君が望む永遠 感想
 

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 巷では鬱になるゲームといわれていたが、個人的にはそこまでの衝撃はなかった。
 だが、いくつかの選択肢ではマジで頭を抱えて悩んだ(結果的にどっちゃでも良い箇所もあったが、それでもビアンカvsフローラの選択なんて序の口と思えるくらい考え込んだ)し、目頭が熱くなるところ数え知れず。孝之の優柔不断さに辟易としてる方も巷では居られるようだが、サブキャラに走るのは兎も角として、メインキャラでの葛藤や優しさを見せるのは状況的には同情の余地はあると思う。ただの三角関係(若しくはそれ以上)なら罵倒されても仕方がないが、「遙の時間を止めていた」の言葉通り、遙との時間を止めて水月と歩んでいたのに、「遙の時間が動き出した」のだからどうするのかを決めなければならない。
 どのルートを選んでも絶対に誰かを傷つけなければならない。この予定調和のないストーリーがハッピーエンド主義の私を更に悩ませることになるの。
 以下にそれぞれのエンディングの考察などを。尚、エンドタイトルの横のかっこ内の数字は0〜5点の主観的評価。
 

遙エンド (5)

 水月が一時期壊れることを除けば最もしっくり来るトゥルーエンド。ただ、この話だと遙と水月との一騎打ちを演じる。その為、他のストーリーよりも鬱にはならなくて済む。といっても、ファーストプレイでこのルートに来れば十分脳味噌を掻き毟られるのだが。
 一騎打ちのため茜の本心は全くわからず仕舞いになってしまう。あるとすれば、茜が二回目のアイスクリームを買ってきたあとの「姉さん……とても楽しそうだから……」の部分と、茜が押し掛けたときの水月の「茜、本気で人を好きになったこと……ある?」の発言で茜が言葉を詰まらせた時ぐらいに、僅かに垣間見える程度であるが、茜の本心が語られるストーリーを知らなければ全く気づかないだろう。
 エンディングでは遙の好きな言葉である「夜空に〜」と一緒に教えてもらった「友達を大切に出来ない人は、誰も大切に出来ない。そして、友達を大切にされたことを喜べない人は、何も喜べない。」という言葉とから更に感情が最高潮に!最後の写真では水月のリングを遙がはめていたり、慎二が水月を(やっちゃってるくせして)片思いなんだということもわかるしで、なかなか良かった。
 尚、蛍の退職が語られるのはこのストーリーだけである。
 

水月エンド (5)

 茜エンド関係以外で唯一茜の本心が告白されるストーリー。最後の茜とのやりとりはとてもじゃないが涙なしには読めなかった。この場面が一番の感動シーン‥‥というわけではないのだが、健気な茜の告白が胸の奥を熱くしまくった。
 遙エンドでは遙は「〜正直、ホッとしたんだよ?見かけは少し違うけど〜」と言ってるのに、ここでは「私が好きで追いかけていたのは3年前の鳴海君……そんな人は、もうどこにもいないんだよね」という悲しいことを言い、「本当のさよなら」をしてしまう。
 このエンドでは水月とは幸せになるのだが、涼宮姉妹とはつらい別れになってしまうので、本当にトゥルーエンドなの?と遙派の私は考えてしまうが、後の茜の活躍や、『マヤウルのおくりもの』のストーリーが唯一語られたり、『ほんとうのたからもの』が読めたりと、真のエンディングを遺憾無く演出している。しかし、孝之はもう二度と遙とは逢えないのだろうか‥‥。遙も逢えることを願っているような気がするのだが。
 

水月バッドエンド (2)

 水月はトゥルーエンド以外は救われない感じだが、ここでも例外ではない。確かに遙にはよりも先に得られたので、勝ったといえば勝ったのだが、それで良いのか?
 また、この後の展開が気になるところだが、おそらく三角関係はどろどろになるだろうから、少なくとも水月と遙の仲は修復不可能になるだろう。
 

茜エンド (5)

 茜の応援・看病等をすると茜サイドに突入する。ここでも水月エンド同様、遙を切り捨てるのは心が痛む。しかも水月エンドの場合の遙は最も強い面を見せたが、ここでは最も女々しい面を見せる。しかし、少しでも情を見せてしまうとバッドエンドに突入する罠が待っている。
 他のストーリーとは違い唯一バイトを何回も休んだ上、長期休暇をもらっている。それだけこのストーリーが重いことを物語っているが、それにより気の弛める箇所がないので、余計につらい。
 ところで、何故水月が水泳を断念したのを茜から知らされた場合は水月に靡いたのに、茜に気付かされた場合は水月とは一緒にやっていけないと、相反する結論が出たのだろうか。
 2章初め頃に語られた、孝之と水月とは違い茜は逃げることの出来ない、と言う言葉の本当の意味を知ることが出来る。そのわだかまりは最後の一言で決着を見るが、それでもこのエンドは遙・水月に比べると少々弱い。
 

茜妊娠エンド (2)

 水月を見舞いに誘わないとこのストーリーになる。遙が正常でない(3年経過したことを認識していない)時期に抱き、その夜一回だけと言う約束で茜を抱くという禁断のお話。しかし、それが祟ったのか、遙が再び永い眠りに就いたあと、唯一エンドまで目を覚まさなくなる。
 それにしても香月モトコからの伝言で『明日必ず病院に来て欲しい』と言われたときに普通直ぐに気づくと思うのだが、「思い当たる節は何もない。」と宣っているのはさすがにどうかと思う。自分がした行為がどういうことか、そしてその結果その可能性が起こり得ることぐらいわかっているはずなのに。
 最後に登場した息子は、初めは遙の産んだ息子を茜が母親代わりに育ててると思ったのだが、いろいろなサイトを見てどうなんだろうと考えさされた。遙の胎児が流産して茜のお腹に宿ったと言う説もあるのだが、それはモトコの「もっとつらい思いをすることになるわよ」という言葉からして反している。結果的に流産してしまったのならそれは仕方のないことだし、中絶の場合なら、悩むのは孝之1人で十分だったはずで、それを「お姉ちゃんの代わりになる」とまで言わせて、茜にまで背負わせる必要がない。一方、遙の胎児を茜が代理出産しているという説は結構理にかなっている。遙の体の負担を考えれば茜に任す方が良いとも考えられるわけだし。但し、現在の法律で合法かどうかはわからないが。
 どちらにしろ、遙が再び目を覚ました場合、孝之はどちらを選ぶのだろうか。茜の「目を覚ますまで」の言葉通り遙に戻るのか、それとも数年(子供の発言内容から4歳にはなっていると思われるので、孕んでから5年は経過している)以上の間茜と息子の家族が形成してしまっていることから、遙には戻らないのか。どちらにしろ遙は先の3年を合わせると、とても救われない。
 

茜バッドエンド1 遙隠し妻 (4)

 振り向いてしまうとこのストーリーに突入してしまう。でも普通ベッドから落ちたら振り向くだろう?逆に振り向かなかったら鬼のような気がする。なのに何故振り向くと『お願い』の言霊でやられてしまうのか。そして、ここでのみ見られる『魔性の女:遙』が牙をむく。しかも(孝之の立場は理解しているようだが)あまり悪びれていないのが凄い。
 しかし、茜にばれなければ一番ハッピーエンドじゃないかという気が‥‥。姉妹揃って中に吐き出しているわけだし。それにまぁ、仮に茜に発覚したとしても、茜が正妻なのだから、遙から奪ってしまったという後ろめたさも手伝って、遙との仲を容認してしまいそうだ。ん〜、考えれば考えるほどこのストーリーがハッピーエンドのような気がする。
 

茜バッドエンド2 茜昏睡 (1)

 雨の日に見舞いに行かないと茜も同じ目に遭ってしまう。これじゃ誰も救われないよぉ。
 っていうか、何かい!?遙のデートに遅れれば遙は昏睡してしまうし、土砂降りの最中でも遙の見舞いを一回すっぽかせば茜が昏睡するってか?遙との約束を守らなければ悲惨な結果がもたらされるのなら、もっと前に祭りをすっぽかしたときに何かが降り懸かっても良さそうなものを。
 

 




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