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「と、言う訳でめでたく元の身体に戻れましたアルフォンス=エルリック15歳です!」
「おめでとうアル!おめでとうオレ!長かった!」
「それじゃ兄さん。触らせて?」
「…はい?」
「言ったじゃない。もう一度兄さんに触りたいって」
「さっき目一杯抱き合ったじゃんか」
「あはははは。やだなーもう、兄さんてば冗談ばっかり」
「…えーと? アルフォンスくん? ちょっと待て――――っ!」


――― Happyend 直後、弟が生身であることを実感させられる兄。







「…フュリ―曹長」
「何でしょう?」
「これから緊急に演習を行います。通知を出してくれる?」
「あ、はい。何と?」
「『目的はマスタング大佐の捕獲。手段は問わず』ついでに生死も問わなくてもいいんだけれど、困るからさすがに生きたままで」
「…逃げたんですか、また」
「そういえば、久々の演習ね。腕が鳴るわ」


―――日常風景。上司の逃亡阻止のために尽力する部下2名。







「―――ハボック少尉。状況を一言で説明してくれる?」
「あのヒトまた逃げました」
「…そう」
「また演習するんスか?」
「そんな時間の余裕はないわ。さっさと出て来てもらいましょうか」
「ですけど、出て来るくらいなら端から逃げや―――」


「大佐。1分以内に出て来て下さらないと別れます」


「……なんっか、遠くから地響き聞こえてくるんスけど…」
「あと50秒」
「マジでカウントしてるんスか中尉…」


―――続・日常風景。上司のいぶり出しに成功する部下2名。







「ぜいぜい…い、いきなり何を言い出すのだね中尉!?わたしが心臓麻痺でぽっくり逝ってしまったらどうする!」
「喜ばしいです」
「ひどい言い草じゃないか!!」
「勤勉な新しい上司が来てくだされば、何も言うことありませんが」
「わたし以上に仕事の腕も容姿も人並み以上なヤツがめったにいるものか!」
「でしたら、そうですね。少しはわたしを惚れ直させてみてはいかがですか?」
「………覚えていたまえ、リザ?」
「職務中は役職でお呼び下さい、マスタング大佐?」

「あー……ついでに、第3者の存在も覚えててくれませんかねー?」


―――続々・日常風景。迷惑を被る少尉の諦念。







「兄さん、何してるの」
「んー? 左手の爪をナイフ状に錬成できないかなーって」
「ええ? どうして? そりゃあ、できるとは思うけど」
「いや別に、右手を錬成してもいーんだけどな」
「だから何で?」
「ほら、だってさ」
「?」
「こんな軟い爪じゃ、跡も残せないし?」


―――深夜の褥。鎧の背中を見つめる兄に問いかけた弟。







「…兄さん。思うんだけど鎧は治癒しないから、傷がそのまま残っちゃうよ?」
「いいじゃんか。一生モノ!って感じで」
「うーん、何なら、兄さんの名前彫ってもいいよ?」
「んな事言うとやるぞオレは? 安心しろ、傷物にした責任は取ってやるから」
「……たぶん、ボクが責任取らなきゃいけない立場だと思うんだけど」


―――続、深夜の褥。勝気な兄と言い含める弟。







「あー、ホント、気持ちいー…」
「兄さんの役に立てるなら、嬉しいけど……あっ」
「ん?」
「大変!こんなトコも腫れ上がってる!」
「あー…逃げる時ぶつけたな、そーいや」
「冷やさないと!」
「あー、いいよ別に。足だしさ」
「ダメだよ!ほら兄さん、さぁ脱いで!」
「って、こら、はぐなむくな捲るなーっっ!!」

「……(泊めるのやめとくか)」


―――夜のゼノタイム。引き返す善意の第三者。







「…何で不機嫌になってるの兄さん」
「うっさい!何だお前、オレよかあのスカし野郎の方が強いとか思ってんのか!?」
「あ、予告?だって台本が」
「やかましい!それでも弟かー!」
「ごめんね兄さん。ボクだって言いたくなかったけど」
「だよな!あんな無能!」
「うん、そうだよ!だいたい兄さんのが美人だし!」
「トーゼン。それに、お前のが頼りになるしな!」

「……言いたいことは山ほどあるが、とりあえず人をダシにいちゃつくのは止めてくれるかそこの2名!」


―――歴然たる執務妨害に悩む若きエリート。







「しかし、中尉は実際のところ、私をどう思っているのやら」
「ん? 何なら、オレが遠回しに訊いてきてやろーか?」
「鋼の…!」
「中尉ーっ! この無能のどの辺が好きかもしれなーい!!?」
「直球か―――っっ!!」


―――年下の少年に良いように遊ばれるエリート軍人。







「…思うのだがね」
「何さ?」
「君は一体、私の何処がそこまで気に入ったのだね?」
「カオとカラダ」
「……」
「あれ、不満? 何なら、この乗り心地も付け加えとこうか?」


―――膝上で懐く少年に振り回される軍人の図。







「中尉ってさ、異性の趣味悪いほうだよな」
「否定できないわね」
「…フォローしてくれないのかね中尉…」
「エドワード君なら、将来有望そうだものねぇ…いかが?」
「えっ?オレでいいのっ!!?やったあvv」
「…私の目前で良い度胸だ2人とも…」


―――恋人(?)と間男(?)に遊ばれるエリート軍人。







「…これは何だアルフォンス―――っ!!」
「綺麗でしょ?」
「ああそうだな!ドレスが綺麗なのは当たり前だ!…どーしてオレのサイズなんだよ!」
「え?ドレス、嫌だった?」
「嫌とかいう以前の問題だ」
「ああそうだよね。相談も無しに決めちゃって…ごめんね」
「いや、判ってくれれば…」
「やっぱり慎ましく高島田だよね!でも兄さんの場合角隠しじゃなくて触角隠し…」
「だから問題はそこじゃねえ―――っっ!!」


―――言語コミュニケーション不能に陥る兄と弟。







「さ、兄さん。髪とごうか?」
「え゛。いーよ、面倒だし」
「駄目だよ、せっかく質は良いんだから」
「いーじゃんか別に。オレの髪なんだし」
「だったら余計にだよ。どのみちボクのものになるんだし」

「……ん゛?」


―――未来の所有権は果たしてどちらに。







(6巻おまけ本ネタ)

「なぁ大佐。今夜ヒマ?」
「……取り立てて用事はないな」
「じゃあはいこれ」
「…? 何だ、100センズ硬貨じゃないか?」
「うん。一晩分」

「……(買われた!?)Σ( ̄□ ̄;)」


―――100センズの価値の男・ロイ=マスタング。







「…兄の威厳が……」
「だ、大丈夫だよ兄さん、兄さんの方が上だよ!」
「………例えば何がだよ?」
「え゛?えーと、『悪辣さ』とか『ずる賢さ』とか『ふてぶてしさ』とか?」
「てめぇ!オレを何だと思ってんだ!?」
「もう、わがままだなぁ」
「……怒るぞ」
「あ、忘れてた!『美人度』なら兄さんのが上だよね!」
「…オレはお前のそーゆー思考が理解できん」


―――弟の兄像とはこれ如何に。







「交じらないのか、アルフォンス?」
「あれ、少尉」
「…しっかしまぁ、ホントにそっちの大将とうちの中尉は仲が宜しいことで」
「そうなんですよねー、さっきからずっと喋ってて」
「アレだな、あんだけ仲良いと俺ら入りにくいっつーか、なぁ」
「ですよねぇ。例えるなら、新婚の奥さんの所に旧友が尋ねてきて盛り上がっちゃって、居た堪れずに旦那が必要なく散歩に行く気分と言いますか」

「…心情的には何となく判るが、例え方が勢いよく間違ってねぇか?」


―――自称新婚らしい鎧の少年14歳。







「大佐ー。判子ー」
「はいはい」
「大佐ー。もっかい判子ー」
「…私は君専用印鑑じゃないんだがね」
「いーからさっさと押せっての」
「私が上司という事実を忘れてないか?」
「上司もピンキリだしな…っと、さんきゅ。提出してこよっと」
「って、ちょっと待て!それは何だ!?」
「何って…婚姻届?」

「どうして私の名が妻側に書かれてるんだ!?」
「…そこしかツッコミないんだあんた?」


―――ウェディングドレスを着るのはどちら?







「…重い」
「疲れてるんだ…膝くらい貸したまえ」
「うっせぇ。何が楽しくて男の頭なんか乗せなきゃいけねーんだよ」
「それはちょっと冷たくないか!?」
「あ?普通だろ。あー、暑っ苦しー。鬱陶しー。邪魔ー」
「……事後の態度が冷たいと文句を言う女性の気持ちが判ってしまったんだが」
「大佐、言われたことあるんだー。うわー、情けな」
「そんな訳あるか!女性にはいつでも礼を尽くしている!」
「……てゆーか、何でアンタが判るわけ」


――普通俺の台詞じゃないの、と呟く金髪の少年と2人、ベッドの上。







「おーい、さっき大佐が中尉を夕飯に誘うのまた失敗してたぞー」
「本当かぁ? 懲りねぇなあの人も」
「ですな。これで12度目です」
「そうなんですか? ちょっと意外ですよね」
「ん? 曹長、もしや中尉がなびくと思ってんのか?」
「え? いえ、大佐って無謀な事はしても、無駄な事はしない人だと思っていたもので」
「……なぁ曹長。お前さん、大佐のこと実は嫌いだろ」
「何言ってるんですかー。尊敬してますよー」


―――嘘吐け、と内心呟く軍人が3人。







「この…っ、くそ親父―――っ!!」(どげしっ)
「ぐは…っ、と、トリシャ…っ!?」
「あ゛ぁ!?」
「あぁエドワード!今の拳は威力といい、抉り方といい、容赦なさといい……本当にトリシャそっくりだ……さぁエド、もう少しトリシャを思い出したいから今一度…!」
(((どんな夫婦だったんだ!!?)))
「うるせぇ!!俺なんかの拳が母さんに敵うわきゃねーだろが、このボケ親父!!」
(((否定するトコはそこなのか―――!!?)))


―――謎に包まれたエルリック一家。







「よーし、此処が中央司令部な、メイ」
「広いですネ〜っ」
「あら、エドワード君。そちらの子は?」
「あ、中尉。久しぶり。こっちのはメイ。俺の連れ」
「初めましテ!貴女がホークアイ中尉さんですネ!」
「初めまして。私のことはエドワード君から?」
「はイ!私の憧れのエドワード様の憧れの人ですカラ!」
「…メイちゃん。困った事があったら何でも言いなさい。力になるわ」
「ありがとうございマス!」

「…おい、今中尉明らかにガッツポーズしてなかったか」
「っていうか、あの子ものの数十秒で中尉を味方にしたぞ…」
「女って怖ぇ…」

―――お花畑に新たな華が。







「2人はサンタクロースをいつまで信じてたの?」
「え、サンタっていないの?母さんいるって言ってたよなぁ?」
「確かに僕たち可哀相だから見逃してあげてたんですけど」
「は?見逃す…と言いますと?」
「だからー、周りの友達がサンタだクリスマスだってはしゃいでるから、俺たち訊いたんだよ母さんに」
「そうしたら、母さんが『サンタさんはね、毎年クリスマスになると全世界の良い子たちにプレゼントを持って来てくれるのよ』って」
「なんだまともじゃないか」
「で、にっこり笑って『だからね、とりあえずサンタらしき人影を見つけたら…狩 り な さ い』」
「そこで疑問に思えよ兄弟!!命がけだなサンタ!!」

―――しかし見逃す選択をする辺り、まだ良かったと思う軍部メンツ。







「じゃあ50回までで、誰かいるか?」
「おいおい、そりゃないだろ。最低100からじゃないか?」
「100はさすがにないと思いますよ?それまでにあちらの忍耐力が切れますね」
「んじゃ、オレ75回目までにはっ倒されるに1000センズ」
「そ−だな…130回以上で半ば同情で頷く。1000センズ」
「ボクは50回以下で引き金が引かれる、に1000センズで」
「…お前意外と容赦ないのな」
「私も参加していいですかな」
「おう准尉。お前さんどれくらい行くと思う?」
「現時点で、どれくらいになってましたかな?」
「今日で大佐、晴れて27回目の撃沈。今日も中尉に変化なし」

「…では私は、すでに心境的にはほだされている、に1000センズで」

「「「…大穴狙い……?」」」
「いえ、おそらく私が勝つでしょう」

―――有閑軍部。上司が腹心を何回口説けば落とせるかトトカルチョ開催。







「リザさんのお宅訪問〜、お邪魔しまぁすっ♪」
「それじゃ上着を置いてくるから、冷蔵庫から好きな飲み物出しててね」
「ありがと〜。ついでに冷蔵庫チェーッ……リザさん…?」
「なぁに?」
「みっしり詰まってるこの箱は一体…」
「あぁ。弾丸って冷やした方が威力が増すような気がして」
(…嘘だ絶対嘘だどうせなら化粧品のひとつでも入っていて欲しかった…考えてみれば給料日前だ…)

―――今度訪問する時には食料を買い込んで来ようと決意する少年。




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