「クローンと王様」
リシャールの牢屋の前にて。
「自分がクローンでした、とかより、自分と同じ顔が何十人も居るという事実の方が吐きそうです」
「ああ、そうか」
「いいよね。リシャールくんはエリオット一人だけで」
「アンバーさん!僕の方がオリジナルですからね!」
「ぶっちゃけそんな事どうでもいい。むしろリシャールくんの方が本物っぽい」
「酷いです!」
完全に目が座ってるアンバーと、その横で大げさに泣くエリオットに牢の中のリシャールはうんざりです。
(何なんだこの二人は・・・・)
「あ、そうそうリシャールくんに差し入れ預かってきたよ」
鞄からボワンとデカイ物が出てきました。
「・・・・・」
「羽毛布団。高級品」
ギュムギュムと格子の隙間から押し込みます。
「・・・・すまない」
牢屋の中が布団でみっちみちになりました。
「ちなみにライエルさんからです」
(あのアホが!!!)
「こちらはリーヴスさんから」
またギュムギュムと押し込みます。
「羽毛布団。こっちも高級」
「何で二人とも布団なんだ!」
牢屋の中がさらにみっちみちになりました。
「何か、二人で競ってたみたいですよ」
あの二人の無駄な競争意識を思い出してため息が出ます。
「あと、王母アンジェラ様から」
「・・・・布団か」
「ご名答」
(・・・何で同じ物ばかり)
「掛け布団はアーネスト、敷き布団はオスカー、枕は母上のを使うから、残りは引き取ってくれ」
「もったいない」
「無駄にフカフカな布団三組に押されてもはや寝る隙間も無いんだ!仕方ないだろう」
「ですね」
納得して隙間から布団を引き抜きます。
「それでは、残りの布団はありがたく頂いて行きます」
「ああ、宜しく言っておいてくれ」
腰を上げたアンバーが、何かを思いだし鞄を漁りました。
「忘れてた、これは俺から」
鉄格子の間からガサッと突っ込まれたのは紫色のドライフラワー。
「ラベンダー。カレンさん曰く効果は安眠だそうです」
「・・・・・・・」
「では、また来ますので」
行商人のように布団を背たろうて帰る後ろ姿に声をかけました。
「お前はどうしてそう頻繁に来るんだ?」
その言葉に
「だって、兄弟みたいなものでしょ。俺と貴方」
当たり前のように言って、アンバーは階段を上がって行きました。
床におかれたドライフラワーの花束と、牢屋を圧迫する布団を交互に見、ため息をつきました。
「・・・まったくどいつもこいつも、私の事など放っておけばいいものを・・・」
「その割に嬉しそうですね」
口調とは裏腹に口元がほころんでるリシャールをエリオットが茶化します。
「・・・・お前はさっさと王座へ戻れ」
「僕に王様ってむいてないんですよ・・・・」
とほほ、と声に出していいそうな自分のオリジナルに、さっきとは違う意味で深いため息がもれるリシャールでした。
初グロランSS。何となく、王様とクローン×2
主人公がクローンとわかった時、皆はもっと驚くべきだと思います
微妙なスルーが大変ショック。もっとこうあるだろうよ
ミーシャの時はもっとみんな驚いたじゃん!私の時ももっと驚けよ!(率直な感想)
今プレイしてるのはPS版なのでリシャールは仲間になりません
仲間になったら結構好きな性格だと思います。私を好きだと言えばいいと思います
ナイツの二人に愛されてるのがいいです。と言うか白い方過剰じゃないか?
PSP版。リシャールについて、ナイツの二人も仲間になればいい
Cルート固定。主人公、リシャール、ライエル、オスカー、ジュリアンとかあればいいのに・・・・
主人公の性格がまだつかめてませんが、初の「俺」呼びの子なんで、大雑把な性格でいきたいと思います
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