声を張り上げ前へ!前へ!

最初にタイトルについてですが、ドッジの場合、守備のときはいかに素早くターンしてバックするかが重要ですよね。
それをあえて「前へ!前へ!」とは?


アッくんは5年生の夏頃に入部してきました。
入部したての頃は、ボールを投げる・受けるといった基本的なことでさえ上手にできませんでした。
試合に出てもすぐに当てられて外野行ったまま戻ってこれない・・・そういった事の繰り返しでした。
その上器用に要領良く上達していく子もいるなかで、アッくんはなかなか上達していきません。
キャッチしてこそ楽しい、アタックを決めてこそ楽しいのがドッジ、上達してこそ楽しいのがスポーツです。だから、アッくんにとってドッジは本当に楽しいのだろうかと、心配でした。
そんなアッくんが練習に来れば人一倍真面目に取り組むのです。
そして誰よりも声を出すのです。声出しが苦手は我がチームにおいては、アッくんの声だけが常に響いていました。
やがて、アッくんの真面目な姿勢がチームになくてはならない物になっていきました。
下級生のひとりが言っていました。
「アッくんは絶対レギュラーで試合に出なあかん。」

チームの勝利に向かって自分にできること、それを精一杯頑張る。その姿がチームに波及しないわけがないです。
アッくんに倣って声だしするメンバーも次々と増えていきました。

そのアッくんも6年生の後半になってくるとキャッチも上手になっていきました。ターンして下がりながらも気持ちだけは敵チームに向かって「前へ!前へ!」
その気迫がアタッカーの標的から外れるようになっていったのです。
ある大会でこんな会話を交わしました。
「アッくん、今日の大会は一回もアウトになってへんな。」
「だって、ぜんぜん狙ってこうへんねんもん。」


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