(更新日:2001年11月13日)
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ここは、友人のハンスさんと共同で作る部屋です。ハンスさんのコラムを中心に御紹介いたします。
・ ハンスのコラム(2) *****ROBODEX2000は楽しかった***** (2000/12/08)
・ インド映画はほんとにおもしろいのか。byにぬふあぶし。(2000/5/27)
・ にぬふあぶしの感想文 *** 「雨あがる」を見て *** (2000/5/27)
・ ハンスのコラム ***** 「雨あがる」を見た ***** (2000/2/26)
ハンスのコラム(2) ***** ROBODEX2000は楽しかった ***** (2000/12/08 up)
ハンスのコラム
2000年11月26日(日)
++++ROBODEX2000は楽しかった++++
ずいぶんとコラムを書くのも久しぶりになってしまいましたが、書きたいネタが出来たので再び書きこみます。いやー反省、反省、 うん、うん。
東京の職場に転属になって、2ヶ月弱。
東京の物価の高さに驚きながら、埼玉県の自宅から通う日々を過ごし、週末にイベントを楽しむ心のゆとりのなかったハンスでしたが、先日、会社でやってたネット検索でフト心ときめく情報をキャッチしてしまいました。
なんと、横浜で近々、日本のエンターテイメント系ロボットを集めた展示会が行われるとのこと。
その名も「ROBODEX2000」。
「なに、ホンダのロボットが見られるのか!ぬー。SF者の血が騒ぐ。行かねばなるまい。」
てなわけで、11月26日 日曜日、ハンスは、未来感覚大好きのハンス妹と共にROBODEX2000会場のパシフィコ横浜に行ってきました。
御天気に恵まれ、気持ち良く桜木町駅に午前10時20分頃着いたまでは良かったのですが、会場に近づくと共に人が増え、やがてパシフィコ横浜に隣接する広場いっぱいに入場のために並ぶ人の渦に、我々はあっけなく呑み込まれてしまいました。
一体彼等の先頭は、何時から並んでいたのでしょうか?
何年か前に国会でやっていた牛歩戦術のような足並みで、人の列は進んで行き、私達が会場に入ることが出来た時間は、午後2時をまわっていました。
後で聞いた話ですが、今回のイベントはパシフィコ横浜展示場の入場者記録を塗り替えたそうです。思うに主催者側思うより人間型ロボットを見ることの人々の欲求がはるかに強かったのでしょう。
このイベントは、主催者及び後援、協賛会社がいろいろあるのですが、先ず目を引くのがソニー、ホンダの開発トップ企業、そして後援機関のトップに名前を連ねているのが科学技術庁です。なんと国のバックアップ! 時代も変わったなーと思いますね−。
会場内の様子なのですが、まだ第一回なので展示ブースの数はどれほど多くありませんでした。まあ、エンターテイメント用ロボットという考え方が始まったばかりですから仕方がありません。それでも、大阪大学、早稲田大学などの大学ブース、タカラ、トミー、バンダイ等の玩具メーカーなどが自分たちに技術展示をしており、玩具メーカーの癒し系ロボットの種類が増加する傾向にあることが良くわかりました。
入口近くには、ほとんど「エイリアン2」に出てきた作業用ロボットか、建設機械のような大型ロボットがありました。名前は「テムザック5」。人の手に取りつけられた制御装置によって、人の手と同じような動きが出来ることを、「ギッチョン、ギッチョン」と音を立てながらながら実演していました。PHSを使用した「遠隔操作型ロボット」だと言っていました。
つまり、これを発展させると「鉄人28号」になるわけです。なんでも、ロボットの大きさでは最大だということです。ロボットを新型の建設機械と位置付けることは出来るかもしれません。
ソニーのAIBOの2号機も実際触って見ましたが、接触センサーの設置個所を増やしたり、音声認識機能が追加されていたりで、どんどん進化しています。
ソニーは、そのほか11月21日に発表したばかりの身長50センチの人型ロボットの実演をしていました。歩き方はホンダのロボットほどスムーズではないものの、自立型で、しかも、からだ全体を使用した屈伸運動や座ったり立ったりを自分だけでやっている姿は、バランスの良さに感動できました。一見、おもちゃが動き回っているように見えてしまうのですが、関節が24個もある機械が、複雑な動きをこなして行くさまはなかなかのものでした。電源が入っていないときは、マリオネットの様になってしまいます。
さて、ホンダのブースですが、ここにはプロトタイプのP1、発展型のP2、軽量型のP3、そして最新型のASIMOの展示がありました。もちろん写真も取りました。
P3とASIMOは近くで見ると、以外に小さく感じます。特に、ASIMOは身長120cmなので、ほとんど「ランドセルを背負った子供」です。しかし、近くで見ると非常に綺麗に出来ていて、だいぶ商品に近づいた印象を受けました。それに対して、大型のP2は、ハンス妹が言うには「80年代の家電製品のよう」なデザインでした。P2の外装には所々傷があり、実験中にずいぶん転倒したのではないかと想像してしまいました。
人型ロボットの歩行実演は、P3ではなくASIMOの歩く姿をこの目で見ることが出来ました。人が作ったものが、複雑に、それも自動的に動く様子を見ることは実に楽しく、感動しました。
生で見ると、気持ち悪いほど人の様に歩きます。しかも今回のASIMOは、ダンスステップのボックスステップも出来ます。制御は、EWSとプレイステーションと同じようなコントローラーのどちらかで制御することが出来るようになっています。
ASIMOには、更に片手に5本の指があり、しかも指間接が動き、手を握ったり開いたりすることが出来るようになっているので、歩きながら手を振られると、子供が手を振っているようでした。
ホンダは、このサイズのロボットを、家の中で人と一緒に生活が出来る家庭用ロボットとして発展させて行くつもりのようで、「実用化」という言葉を連発していました。いったいどんな会社になって行くのでしょうか?
今回の展示会でASIMOを見て思ったのは、2足歩行ロボットというのは、間接、駆動モーター、制御装置の塊だという事でした。そしてあのリヤルの動きは、ひとえに制御技術の発展とノウハウの蓄積のたまものであるという事も感じることが出来ました。
これらの2足歩行人型ロボット達は、まだまだ値段の高い代物のようですが、5年後ぐらいには我々の身近に、遊び用の物が1台か2台は動き回っているようになるのではないかと思います。
ROBODEXは、来年以降も続いて行くと思いますが、未来を考える上でも注目できるイベントであるので、どんどん発展して行ってほしいと、ハンスは思っています。
来年は、幕張メッセの大きな会場でやっていただけるとありがたいなー。
そして、関連企業の皆さんには、2足歩行ロボット市場にどんどん参入していってください。そして、みんなが未来作りに参加してゆけば、きっと明るい未来が築けるでしょう。
2000年11月26日(日)
ハンス
インド映画はほんとにおもしろいのか。byにぬふあぶし。(2000/5/27)
一頃のブームが過ぎ、ここのところあまり騒がなくなったなあ、とか思っていたら、また、テレビCMで踊るインド人や、インド調で歌うナンチャンのグループ(なんて言ったっけ)なんかが目に付き始め、またもやブームの到来を感じる今日この頃ですが。
インド映画と言えば、話題になった「ムトゥ・踊るマハラジャ」は観たことがないんですが、同時期に公開された「BONBAY」のDVDを何気なく買ってしまいました。
えっと、ご多分に漏れず、前半、踊りまわります。ほとんどミュージカル。対立し合う2つの宗教、ヒンドゥーの家に生まれた男と、イスラムの家に生まれた女。恋をし、駆け落ちして結婚、子供が生まれ、悩みや両家の対立のなかでも、お互いの愛を信じて生きていく姿を、インドで実際にあった暴動事件にからませ、壮大なドラマとして描いています。そんなわけで、単に踊りまわる映画にとどまらず、後半は、とてもリアルな人間ドラマが展開されます。映画の面白さてんこもり。
オープニングのきらびやかな結婚式の踊り、大波砕ける大海に向かって恋の歌を歌う男(演歌みたい(笑))、サウンド・オブ・ミュージックのパクリか!と思うような牧歌的な場面、などなど、踊り、歌う場面は当然見どころいっぱい。なんとなく買ってしまったけれども、当たり、でした。
さすがに、噂に聞くシヴァ神他、神々が闊歩する映画(まだ観た事はないが)はどーかなーと思いますが、この「BONBAY」のような映画は、面白いのではないかな、と思います。
最後に。主演女優のマニーシャー・コイララ。いいなー。きれいだなー。
にぬふあぶしの感想文 *** 「雨あがる」を見て *** (2000/5/27)
「おまえ、何考えとるんじゃーっ!」、と言われそうですが、3ヶ月の熟成期間を置きまして、感想文、書いてみましょう。(すっかりブームが過ぎてしまってるのになあ・・・。すまん。)
さて、ハンスさんに「黒澤は良い!」「特に時代劇が良い!」と、仕込まれたにぬふあぶし、ハンスさんといっしょに「雨あがる」を観に行っておりました。もう3ヶ月以上前になるんですねえ。
映画の内容詳細は、ハンスさんのコラムを参照いただくとして、この映画、印象に残っているのは、山々の緑、です。
山里の建物を囲む緑、清流流れる、早朝の山を彩る木々の緑、そしてラストシーンの晴れ晴れとした山々の緑・・・。どれをとっても、鮮やかな緑が目に飛び込んできて、離れなくなります。日本には、まだまだこんな緑が残ってるんだなーと思わせてくれます。カメラワークの妙、とでも申しましょうか。色にもこだわった黒澤監督の流れを汲む映画だよなあ、と思います。
その緑の中で、ほのぼのと描かれる人間たち。雨のシーンは湿っぽいものになりがちですが、まったく湿っぽさを感じさせません。それでいて、ラストの晴れ晴れとした空気が印象に残る。不思議な映画です。一見の価値あり、ですよ。
最後に。主演の寺尾聡は置いといて(おい・・・)、宮崎美子、壇ふみ、原田美枝子、いいですね。やっぱり、女優さんはきれいじゃなきゃ。ではでは。
ハンスのコラム ***** 「雨あがる」を見た ***** (2000/2/26)
初めてホームページを立ち上げる第一回の特集として、先日見た映画「雨あがる」の感想を書いてみます。
この映画は、あの天下の黒澤明監督、最後の脚本の一つを、愛弟子である小泉監督を初めとする黒澤組のスタッフの人々が映像化したものです。原作は山本周五郎。そう「赤ひげ」と同じ、山本周五郎先生です。時代劇ですが人間性をテーマにした題材です。
一言で感想を言うと、「さっぱりした良い日本映画だなー」とシミジミ思ってしまいました。機会があったら皆さんも見てみてください。そこには日本人であることの誇りを感じることが出来ると思います。
今回の主人公 三沢伊兵衛という役は、「用心棒」に出てきた浪人 三十郎とは異なりやたらに強いというだけではありません。自分からは刀を抜かず、人に対してはやさしく、帰って争うことを禁ずる風があります。御前試合で負けた相手に「だいじょうぶですか。痛くはありませんか。」と言ってしまい、相手を怒らせてしまいます。損な性分です。脚本を書いた黒澤監督は、「椿三十郎」を作る前に争いごとを好まない主人公を描こうと脚本を書いていたときいています。とすれば、あの時、実は黒澤監督は、こんな映画を作りたかったのかもしれません。
ほのぼのとしたシーンだけではなく笑えるシーンもありました。
仲代達也さん演じる剣豪 辻月旦と主人公がはじめて試合をするシーンではあまりの意外な展開に映画館中が爆笑していました。剣豪としての仲代さんの存在感も大きく出ていたのでそのコントラストが余計に笑いを引き出していました。詳しくは映画をご覧ください。
また、三船史朗氏の演じる殿様役も、演じるものとは異なる生身の豪快な人間味が出ていて見ていて楽しくなります。人はいいものだなーと思えます。
不思議に「人生が捨てたものではない、良いことはどこかにきっとある。」と思わせてくれる映画でした。
黒澤組の皆様は、黒澤監督のもう一つの脚本についても映画化しようとしているようですが、今から完成を楽しみです。
映画全体の感想とは別に、ちょっと細かいところに論点を移させてもらうと、今回の作品は、日本には珍しい現代日本に受け継がれている本物の古武術を映画の重要なアイテムとして取り上げ、そして映像として残した数少ない作品だと思います。主人公:三沢伊兵衛役の寺尾明さんが、緑美しい森の中で演じる居合の型は、本物だけが持つ緊張感、力強さが良く伝わってきました。
殺気を出さずサッと刀を抜き、次の動きでよどみ無く刀を振り下ろす。3種類ほどの型を披露していましたが、簡単に見えるほど動きに無理が無く、足腰がしっかり出来ているということがを察することが出来ました。寺尾明さんは半年間、道場に通われ練習されたとのことですが、よほど熱心に修練されたことと思われ頭が下がります。
また、御前試合のシーンには、随所に相手の動きを木刀の柄の部分によって征してしまう、刀を使う剣術独特の動きが見られました。少なくともそのような動きを他の時代劇では見たことがありません。後日ホームページを調べてみると辻流剣術の型の中にそのような動きがあるようです。このように映画の中の随所に本物の剣術のきらめきがちりばめられており、そこもリアルでおもしろいところです。つまり映画を一種の武術アクション映画と見ることも出来ます。香港映画のような派手さとは異なりますが…。
余談になりますが辻流の開祖、辻月丹資茂という方は、資料によると1648年に生まれており、鹿島新当流の流れの山口流剣術を学び26歳で免許皆伝、江戸で道場を営みながら座禅の修行をし45歳で剣の道を悟り、無外流を開いたとのこと。剣術とともに学問にも秀でた文武両道の人だったようです。当時の剣術は、竹刀は有ったものの、まだ、胴面、小手などの防具が無いため、今の剣道につながる一刀流系の剣術とはかなり違ったものではなかったかと推測されます。ホームページによると現在15代目の方が技の継承をしておられるようです。
以上、いろいろな側面があって話題の的が絞り込めませんでしたが、「雨あがる」は多面的に良い映画でした。
ハンス