●迷酒呑みある記 第三十九回〜五十五回
★第55回 2001年9月15日(土) 敬老の日 だからどうということはないが…。
★酒の名前:信州地酒川中島 ★酒造会社有限会社千野酒造場 ★所在地:長野市川中島町 ★ラベルコメント:当社は、創業天文年間(1540年)、清酒『桂正宗』『川中島』の酒造りは遠く400年以上前に遡ります。以来この信州川中島の地で、寒冷な気候、澄んだ空気、犀川の清冽にして豊かな清水を活かしながら酒造り一筋に歩み続けて参りました。最新の設備と杜氏伝統の技から生まれる信州の銘酒『桂正宗』、地酒ならではの深いこくを持ち、丁寧な酒造りを感じさせる、美酒の数々をぜひともご賞味ください。
★管理人コメント:さて、今回は管理人の好きなにごり酒です。重なるときはかさなるもので、昨日呑んだのもにごり酒。(まだ2合弱残っているが…。)そう、以前このコーナーでも取り上げた、白川郷です。あれも純米のにごり酒でお気に入りなのですが、今回も純米のにごり酒。これは楽しみです。
そうそう、このお酒はまなさんから提供頂いたものです。(すみませんね。前の『るみこの酒』(第三十八回参照だ!)もうまかったです。はい。)なんだか、みなさんからお酒を頂きまして、管理人はこの上ない幸せものです。皆さん本当にありがとうございます。
さて、早速味のコメント。その前に、色は…言うまでも無くにごり酒ですから、濃い白色です。白川郷に比べると少し薄めの色という感じかな。(白川郷はドロドロという感じですから。)んん、にごり酒特有の甘味とその裏にピリッとくるような辛さが同居したような味。いいですね。白川郷に比べると若干辛い感じがしますが、それもまた一興。ううむ。
にごり酒は見た目も楽しめますけど、私は味も好きですね。(人によっては、ちょっとしつこい、とかそういってにごり酒を敬遠するのですが…。)白川郷をドロドロという表現をするとすれば、川中島はとろとろという感じ。好みにもよるけど、この川中島もお勧めといえるでしょう。いやあ、今日も深酒の土曜日となりそうな予感です。
最後にお酒を提供いただきましたまなさんに再度お礼を申し上げたいと思います。
★第54回 2001年9月7日(金)
★酒の名前:BEER (をいをい) ★酒造会社:日本ビール株式会社 ★所在地:東京都目黒区 ★原産国:米国 ★麦芽使用率:25%以下(発泡酒) ★原材料:有機麦芽、有機大麦、有機ホップ ★アルコール分 5% ★ラベルコメント:無農薬、有機栽培、遺伝子組み換えをしない大麦、ホップを100%使用。オーガニックの原料にはまろやかな自然の旨みが凝縮されています。 ★ラベルコメント:OCIA(国際オーガニック認定団体)マークは原料栽培から販売までの全工程において厳しい品質検査の上生産されていることを保証しています。
★管理人コメント:さて、またまた少し変わったビールです。しかし、名前がビア−ときたもんだ。単純と言うか、なんというか…。それだけ、本格派ビール(発泡酒)と言う自負があるのでしょうか。原産国はアメリカとのこと。輸入元は、あのにごりビールの日本ビール。(第49回参照)さて、どんな味がするのやら。不安なような、楽しみなような…。
うむ、まあ普通の発泡酒というところ。でも、なんだか発泡酒でもコクがあるなという感じ。最近の多くの発泡酒はずいぶん刺激が走るのが多いけど、これはなかなかどっしりとして、うーむなんというかな安心できる味とでも言おうか。確かにビールほどのコクはないけど、でも発泡酒なりに頑張っていて、すごくいい感じですね。
私は前に発泡酒は夏向き、といいましたが、この味であれば、冬でも十分通用しますね。いやあ、日本ビールさん、なかなかイイですねえ。前回のにごり白生と比べれば、また全然趣向が違うな、というのがわかると思いますね。
酒のうまい、うまくないというのは個人の好みが有って当然と思う。なのに大企業のビールはみんな右に習えの味である。(ま、それはそれで安心できる利点はあるのですが)その中で、小さいながら自分なりの味を持っている、この日本ビール、すばらしいですな。また呑みたいものです。
★第53回 2001年9月6日(木)
★酒の名前:特別純米酒 越後長岡藩 ★酒造会社:関原酒造株式会社 ★所在地:新潟県長岡市 ★ラベルコメント:(味や製法に関するコメントではないので、念のため) 戊辰戦争に破れ、困窮の極みにあった長岡藩に、三根山藩より百俵もの支援米が贈られた。米の分配を待つ藩士を前に、時の大参事小林虎三郎は、長岡の復興には人づくり、教育こそが大切であると説きその百俵の米を学校設立費用に充てた。これが有名な故事「米百俵」の精神である。
★管理人コメント:残念ながら、この季節は日本酒の端境期。この酒も当然夏を越しています。(2001年6月製造)だから、味が少々落ちているかもしれませんな。
さて、長岡藩といえば、米百俵。この言葉を有名にしたのは、小泉さんでしたっけ。ふむ。米を食べずに学校を作ったわけですな。でも、日本酒を造るよりは有効な使用法かもしれませんな…。
とにかく、あまりこう言うことを書くと無教養なのがばれるので、早速味のコメントです。ふむ。そういえば、このコーナーを執筆するのは久しぶり。そういえば、最近真剣に酒を味わっていないのである。ふむ。かなり辛口という感じ。でも、刺激的という感じではない。うーむどっちかというと、コクのある感じですな。結構肝臓に響く味です。(おいおい)
純米酒だから、当然不自然な辛さはない。でも、水の如し酒ではない。なかなか、骨のある味というかんじかな。だから、冷で飲むのがいいかもしれませんね。なかなか日本酒好きの人は気に入る味じゃないかなあ。なんというか、ひとことでたとえるとすっきりしているようで、でも、どっしりしたコクも持ち合わせている。うむ。まあ、贅沢な味わいという表現が一番ピンと来るかな。
とまあ、久々なので、舌も筆(キーボード)も鈍りがちですが、まあお許しくださいませ。さて、良い季節になってきました。秋の夜長はうまい酒で楽しみましょう!
★第52回 2001年8月7日(火)
★酒の名前:春鹿 山廃 純米生原酒 ★酒造会社:今西清兵衛商店 (ホンマに個人商店という感じ) ★所在地:奈良市福智院町 ★アルコール度 18度以上19度以下(高い!呑みすぎ注意だ。3日に分けて呑もう) ★ラベルコメント:穏やかな香りと深みのある旨口の生酒です。春鹿の他の商品にはない独特の味わいをお楽しみください。
★管理人コメント:をおお!久々に日本酒だ。というのも、ここのところ、あまりの暑さに日本酒に手が出ない日々が続いていたのですが、今日は夕方急に涼しくなり、なんだか身体が久々に日本酒を欲した(おいおい)ので、会社帰りふらっと酒屋に立ち寄りました。すると、新しい酒が入っていました。(いつものおばさんいわく、今日入ったところ、とのこと。)これがその春鹿。ふむ、奈良のお酒なんですね。
そういえば、この春鹿という名前聞いたことがある。原酒ということでアルコール度ちと高め。純米酒だけど、味はどうですかね。奈良の市内の酒だからなー。どの程度イケルのか…。まあ、とにかく呑んでみないと始まらない。
ふむ。ううーすきっ腹に効くねえ…。(それだけかい)いやいや、ずしーんと来る辛口。コクがあって五臓六腑に染み渡るという感じ。アルコール度が高いからか、焼酎をロックで飲んだような感覚ですな。いや、辛い酒だ。ちょっときついから、冷で飲むのが無難かな。うう、効くねえ。久々の日本酒は。
ちょっと久々の日本酒で少し舌が鈍っている感じがするのは否めないですが、まあどっしりコクがあってしっかりした味のお酒です。酒の味ってのは難しいもので、体調とか季節によっても全然感じ方が違う。だから一概に言えないけれど、ちょっと辛すぎるというか、味がきついなって感じがする。(なんだかちょっと人工的なコクなのかな…。)今日のところは。でも、これが冬場に呑むとまた感想が変わるかもしれないけれど。あるいは明日呑むとまたかわるかも…。
でも、今日のところの感想は上記のとおりです。
★第51回 2001年8月5日(日)
★酒の名前:天然水仕立て銀河高原ビール ★酒造会社:銀河高原ビール株式会社(東京都中央区銀座) ★原材料:麦芽100% (小麦約55%・大麦約45%)、ホップ ★ラベルコメント:小麦で造ったコクと香りのビール。ドイツ人ブラウマイスターが高原の天然水で仕立てた酵母入り無濾過のにごりビールです。
★管理人コメント:はあ、久々の更新です。ここんとこ、ビールばかりの更新で、すっかり日本酒を取り上げてません。今年の夏は本当に暑くて、なかなか日本酒を呑む気が起こりません。いつもなら、夏でも冷にした日本酒をきゅっとやるのですが…。今年はどうもねえ…。
さて、そんなわけで今日もビールです。今日は、ちょっとマイナーなビールです。銀河高原ビールというからには、北海道ででも造っているのかな、と思いましたが、製造元が銀座となっています。まあ、ここは本社の住所で工場はどこか別の、それこそラベルコメントにあるような高原の天然水の流れるところで造っているんですかね。
それと、今回はまたにごりビールです。(第49回参照。)ということは、味も似ているのでしょうかね。(まあ、前回は発泡酒、今回はビールという差はあるが…。)
とにかく、呑んでみましょう。おお、確かににごっている。さて、おおこの味はまさに…。第49回のものと同様、なかなかすっぱいような甘いような味が広がります。例の、モルツスーパープレミアム系統の味がします。もっとも、こっちのほうがちょっと味が薄めで、ある意味のみ易いですね。
なんだか、この味って日本では飲みなれないけれど、ドイツとかベルギーってのはこんな感じの味が本格ビールなんですかね。なんか、甘いようなすっぱいような。ま、味を言葉で表現するのは、難しいですから、実際飲んでみるのが一番と思います。私個人的にはこういうのもありかな、と思います。ちょっと変わったビールが飲みたい方、是非一度お試しください。
★第50回 2001年7月23日(月) 記念すべき第50回! よお、これだけ呑んだなあ…。
★酒の名前:じゃがB ナマドライ ★酒造会社:日高ビール株式会社 ★所在地:北海道幌泉郡えりも町 ★原材料:麦芽、じゃがいも、大麦、糖類、ホップ ★アルコール分:4.5%
★管理人コメント:まず、この発泡酒、羅生門さんの北海道のお土産です。いつもありがとうございます。ふむふむ、聞いたことない酒造会社ですね。これは地ビールならぬ地発泡酒のようですな。しかし、興味を惹かれるのは、原材料にじゃがいも、が入っているということ、じゃがいもから発泡酒が作れるのか…?!
まあ、なにはともあれ、味わってみましょう。まず。色が濃い。いや、濃いというか、普通のビールより茶色っぽい。で、あまり泡がたたないですね。味は…これは…なんつーか甘い味。そう、どちらかというと、ちょっと黒ビールに近いような、なんかちょっとしつこいような、甘い味。そう、これは黒ビールから刺激を取った様な味。なかなか変わっているな、という感じ。これが、じゃがいもから作ったビールですか。なるほど…。
味に対する好みは分かれるでしょうね。発泡酒に特有のすっきり感が薄いけれど、なんか独特の甘味みたいなものがある。もしかして黒ビールを好んで飲まれる方なんかにはいい味かもしれませんな。私個人的見解としては、なかなか特徴的な味だけれど、誰にでも気に入られる味が、といわれると…って感じですな。
まあ、地ビールなんかがブームになっているけど、こういう地発泡酒にも頑張ってほしいと思います。地酒と同様にね…。
★第49回 2001年7月20日(金)
★酒の名前:にごり 白生ドラフト 二段仕込み ★輸入者:日本ビール株式会社(東京都目黒区) ★原材料:大麦麦芽、小麦麦芽、大麦、小麦、糖類、ホップ、天然白生酵母 ★麦芽使用率:25%以下 ★アルコール分:5% ★原産国:ベルギー ★ラベルコメント:特別な白生酵母を発酵用、熟成用と2回使用する画期的な二段仕込み。その白生酵母をたっぷりと使い、しかもフィルターにかけない事でこの素晴らしい旨さと白さを創り出しています。この白生は旨みとコクの上面醗酵ですが、冷やしてお召し上がりください。(日本語がつながらんが、原文のまま)冷蔵庫などで冷やす際は、お飲みいただく時に丁度良い「にごり」になる様、缶を上下逆にして下さい。 ■沈殿物、白濁は白生酵母及び麦汁成分で、商品の異常ではありません。
★管理人コメント:さてさて、今日も発泡酒です。今日のは、ちょっと名前がかわってます。にごり白生 二段仕込み。まるで日本酒のよーなタイトルですな。でも、これは発泡酒。原産地ベルギーということですが、本当にベルギーで飲まれているものなのかははっきりしません。
このお酒、今日行った光明池のカルフールという大きなスーパーで購入しました。このスーパ、とにかく品揃えが半端ではなく、酒のコーナーもすごく充実していました。(惜しいことに、日本酒のコーナーはゼロに等しかったが…。)いろいろこのスーパーに関してもコメントはありますが、このコーナーの趣旨から外れますので、割愛します。
とにかく、そこのビールコーナーには珍しそうなビールが沢山並んでいたのですが、そのなからにごり、という文字に惹かれて購入しました。さて、お味のほうは♪とその前に、色だ。をを、確かに薄く、白くにごっている!それにしても、泡と濁りの区別が曖昧なような…。
味のほうは。おお、なんというか、甘いね。なんだか、清涼飲料水を飲んでいる感じ。評価は…分かれるだろうけど、私個人的にはこういうのも良いかな、と思う。でも、この風味…どこかで…。そうだ、このすっぱいような、甘いような風味は、モルツスーパープレミアムに良くにている。あれをもう少し切れ味を良くした感じ。いや、まったくそのとおり。
ここで疑問が生じます。モルツスーパープレミアムは麦100%の本格ビール。このビールは麦芽25%以下の発泡酒。なのに何故味が似てしまうのか…。酵母とか製法が似ているんでしょうかね。妙な附合です。
ま、ともかく発泡酒でありながら、本格ビールと似た風味。(ま、モルツスーパープレミアムが本格ビールと言えるかという問題もあるのだが…。)なかなか変わった味で、そこそこ楽しめますね。店で見つけたら買ってみてもいい商品ではないでしょうかね。
★第48回 2001年7月19日(木)
★酒の名前:夏のキレ生 SEVEN ★酒造会社:サッポロビール株式会社(東京都渋谷区) ★アルコール分:7% ★缶のコメント:限定醸造の発泡酒 (としか書いてない)
★管理人コメント:こう暑いと、ついついビールとか発泡酒に手が出ますなあ。おまけに最近やたら種類がおおいから、ある意味楽しいですけどね。でも、最近、この業界ではやたら新製品を乱発している傾向があるけど、来年同じ製品がまだ生きているんでしょうか。もしかしたら、1年限りで消滅する製品もあるのでは、などど少し斜に構えて考えてしまうのは私だけ?
さて、呑んでみましょう、アルコール7%は発泡酒としては少し高め。(一番高いんじゃないかな。)うむ。ううむ…。発泡酒に関して、舌が鈍ってきたかな。もうひとつ、味に関するコメントが浮かばない…。なんというか、刺激はある。最初にパーッと口の中に刺激が広がる。その後にくるのは、発泡酒独特の苦いというか甘いというか不思議な風味。まあ、普通の発泡酒独特の風味が広がる。でも、それほど嫌味な風味ではない。ふむ…。
なんというか…普通の発泡酒よりかなりビールに近いのかな…。なんだか、最近舌が鈍いような気がするが…。そうえいえば、最近出た発泡酒はどれも結構ビールに近い(ビールより相当軽いが)味を目指しているのかな…。これも、ゆっくり味わうと発泡酒っぽい風味はあるけど、なんだかビールに近づけようとした(且つ発泡酒のキレを残す)そんな努力のあとが伺えますね。
まとめを書くためにもう一杯。ふむ。確かにすっきりしている。努力は認める。でも、悲しいかな発泡酒を呑めば呑むほどビールのコクが恋しくなるのは、私だけでしょうか。まあ、発泡酒としては非常によく出来ているのではないでしょうか。それだけに、余計にビールのコクが懐かしくなるのかも…。
管理人の個人的見解としては、なかなかよくできた発泡酒といえるでしょう。
★第47回 2001年7月15日(日)
★酒の名前:キリンチューハイ 氷結果汁 ★販売元:麒麟麦酒株式会社(東京都中央区) ★製造元:キリン・シーグラム株式会社(静岡県御殿場市) ★アルコール分:7% ★缶のコメント:氷結させた天然クリアストレート果汁を使用したすっきりのみやすいチューハイです。
★管理人コメント:思えば、このコーナーも久々の更新です。このコーナーでチューハイを取り上げるのは初めてです。私はチューハイは殆どのみません。しかし、キリンさんからチューハイが出るという話をきいて、ついつい買ってしまいました。
それと、前に日経新聞にこのキリンのチューハイが結構売れていて、工場がフル稼働しても発注に追いつかない状況だ、という記事がでていました。でも、寮の自販に並ぶようになったから、ようやく製販のバランスが取れてきたのでしょうかね。
さて、前置きはこれくらいにして、呑んでみましょう。おお。缶の形状が面白い。ダイヤモンド状になっていて。まるでお城の石垣のような感じ。不思議な手触りです。(缶のコメントにも、開缶後、ダイヤ形状の凹凸が現れます、と書いてますね。)
ふむ。まるでジュースだな。いや、全くジュースだな。これは。とてもアルコールが8%(ビールより濃いんですよ!)とは思えない。レモンスカッシュを呑んでいるよう。でも、少しだけアルコールの感じはある。ちょっと苦いような、これがチューハイの味ですな。
ふむ。なかなかチューハイとしてはうまいかもしれませんな。本当に口当たりがいい。これは、なんぼでも呑めますわ。(それだけに、悪酔い注意だよな。)確かに売れているのはわかりますね。
キリンはチューハイが初めてということですが、なかなかの出来ではないでしょうか。ただ、私個人的には、甘い酒ってのを好んでは呑まないので、個人的にはチューハイはあまり呑んでいませんでした。しかし、このさわやかな呑み口に少し惹かれたのも事実。なんだか、すっきりさっぱりした酒を飲みたいときには、チューハイってのもいい選択肢かな、と思わせてくれる、そんな一本ではないでしょうか。(夏向きの酒だわな)
管理人としてはお勧めの一本です。チューハイ好きの方には是非呑んでもらいた一本ということができるでしょう。
★第46回 2001年6月29日(金)
@★酒の名前:発泡酒常夏生エクストラドライ ★酒造会社:麒麟麦酒株式会社 ★原材料:麦芽、ホップ、大麦、糖類 ★麦芽使用率25%未満 ★アルコール度 5.5% ★ラベルコメント:夏においしいエクストラドライ。爽快なのどごしとキレの良さが特徴の夏季限定発泡酒。
A★酒の名前 高刺激生 夏のイナズマ ★酒造会社:サントリー株式会社 ★原材料:麦芽、ホップ、糖化スターチ ★麦芽使用率 25%未満 ★アルコール度 6% ★ラベルコメントは特になし。
★管理人コメント:はい、今回は豪華二本立て。最近発売となった(と思われる)発泡酒を取り上げたいと思います。(なんだかんだいいながら、発泡酒呑んでるじゃん、という突っ込みは、なしにして下さい…。)
さて、まずはキリンのエクストラドライ。キリンは発泡酒では淡麗が結構いい地位を築いていると私などは感じているのですが、ここへ来て発泡酒を出す意図がよくわからん。まあ、推測するに淡麗って、どちらかというとビールに少し近いので、発泡酒ファンからは少し中途半端な存在になっているのかもしれませんな。だから、もっと一般の発泡酒に近いものを出してきたのかな、というのが私の推測です。ま、呑んでみればその意図がわかるかも。
それにしても、ネーミング某A社の銀色の缶のものを意識したのかなあ。パテントを侵さなければいいという考えたなのか、単なる偶然かはわからないけれど、ここで敢えてドライを名乗るのはどうかと思う。個人的にはね。(そういえば、缶が銀色っぽいのは単なる偶然なのかねえ。)
さて、もうひとつはサントリー。サントリーにもマグナムドライという発泡酒がありながら、またこれを出してきた。その意図やいかに…。この二つに共通して言えるのは両方とも夏!っていうことを前面に出している点。もともと夏はビールが旨いけれど、夏に特に旨いビールとは??
まあ、夏にあまりこってりしたビール、例えばエビスとか、モルプレとかビール職人を飲むと、ちと苦しいものがある。その逆に多分非常にすっきりした、それこそコーラみたいなビールなんだろうな(だからといって甘ったるかったら気持ち悪いが)と想像しながら、早速味見。
まずは@のキリン常夏から。なるほど…。確かに、淡麗とは微妙に違う気がする。(呑み比べているわけではないので、こういうコメントにならざるを得ない。)なにが違うか。一口目がすごく刺激が走るんだよね。(ここで思い出して、第44回を見る、似たようなコメントになりそうだな。)そう、呑んですぐの刺激が強いね。でも、やはりその後はすうっと味が引いてゆく。(良く言えば、潔く味が引いてゆくという感じ。)あとは淡麗とよく似た感じというとことでしょうかね。
さて、Aのサントリー夏のイナズマですが。うむ、刺激は普通より少し強い感じ。で、味のベースは…このなんともいえない甘いような苦いような風味は…やはりこれはマグナムドライの風味かな。だから、結局コメントとしては@に同じってことになるんだろうなあ。なんだか、少し刺激をつけて味をきりっとさせているけど、ベースはもともとの各社の発泡酒って感じなんでしょうな。
なんだか、どちらも似たようなコメントになったけれど、これも考え物ですな。どこかが、夏のビールを出すと他が追随する。それはいいんです。でも、ネーミングとかコンセプト、あるいは味までもが横並びだったら、なんだろうなーって思う。でも、この不景気の世の中、冒険するよりは、それなりに売れていれば、他社と横並びでいい、という考え方が大勢を占めるんだろうなあ。ま、それなら仕方がないけれど。
話がそれましたが、まあ二つとも普通の発泡酒を少し刺激を強くしたような感じです。まあ、こういうのが好きな人にはいいでしょう、という感じです。でも…爆発的……には………売れる…………のかなあ…………………。
★第45回 2001年6月21日(水)
★酒の名前:オリオン生ビールちゅらさん ★酒造会社:オリオンビール株式会社 ★所在地:沖縄県浦添市(工場は名護市らしい。) ★原材料:麦芽、米、ホップ、コーン・スターチ ★アルコール分:5%
★管理人コメント:出た。噂のオリオンビール。実は恥ずかしながら、私は飲むのも見るのもこれがはじめて。酒屋で面白いビールないかなーと物色していて発見しました。今まで気づかなかったので、最近入荷したのかもしれません。まあ、とにかく呑んでみましょう。
うむ。なんだかちょこっと味が薄いと感じる…が、喉が渇いているからかな。アテのコンビーフ缶をつつきながらもう一杯。うーむ。やはり発泡酒系統の軽い味である。思わず発泡酒かなーと思って缶をもう一度良く見るが、やはりビールには間違いないようです。
ま、確かに発泡酒に独特の風味はなく、むしろ味はやはりビールに近いかな。でも、なんだか微妙な味。軽いってのは、つまりコクが少ないし、切れにも若干かける。でも、軽めのビールが好き(例えばバドワイザーなんかを気に入って飲んでる人)には合うかも。
まあ、何回かじっくり味をみていると、独特の苦味のようなものは感じて、これがこのビールの個性かな、とも思わなくもないが、でもやはりインパクトに欠けるような気がします。でも、決して旨くはないビールではないので、皆さんも飲んでみてください。
まあ、でもこの缶のデザインには南国風情を感じますよね。そういえば、羅生門さんって、去年の11月7日に西新町で「オリオンビール」っていう題名で投稿されていますよね。呑んだことあるんでしょうか?
★第44回 2001年6月18日(月)
★酒の名前:北海道生搾り ★酒造会社:サッポロビール株式会社 ★原材料:麦芽、ホップ、米、コーン・スターチ、糖類 ★アルコール度:5.5% ★麦芽使用率 25%未満 ★ラベルコメント北海道産麦芽使用 北海道産麦芽を使用して爽やかな生を搾り出しました ★管理人コメント:いやでもビールが旨い季節になってきましたねえ。(逆に日本酒にとっては苦戦の時期である。)私は今までの傾向から、日本酒しか飲まないというイメージをもたれているかもしれませんが、実はビールも好きです。(発泡酒はと言われると…だが。)
まあ、今回はその発泡酒。赤い缶の発泡酒はいまいち。発泡酒は首の長い会社の白い缶のが一番、と思っています。まあ、他社のも呑んで見なければ、ということで今日はこのサッポロの北海道生搾りです。
話はそれますが、私が今まで飲んで一番美味しいと思ったのは、サッポロビール園で飲んだできたてビールでした。調子に乗ってジョッキ4杯くらい軽く平らげた思い出があります。その思いもあってか、私は結構サッポロのビールは好きです。黒ラベルなんか結構美味しいと私は思うんですがね。
さて、それはともかく今回は発泡酒。もともと私は発泡酒にはあまりいい感情を抱いていないのは、過去にも述べたとおり。今回もあまり期待はしておりません。別にこの会社がどうかという問題ではなく、発泡酒全体の問題ですよね、ま、すっきりしているし、アルコール飲料としてはいいけど、ビールと同列にはどうやっても並べられないと思うわけですよ。ま、でもキリンの淡麗を呑んで少し考え方は変わったんですがね。
さて、とにかく試飲。うむ。喉が渇いていたからか、刺激が強く感じる。ぴりぴりという感じ。でも、ここからもう一押しのコクがないのが発泡酒ならではといったところ。確かにすっきりさわやかという感じ。ラベルコメントにもあるとおり、確かに非常に爽やかで、夏の暑いときなんかには殆どコーラのような感覚で呑めるでしょう。そういう観点で見れば、合格点をあげられるでしょう。本生ほど薄くなく、かといって淡麗よりは少し上品。そんな感じかな。私個人的にはなかなかいい線行っているというか、非常にバランスの取れた真面目な味だな、と感じました。発泡酒としては合格と言ってもいいでしょうね。
★第43回 2001年6月16日(土)
★酒の名前:吟醸純米酒桃の滴 ★酒造会社:松本酒造株式会社 ★所在地:京都市伏見区 ★ラベルコメント1:「我衣(きぬ)にふしみの桃の雫せよ」伏見の西岸寺に1685年2月松尾芭蕉が任口上人を訪ね、その徳の高さに心を打たれ、出会いの喜びを当時伏見の名物であった桃にことよせて、詠じたこの句は、その徳に一滴でもあやかりたいと願う芭蕉の心がふくよかに香る名句です。「日出盛」の真髄「桃の滴」は、芭蕉の心をわが心として丹精をこめて磨き上げた、味と香りの逸品です。 ★ラベルコメント2:このところ「淡麗辛口」を唱える酒が蔓延しているようですが、当社では「桃の滴」を代表とする「米のもたらす旨みがあってすっきりした味わい」の清酒、手造りの良さを活かした酒造りを継承するため、若手技能者を養成しながら、上質の酒米と桃山の伏水を用い、当社を象徴する仕込み蔵で吟醸しております。「温故知新」が当社の新時代に寄せる醸造哲学です。 なお、本品は燗でもよく冷でもよく、ロックでもその味はくずれません。プレーンソーダ割りやレモンを添えてもよく、(ほんとかよ。管理人談)お好みの呑み方でお楽しみいただけます。
★管理人コメント:さてさて、今日は京都は伏見のお酒です。京都で松本酒造…。なーんだかひっかかる。そういえば!昔横浜に住んでいたときに、近所の酒屋で地酒を買っていたときに、気に入った酒に、京都のお酒で「まつもと」という酒があったが、その松本酒造だ!!と思い出して、なんだか嬉しくなりました。まあ、2年くらい前の話なんで、その「まつもと」という酒の味の詳細まではさすがに思い出せませんが…。しかし、伏見の「まつもと」という純米酒を好んで飲んでいたことは記憶に残っています。(他に新潟の緑川とか、長野の明鏡止水なんかを好んで呑んでましたねえ。横浜にいたときは。話が長くなるけど、酒屋の人に顔を覚えられていて、時々「いい酒が入ったんですよ」なんて試飲させてもらってたこともありました。たまぷらーざのあの酒屋の店主、元気かなあ…。)
ともかく、その、松本酒造のお酒。ふむ、ラベルコメント2にはかなり強気なコメントが書いてありますね。「淡麗辛口を唱える酒が蔓延…」か。確かにそうかな。最近灘の酒なんかでも、ようやくまじめに純米酒造りに取り組みだしたようですが、割とどれをとっても、似た様な味。そう、無難な辛口ですっきりしているけど、なんとなく癖がない、コクのない味に仕上がっている。確かに嫌味はないんだけど、呑んで心に残るものがない。そういったことは私も最近感じていました。そういうからにはインパクトの強い味に仕上がっているのでしょうか。このお酒は。
まあ、とにかく呑んでみましょう。うむ、まずは辛いという印象があり、そしてそのあとずっしりとしたコクが感じられます。いやあ、なかなかしっかり自己主張している味と言う感じ。前回の酒とは好対照の非常に濃い味です。ううむ。さすがにラベルコメントの強気な言い方が納得できます。これぞ日本酒という味ですね。地酒ならわかるんだけど、京都でこういう酒があるとなんだか嬉しくなりますねえ。
このお酒も管理人お勧め、といっても差し支えないでしょう。ああ、くいくい行ってしまう。京都の酒だから、手に入りやすいかもしれません。それだったらなお嬉しいんですがねえ。
★第42回 2001年6月11日(月)
★酒の名前:風よ水よ人よ ★酒造会社:株式会社福光屋K ★所在地:石川県金沢市 ★日本酒度:+3 ★酸度:1.4 ★美味しい呑み方:冷やで 室温または8度くらいに冷やしてお呑みください。お好みにより燗をしても美味しくお飲みになれます。(なんでもいいということだな。) ★味のタイプ:軽快なめらかタイプ(すっきりとした味わいは、素材の旨みを素直に引き出し、どんな料理にも良く合います。
★管理人コメント:さて、今回も純米酒です。石川県のお酒です。さて、常温でまず呑んでみましょう。おお、なんちゅう軽い酒だ。ちょっと拍子抜けしました。あの、甘いでもなく、かといって辛いでもなく。軽いという表現が一番ですなあ。正に水の如しのお酒です。こりゃあ、日本酒が苦手な人でもくいくい行けちゃいそうな、そんな味です。ちょっと、極端な言い方をすれば、本当にアルコール入ってるの?と言う感じ。
まあ、日本酒はどうも、という人にはいいかもしれませんが…。私個人的にはちょこっと物足りないかなあ。まあ、純米酒だから嫌味はないけど、なんだか自己主張に欠ける味ともいえなくもない。もうちょっと癖と言うか、なんか自己主張のある味のほうが私は好きだなあ。
まあ、人の好みはそれぞれというこで…。たまにはこういう軽い味のお酒もいいものとは思いますけどね。
★第41回 2001年6月4日(月)
★酒の名前:雪雀 玄人ごのみ 手づくり純米酒 ★酒造会社:雪雀酒造株式会社 ★所在地:愛媛県北条市 ★日本酒度:+3.5 ★酸度:1.5 ★アルコール分:17〜18度 ★精米歩合:60%以下 ★ラベルコメント:原材料に山田錦と松山三井を使用。精米歩合60%まで磨き上げた特別純米酒です。自然の味とうまみが米100%のなかから楽しめます。 ★呑み方(もとい飲み方) 0〜5度 〇 5〜10度 〇 室温 〇 45〜50度 無印 50度〜55度 × (つまり燗するなってことだな。)
★管理人コメント:はい今回のお酒も羅生門さんにご提供いただきました。感謝感激です。なにやら、松山へ仕事で行かれたときに空港で購入いただいたものとのことです。心して味わいます。
ところで、ふと思えばこれで四国四県のお酒をすべて取り上げたことになりますな。第32回の綾菊は香川県。第24回のなると たいは徳島。高知は何度か取り上げてますよね。土佐鶴と船中八策だったかな。
で、今回は残る1つ。愛媛県のお酒です。まずは常温で。うむ。ちょっと辛口という感じ。非常にコクのある辛口な味が口の中に広がります。まあ、かなりきつい味といえますね。これはアルコール度がちょこっと高めなのも関係しているのかもしれません。
でも、辛いといっても、そこは純米酒。香りもいいし、すっきりした辛さで全然嫌味はありません。そういえば、辛口というコメントは案外久しぶりかな。うん、なかなかいいですな。こういう酒は辛いのが苦手な人は冷やしてのむといいでしょうね。で、辛くないとダメな人は常温で行くのがいいでしょう。
まあ、まとめると軽めの辛口の酒で、すっきり、きりりとした味わいというところでしょうか。これも旨い酒です。羅生門V(なんだか一発目の変換がこれだったのですが気に入ってしまった。)もとい羅生門さん、ありがとうございました。
★第40回 2001年6月2日(土) おお、思えば40回。よくもまあ、これだけ呑んだものだ。
★酒の名前:樽平(特別純米樽酒) ★酒造会社:樽平酒造株式会社 ★所在地:山形県東置賜郡川西町 ★日本酒度 +3 ★精米歩合 60% ★ラベルコメント(今回も長い) ・甘辛:樽平は+3 プラスの数字が多いほど辛くなります ・無添加:樽平は伝統の手造りで、醸造添加物を入れない米だけで造った清酒です。 ・米:山形県産ササニシキを100%使用しています ・質:酒の良し悪しは何と言っても、米と水の質の良さ。それに清浄な気候と風土によります。樽平は全国でも稀な自醸酒100%手造りのお酒。 ・色:米だけで醸られたもろみをそのまま搾ると、自然な色がついた酒になり、それを濾過すれば色は取れますが、酒の旨みの成分や香りなどを大切にするために、濾過をしないことや、味を整えるために長い間熟成させ、最後の仕上げに一定期間吉野杉の「甲付樽」(特別な樽)に入れることにより昔ながらの酒本来の色・山吹色(黄金色)になります。 ・珍味:酒の肴には漬物(晩菊)・山芋・鯛の甘煮(米沢六十里鯛)雪割納豆等おすすめします ・お召し上がり方:人肌程度で、またそのまま常温ですとさらにいっそう美味しく召し上がれます。
★管理人コメント:はい、このコーナーでは初めての樽酒!です。樽酒って、独特の樽の風味が味に出るんですよねえ。なんともいえないんだ、これが。
さて、ラベルコメントによれば、常温ということですので、冷蔵庫から出して、はやる心を抑えてしばし常温になるまで待ちます。(その間にラベルコメントを打っているんだよな。)そろそろ常温かなー。さて、一口。とその前に。おお、色が黄金色だ。本当に。愛用の益子焼の器に入れても色がはっきりとわかります。普通の日本酒って無色透明なんですが、本来は日本酒はこういう色をしているんでしょうなあ。おそらく。
さて、ひゃあ、これは…。なんとも、甘い、というか口にとろりとした味とどことなく木の風味(これが樽酒たる所以なんでしょう。)が広がる。なんだか、心に染み渡る味。涙が出そう。なんだか心を揺さぶられる味です。思わず、肴に手をつけないで、ごくっと一杯目を飲み干してしまいました。いやあ、いいですね。
このお酒、実は昨日ものんだのですが、いつもの四合瓶と違い、五合瓶。ついつい呑みすぎてしまい、今朝ちょっと頭が重かった…。でも、なんだか、とても気に入ってしまった。これは迷わず、もう一度飲みたい酒、に上げられるでしょうな。で、このお酒、五合瓶だけど、値段が結構お手頃でした。いつも買っている純米酒の四合瓶よりも少し安い。それを考えるとさらに美味しさが深まる。さて、もう一杯。うむ。五合瓶2日で空いてしまいそうですな。
惜しむらくは、ちょっと臭みがあること。まあ、酒ってくさいものかもしれませんけど、ちょっと鼻につく一歩手前くらいの、臭みがある。なんか、チーズ系の醗酵みたいな感じの臭み。私はあまり気にならなかったけど、鼻が敏感な人には少し気になるかもしれない。それが唯一残念です。それをのぞけば、管理人としてはお勧めの一本です。
★第39回 2001年5月28日(月)
★酒の名前:南部杜氏 特別純米酒 ★酒造会社:株式会社宝峰 ★所在地:岩手県石鳥谷町(なんとよむ?地図で偶然発見しました。いしどりやまち、のようです。高校時代の地図帳は便利だ!) ★ラベルコメント (長い!)酒造り職人のことを蔵人(くらびと)といい、蔵人の長を杜氏と呼びますが、蔵人を総称して杜氏と呼ぶこともあります。
岩手の南部杜氏は日本七大杜氏の一つで、日本最大の杜氏集団を誇っております。南部杜氏は毎年2200名が東北はもとより北海道から関西地方まででかけて酒造りをしています。岩手は正に酒造り技術者のメッカといえましょう。
南部杜氏の大先覚で南部藩主の御膳酒づくりを司った酒司(さかじこ)稲村徳助翁は、南部杜氏の開祖として敬仰されていますが、宝峰はこの稲村翁の玄孫がいまも経営に当たっており、南部流酒づくりの技術と輝かしい伝統をひたすら育てているのであります。
磨きぬかれた切れ味、すっきり型で飲み飽きしないのが南部流酒造りの奥義でございます。じっくりと山紫水明の恵みをお楽しみください。
特別純米酒宝峰「南部杜氏」は、最高品位の米と米麹のみを原料として、南部杜氏開祖「宝峰」の名杜氏滝浦敬一が、永年の心技練磨の結晶として醸しだした日本酒の面目そのものであります。
最高品位の酒造好適米は、ぜいたくに40%以上も削られ、純白の小粒の真珠のように磨き上げられて、山紫水明の岩手の清水の恵みを受け、蒸米から米麹、酒母、そしてもろみへと姿を変えて参ります。
精進潔斎。杜氏、蔵人の酒造りんい取り組む姿は、大自然と人間の相克であり、調和であり、母親の吾が子に対するが如く淡々とした中にも全身心を打ち込んだ姿は、まさに「只管作務(しかさむ)」なのであります。醗酵調熱したもろみは、いよいよ名指揮者によるオーケストラの如く、六根にしみいる最高調の調べの極みとなり、そこを静かにしぼられて、ここに芳醇無比、陶然たとえようのない、自然の恵み、特別純米酒宝峰「南部杜氏」が誕生いたします。
さても「呶呶(どど)を 要せず」の声あり
今宵一献、しばし陶酔境
(以上原文のまま)
★ラベルコメントに関する管理人コメント:いや、言葉もありませんな。なんだか、酒樽にとっぷり浸かったような心境になるコメントです。やたら四字熟語や古語と思われる言葉(もしかしたら、語感から漢詩なのかも)が多く、理解不明な点も多いですが、なんだかすごいコメントです。これはなんだか疎かに味わえない、ような気分になりますが…気にしない、気にしない。
★味に関するコメント:まずは常温で。うむ。なんだか上品な味、というか…。辛いんだけど、すっきりしている。で、適度にコクもある。でも平凡な味ではない。うむ。敢えて表現するとしたら、なんだか豊かな味、という感じ。まあ、いろいろ言葉はあるけど、やっぱり旨いってことですな。うん。濃い味でかつ、それなりにすっきりしている。そんな感じ。
常温というか、少し冷たいに近い常温ですが、常温で呑むと少しきついかもしれない。冷がお勧めの呑み方だと思います。このお酒もお勧めの逸品と言えるでしょうね。
★ちなみに箱には“日本七大杜氏の酒”と書いてあり、南部杜氏(岩手県)、越後杜氏(新潟県)、丹波杜氏(兵庫県)、但馬杜氏(兵庫県)、三津杜氏(広島県)、出雲杜氏(島根県)、柳川杜氏(福岡県) の名前があがっています。全部呑んでみたいものです。(おいおい。)
★第一回〜第三八回まではバックナンバーのコーナーに移しました。