●迷酒呑みある記第116回〜第133回


★第133回 2006年1月27日(金)

★酒の名前:きろく(漢字が出ません・・・。) ★酒造会社:株式会社黒木本店(宮崎県児湯郡高鍋町) ★原材料:甘藷、米麹 ★アルコール度:25度 ★ラベルコメント1(表面):境地、五感を越え魂に至る「きろく」即ち、超然也。 ★ラベルコメント2(裏面):宮崎児湯の台地で育てた彫りたての芋で仕込んでいます。手造りの黒麹と自家農園(農業生産法人「甦る大地の会」)と地元生産者グループにて栽培した芋(黄金千貫)を原料とし、その日に掘った芋をその日のうちに仕込み、最良の仕込み水と自社培養による独自の酵母を用いて、昔ながらの「かめ」にて酒母を造り、二次仕込み、蒸留を行い二年間以上熟成貯蔵し仕上げました。まろやかな風味をお楽しみください。 自家農園 (農業生産法人「甦る大地の会」)は焼酎カスの肥料を使い、有機農法とリサイクル、地域循環型農業に取り組んでいます。

★西管コメント:じゃじゃじゃーーん。このお酒も、前回の七夕同様、取り上げたくて、皆様に紹介したくて、仕方がなかったお酒のひとつです。そう、このコーナーの基本原則として、自分の手に入った酒のみ紹介するというスタイルを貫いていますので、結構店で呑んで美味いと思っても、紹介していないお酒ってのが多々あるんです。特にプレミア焼酎と言われるものの中には・・・。例えば・・・もぐら、桜井無濾過、山猿、赤とんぼの詩、中々・・・・。

 そして今回の“きろく”(漢字がでないので以後この表現で統一します)もそんなお酒のひとつでした。そう・・・もう過去形です。そう、近所の酒仙堂フジモリさんのおかげでこのお酒もいとも簡単に手に入ってしまいました。(無造作にレジの横に積んでいたぞ・・。)

 このお酒も、良く話題に出てきます、西田辺の酉屋(そういえば、最近行ってないなあ。店主は元気かなー)にて出会った焼酎です。まあこれは結構ちょっと焼酎の品揃えのいい飲食店だと置いているところもあるようですが・・・しかし西管は店で見たことはありませんでした。だから、前回の七夕同様、酒仙堂フジモリで見つけたときは嬉しかったねえ・・・。丁度家に遊びに来られた会社の先輩(この方もお酒が好き)といっしょだったのですが、即買い決定でした。

 ということで、ようやく待ち人に出会えたような気分で、この“きろく”味わってみることにしましょう。まずはストレートで・・・。さすがにちょっときついか、と思いきやさほどきつくない。アルコールのきつさは若干あるけれど、妙に甘味と酸味のバランスが取れている。思ったよりストレートでも呑みやすいですね。ロックだとなおさらいい感じでしょう。でも、やはり西管の好みはお湯割り。さてお湯割りにして呑んでみましょう。

 おお・・・・恍惚の瞬間・・・。呑む前から鼻に甘ーい香りが抜けて・・・舌にはなんともいえぬ味わいがあります。苦いというか甘いというか。かなりヘビーな味。擬態語で表現して申し訳ないですが、とにかくズガーンって感じなんですよねえ。ストレートの時はそう感じなかったのですが、やはり黒麹の芋焼酎。ずずーんと強烈なパンチがきます。ちょっとお湯割が濃すぎたのか、思っていたよりもパンチがきついですねえ。この味だと、一般的にはお湯割りは決して飲みやすくはないかもしれませんね。特に焼酎初心者の方には・・。でもこのパンチ力と絶妙の切れのよさは芋焼酎好きの魂を揺さぶる味ですなあ。まさにコクがあるのに切れもある。とにかく、すっぱい、苦い、甘いが全部自己主張している感じ。このパンチの効いた濃い味でありながらも、切れのよさもまた天晴れ。濃い味の酒にありがちないやみもまったくなく、切れ味さわやか。いやあ魂を揺さぶる味です。いいですねえ。

 ということで、思わず絶賛してしまったこの“きろく”ですが・・・まあしかしかなり上級編の味と言えるのは間違いないですね。とっつきにくいと感じる向きも多いかと思います。お湯割りよりはロックの方が最初入りやすいかもしれません。こういう味ですから、濃い味の料理には合うかな、と思いますけど塩辛い味付けの料理にはちょっとお勧めできないかもしれません。敢えて言うと塩の焼き鳥よりたれの焼き鳥、という感じですかね。

 まあとにかく強烈な個性と味を持ったこの“きろく”。芋焼酎好きの方は是非お湯割りで楽しんでみてください。イヤハヤ・・・極楽極楽ですなあ。素晴らしい酒とともに・・・金曜日の夜は更けてゆきます。


★第132回 2006年1月15日(日)

★酒の名前:薩摩たなばた 無濾過仕上げ ★酒造会社:田崎酒造株式会社(鹿児島県日置郡市来町 

★西管コメント:2006年初更新です!!と思ったら・・・10月22日以来更新してなかったんですなあ・・・。まあこの間、胃カメラ飲んだり引越ししたり、結婚の準備やらでバタバタしてましたからねえ。この間酒を抜いていたわけではないのですが・・・。まあいずれにせよ久々の更新です。

 さて、今日のお酒・・・。語ると長くなりますが・・・。いわゆるプレミア焼酎というほどでもありませんが、このたなばた無濾過。店で飲んだことは多々あるのですが、酒屋で見たことがない!という数多くの焼酎のひとつ・・でした。そう・・・過去形。でも、見つけました!!前にこのコーナーに書いたかもしれませんが、西管の基本姿勢として、原則自分で手に入れられた酒だけを取りあげるようにしています。つまり・・・このコーナーで取り上げるということは、購入できたのです。しかも、プレミア価格ではなく、正当な価格で。

 実は西管が引っ越した家から徒歩15分くらいのところに、その筋では有名な酒仙堂フジモリさん、という酒屋さんがありまして・・・。実は西管も店の存在は前々から気づいていたのですが、引っ越した先のそんなに近くだった、ということはすっかり失念しておりまして・・・。ふと地図を眺めていると・・・思ったより近くにあることに気づき・・早速行ってみたのです。

 それは年末の仕事納めの翌日。友人宅で鍋をするので、焼酎でも持ち込もうと思い、どうせならと初めて酒仙堂フジモリさんに足を運びました。店はそんなに大きくありませんが・・しかしあるわあるわ・・・。日本酒、焼酎のてんこ盛り。そして、隅のほうにさりげなく・・・このたなばた無濾過が置いてました。即買い!でしたね。このたなばた無濾過、例の、西管が焼酎にハマるきっかけともなった、西田辺酉屋にも常備しているお酒です。酉屋の中でも西管のもっともお気に入りの焼酎でした。その後酒屋に行くたびに、探したものです。そう、第108回でも取り上げたとおり、普通の七夕は比較的流通量も多いようで、ごく普通の酒屋さんでも入手できるのです。でもこの無濾過のたなばたは・・・・店で初めてみました。すっかり感動しました。

 ということで、このたなばた無濾過、年末年始に西管や西管の家に来られたお客様にも味わって頂き、もうすぐ1升が空いてしまいます。空っぽにならないうちに、書いておきましょう。まずは原液ストレートで味わってみましょう。香りは甘い・・。鼻にツーんと抜ける感じ。普通の芋焼酎よりもきつく感じる匂い。いついけど、いやみではない。苦くてでもフルーティー、そんな表現がぴったりか。そして、飲んでみる。味も香りそのままですね。きついのではなく、甘いと苦い。複雑な風味。濃い味。これが幸いして、原液で飲んでもあまりアルコールのきつさを感じることはない。かといって味気ないわけでなく、しっかりとしたコクのようなものを感じる。なんと言えばいいのでしょう。そう、ストレートで飲めるのに、ちゃんと味が自己主張している。その辺のバランスが絶妙。だからこのお酒は焼酎が苦手な人でも飲めて、焼酎が大好きな人でも楽しめる。そんな味と言えるでしょう。なんとも良いお味です。

 そしてお湯割にしてみましょう。おお、なんとも上品で、かつしっかりした味。その個性は湯割りにするとますます冴える感じがあります。そして無濾過焼酎特有の、飲んだあとに引く甘味というか苦味。イヤハヤ、絶品ですなあ。無濾過焼酎の独特の癖をを持ちつつ、この飲みやすさはいかに・・・。ちょっと西管的には降参・・・と言いたくなる味と言えましょう。味を表現するとすれば・・・一口目はさらりとすっきり。しかしそのあとさわやかな苦味・甘味。酸味が一体となった一種フルーティーな味が抜けていきます。もう恍惚の世界ですね。

 いやあ・・・何とも・・・一升瓶がなくなってしまうのが心底悲しくなるような、そんな西管の魂を揺さぶるような一本でした。是非また買って家で飲んでみたいですね。西田辺酉屋さんに行けば当然呑めるのですが・・・しかし家でのんびりも呑んでみたい・・というのは酒飲みの自然な欲求だと思います。酒仙堂フジモリさんの店主のお話では、定期的に入れている銘柄のようですので、マメに通えばまた手に入るのでは、と思います。灰色ラベルの古酒も置いてあるそうで、こんどはそっちに挑戦したいなーーと思いつつ。

 イヤハヤ久々に力が入ってしまいました。いい酒に出会いました。そしていい店に出会いました。幸先良くスタートできた2006年版迷酒のみある記。今年も皆様のご愛読をお願いします。まあ肝臓をいたわりつつゆっくり更新していきたいと思います。


★第131回 2005年10月22日(土)

★酒の名前:奄美黒糖焼酎 しまっちゅ伝蔵  ★酒造会社:喜界島酒造株式会社(鹿児島県大島郡喜界町) ★アルコール分 30% ★原材料:黒糖、米麹

★西管コメント:さて、今日は黒糖焼酎を取り上げてみましょう。実は西管は自他共に認める焼酎好きですが、これまで芋、麦、米、蕎麦、こんぶ、ゴマなどの焼酎は飲んだことがあるのですが、黒糖焼酎については、記憶の範囲では飲んだことがありません。ということで、近所の酒屋で売っていたこの商品を購入してみました。しかし、変わっ名前ですね。しまっちゅ伝蔵ですか・・。なんか由来がある名前なのかもしれませんが・・・ラベルコメント等もなくわかりません。気が向いたらインターネットででも調べてみようかとおもいます。

 さて、飲んでみましょう。とその前に・・・アルコール度が少し高めですね。芋や麦なんかは比較的25%が多いのですが、これは30%。黒糖焼酎は30%のものが主流なんですかね。まあいつも飲んでいるのに比べて5度強いので飲みすぎに注意と言う感じですね。

 まあとにかきストレートで一杯。ふむ・・・味としては蕎麦焼酎によく似た感じ。あまりきつい味ではなく、ストレートでも全然呑みにくくないです。アルコールっぽさもそんなにきつくなく、30%という濃さをあまり感じさせませんね。全般的にほのかな甘味がして、いやみはない味。あっさりして呑みやすいですな。ストレートでの感想はそんな感じ。でもだんだんとアルコールのきつさが出てくるので、お湯で割ってみることにしましょう。

 さて、お湯で割る割合ですが、味がすっきりなので、焼酎が多目の6:4くらいで呑んでみたい気もしますが、しかしアルコール度数が30%と高いこともあるので、あまりアルコールきつさが出ないよう5:5で行ってみましょう。そうすると、甘いの勝った甘酸っぱいという感じになります。お湯割ならこの5:5が正解ですね。いい感じの味でまことに呑みやすい。

 まあしかしこの味だと正直言って、西管的にはインパクト不足ですね。西管としてはこういうさっぱり系焼酎よりは、芋の癖のある方がいいですね。けどしっかりアルコールは30度ありますのでよく回ります。呑みすぎ注意です。

 まあまとめると甘いというか香ばしいような感じ。ホントなぜかそば焼酎の味とよくにている。あっさりしているけど結構奥が深い複雑さも感じる。そんなところでしょうか。お勧めは5:5のお湯割り。西管的には味にもうひとつインパクトがほしいと思いますけど、万人にも呑みやすい味になってると言えるでしょう。黒糖焼酎もなかなかいいものですね。


★第130回 2005年10月10日(月)

★酒の名前:金沢の地酒 加賀鶴 純米酒 ★酒造会社:やちや酒造株式会社(石川県金沢市) ★原材料名:米・米麹 ★精米歩合:65%

★西管コメント:今日のお酒は頂きものです。会社の前の部署の先輩から頂いたものです。このHPでも幾度か書き込みを頂いたことがある方です。ここでは仮に?ジョーカーさんと呼ばせて頂きましょう。ジョーカーさんありがとうございます。

 このお酒はジョーカーさんが金沢へ旅行されたときにお土産として購入されたものです。写真の撮り方が悪いのでちょっと見えにくいですけど、ブルーのとても綺麗な瓶です。実はこの瓶の蓋の部分は実はグラスになってまして・・・これもなかなか綺麗です。グラスは当然お酒を飲んだ後も再利用できそうですけど、この瓶についても再利用できそうなくらい綺麗です。

 さて、とにかく瓶がすばらしいこのお酒。味の方はどんなもんでしょうか。冷蔵庫で冷やして味わってみましょう。おお、なんともすっきり澄んだ味です。でも決して水の如しと言う味ではなく、根底に米の風味と日本酒らしい酸味というか、コクが漂っている、そんな感じの味ですね。金沢の地酒ということですが、その町の雰囲気そのままの、上品で優雅で洗練された味という感じですね。特にすごい癖があるわけではなく、ただ誰が飲んでも美味しいと思えるそんなお酒です。洗練という言葉がぴったりと言えるでしょう。

 いやあ、日本酒はいいですねえ。ここのところ焼酎に極端に偏っていましたが、日本酒もすばらしいですね。ジョーカーさん本当にありがとうございました。これから日本酒も美味くなる季節です。また美味い酒を飲みに行きましょう。よろしくお願いします。

 

 


★第129回 2005年9月10日(土)

★酒の名前:発泡酒 麦香る時間  ★酒造会社:アサヒビール株式会社 東京都中央区 ★原材料:麦芽、ホップ、大麦、発芽玄米、スターチ ★麦芽使用量 25%以上 50%未満  ★アルコール分 5.5% 

★ラベルコメント:・麦芽使用量を約2倍(当社本生比)としました ・フルーティーな芳香を持ちながらしっかりとしたコク・苦味の調和した発泡酒です

・アサヒ787号酵母(愛称:リッチ酵母)を使用 ・発芽玄米を醸造肯定で使用(130mg/100ml)

★西管コメント:それは勘違いから始まりました・・・。なーんて言ったら怒られそうですが、まあ事実なので仕方ありませぬ。そう、このお酒発泡酒とは思わずビールと思って購入しました。ほら、モルツのプレミアムとか、ビール職人とか、こういうパッケージで普通のビールよりちょいと高いけど、その分本格ビールの味が楽しめます、っていう商品は他社から出ているじゃないですか・・。

 で、先入観とは怖いもので、このお酒もてっきりそうだ、とパッケージだけ見て勘違い。これって発泡酒なんですねえ。なーんだ、発泡酒か・・・と拍子抜けしながら、ラベルを見ます。ふむ・・麦芽を沢山使っているか・・。でも本生自体が抜けたような味ですから、それの2倍になっても大したことはなかろう・・・と思いつつ・・・。

 まあとにかく呑んでみましょう。たかが発泡酒。大したことなかろう・・・。小生正直、あまりアサヒのお酒に味を期待していないのが正直なところ。今回もまああまり期待せず・・といったら起こられそうですね。うむ、先入観なしで行ってみましょう。

 さて、色は普通の発泡酒の色ですね。若干濃いような気はしますが、目の錯覚程度、誤差の範囲程度。味は・・んん?おおお?おお・・・がんばってるねえ・・。声が自然に出ました。そう、発泡酒でありながら、結構しっかりした苦味を持っています。しかも苦すぎない・・・。大変発泡酒としては極限までビールに近い味と言えるでしょう。ここまで来ると・・・・ビールと区別がつかない・・・と書きかけたもののさすがにそれは言い過ぎですね。よく味わうとやはり発泡酒らしい味の浅さというのが見え隠れします。

 特に味の濃いもの(今日の当ては焼き鳥)をアテにしているので、ビールの味は若干ゆるく感じられるはず。そう思うとまあこの味は健闘しているんじゃないかな、と思う。まあ最初の第一印象のをを!というのはえてして当てになると思いますので、西管的には○ということになるでしょう。

 まとめると、発泡酒でありながら、ビールに近いを志した発泡酒。だから、発泡酒特有(特に最近多い)ののど越し感だとか清涼感だけを求める向きには決してお勧めできませんが、まあ発泡酒の値段でビール気分を味わいたい、という切実なエコ・ビール党の方にはお勧めできるかもしれません。尤も今発泡酒と言えば前述のとにかく味がしない、というのが主流のようですから、この麦香る時間がどれだけ売り上げを伸ばせるか、興味があるところです。でも、アサヒらしからぬパッケージも奏功し、結構売れそうな気がしますね。

 


★第128回 2005年9月4日(日) 

★酒の名前:音楽振動 デカンショ節の酒 夢の扉 ★酒造会社:鳳鳴(ほうめい)酒造株式会社(兵庫県篠山市) ★ラベルコメント:音を振動に変えることによって、初めてお酒が音楽(デカンショ節)を訊くことができました。神秘的でマイルドな口当たりをお楽しみください。 ★ラベルコメント2:デカンショ節 ♪丹波篠山山家の猿がヨイヨイ 花のお江戸で芝居する ヨオーイヨオーイデカンショ

★西管コメント:さて、今日は日本酒です。兵庫県は篠山市の地酒。鳳鳴です。実はこのお酒、ご友人と篠山に旅行に行ったあやさんniお土産に買ってきて頂いたものです。ありがとうございます。(実は・・・篠山旅行と聞いて「鳳鳴・・・ほしいなあ」という小生の殆どおねだりのような呟きを聞いてくれてありがとうございます。この場を借りてお礼を言いたいと思います。)

 さて、鳳鳴酒造のお酒は確かのこのコーナーで2002年の年始くらいに取り上げた記憶があります。何でもお酒に音楽を聞かせながら醸造しているという特徴のある製法を行っていることで有名です。確か前に取り上げたものは、モーツアルトを聞かせていた、ということですが、このお酒はなんとデカンショ節を聞かせているとのこと。デカンショといえば、篠山で一年に一回行われている大きなお祭りで、そこで流れているデカンショ節を聞かせて醸造したお酒とのこと。きっと、篠山らしい、そんなお酒に仕上がっているんでしょう。

 まあとにかく呑んでみましょう。とその前に、ビンは真っ黒のビンですが、この夢の扉という文字の形がなかなかいい感じ。デザインがいいですねえ。と瓶を気に入って、次に味のほうは・・・うむ。非常にすっきりしてますね。でもきちんと酸味と辛味もあり、なかなか済んだ味。おだやかな味という感じです。派手さはなく、呑みやすい。けど軽くない、そんな味です。

 まさに篠山という町にぴったりの味じゃないかな、と想像しますね。(残念ながら西管は篠山市内をじっくり観光したことはありません。何度も通ったことはありますが・・。だから想像します、という表現になってしまうのですが・・。)音楽を聞かせるとお酒の味にどんな効果があるのか、その辺の科学的説明というのは、西管もよくわかりませんが、しかし何だかこのお酒を飲んでいると頭の中にはおだやかな平和な空気の美味しい街という風景が目に浮かびます。醸造時に聞かせた音楽が舌の中で流れ出す、そう考えると何だか楽しい気分、楽しい酒になりますよね。

 なかなか味も雰囲気も楽しめる一本でありました。あやさん、ありがとうございました。


★第127回 2005年8月3日〜7日    :キリンチルドビール呑み比べの巻

 さあて、今日はビールです。実は近所の酒屋でキリンのチルドビール3本とグラスがついて、700円ちょっと、というセールをやってまして・・・で早速購入した次第です。まろやか酵母は第106回で取り上げていますので今回は割愛。残る二つの味比べをしてみましょう!!

 まずは一番右の豊潤から。と・・飲む前にふつふつ沸いてきた疑問。チルドビールとはいったい何ぞや??まずは三本のビールとグラスが入っていた箱を見てみますと・・キリンのチルドビール3つの約束と書いてます。

@無濾過 A冷蔵配送  B賞味期間60日・・・とのことですが・・製法に関わるのは@だけなのかな・・・。もうちょっと詳しくインターネットで調べてみると・・・

 なるほど・・・やはり単に@の無濾過が特徴なようです。で、無濾過だからフレッシュな味が楽しめる反面、菌とかが生きているので長持ちしない(つまり放っておくと酢になると思われる)んでしょう。それでもって要冷蔵=チルドビールってなことだそうです。ふむふむ。

 まあ理屈は置いておいて呑んでみましょう。今日は暑いのでよおく冷やして(風呂に入っている間冷凍庫に入れたった)呑んでみます。ふむ・まずは色がが濃いですねえ。ハーフアンドハーフみたいな感じ。それに加え、薄い白いにごりのような色がついている。この辺が無濾過の証拠なんでしょうな。味のほうは・・・ふむ・・・苦味が強いですねえ。ビールに欠かせない苦味がきます。でもその苦味が後に引き過ぎない。つまり・・・別のビールのキャッチフレーズのようだけど、まさにコクがあるのに切れもある。そんな感じですねえ。なんというか、本来ビールがもつべき苦味を少し今風にアレンジしたとでも言うべきでしょうか。非常にバランスが取れた味と言えるでしょう。まさに造り手のこんな味を作りたかった、という意図が伝わってくるような味ですね。

 ちょっと苦味があって、味はしっかりしているのですが、前述のとおりキレもあるので夏でも美味しく楽しめるでしょう。なかなかいいですね。賞味期限が短い、値段が高いという欠点はありますけど、一度は呑んでみてもいいのでは、と思える代物です。

さて、次に真中のWhiteAle。まずは色から見てみましょう。ふむ・・・色は普通のビールっぽい感じ。しかし、やはりうっすらと白くにごっています。この点は前出の豊潤と同じです。さて、お味の方はどうでしょうか。・・・うむ・・・先ほどの豊潤に比べるとずいぶん軽い感じがしますね。軽いけど味の方は結構複雑です。何というか・・甘にがい・・。ホップの味ともいうのでしょうか。ある意味フルーティーと言ってもいいような、そんな風味が漂います。軽いけど、味はしっかり。こちらは切れがあるのにコクガあという感じ。飲みやすいけど、決して物足りなくない。微妙なバランスの味ですね。味としては軽いというコンセプトがメインだけど、根底に流れるものはしっかりしている。いやあ、これもなかなかいいですねえ。

 ということで、まとめに入りますけど、まあ3本に共通するのが麦のすっぱさというか苦さ。これがきっちり含まれています。こういうのを呑むとビールってのは本当に麦の酒って実感でますねえ。本来ビールはそうあるべきなんですけど、今のビールはハッキリ言って麦の味がしない。単なる清涼飲料水に成り下がっているところがあるなあ。そんな現状に不満を持っているビール党の方には是非試して頂きたいですね。

 なかなかどれも素晴らしい3本セットでした。


★第126回 2005年7月24日(日)

★酒の名前:雨後の月純米大吟醸 ★酒造会社:相原酒造株式会社(広島県呉市仁方本町) ★原材料:広島県産雄町(全量) ★日本酒度:+4 ★精米歩合:40%(全量) ★酸度:1.2 ★使用酵母:協会9号・自家酵母 ★杜氏:堀本敦志

★西管コメント:今日は日本酒です。

 このお酒、ほかのコーナーにも書きましたが、西管の前の職場の方から頂いたものです。その方の学生時代の友人の方が勤められる酒造会社が造っているお酒とのこと。純米大吟醸!です。すごいです。頂いてよろしいのやら・・・。すっかり恐縮してしまいます。どうもありがとうございます。

 さて、この雨後の月ですが実は取り上げるのは3回目。112回と114回で吟醸純米と生酒を取り上げています。今日は純米大吟醸!!精米歩合は40%。つまり米の40%のうまい部分のみ抽出したものです。純米であり、大吟醸・・・。こいつは楽しみです。さて飲んでみましょう。今日のアテは冷奴・・・です。夏のアテはこれが一番!!冷やの日本酒にも最高にマッチします。 

 うむ・・・やはり強烈に酸味というか、米のツンとした感じのいわゆる尖った感じの香りが特徴的ですね。ある意味、ちょっと薬っぽいようなそれでいて米の個性を伝えてくるような・・前に飲んだもの同様味と香りのインパクトは相当なものです。なかなか表現は難しいでが。酸っぱさ甘さ辛さそういったものがどれも強烈に自己主張しているそれでいて全体がうまくまとまっている。まあそんな味です。まあ大吟醸だけあって、前に飲んだものに比べると幾分味も丸く感じますけど、いやいや、十分訴えかけてきてくれる味です。というか、上品さと癖のある感じがうまく調和していて・・・この銘柄の中でもバランス面を重視した味と言えるでしょう。

 正直この味はまりそうですねえ。世の中端麗辛口ブーム、というわけでもないでしょうが、有名な酒の中でも水の如くという味のものがもてはやされる風潮がある中、この味のインパクトはなかなか貴重だと感じます。西管はよく「万人向け」という表現を使いますけど、これってある意味,、けなすわけじゃないけど・・癖がないということの裏返しなんですね。このお酒はそういう意味では個性溢れるお酒です。この感じでの酒造りを是非続けてほしいと思いますね。

 このお酒は梅田の阪急百貨店で購入できるそうです。西管にとっては度々飲んでみたい、そんなお酒です。また購入してみようと思います。そう思わせてくれるこれも名酒です。当然個性溢れる味ですから、万人向きではありません。でも好きな人にとっては本当にやめられまへんな・・・というお酒でしょう。


★第125回 2005年7月16日(土)

★酒の名前:五年貯蔵昔造り ★酒造会社:綾菊酒造株式会社(香川県綾歌郡綾上町)

★西管コメント:さてはて・・・今日は米焼酎です。最近暑いですからねえ・・。芋焼酎はお湯割りと決めている西管にとって、この季節は芋焼酎はあまり飲みたくありませんね。で、ロックで飲むのは何がいいか・・。まあ必然的に麦か米でしょう。西管的には麦は水割りで軽くスイスイ飲むというスタイルを好みますので、ロックで飲むとしたら選択肢は米焼酎になります・・・。

 なーんて深く考えたわけでもないですが、ふと難波の焼酎オーソリティーに立ち寄る機会がありましたので購入してきたのがこの焼酎です。焼酎といえば、九州が本場ですが、この焼酎は四国の香川県の産です。実は、この綾菊酒造の日本酒はこのコーナーでも第32回で取り上げているんですねえ。そのときのコメントではなかなか良い味出している!というコメントを書いた覚えがありますので・・・結構今回も期待しています。

 飲んでみましょう。米焼酎は当然ロックで・・。ふむ・・・甘いというかすっぱいと言うか・・。まず米焼酎にしては味が濃い。こってりしてますね。結構癖のある甘さがきて、それがかなり後を引く。この味は好みが分かれそうですけど・・・西管はどちらかというとかなり好きですね。

 あの・・日本酒でも古酒みたいな名称のついた物が時々売ってますよね。ちょうどああいう味なんですねえ。妙に古風な味というか・・・。まあ日本酒を造っている酒造会社の米焼酎、と言って納得できる味です。ちなみに、小生米焼酎はロックか百歩譲って??9対1(勿論焼酎9ですがな)の水割りと思っているのですが・・これだけ味がしっかりしていたら、お湯割りでもしっかりと味わえるのではないか(つまり味がブレない)と思い、試してみました・・。すると、やはり思ったとおりお湯割でも十分に飲めますね。しっかりした味です。

 まあ、結論付けるとすれば、まずとても味が濃くてどっしりした、米焼酎には珍しいタイプ。癖があるけど、焼酎のアルコールの強さを感じさせない、そういう西管にとってはとてもやさしい味に感じた、そんな一本です。万人には勧めませんが、興味のある人はどうぞ、西管は結構好き、ということになるでしょうな。


★第124回 2005年6月12日(日)

 ★酒の名前:吉兆雲海 ★酒造会社:雲海酒造株式会社五ヶ瀬第2工場(宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町大字三ヶ所) ★原材料:しば、麦麹、米 ★ラベルコメント:数多くの伝説が伝わる神々の里宮崎。その日向灘深くに眠る日向灘黒潮酵母と野趣あふれる風味を醸す伝統の黒麹仕込みの技がこの五ヶ瀬の地にて巡り合い造り上げた今までにない深いコクと浪漫にみちた味わいの本格そば焼酎。

★西管コメント:今日は蕎麦焼酎です・・・。蕎麦焼酎を取り上げるのは実は初めて。蕎麦焼酎といえば、そんなに銘柄もたくさんあるわけではないので、この雲海というブランドは皆様もよくご存知でしょうし、小生もなじみがあります。昔々、焼酎ブームなんてかけらもないころから「蕎麦焼酎♪雲海♪」なんていうCMソングでTVCMなんかも流していました。その雲海酒造の蕎麦焼酎です。

 小生、雲海酒造は蕎麦焼酎のイメージが強いのですが、インターネットで調べると米や麦も作っているようです。麦焼酎は「いいとも」なんかが有名のようです。「いいとも」なんかは4リットルくらいのペットボトルに入って安売りされているのを良く見かけるのですが、乙類の焼酎なんだなーと今気づきました。(失礼ながら・・・甲類と思っていた・・。)

 それはさておき、雲海酒造といえば、緑色のビンのノーマル雲海を思い出すのですが、この吉兆雲海はちょっとビンの色も雰囲気も違う。おそらく、ちょっと高級志向というか限定品なんでしょうな。ちょうど薩摩宝山と吉兆宝山の関係のように・・。しかしそうなるとちょっと名前のオリジナリティーがあまりないような気がしてしまいますが・・。

 まあ呑んでみましょう。芋焼酎以外はロックで!というのが小生の主義ですのでロックで・・。ふむ・・ううーむなんともしょっぱいようなこうばしいようなすっぱいよーな・・。あの、そば焼酎の良さってのはほのかな甘みだと思うんですよね。それがこの吉兆雲海は・・・甘みが不思議な辛味というかコクに消されてしまっている・・・というか、いや消えてはいないんですけど・・・どうも味が複雑すぎて少し不協和音のようになっている感じが否めませんね。

 まあこの辺は好みの問題の部分もあるかと思いますが、正直ちょっと奇をてらいすぎたような、そんな味です。コクと甘みがなんだかミスマッチ。ノーマル雲海の方がよっぽど味が素直でいいなーと思います。まあこの辺は本当に好みの問題だと思います。

 まあ、西管的にはちょっと苦手かな、という感じ。でも、これまでの雲海とか蕎麦焼酎全般に物足りなさを感じている人にとっては案外いいなーと思えるかもしれませんね。この辺が酒の批評の難しいところ・・。まあ飲んだら一発で分かるんですけどねえ。百聞は一飲にしかず・・・。


 ★第123回 2005年4月29日(金) ★酒の名前:純米焼酎おおち ★酒造会社:小松酒造株式会社(佐賀県唐津市) ★原材料:米、米こうじ ★アルコール分:27度 ★ラベルコメント:なし

★西管コメント:はい、連休初日から飲んだくれている西管です。はは・・・。

 前置きはさておき、今日は米焼酎です。このお酒、なかなか人気があるのか、例のなんばの焼酎オーソリティーで購入したのですが、お一人様一本限定との札がありました。(尤も、小生のようにひねくれ者に言わせれば、これも拡販策の一種では、と思わなくもない。そうやってレア感をあおっているだけでは、というのはあまりにひねくれた見方??)これも前回の久三郎同様、透明の瓶で透き通った味を連想させます。

 さて、まあともかく呑んでみましょう。米焼酎のですので、いつものごとくまず少しだけストレートで味をみて、それからロックといきましょう。ふむ・・・ストレートで飲むとかなりきつい感じがありますね。米焼酎はストレートで飲んでもまあまあアルコールのきつさはあるけど、比較的呑みやすいものが今まで多かったのですが、これは・・・きっちりコクというか、辛味というか、相当しっかりした味で訴えかけてきますねえ。アルコール度は27と通常の焼酎に比べれば2%程高いのですが、その辺が微妙に現れているのかもしれません。

 氷を入れてロックにしてみましょう。ふむ・・・少しは飲みやすくなりますけど、依然なんだかきつい味。刺激がどどん!と来る。西管の持っていた米焼酎に対する、ほのかに甘くて飲みやすいけど物足りない・・という印象を大きく変えるものです。イヤハヤ・・こういう米焼酎があるとは・・・。ロックで飲んでもかすかに甘みはあるものの、きりりとしたすっぱさ、というかアルコールっぽさがどんと来る。これは・・かなり氷が解けるまで待っていたほうがいいのかも・・。

 思いつきでほんの少し水を加えてみました。すると、とがった味はすっかりひっこみいいお味になりました。やはり少しアルコールが高いのが味にもろ現れていたのかもしれません。うむ、これだとほのかな甘みも感じられGOODですね。米焼酎!という感じになってきました。まあ、お湯割りについては試してません、(多分かなりきつい味になると予想はされますが・・。)

 まあ、まとめるとかなり辛口の米焼酎で、そういう意味で上級者向けのもの、と言ってもいいかと思います。辛く感じる場合は水割りにして飲んでみるといい感じ。ロックで飲む場合も氷が解けるのを待ってゆっくり飲むのが良いでしょう。個性のあるどっしりとした辛口米焼酎。そのインパクトは十分ですが、それだけに好みの分かれるところがあると思います。


★第122回 2005年4月24日(日) 

★酒の名前:本格焼酎久三郎 ★酒造会社:三和酒類株式会社(大分県宇佐市) ★原料:米、米麹、麦麹 ★ラベルコメント:さえわたる味わいの中に深い余韻をひめて。「久三郎」は米の深みと麦のキレをひとつにしたいままでにない本格焼酎です。“これぞ秘蔵の焼酎”ともいえるうまさを楽しみください。

★西管コメント:さて、今日は焼酎です。焼酎といっても何焼酎かなーーと思いつつラベルを見ます。すると米・米麹とあるので当然米焼酎なのかなーと思いきや。最後に麦麹とある・・。となると・・・これは麦焼酎と米焼酎のブレンドか・・・などと思いつつ。しかしそれだと材料に「麦」の一文字が入っていないとおかしいよーな・・。さてはて・・・。疑問に思ったらすぐ調べる。こういうとき、インターネット常時接続の環境は便利です。

 ふむふむ・・三和酒類・・・。おお?ああ、なーんだ。あの「下町のナポレオン」として有名すぎるほど有名なあの麦焼酎いいちこを作っている酒造会社なんですね。でそこの記述によると「米麹で仕込んだ米焼酎に麦麹で仕込 んだ焼酎をブレンドした・・・」とあります。しかし、このコメントもよく分からない。確かに米麹で仕込んだ米焼酎というのはよく分かるんですが・・・麦麹で仕込んだ何焼酎をブレンドしたのでしょうか??

 まあ、細かいことはこだわらず・・・単に米焼酎と芋焼酎のブレンドと思って飲んでみることにしましょう。まずはストレートで・・・。ふむ・・・なるほど。米と麦のブレンドってのはわかりますね。なんというかベースの味は米焼酎のほのかに甘い味。その裏にあの麦焼酎特有のすっぱさというか、キレのよさが来る。なるほど。これはなかなかに良いお味ですね、。なんというか、米焼酎と麦焼酎の良いとこ取りをしたような味。これはなかなか美味なりです。

 ストレートはちときついので暖かくなってきたこともあるので、氷を入れてロックにします。うむ、いいですねえ。ロックだと適度に味が丸くなります。小生、米焼酎も芋焼酎もとにかく湯割はしない!と決めているので、これを呑むとしたら間違いなくロックですねえ。お湯割だと・・・ちと味がちとぼけるでしょうな。

 ううむ。どうもいいちこといえば、スタンダードだけど安物の焼酎というイメージが若干ありまして、そのいいちこを作っている三和酒類のお酒ということで一瞬、味のほうはどうかな・・などと思ってしまったのですが思ったよりいいです。まあこの会社の中でもこの商品のランクは結構上なんだと思います。十分評価できる味で、西管的には気に入りました。まあ贅沢を言うともう少し癖のあるほうが西管的には好きなんですけどねえ。

 まあまとめるブレンドした味の妙が素晴らしい、製作者の意図が非常によく伝わってくる味と言えるでしょう。これも非常に飲みやすい焼酎なので、焼酎初心者の人にも十分オススメできる味です。飲み方は前述のとおりロックか水割りをオススメします。あとは瓶のデザインもなかなかです。シンプルな透明の瓶ですが、これが澄んだ米焼酎の味を連想させ、なかなか個人的に好きです。ううむ、三和酒類なかなかやるな、と感じた一本です。

 


★第121回 2005年4月7日(木)

★酒の名前:キリンのどこし生 ★製造元:麒麟麦酒株式会社 ★原材料:ホップ、糖類、大豆たんぱく、酵母エキス ※炭酸ガス含有 

★西管コメント:はい、西管です。久々の更新です。今回はシリアスな雰囲気で始めてみましょう。西管がこのコーナーに取り上げる酒ってのは、結構アトランダムに選んでいるんですね。だから、当然全部飲んだ酒を取り上げているわけではありません。勿論飲んでいない酒は取り上げられませんので、あくまでも取り上げた酒は飲んだものばかりです。でも逆に飲んでも取り上げていない酒ってのも多々あるわけです。

 まあここで言う取り上げない酒ってのはどうでもいい酒なのか・・?いやそんなことはないんですねえ。要は取り上げようとしても泥酔してしまってコメントが書けなかった、とかどうしても取り上げる気にならなかったとか・・・いろいろ理由はあるんですよ。いろいろね・・・。

 でも結局冷静に考えてここに取り上げている酒はやはり・・・うまい!!と思ったものか、だめだ!!!と思ったものか、どちらかに限られるんですよね。うまい酒は当然取り上げたいし、ダメな酒はやはり良くなってほしい、という思いがあり、いろいろ言いたくなります。だから結局取り上げる酒は西管にとって好きな酒かきらいな酒かどちらかってことになりますね。で、今回のお酒はどうかといえば・・・・・・・・・・・・・・ざんねーーん 

さて、飲んでみましょう。ん?これは・・・・。うむ・・・・・・・・・・・うむむ・・・・・・・・・・・・・むう・・・・・・・・・・。もうい一杯。うむむむ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・う。

 味がしない・・・・。味を付け忘れたのかと思うほど味がしない。味気ない・・・。当然炭酸の刺激があります。でもそれだけ。本当に味を付け忘れたのかと思うほどに炭酸の刺激以外の何の味気もありません。これはちょっとひどいんじゃないの・・と思います。前に飲んだノンアルコールビールの方がよほど味がありました。これはいけませんねえ。

 まあ、ビールなんて嗜好品ですからいろんな好みがあって、自分の好みのものを飲めばいいんでしょうけど、これを好みの人ははているのやら・・・。これならはっきりいってアルコールを飲む意味がないですね。アル中みたいに思われそうですが、我々酒飲みがなぜアルコール飲料を求めてやまないか。それはそれぞれの酒の生み出す個性のある深い味を求めて!なんです。

 酔っ払えばいい、という人は悪いけどアル中です。本当の意味での。でも、このお酒にはどうも酔っ払ってしまえばいいや。水でもいいや!!そんな思考になってしまいそうな味ですねえ。これは頂けません。

 まあ、しかし、メーカーが考えてこういう商品を出してくるってことは市場にこういうニーズがあるってことの証明でもあるんですよね。どうもこの軽薄短小の世の中。こういった、タダ喉越しだけの味気ない味が好きな人が多いのかもしれません。その傾向には大いに一石を投じたい気がするんですがねえ・・・・。


★第120回 2005年3月21日(月) 

★酒の名前:エビス超長期熟成 ★製造元:サッポロビール株式会社(東京都渋谷区) ★原材料:麦芽、ホップ ★アルコール分:6% ★ラベルコメント:長期熟成が特徴であるヱビスビールの熟成期間を約2倍に長くしました。より一層の深みとこくのあるまろやかな味わいを実現した限定醸造のヱビスです。

★西管コメント:さて、久々にビールです。更新自体も久々ですね。まあ、別にお酒を止めていたわけではないのですが、どうも体調が悪かったりなんやらで、どうもここに書きたくなるようなお酒に出会えなかったということもあるのでしょうか。更新をお休みしてしまいました。

 まあ、日本酒の新酒のシーズンも始まります。ここに書きたくてたまらなくなるような、そんな迷酒に出会えることを祈りつつ行きたいと思います。ということで、このヱビス超長期熟成。限定醸造とのこと。小生この限定醸造って言葉に弱いんですよねえ。日本酒なんかでも限定醸造とか書いてあるとすぐに買ってしまう。灘の有名な酒でも限定醸造と書いてあると飛びついてしまう。悲しい習性ですな。

 まあそれはさておき呑んでみましょう。ふむ・・・。まずその色が驚きです。普通のビールが黄金色としたら、こらはもっと濃い。そうですねえ。茶色がかっている感じ。黒ビールほどではないですけど、濃い。そう、この缶の色にも似てる感じ、ちょっとくすんだ黄金色です。味はううむ、まさに本格ビールという感じ。酸味と苦味がしっかりとしている。どちらかというと酸味のほうが強い感じかなー。そうそう、昔のビールってこんな味がしたよなー、という感じです。いいですねえ。普通のヱビスよりも味が濃くまったりしている感じです。

 ちょっとはしたないですが、飲んだら「ぷふぁーーー」と言ってしまいたくなるような、そんな味の存在感、のみ応えです。いやあ、やはり本格ビールはいいですな。発泡酒のするりとしたのみ口に慣らされていた感覚では極論すればちょっときつすぎる!となるのかもしれませんが、昔からのビール好きにはたまらない味でしょうな。

 こういう味ですから、当然夏より冬。またアテはこのどっしりとした風味に負けないような、濃いめの味のもの。それと組み合わせるとなおいいでしょう。この昔ながらのヱビスのパッケージもいいですな。(とはいえ、今はヱビスビールという会社はなく、サッポロの一ブランドになってしまったのは悲しいことですが・・。まあ、そういうことを考えると酒も不味くなりますので・・。)

 まあ、まとめると喉越しだけを楽しむのではなく、口の中でその味の存在感と深さを楽しむビールといえるでしょう。惜しむらくはやたら値段が高いところ・・。希望小売価格が260円ですから・・。発泡酒の倍で普通のビールよりも30円から40円割高。それを納得してこのビールを買う人がどれだけいるか・・・。これは結構興味深い問題です。確かにおいしいけど値段は倍。日本の酒飲みはこれにどう反応するか。これによって、今後の日本のビール業界が大きく左右されるのでは、と思うのは西管だけでしょうか。

 というまあ堅苦しい話はさておき・・・このヱビス超長期熟成。いろいろなことを考えさせてくれる、それだけの深みのある味だったことは間違いありません。


★第119回 2005年1月16日(日)

★酒の名前:薩摩本格芋焼酎 黒甕 ★製造元:神酒造株式会社(鹿児島県出水郡高尾野町 ★販売元:寶酒造株式会社(京都市伏見区) ★原材料:さつまいも、米麹 ★アルコール度 25%

★西管コメント:今日は芋焼酎です。と言いつつ、最近ずいぶん酒量が増えているような気がします。新年そうそうだめですな。気合を引き締めないと・・。ということでまず自分への戒めを書いておきましょう、

 さて、この黒甕ですが昔ながらの甕仕込みという製法で造られているようですが、実際の販売は宝酒造という大手の会社が行っているようです。だからなのかわかりませんが、比較的大量の流通があるようで、比較的どこの酒屋さんでも入手できます。また飲み屋のメニューでもよく見掛けるメジャーな銘柄です。

 宝酒造は芋焼酎でいうと一刻者(いっこもん)という焼酎も比較的小規模の九州の酒造会社に製造委託し、宝酒造が販売しているようです。これも比較的入手は容易なようなので、また今度取り上げてみたいと思います。

 さて、まずはこの黒甕ですが・・呑んでみましょう。のっけからお湯割で。ふむ・・黒麹らしいずしんとくるしっかりとしたアルコールの感じと香ばしさというか酸っぱさというか、まあ芋だなあーという感じの風味が口に広がります。黒麹の芋焼酎だなーと感じます。黒麹の芋というと西管は吉兆宝山を思い出すのですがそれに比べるとパンチ力は同等だけど、その後に続く味が少し違うなーと言う感じ。吉兆宝山はどん!ときてその後ほのかな甘味、そう大変魅了されるような甘味を残していきます。

 それに反してこの黒甕は・・・そうですねえ。まずズンときてそれから酸味の後が引くという感じですね。甘味ではなく、酸味。この味・・・吉兆宝山が奇をてらった酒と言うとすれば、この黒甕は恐らくオーソドックスな黒麹の焼酎と言えると思います。黒麹らしいパンチ力がズン!ときて後はほのかな酸味に続きスッと引いて行く感じ。

 まあまとめるとオーソドックスなきっちりした風味を持っている焼酎ということになるでしょう。味のバランスとか万人の好みについては言うことない完成度を持っていると思います。ただ、そこから先の部分についてはちと苦しいかも・・・と思います。まあしっかりした味の黒麹の焼酎を飲みたいと言う向きには自信を持って進められる一品でしょう。また焼酎百戦錬磨の方が飲むと落ち着く味と感じるかもしれません。

 そんな、ある意味安心して楽しめる焼酎。それが一番ぴったりくる表現でしょうな。


★第118回 2005年1月11日(火)

★酒の名前:竹炭ろ過 竹物語 ★酒造会社:やまと酒造株式会社(佐賀県佐賀郡大和町) ★アルコール度:25度 ★原材料:米、米麹

★西管コメント:さて、今日は米焼酎です。このお酒も例の焼酎オーソリティーで購入したものです。米焼酎です。

 この焼酎・・・結構有名どころかなーと思って購入したのですが、インターネットで検索してみる限り・・・そうでもないようですねえ。まあ有名さと味というのは当然必ずしも合致しないのでどうでもいいのですが・・。

 さて、このお酒普通の米焼酎ですが、まあ若干の特徴としてその名前どおり竹の炭を使って濾過したというものだそうです。まあ、それが味にどのような影響を与えるかどうか分かりませんが・・・。まあ今回はデータ不足もあり、とにかく呑んでみましょう。米焼酎はお湯割りにするべからず。とにかくロックである!。これが小生の米焼酎に対する印象。ということでロックで味わってみます。ふむ・・・なるほど・・。まず焼酎ですからアルコールのきつさはあります。その後若干の米焼酎らしさ・・・。そう、ほのかな甘み。でもそれは潔く一瞬にして消えてしまう。そんな感じ。

 まあ、はっきり言って若干味気ない感じですね。尤も米焼酎ってこんな感じなんですね。赤とんぼの詩、あるいはおおち(この二つはこのコーナーでは取り上げておりません)といった米焼酎は何だかとても後に引くほのかな甘みというのがあったのですが、どうもそういう西管のハートに訴えてくるような味に少し欠ける感じ・・。ううむ・・・。まあ正直いって、そういった一部のものを除いてどうも米焼酎全般について西管は物足りなさのようなものを感じてしまうのが正直なところ・・・。

 しかしながら・・・何故か・・・これは説明がつかないんだけど、どうも米焼酎にどことなく憧れというか、期待を持っているんですよねえ。そう、ひと言で言えばそうと分かっていながら、何故かまた呑みたくなる・・・。そうなんです。芋焼酎を買えばいい。日本酒を買えばいい・・。わかっているのに、何故か米焼酎を買ってしまう(飲み屋の場合頼んでしまう)西管がいます。

 これについては、なかなか原因が分からないのですが・・・。まあしかし米焼酎。味はマイルド、臭くもないとうことで、とにかく焼酎は苦手だとか、焼酎には悪い思い出がある、という人の印象を変えるには最高だと思います。あと、まあ派手さはないけど、何か安心させる味、というか癒し系の味と言えるのかもしれません。例えると、日本のローカル線を旅して目に入る田園風景、という感じでしょうか。普段は意識しないけど、時々その偉大さや暖かさを感じる、そんなものかもしれません。それが、西管があまり好意的な意見を持たない米焼酎に対して、ついつい手が出てしまう理由なのかもしれませんね。

 話がそれましたが、まとめるとこのお酒はごく普通の米焼酎。とにかく澄んだ味がある。けど、大きな個性もない。まあ地味系だけど、米焼酎として押さえるべきところはきちんと押さえている、そんな結論になろうかと思います。

 なんだかんだ言いながら・・・また米焼酎については取り上げたいと思っている西管です。


★第117回 2005年1月8日(土)

 ★酒の名前:無濾過本格焼酎宮崎の神話街道 御幣 ★酒造会社:姫泉酒造合資会社(宮崎県西臼杵郡日之影町 ★原材料:芋・米麹

 ★アルコール分:20度

 ★西管コメント:さて、今日は芋焼酎です。この焼酎、難波の焼酎オーソリティーで購入しました。最近訪れていなかったのですが、店の中は相変わらず、ようこんだけ集めたなあーとあきれるほどの多くの種類の焼酎で埋め尽くされていました。しかし、時間が時間だったので店内のお客さんは比較的少なめ。そう、平日の昼1時ですから・・。(別に会社をサボっていったわけではないので念のため。うちの会社は新年初出勤日は半ドンなのです。)

 それはさておき、この御幣ですが、これも実は店では飲んだことがあります。このコーナーにも度々登場する西田辺の焼き鳥屋さんで常に置いてありまして・・。ですから今回味わうのが初めてというわけではありません。ちなみに、小生の会社の先輩(仕事終了後この方とよくこの酉屋で一杯飲んでます)はこのお酒がお気に入りのようです。

 このお酒には大きな特徴がふたつ。まず無濾過であること。無濾過焼酎については第97回のにごり黒を取り上げたときにも書きましたが、濾過というプロセスを省略というか、改善して旨味成分を残したというお酒です。この旨味がなんとも言えず後味に微妙な影響を与えます。ということで小生もこの無濾過のお酒は大好きです。

 それともうひとつ大きな特徴は・・・そうアルコール度数が20度。一般的な芋焼酎は25度ですから少しアルコールが薄いということです。5度の違いといったら大したことではなさそうに見えますが、どうしてどうして。結構この差は歴然ですね。まあその辺の微妙な味については後に述べるとして、5度低いとちょっと健康に良いような気もしてしまいます。(しかし、その辺はちゃっかりしてアルコールが2割低いだけ、ついついいつもより2割余分の量を呑んでしまうんですなあ。それが酒飲みのいと悲しいところ・・・。)

 前置きが長くなりましたが、では味について語ってみましょう。まずストレートで一杯。ふむ・・・。予想通りですね。アルコールがきつくなく、ストレートでもそれほどきつく感じません。もっともガバガバのめるものでもありませんが・・・。まずアルコール20度の妙と言う感じですな。これだとロックにすると本当にちょうどいい濃さになることでしょう。では本命ロックでいってみましょう。うむ。ロックにすると味は良い感じに薄まり・・・。そして後味が微妙に残る。ううむ。これはいいですねえ。芋焼酎はロックにするととかく味が尖るようで、西管は芋焼酎は冨乃宝山や海等の黄麹のものを除いて原則お湯割を良しとしているのですが、これはまさしくロックのために生まれたような焼酎と言えるのではないでしょうか。

 さて、最後の一杯はお湯割を試してみることにしましょう。ふむ・・・悪くはないのですが・・・。そうもともとパンチ力には欠ける味ですから、お湯割りにすると悪く言うとなまくらな味というか、ちょっとぼやけた味になってしまいますねえ。まあ無濾過らしい後を引く部分がお湯割りにすると更に強くは感じられるのですが、やはり20度というアルコールの薄さもあるんでしょうなあ。まあ、そういう飲み方がいいのか分かりませんけどこのお酒はお湯1 焼酎9くらいの軽いお湯割りにしてそれから軽く暖めてやると丁度いいかな、なんて考えてしまいますね。そうなるとそこそこ濃くて暖かく呑めるかも・・・。(って結構手数がかかりそうなので・・・でも試してみたいなあ。)

ちょっと長くなってしまいましたが、まあとにかくまとめると、呑みやすいのにそこそこ複雑な、深い後味が付いてくる。そのバランスの妙。これがこのお酒を語るキーワードなのではないでしょうか。前出の焼き鳥屋さんでもこの味の素晴らしさには気付いていましたが、家で呑んでみるとますます旨く感じますねえ。ただ、芋焼酎にしてはガツンとくるきつさ、というか酸っぱさというか、そういういわゆるパンチのある味ではありませんので、そういうパンチのあるものをお好みの向きには物足りないかもしれませんが、逆に芋焼酎って苦手って人にもある程度安心してお勧めできるお酒だと思います。

 まさに名焼酎と言っても良い逸品だと思います。西管なら店で見つけたら即買いですね。


★第116回 2004年12月23日(木)

★酒の名前:万上焼酎黒麹新酒米焼酎2004 ★製造者:キッコーマン株式会社MN (千葉県野田市) ★ラベルコメント:2004年、宮崎県で収穫された新米で造りました。じっくりと発酵させ、香り豊かなもろみに仕上げて丁寧に低温蒸留を行い、焼酎にもろみの心地紆余い香りを十分に引き出しました。若々しい香りといきいきとした味わいの新酒をご賞味ください。

★西管コメント:今日は米焼酎です。前に米焼酎を取り上げたのは・・・109回の岩窟王でしたね。米焼酎と言えば、小生はお湯割ではなく、ロックか水割りでのむものと思ってます。というのも、米焼酎って芋なんかに比べると味がぼやけているというか、薄い感じがするんですよね。で、この焼酎も原則ロックで味わってみます。

 さて、この焼酎酒屋で何気なく購入したのですが・・・なんと製造元はしょうちゅうではなくしょうゆで有名なキッコーマンさんなんですねえ。とうとう醤油屋も焼酎を造り出したのか、等と興味を引かれインターネットでも調べてみたのですが、どうもみりん造りから派生したもののようで、3年以上前から焼酎は造っているようです。結構個性的なものもありそうですね。

 まあそうわかってみても、やはり企業イメージから醤油のイメージが消えません。この焼酎も醤油味だったりしないだろうなーなどと思ってしまいます。まあそれも呑んでみればわかること!ロックで一杯やってみましょう。

 ん?この味は・・・。ちょっとこれまで飲んできた米焼酎とは違いますね。そう、切れがすごくいい感じ。最初きゅっと刺激を感じてそのあとスッと抜けていく。そうですね。なんといったらいいか、ビールでたとえるとスーパードライって感じですかね。でも、それは決して悪い意味ではない。(小生、実はビールのスーパードライはあまり好きではない。)前に飲んだ霧島にあったような甘すっぱさというのはそれほど感じません。口に含むと香ばしいような風味が一瞬して、それが惜しげもなく引いていく・・・。そんな味です。

 これは、結構個性的な味と感じましたね。ラベルコメントにもある若々しい香りといきいきとした味わいというのはまさに当たってますね、個性的な味です。ただ、惜しむべきは、小生の好みからすると米焼酎はもう少し甘ったるくていいんですよね。これはかなり辛口。黒麹を使っているというところもあるんでしょうけど、また酒として若いところもあるんでしょうけど、ちょっと小生には微妙に合わない感じ。

 でも、これだけの個性があれば、必ずこれは好き!っていう人もいると思います。それが酒の個性であり面白いところ。小生の好みはいざしらず、このお酒の持つ個性は評価できます。醤油会社のお酒!と言って侮るべからず・・・。そう感じた一本であります。


−戻る−