造工程で使用しスムースな飲み口を実現しました。糖質50%オフ (※海藻エキス:厳選された海藻から抽出したエキスです。) /穣三昧 ライスパワーエキス使用(※ライスパワーエキス:米を発酵したエキスです。 ★原材料 本生アクアブルー 麦芽、ホップ、大麦エキス、スターチ、糖類、海藻エキス /穣三昧 麦芽、ホップ、米、糖類(ライスパワーエキス)
★西管コメント:
夏休み特別企画!!ビール特集!!!・・・というわけではないですが、7月も終わり。本格的に暑くなる前に、というわけでもないですが、とにかくビール特集です。左はTVCMでもおなじみの青い本生。赤い本生の低カロリー版で発泡酒です。右の穣三昧はビールですが、全くTVCMなんかでも目にしないのであまりアサヒビールとして力を入れていないのかもしれません。
しかし、飲む前に少し難癖をつけるとすれば、両方ともなんだか怪しげな(失礼)エキスとやらが入っている。ビールってそもそも麦100%の飲み物のはず。(といいつつ、麦100%のビールは少数派で大抵糖類、コーンスターチなんかが添加されているのが通常なのですが)しかし、本来、それは脇役と思っているのですが、なんだか味を出すためにそういった添加物を入れていると堂々といわれると、ビールや発泡酒を飲む目的ってのがなんだろう?って気になります。
まあしかし味がよければすべてよしともいいます。とにかく、飲んでみましょう。まずはアサヒ本生アクアブルー。んん?確かに本生のなんというか、非常に軽い飲み口なのですが、しかしなんか不思議な風味。なんだか塩辛いような不思議な後味が残ります。これが例の海藻エキスでしょうか。しかし・・・西管的にはどうもこの味はいけません。今日は舌の調子が悪いのかな、とも思って何回も味わってみますが、どうも塩からいようななんか人工的な味がありますね。で、コクとは全く無縁の世界。これは・・・売れるのかな。あとはノーコメント。
そして次に穣三昧。ふむ。ふにゃ??!なんだ。甘い?これは砂糖入りビール??いや、まさかと思うけど、いやまあ確かに糖類は入っているということですけど、なんでしょうな。あまりに人工的な甘さではなかろうか。ううむ。確かに嗜好としてこういう味が好きだというニーズはあるかもしれません。しかし、西管にはこの味を認めることはできませんな。これだけ飲んでいると甘い。そして酒の肴(大抵塩辛いと甘さが打ち消されただの水のような味になってしまいます。これは、いいコメントを書くことはできませんな。
酷評になってしまい、アサヒさんには申し訳ないです。まあこのコーナーは西管の独断と偏見の塊ですので、まあ個人の好みを書かせて頂いてますので、それはご了承頂きたいです。しかし、どうもこの2品についてはいいコメントは書くことはできません。これらの製品が本当に売れるか、西管は興味を持って見守りたいと思います。そうそう、アサヒにはまだ主力商品がありましたね。そう、スーパードライ。これを避けてはビール業界を語れませんね。近々取り上げてみたいと思います。\
★第92回 2003年6月29日(日)
★酒の名前:WHYTE & MACKAY
★輸入者:株式会社明治屋(横浜市中区)
★原産地名:スコットランド
★ラベルコメント:ホワイトマッカイは英国政府の監督のもとに、スコットランドで蒸留し熟成させたモルトウイスキーをブレンドし、一度眠りに就かせた上グレーンウイスキーを加え再び樫樽に戻し、二度目の深い眠りを与えるダブルマリッジと呼ばれる熟成法から生み出されます。
★西管コメント:このコーナーでウイスキーを取り上げるのは2回目ですかね。デパ地下で比較的お安い値段で売っていたので思わず衝動買いしてしまいました。
このホワイトマッカイ(私はあえてホワイトアンドマッカイと呼びますが)は確かあのグルメ漫画のおいしんぼに取り上げられていたはずです。それでずっと覚えていました。もっとも、これは安物ですから、漫画で取り上げられていたのは恐らく10年ものとか、そういうプレミアのつくものでしょう。値段からそんなに味は期待していません。
飲む前に香りを嗅いで見ましょう。ふむ。一瞬アルコールが薄いのかなと思うくらいです。香りは押し付けがましくない、むしろ弱めと言う感じ。そうですね。非常に上品な香りですね。でもスコッチらしい薬品っぽい香りであることは間違いありません。
呑んでみましょう。ストレートだときつすぎる。かといって、水割りにしても水だらけのシャブシャブにしてしまうと味が薄い。ここはシーバスリーガルの時同様半々の水割りで行きましょう。ふむ。非常に飲みやすい。でもなんだか少し物足らないかな。もうちょっと癖があってもいいのでは、という感じ。そう、飲みやすいとはいえるものの、ちょっとパンチとインパクトに欠けるかな、という感じ。恐らく思うにまだ熟成が足らないんでしょうな。いちおう写真のラベルのMATURED TWICEってのはラベルコメントにあるダブルマリッジという意味なんでしょうね。
まあ、まとめると、少し若い味。飲みやすいけど、もう一歩という感じ。十ウン年物というのを飲むとそれなりにまた違うのかなという感じ。まあでも飲みやすいし安いし。値段相応の味ということでしょう。飲みやすいスコッチをお探しの方、一度お試しあれ。
★第91回 2003年6月22日(日)
★酒の名前:純米吟醸酒旭金時 ★酒造会社:北村酒造合名会社(三重県名張市) ★ラベルコメント1:伊賀の自慢数あれど、飲んでうまし旭金時。やわらかな香りとすっきりした上品な味わいの芳しいお酒です。米どころ伊賀、この豊かな風土に実るお米を吟味し、心ゆくまで精白、低温発酵させたお酒です。伊賀の香りと味をお楽しみください。 ★ラベルコメント2:五百万石の旨さをそのままに生かした造りで、日本酒本来の旨さに加え、純米酒らしいコクのある仕上がりとなっております。冷かぬるめの燗でじっくりお楽しみいただけます。
★西管コメント:さて、今日は伊賀の名張のお酒です。しかし、日本酒って当たり前の話かもしれませんが、結構いろんなところで作っているんですよね。皆さんは日本酒というと東北とか北陸、あるいは灘、伏見というところを思い浮かべる方が多いと思いますが、しかしいろんな地域に日本酒はあります。この旭金時も、伊賀の名張の産。この酒造会社が合名会社なんですね。つまり、商法上の会社の中でももっとも規模の小さい会社を想定した形態を取っている会社です。個人商店なんですね。でも、創業は江戸時代の天保8年。天保といえば、社会の時間で天保の改革って習ったよーな。(なんかついこの間こんな話をしたような・・・。
さて、このお酒ですが友人から頂いたものです。なんでも会社の慰安旅行でこの酒を造っている酒蔵まで行かれて買ってこられたということです。純米吟醸ということで、とても味が楽しみです。飲んでみましょう。ふむ。これはなかなか、透明な味というのが第一印象。そう、やさしい味。でも口に含むとだんだんと旨味が染み出てくるようなそんな味です。そうですね。優しい味という表現がぴったり来ますね。でも、根はしっかりしている、そんな感じです。
まあ、派手さはないものの、きっちり堅調な味です。そういう意味で、結構誰もが安心して飲めるお酒ということになろうかと思います。お勧めの一本に名前を連ねる逸品の一つといえるでしょう。お酒を提供頂いた友人に感謝したいと思います。
★第90回 2003年6月18日(水)
★酒の名前:香住鶴 吟醸純米 ★酒造会社:香住鶴株式会社 (兵庫県城崎郡香住町) ★ラベルコメント:左の写真をご参照ください。
★酒屋店主コメント:「これは、人気がある酒や。元々は香住町近辺でしか飲めなかった。よそに出しよらんかったんや。でも、蟹を食べに来た人にはこの酒を出してた。飲みたかったら蟹を食いに来い、ちゅうことや。でも、最近ようやく外に出すようになって、うちでも扱うようになったんや。」
★西管コメント:まず最初に、このお酒はいつものに比べると少しお値段が張りました。そうですねえ。5割り増しくらいかなー。でも、店主の言葉につられて買ってしまいました。その業界では有名なお酒のようです。
まず、この香住鶴酒造。ホームページも持っているようです。またお酒の箱の中にパンフレットも入っていました。ふむふむ。なるほど、。創業は江戸時代享保10年(西暦何年になるのかな?確か享保の改革ってのも社会の時間に習ったような…。)、そのころは「福智屋」という商号を使っていたようです。今の銘になったのは大正末のことだそうです。
製品ラインナップは豊富にそろっているようです。これはホームページも参照ください。でも、山廃純米とか、生もと、というものには惹かれてしまいますね。おっと、パンフレットに良いことがかいてあるので、抜粋してみましょう。
(以下パンフレットコメントから一部抜粋)
名酒「香住鶴」も幾年月の間にはテレビなどのマスメディアを利用した大手メーカのコマーシャル攻勢で懐が豊かになって贅沢品、一流品の名を珍重するブランド嗜好風潮の煽りを受けました。そんな激流の中で、香住鶴は一貫した姿勢「キレの良い甘口」の味わいを貫き続けました。そして「吟味して醸し出されたきれいな味」「カニすきに合う、結構な味」として地元をはじめ民宿を訪ねる客筋からも好感を持たれるようになりました。「酒は、手を掛けたら掛けただけ旨味を醸し出してくれる」香住鶴の杜氏は、酒麹を愛しげにもみほぐしながら、誇らしげに言い切りました。創業280年に亘る幾星霜を、歴代の当主たちは地域社会に貢献する闊達の気と、吟味に吟味を重ねる律儀さで守り続けたのです。今、機械化大量生産などにビクともしない足腰の強さは、確かな歴史と真心を貫き続けた正に「技の勝利」と言えましょう。 以上
いやはや、気合の入ったコメントですねえ。思わず感動しました。本当に地域に密着して、地域の味を守り続けている酒という雰囲気が伝わってきます。是非、香住町まで買いに行きたい、酒蔵を見学に行きたいと思いますね。
さて、お味のほうですが、ふむ。いいですねえ。辛いけど、甘いというか、甘いけど辛いというか。とにかくとても深く広い味という感じですね。なんか、野球にたとえるとどんなところにボールが来ても打ち返せる巧打者、という感じでしょうか。なんともいい味です。味に自己主張があって、かつそれが調和していて、えぐい感じがない。いやあ、これはいいですね。どんどん呑んでしまいます。
店主の言葉どおり、人気が高いのもわかりますね。私もすかさず、飲み終わらないうちに、もう一度飲みたいお酒の候補に上がりました。今回飲んだのは吟醸純米ですが、できたら他のものも飲んでみたいですね。しかし、残念なことにこの香住鶴が飲める飲み屋はずいぶん限られるようですね。酒屋さんの口調もなかなか入りにくい酒という感じでしたので。でも、これを買いに香住まで行くってのも良いかもしれません。
いやはや、また一本いいお酒に出会いました。嬉しい西管です。
★第89回 2003年5月27日(火)
★酒の名前:E&J ガロ シカモア・キャニオン カベルネ・ソヴィーニヨン ★輸入元:サントリー ★原産地:アメリカ・カリフォルニア州 ★ラベルコメント:カベルネ・ソーヴィニヨンを育てるのに最適なカリフォルニアで造られ、厳選されたぶどうのみを醸した上級ワインです。カベルネ・ソーヴィニヨン種ならではのカシスやダークチェリーを思わせる果実臭としっかりしたタンニンが心地よい、厚みのある味わいの赤ワインです。
★西管コメント
はい、今日は赤ワインです。しかも、いわゆるひとつのキャリフォルニアワインです。このコーナーではきゃりふぉるにあワインを取り上げるのは初めてですね。まあ、サントリーが輸入しているくらいですから、日本では至極一般的なきゃりふぉるにあワインなんでしょう。でもフルボディと書いてあるので、少ししつこい味を期待。
さて、呑んでみましょう。ふむ、確かに味は濃い。そういう意味でフルボディーかなという感じ。でも、どこか味に深みが欠けるかな、という感じ。そう、味は濃いけど、思ったほどまったりしていない、という感じ。そう、この味を表現するろしたら、濃いけど、少し若い味という感じになると思われます。
もっとも、若い味ということは、誰にでも呑みやすいということとほぼ同義だと思われます。ただ、こってりネッチリした味が好きな方には少し物足りないかもしれません。(そういう方は数日置いてから呑むと良いかも。勿論置きすぎると化学の時間に習ったとおり酢になりますので要注意。なお、実際に二日間置いて呑んでみると、なおいい感じの味になっていたことを追記しておきます。)
まあ、まとめると、呑みやすいし妥当な味。まあ味が若いけど、それは欧州とアメリカの歴史の差ってことになるんでしょうな。そんなワインの育つ土地の歴史を感じさせてくれるような、ある意味みずみずしいような味のワインでした。
★第88回 2003年4月20日(日)
★酒の名前:生黒 ★酒造会社:麒麟麦酒株式会社(東京都中央区) ★原材料:麦芽、ホップ、大麦、コーンスターチ、糖類 ★アルコール度 5.5% ★
★西管コメント:さて、今日は発泡酒です。さて、その名も生黒(なまくろ)そういえば、某A社のビールに黒生ってあったけど、これは生黒で発泡酒です。何度も言いますが、この業界にた名前が多いですな。
まあそれはともかく、発泡酒といいつつ、黒ビールみたいな雰囲気が漂うこのお酒。ちょっと普通の発泡酒とは違う感じですね。まあ早速呑んでみましょう。
まずはその色。そう、黒というだけあって、本当に黒い。まさに某A社の黒生のようです。或いは言い換えれば泡の多いコカコーラ??いや、入れそこなった泡だらけのコーヒー。いやいや、それはともかく、味は、ううむ。なんというかこてっとした感じですね。味が重い。甘みがあるというかコクというのではない。なんだか甘みのような、そう一番ぴったりくる表現はこってりまったりした味という感じです。
これまでの各社の発泡酒ってのはどうも、スカスカといったら悪いかもしれませんがどうも軽い目の味が多かったのですが、これは対極を行く感じですね。発泡酒の中では強烈な個性を放つ一品といっていいでしょう。もっとも、まったりした味ということは、発泡酒のように喉越し爽やかというわけにはいきませんので、暑い時にはあまり合わないかもしてません。その分、冬にはいいかも。
まあかなり癖のある味ということは否めません。でも黒ビールが好きな人にはいいかも。なんにせよ、なにかと横並びのように似た味が多い発泡酒の中で、名前はさておき、味のオリジナリティーは光るものがあると思います。こういう冒険をしたキリンさんに拍手、拍手です。
★第87回 2003年4月15日(火)
★酒の名前:麹屋純米吟醸生々 ★酒造会社:清酒重繁桝株式会社高橋商店 福岡県八女市 ★アルコール分
16度から17度 ★日本酒度 +2 ★酸度 1.4 ★ラベルコメント:瓶詰めの際、搾りたての風味を楽しんでいただくために熱処理をしておりません。必ず保管は冷蔵庫にお願いいたします。また、開栓後はお早めにお召し上がりください。場合によっては白い沈殿物がみられる事がありますが、品質には問題ございませんので安心してお飲みください。
★西管コメント:さて、今日のお酒は日曜日に梅田の阪急百貨店の地下食品売り場のお酒売り場で購入したものです。
私はあまりデパートをうろつかないので、知らなかったのですが、最近デパ地下の酒売り場ってやたら充実してますねえ。ワインは各種揃えているのは当然として、日本酒もあらゆる地域の地酒が並んでいる。そして焼酎もいろんな銘柄が並んでいる。しかも、ご丁寧に試飲までやっている。これは酒好きにはたまりましぇーん!の世界です。
ということで、この麹屋も試飲して買ったものです。中でも、今回は売り場に立っていたのがこの酒造会社に勤めている人でした。福岡の八女市というところから出てきた、九州のお国訛りの混じる口調で一生懸命お酒の説明をしてくれた彼の熱意に負けて買ってしまいました。この方、杜氏を目指して修行中の身とのこと。大変ですなあ。
この銘柄で普通の純米もあったのですが、生酒の方がやはり味が若く、私好みだったので生酒を購入しました。(もっとも純米の方が300円ほど高かったこともあるが)しかし、試飲に来る人の反応を見ていると、生酒の方の人気はイマイチというところ。やはりちょっと味に癖があるかなあ。
なんだか、購入の経緯を書いているうちに、ちょっと味にも触れてしまいましたが、味についてのコメントです。うむ。甘いというか、そうですね。サイダーのようななんというか、甘い刺激のある風味が口の中に広がります。そうですね、まあ癖があるといえば癖がありますね。そう、一言で言うと若い味です。
確かに人によって好みが分かれる味で、万人向けではないかもしれませんが、西管的には非常に好きな味ですね。そう、みずみずしい、(といっても水臭いわけではない)味というところでしょうか。こういった原酒系のお酒は春先にしか手に入らない限定ものの場合が多いので、見つけたら買っておくべきと西管は思ってます。(ただ、熱処理していない関係上長持ちしないので、あまり買い込みすぎると泣きを見る)
最後にこの酒造会社のURLです。http://www.shigemasu.co.jp
★第86回 2003年4月13日(日)第2弾
★名前:ブローリープレミアムラガー ★原材料:麦芽・ホップ ★アルコール度:0.9% ★原産国:オーストラリア ★輸入業者:株式会社ドウシシャ(東京都品川区) ★ラベルコメント:当商品はアルコール分0.9%を含んでいますので自動車等の運転やお子様の飲用にはご注意ください。
★酒の名前:さて、なんともこれを酒と申し上げていいのやら…。これはいわゆるひとつのノンアルコールビールというやつです。(まあ、ラベルコメントにもあるとおり、ゼロではない。0.9%くらい入っているのは入っている。)
最近流行っているようですが、まあアルコールなしでどこまでビールの味に迫れるか、という点に非常に興味が湧いてしまいます。これは冷やしてじっくり味わってみましょう。アテは、今日は張り込んで?鳥のから揚げです。(どこが張り込んでいるねん!)
まあとにかく、一口。飲む前に色を見てみましょう。ふむ、普通のビールに比べると黒っぽい。そう、ジンジャーエールみたいな色。味はどうでしょう。む??…。まあ、こんなもんでしょうなー(溜息)という感じ。どうも、すっぱいというか、刺激だけ、というか。どうも、コクってのはまったく無縁な世界ですね。
どうも味がやはり物足りないですねえ。極端な言い方をすればすっぱいだけという感じです。アルコールが入っていないだけでこんなに違うのかなーと考え込んでしまいますよね。清涼飲料水としてみたときも、格別爽やかさにも欠けるし、イマイチって感じです。
所詮、代用品は本物には比べるべくもないということでしょうか。まあ、他のものも呑んでみないとなんとも言えないですが…。かえって本当のビールが呑みたくなった西管です。
★第85回 2003年4月13日(日)
★酒の名前:越の柏露(はくろ)純米酒 ★酒造会社:柏露酒造株式会社(新潟県長岡市) ★ラベルコメント:なし
★西管コメント:さて、はかったわけではないですが、2回連続の新潟のお酒です。このお酒も2003年2月製造のお酒。結構新しいですね。まあこれから夏に掛けてはだんだんと日本酒も葉境期になってきますが、まだしばらくはこの冬にできた新酒が楽しめそうですね。
さて、一口味をみてみましょう。おお、これは厳しい味ですね。厳しいという表現でいいのかどうか。どうもなんとも苦いというか、濃いというか、言い過ぎると少し薬品ぽいようなそんな味ですね。でも、決して悪くありません。なんというか、非常に個性のある濃い味です。これはいいですね。
もっとも、端麗系の味が好きな人には、冒頭書いたとおり厳しい味と感じるかもしれません、でも、西管的には非常に好きな味といえるでしょう。また是非呑んでみたいお酒のひとつに挙げられますね。
★第84回 2003年4月6日(日)
★酒の名前:百寿 越のかぎろひ純米酒 ★酒造会社:朝日酒造株式会社(新潟県三島郡越路町 ★ラベルコメント:純米酒の濃厚な味のイメージを一新するすっきりした飲み口をお楽しみください。 冷やして○ そのまま ○ ぬる燗 ◎
★西管コメント:さて、今日は珍しく酒の瓶が二つ並んでいます。いや、別に二つのお酒を取り上げようというのではなく、今日は左側の酒を取り上げたいと思います。
右の樽平は以前取り上げたことがあります。(第40回)そのとき結構気に入ったことを覚えていたのですが、昨日神戸のそごうの地下食品売り場で並んでいるのを見つけてつい購入してしまいました。また明日にでものんびり楽しんでみたいと思います。
さて、今日取り上げるのが左の越のかぎろひです。おお、製造年月日を見ると2003年3月31日となっています。なんとも新しいお酒。嬉しいですね。新鮮だねえ。
さて、一口味をみてみます。おお、これはなんとも濃厚な味です。そうですねえ。鋭い味という感じ。なかなかこれはいいですねえ。いかにも純米酒という感じ。素晴らしいですね。やはり新潟の酒はうまいですねえ。
こういう味を私は昔肝臓に響く味、と評したことがあります。まさにこってりしっかりした味。日本酒初心者の方にはちょっと敬遠されるような味かもしれません。しかし、ここにどっしりしっかりした、かつ切れ味のある日本酒らしい味を感じることができます。そんな、日本酒中上級者向けの酒といえるでしょう。
★第83回 2003年3月3日(月)
★酒の名前:蔵秘抄(くらびしょう)純米吟醸 しぼりたて原酒 ★酒造会社:玉泉堂酒造株式会社 (岐阜県養老町) ★精米歩合:50% ★日本酒度:+2 ★酸度:1.6 ★アミノ酸度:1.2 ★仕込水:養老山系伏流水 ★ラベルコメント:秘伝の技で醸した純米吟醸原酒。新鮮な香りとあらあらしい口当たりはこの季節だけの味わいです。
★西管コメント:はい、久々の日本酒です。というのも、このごろどうもワインに凝ったりして少し日本酒とはごぶさただったのですが、実家からいかなごの釘煮が送られてきたもので、これに合う酒は…やはり日本酒以外にはないのではないかと…。
まあ、季節柄日本酒がうまいし、いくらでも種類が入ってくる季節ですから、これからしばらく暑くなるまで日本酒をガンガン取り上げたいなと思っています。(勿論肝臓の調子優先ですが。)そんなんで早速呑んでみます。
ふむ。おお、なんとラベルコメントとおり、若いという感じの味。まず口に含むと酸味が広がります。キューッとくるような酸味。それでいてなんともいえない辛味が広がる。そうですね。好みによりけりで、少しこの味がきついと感じる人もいるかもしれません。けど、私はすごく好きですね。この味。なんというか、ラベルコメントにもあるとおりあらあらしい口当たり、というか、そう、若いね。この味は。
そういえば、こういう味は原酒には共通する味かもしれませんね。昔ここで取り上げた原酒(たとえば、第38回参照)のことを思い起こすとそんな気がします。そしてこの味がいかなごの釘煮に合うんですよねえ。こりゃあいける。どんどん行ける。でも、明日は仕事…。ほどほどにしておこう。